読書『世紀末の光と闇の魔術師 オーブリー・ビアズリー』(パイ・インターナショナル)海野弘解説・監修

読書『世紀末の光と闇の魔術師 オーブリー・ビアズリー』(パイ・インターナショナル)海野弘解説・監修

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『世紀末の光と闇の魔術師 オーブリー・ビアズリー』(パイ・インターナショナル)海野弘解説・監修

久留米市美術館での「ビアズリー展」に行ってきました!のブログを書いたのは昨日のこと。そのミュージアムショップで入手したお宝資料です。ダンナがさっさと展覧会図録を購入していたので、図録が一冊あればよいかなとも思ったのですが、図録サイズで並んでいた魅力的な表紙に思わず手が伸びました。上の写真がその表紙。帯に「待望の作品集!」とあり、今回の展示には含まれていない資料も載っているのに加え、ビアズリーの生涯と作品、取り巻く人々との関係性など、読み物としても興味深そうでしたので、手元資料としてこちらもゲット。

解説・監修を手掛ける海野弘氏は、評論家・作家とありました。平凡社で『太陽』の編集長を経て独立なさったと読み、なるほど納得です。わたしがこの分野で仕事をすることになってから、『別冊 太陽』にどれだけお世話になったことか。そして出版元の「パイ・インターナショナル」の名前も存じ上げなかったのですが、その刊行一覧を拝見していると、デザイン・アート・文化のジャンルに力が入っていることがわかります。さらっと見ただけでも「これ欲しい」な本がいくつも。注目していきたい出版社さんです。

さて『世紀末の光と闇の魔術師 オーブリー・ビアズリー』。図版も文章も、ボリュームたっぷりです。ビアズリーの活動期間であった19世紀最後の10年間。短くも濃厚な10年間に生まれた作品の数々と、その背景にあるものの解説は、読むのにエネルギーが必要でした。もちろん本書のメインは作品のビジュアルですので、文章の占める割合は多くはありませんが、それでも重厚。読みながら、展覧会を見てきたあとにちょうど良いと思う気持ちと、お腹いっぱいになってしまうという気持ちとが交錯しました。

ともあれ、本棚に久々に超お宝本が追加されました。ビアズリーの絵は好き嫌いもあると思います。ビアズリーの絵が好きだという方、ビクトリア朝の時代に興味があるという方にはおすすめの一冊です。

『世紀末の光と闇の魔術師 オーブリー・ビアズリー』(パイ・インターナショナル)海野弘 解説・監修

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。