読書:瀬尾まいこ

読書『強運の持ち主』(文春文庫) 『天国はまだ遠く』(新潮文庫)瀬尾まいこ著 の中編ふたつ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『強運の持ち主』(文春文庫) 『天国はまだ遠く』(新潮文庫)瀬尾まいこ著 の中編ふたつ。

いつものカメリアステージ図書館より。先日久しぶりに読んだ瀬尾まいこさんの文体が、とっても優しくて心にしみるような感じで嬉しかったので、目に入ってきた著者名に、迷わず手が伸びました。

『強運の持ち主』は、占い師になった主人公のもとに訪れる相談者の相談内容と、主人公自身の日々の生活とが淡々と描かれています。公式サイトに「“小さな世界”へのこだわり」というタイトルで書評が載っていますが、その「小さな世界=日々の生活」と結びついた喜怒哀楽が、どれだけ大切なものか、が、じんわりと伝わってきます。

『天国はまだ遠く』では、自殺未遂をした主人公が死にきれず、自然に囲まれた山奥で毎日を過ごしていくうちに、「自分の居場所」について気付いていく物語。こちらも、スタートは「自殺未遂」という、ある種事件でありながら、穏やかに毎日を積み重ねることで自分を取り戻していく様子は、事件とはかけ離れています。

両方とも、さもない日々の生活こそが人生なのだと思わせてくれる物語。読後感がとにかく「やさしい」の一言です。きっと著者の瀬尾まいこさんのお人柄が、書くものににじみ出るのだろうなぁと勝手に思いつつ。

『強運の持ち主』(文春文庫) 『天国はまだ遠く』(新潮文庫)瀬尾まいこ著

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯(はなまつりがま)の内儀(おかみ)であり、Meet Me at Artを主宰するアートエデュケーターでもある、ふじゆり のブログです。