こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『互換性の王子』(水鈴社)からはじまっての、雫井脩介著いろいろ。
いつものカメリアステージ図書館新刊棚での出会いに加え、SNSでお友だちが紹介してくれる「この人の小説が面白かったよ!」情報により、このところ「知らなかった!読んだことなかった!」人気作家さんの存在が増えてきています。面白いのは、お名前を知らなくても、著者名で検索してタイトルを見ると、「あれ、なんか見たこと(聞いたこと)があるような…」という本が出てくること。やはり人気作家さんの本は映像化しているものがたくさんあって、映画情報やら配信情報やらで目にしたり耳にしたりしているのだなぁと、あらためて思います。
先日読んだ雫井脩介さん。こちらは図書館新刊棚での発見でしたが、その本が面白かったので、さかのぼって蔵書検索。数冊まとめて借りてきました。何度も同じことを言っていますが、こういうとき、ほんとうに図書館って便利でありがたいなぁと思います。で、まずはお名前の読みを確認、「しずくいしゅうすけ」さんなのですね。読めませんでした。
さて『互換性の王子』に続けて読んだのは、『望み』(KADOKAWA)、『検察側の罪人』(文藝春秋)、『クロコダイル・ティアーズ』(文藝春秋)の三冊。
いやもうどれも面白かったです。引き込まれて週末一気読み。すごいな、と思ったのは、これまで読んだ四冊がそれぞれまったく別物だということ。そんなの当たり前、とおっしゃる向きもあると思いますし、確かにそうなんです。が、同じ作家さんが書いたものは、ジャンルやアプローチがまったく違っていても、その方のクセというか「心のなかにある引っ掛かり」がたびたび本の中に顔を出すのを見つけることがあるのも事実。雫井脩介さんの前に読んでいた、中山七里さんの場合は、それがわりと如実でした。奥田英朗さんも、そうですね。多作でジャンルも異なるなかに、同じテーマが通底しているのを、読みながら感じます。
どちらが良いとか悪いとかいうことではなく、そういうものが出てくるのがふつうだろうと思いこんでいたもので、それが発見できなかったことにちょっと驚いたのでした。今回の選書がたまたまだったのかもしれませんが、「ミステリー」というほかは、かなり趣の異なるストーリーであったのも、新鮮でした。いずれも面白かったです。
雫井脩介さんの本もまた、まだまだ読んでいないものがたくさんですので、これからも楽しみが続きます。図書館でコツコツ借りて参ります^^