津屋崎浜

読書『知の編集術 発想・思考を生み出す技術』(講談社現代新書)松岡正剛著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『知の編集術 発想・思考を生み出す技術』(講談社現代新書)松岡正剛著

少し前にお友だちとおしゃべりしていたときに名前が出てきた「知の巨人・松岡正剛」氏。お名前はどこかで聞いたことあるけれど、どこでだったかしら、と思いながら「よく知らない」と答えて、松岡正剛氏の概略を教えてもらっていたのでした。解説を聴きながら、同様の内容をどこかで聞いたことがあったような、と思ったまま数か月。実は「読んで」いたことに気が付きました。

先般「再読書」でとりあげた、田中優子先生の『蔦屋重三郎 江戸を編集した男』の文中にちらほら、そして巻末あとがきにがっつりと、松岡正剛氏のお名前が出てきていました。あらまあ、こんなところで目にしていたのね!です。俄然興味がわいてきましたので、本屋さんで探してみたところ、著者名で蔵書検索すると大量に出てきましたので、初心者であるわたしには、まずは新書版が良いかなと思い、本書をチョイス。

で、読み始めたのですが…難しい。いえ、たぶん難しくはないのですが、語り口が哲学的というのでしょうか、読み進めるのに、ずいぶんと時間を要しました。なんだか試されている感じです。そして時間を要しても、なかなか頭に入ってこない。文中にしばしば「編集稽古」なるものが挿入されていて、実際に自分で「編集作業」をやってみながら体感するようになっています。が、やってみてもわかったようなわからないような、ということはわかっていないのだな…という状況です(笑)。

ただ、本書で言う「編集」が、一般的に使われる「本や雑誌の編集」的なニュアンスにとどまらない、少々乱暴な言い方をすれば、生きることそれ自体が「編集」という言葉で説明できるのかも…ということだけはわかりました。そして誰もが日々無意識に「編集」を積み重ねているということも。たぶん、そんなことが書いてあるのだと思います。突き詰めて考える気持ちがないと、本書に書いてあることをしっかり飲み込むことはできないかも、という読後感です。

氏はイシス編集学校なるものを立ち上げており、ご本人が亡くなった後も続いています。そしてなんと、田中優子先生は、ここの学長でいらっしゃいました。ともあれ、ちゃんと読んだ!と言える状態ではありませんので、少し時間をおいて再読したいと思います。その時は「そうそう!」と腹落ちできることを期待して。

『知の編集術 発想・思考を生み出す技術』(講談社現代新書)松岡正剛著

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。