『レッド・ツェッペリン:ビカミング』

2025年の映画7本目は『レッド・ツェッペリン:ビカミング』。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2025年の映画7本目は『レッド・ツェッペリン:ビカミング』

SNSのフィードに上がってきた友人の投稿に「レッド・ツェッペリンの映画を観てきた」とあるのを発見し、「えっ!そんなのあったの!?」となり、大急ぎで調べたのでした。福岡県内の上映館は5カ所のみ、すでに上映終了となっているところもありドキドキでしたが、アクセスしやすいところでは、ららぽーと福岡内にあるTOHOシネマズで上映されていることがわかり、いざ「初・ららぽーと」へ。上の写真は、入場時にもらったレコード型のうちわ^^

感情が揺さぶられることが予想されたので、チケットをとった時点で誰も座っていなかった一番後ろの列の席をゲット。幸い周りには誰もいない席となり、没入して楽しむことができました。平日昼間の館内は、20名ほどのお客さんで、わたしより先輩と思しき皆さまでした。それはそうですね。これまで深く考えたことがありませんでしたが、レッド・ツェッペリンのデビューアルバムが出た年に、わたしは生まれていました。洋楽を積極的に聴き始めたのは1980年以降であり、ツェッペリンが解散したのが1980年ですから、リアルタイムには体験していません。なぜ聴き始めたのかは、「こんばんは、渋谷陽一です」の影響にほかならず。

今回の映画は、リアルタイム世代ではない欠落部分を、大幅に補ってくれるものでした。わたしにとってのツェッペリンは、ラジオやCDなど、もっぱら耳から入ってくるものであり、ヴィジュアル的なイメージは、アルバムジャケット以外には無いに等しかったのです。映画館で、大音量で、演奏するメンバーの姿を目に音に浸る体験は、とても嬉しいものでした。ニヤニヤしたり涙が出てきたり思わず体が動いたり、大忙しの2時間。これまでずっとジミー・ペイジを特別視していましたが、本作を見て、4人がそれぞれに天才的であったことがわかりました。一人でも欠けたら成り立たない。解散の理由があまりにもはっきりしていました。

エンドロールが流れて止まり、館内がぼんやり明るくなっても、しばし誰も立ち上がらなかったのが印象的でした。観終わってすぐに、またすぐもう一度観たくなった映画でした。今もまだ、頭のなかに音が響いています。なぜ自分がツェッペリンに惹かれたのか、少しだけわかったような気がしました。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。