読書『燃えよ剣』(新潮社)司馬遼太郎著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『燃えよ剣』(新潮社)司馬遼太郎著

これまたいつものカメリアステージ図書館から、長期休館につき多めに借りてきたなかの一冊。ついに、司馬遼太郎さんに手を伸ばしてしまいました。わたしのなかで司馬遼太郎さんの棚と山崎豊子さんの棚が、図書館で手に取る際に「要注意!」な棚です。その理由は、ファンの方々なら察していただけると思いますが、冊数が多いこと。何年か前に、山崎豊子さんについては、3巻以内で完結するものを読む、ということをやりました。両氏とも、1~2冊で終わるものを探すのが難しい(笑)。

さて『燃えよ剣』は、上下巻二冊ですので比較的短めで、まずはここからです。司馬遼太郎作品はこれが初めてのはずなのに、読み始めて100ページほど進むうちに、既視感を感じました。そして200ページほど読み進めたころには、既視感の正体がわかりました。三谷幸喜脚本の『新選組!』はこれを底本としていたのですね。とっくにご存じの方々には「なにを今頃」かもしれませんが^^

そうと気が付いてからは(気付く前からかもしれませんが)、脳内イメージは、近藤勇は香取慎吾、土方歳三は山本耕史、沖田総司は藤原達也…と、すっかり三谷脚本の顔ぶれです。そういうこともいくらかは影響したのだと思いますが、まあ面白くて、ページの進むこと進むこと。先日京都御所を散策していたのも、思いがけずタイムリーでした。「蛤御門」って、この前通ってきたばっかりやん!的な。

ともあれ著者の、土方歳三への愛情の強さがめちゃめちゃ伝わってきました。江戸末期からの流れを「新選組」から眺めることができたのは、わたしにとってこの時代を少しでも理解する手助けになりました。ところどころで、史料(資料)に遺っている注釈的な内容が、「○○にはこのように書いてある」というように本文に挟み込まれるのが、とても良かったです。物語の中に、著者自身の言葉が割り込んでくることになるので、書き方によっては、読み手がジャマに感じてしまうリスクもあると思うのですが、ジャマになるどころか臨場感を増す役割を担っていたと、わたしは思いました。これが作家の「腕」なのでしょうね。

司馬遼太郎初読み、大満足でした。次もできるだけ冊数の少ない本を探さなければ…。

京都弾丸出張その2-よく歩きました。

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京都弾丸出張その2-よく歩きました。

京都弾丸出張その1はこちら。

さてJR山崎駅から京都へは各駅停車で向かいます。移動の間にアポを調整、京都御苑内の迎賓館ガイドツアーに時間を合わせて待ち合わせることとしました。近年の京都市内は、バス移動の時間見積りにリスクが伴うイメージがあるので、可能な限り私鉄や地下鉄を使うようにしています。京都駅からは地下鉄で丸太町駅へ。御苑に入った時点で、予約したガイドツアーのスタートまで1時間以上ありましたので、これは余裕♪のはずでした。

ちょうど京都御所の「秋の特別公開」がはじまっていましたので、アポの前にこちらをチェックすることに。ところがそこに向かう前に「閑院宮邸跡収納展示館」を見つけてしまい、吸い込まれるように中に入りました。

京都御苑 閑院宮邸跡収納展示館

1710年に創建された邸は1788年に大火で焼失したそうで、現在の建物は1883年に建てられたものを2003年度から全面改修・整備し、2006年から一般公開されているということでした。当時使われていたという、様々なパターンの菊の文様が入った器は、もちろん肥前磁器です。

菊文の入った食器は肥前磁器。

当日のお天気の良さも相まって、素晴らしい空間・居心地でした。

続いては、秋の特別公開中の京都御所。公開初日だったようで、ラッキーでした。入り口で荷物チェックを経て御所内へ。アポの時間までに30分ほどありましたので、ゆっくり見れるだろうと高をくくっておりましたが、間違っておりました。観て回れる範囲だけ(おそらく御所敷地全体の半分以下)でも、たいがいの広さです。そのうえ見どころも満載。途中から「これはまずいぞ…」と時計をにらみはじめ、ラスト10分はめちゃめちゃ速足で歩き、御所の出口が見えてきたときは、正直ホッとしました(笑)。あ、一番上の朱が美しい門構えの写真も、御所内で撮ったものです。

京都御所

息を整えながらも速足で京都迎賓館の受付へ。足元が玉砂利で、なかなか進まないんですよね(汗)。

さて京都迎賓館。無事Sさんと落ち合い、ツアーガイドで回りながら、近況報告です。京都迎賓館は2005年に開館したということで、まだ20年しか経っていないのですね。

京都迎賓館

「我が国屈指の伝統技能の粋が現代に結集した、他に類を見ない施設です」(京都迎賓館チラシより)とあるとおり、きっちりとしたみごとな仕事=「現代の伝統的技能」を拝見することができました。なるほど、このような場所で、海外からの重要なお客さまをもてなしているのですね。ここでの印象がそのまま日本のイメージになると思いますから、実際にその空間に入って知ることができたのは、とても勉強になりました。約90分というゆったりとしたガイドツアーで、解説も丁寧でした。

迎賓館ツアーが終了したら、今回の京都出張のメイン業務、お茶をしながらミーティングです。とはいえ、道中でほとんどのことは話をし終わっていましたが。おかげさまで、12月のロンドンもひとまず安心です。

すごくたくさん歩いた!と思いましたが、スマホの歩数カウンターによると、2万歩にも満たず。さてはちゃんとカウントできていないな、ということにして納得して、帰路につきました。実に盛りだくさんの京都でした^^

京都弾丸出張その1-よく歩きました。

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京都弾丸出張その1-よく歩きました。

ロンドン出張時のアポやレセプションで毎回お世話になっている、アテンド通訳のSさんが一時的に日本に帰国しているとお聞きし、会いに行ってきました。今年の12月にもSLADMOREのクリスマス・ショウに参加するので、そのアテンドについてご相談するのが主な目的です。いつもお忙しくなさっているので、善は急げ。もちろん通常はメールで済むことではありますが、せっかくお会いできる距離にいらっしゃるのですから、足を運びました。

限られた日本滞在中、あちらこちらを飛び回っていらっしゃる時間をいただくので、午後に京都御所あたりでの待ち合わせ、というざっくりした事前予約のみで、その場その時のご都合に合わせることに。京都に行けば観たい場所だらけですから、願ってもない待ち合わせ場所です。というわけで、朝から新幹線に乗りました。

午前中は時間に余裕がありましたので、新大阪から京都へ向かう途中で下車して、大山崎山荘美術館へ。行ってみたいと思いながらようやく!の館のひとつです。建物を拝見して庭園を散策するだけでも素敵な場所だろうな、と思いながらの初訪問。タイミングよく、今年開館30周年を迎えたということで、ふたつの記念展を拝見することができました。ラッキー♪

まずはジョルジュ・ルオー展。大山崎山荘美術館所蔵の4点に、東京のパナソニック汐留美術館蔵から35点を招いての展示でした。この山荘を自ら設計したという実業家・加賀正太郎氏による建物は、イギリスのチューダー・ゴシック様式を基本としたということです。重厚な雰囲気の展示室は、ちょうどよい規模感でした。個人的には、ルオーの作品は道化師やピエロというイメージが強かったのですが、実は聖書に基づく主題を描いたものがとても多いのですね。展示されていた絵画も、キャプションを読めば、ほとんどがそういうものでした。でもわたしには、宗教画というよりは、市井の地べたの雰囲気が感じられました。黒い線の力強さと、全体として暗めの色調に「土」の匂いを感じました。

思いがけず良いものを見た~と思いながら次の展示室へ。廊下でつながる別館は、安藤忠雄氏による「地中の宝石箱」と名付けられた、地階の展示室です。こちらは「クロード・モネ展」でした。モネは没後100年だそうです。ワンルームの程好いサイズの展示室に、大きなモネ作品が6点。ぐるりとモネの世界に囲まれる、なかなかに贅沢な空間でした。モネが「睡蓮」を何枚も描いているのは有名ですが、今回初めて拝見した「睡蓮」のなかに、赤い花が咲いているのを見つけ、お気に入り認定^^ これは好きな人にはたまらないでしょうね。思わず結界ギリギリまで寄って絵を見ていましたら、監視員のお姉さんにニッコリと笑顔でけん制されました。

常設展では、美術館開館に際してコレクションを寄贈なさったという、アサヒビール初代社長・山本為三郎氏について、少し知ることができました。民藝運動の後援者でいらしたのですね。コレクションには、河井寛次郎、浜田庄司、バーナード・リーチらの作品をはじめ、国内外の工芸の名品が含まれているということです。「自然に囲まれた素敵な山荘で絵を観ることができる美術館」というイメージ以外に、まったく前情報を持たずに訪問しましたが、期待以上にお腹いっぱいになりました。

帰りは庭園をお散歩して、秋晴れの気持ち良い空気を存分に楽しみました。庭園のあちらこちらで絵筆をとっている人があり、これがまた嬉しい景色でした。館内の観覧料はかかりますが、庭園はフリーなのですね。素晴らしい。

と、気が付いたら結構な長文になってしまいましたので、続きはまた明日。

「英研究機関と協定」ですって!― 西日本新聞の記事から

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「英研究機関と協定」ですって! ― 西日本新聞の記事(2026/10/6)から

この2026年10月から、このブログに「ニュースから考える」カテゴリーを追加することにしました。新しいカテゴリー(今日からカテゴリー名「気になったニュースから」にしました)で、記事数が少ないので、ちょっと頑張って連続で上げて行きたいな、と思っています。ニュースソースとしては、新聞・雑誌・ウェブコンテンツなど。記事に載っていた内容について思ったことをつらつら書くスタイルです。出典元を記載しますので、関心のある方はぜひ元ネタにあたってみてくださいね♪

福岡県のローカル紙・西日本新聞からの、めちゃめちゃ地元!な記事です―世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の保存活用協議会が、英国セインズベリー日本芸術研究所と学術交流の連携強化を目的とした協定を締結した―というもの。花祭窯のある福津市には、「新原奴山古墳群」があり、この「関連遺産群」に名前を連ねています。というわけで、新聞に載っていた協定締結の記念写真には、福岡県知事や宗像市長や宗像大社宮司と並んで、ご近所住人でもある福津市長の顔もあり。

「セインズベリー日本芸術研究所」の名前に目が留まりました。英国セインズベリーといえば、ロンドン市内あちらこちらで見かけるスーパーマーケットチェーンです。出張時にお世話になっている宿の最寄りスーパーがセインズベリーなので、毎回足繁く通う(!?)親しみのあるスーパーなのです。ヴィクトリア&アルバート博物館のなかに、セインズベリーギャラリーなるスペースがあり、コレクションを寄贈しているのを観ていますので、スーパーマーケットの事業で儲かったのを文化芸術方面での支援に回しているんだなぁ、こういう寄付文化が英国の美術館を支えているのだなぁ…と思っていました。

が、「日本芸術研究所」なるものがあるとは存じませんでした。まったく思いがけないところで「セインズベリー」の名前が聞こえてきて、驚くやら楽しくなるやら。とはいえ、ただわたしが知らなかっただけで、世界遺産に登録されてすぐのころから、つながりがあったようです。公式サイトを拝見すると「本研究所の使命は、過去から現在にわたる日本の芸術・文化の分野において、世界の最先端をいく最高水準の研究を推進し、日本芸術文化学のけん引役となることにあります」とありました。そのなかのひとつに、ご近所の世界遺産が入ったのですね。そうとも知らず、ただ「使い勝手の良いスーパーマーケット♪」と思っておりました。たいへん失礼いたしました…このニュースひとつで、認識がまた新たになりました。

「海外観光客も引き続き無料」についての小さな考察 ― ARTnews JAPANの記事から

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「海外観光客も引き続き無料」についての小さな考察 ― ARTnews JAPANの記事(2026.09.29)から

この2026年10月から、このブログに「ニュースから考える」カテゴリーを追加することにしました。ニュースとはいっても、個人的に興味のある分野に限られますので、美術・工芸系のもの、ざっくりと人文系が多くなるかな、と思います。ニュースソースとしては、新聞・雑誌・ウェブコンテンツなど。ニュース記事の内容について思ったことを、つらつら書くスタイルです。出典元を記載しますので、関心のある方はぜひ元ネタにあたってみてくださいね、という感じで^^

記念すべき第一回目は、株式会社MAGUSさんが運営するARTnews JAPAN(アートニュースジャパン)の記事から。株式会社MAGUSさんは、寺田倉庫さんを中心に設立された、アートのプラットフォームを目指す会社ということで、わたしはそのウェブサイトをつい最近発見したのでした。美術品の物流業からアート関連事業をどんどん拡げておられる寺田倉庫さんの肝入りとなれば、注目度も高そうです。

さて

ARTnews JAPANより「海外観光客も引き続き無料」のニュースは、英国から。「イギリス政府は9月28日、大英博物館やテート、リバプール国立博物館群など、イングランドの国立博物館・美術館で海外観光客から入館料を徴収する案を撤回すると発表した」とありました。そもそも有料化する案が具体化しているということも知らなかったワタクシ、このニュースを見てドキッとするやらホッとするやら。そういう議論があるのは聞いたことがあったのですが、ね。

ロンドン出張時になにがありがたいかといって、主だった美術館博物館が入場無料であり、しかもその常設展示の規模と内容が素晴らしく膨大である、というところなのです。無料だからこそ、アポの合間に15分空いた!といって、近くの美術館に飛び込むことが出来たりもします。各館、無料で入れるとはいえ、ドネーション(寄付)の呼びかけが随所にありますので、わたしも行ったときには必ず幾ばくか寄付をします。たぶん、そういう人がかなりたくさんいらっしゃるはずです。昨年行ったときには、キャッシュレス化が進んでいましたが、コロナ禍前までは多くの館で透明の寄付箱がおいてあり、コインばかりでなく高額紙幣がたくさん入っているのを、ビジュアル的に見ていました。お金を持っていなくてもウェルカム、だけど館の存続運営のために、協力できるとき・協力できる人はよろしくね♪というスタンス。

寄付に積極的に協力するのは、入館料が無料だからこそ!という一面もあると思います。「こんなにたくさんの本物の資料を、無料で見ることができるなんて」という感激が、寄付に向かわせます。海外からの観光客となれば、入館すれば、館内のカフェでゆっくり飲食をしたり、ミュージアムグッズを買ったりして、お金を使うことも多いでしょう。おそらくそういうことがわかっているからこそ、現場である各館からは有料化に反対の声が上がっていたのだと思います。敷居はできるだけ低くして、中でお金を使ってもらうほうが、双方嬉しい結果につながるのではないかしら、というところですね。もちろん比較した試算を見たわけではありませんので、あくまでもイメージですが。

この記事を読んで思い出したのは、わたしが英語学習用を兼ねて勉強に使っているDVD『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』の中のいくつかのシーンです。このなかに、館運営のための予算を検討するシーンがあり、国からのサポートが厳しくなっていることがうかがえる会話が出てきます。日本の美術館博物館も財政的に厳しい状況ですが、英国でもそうなのだなぁと思いました。この映画が公開されたのが2014年でしたので、今はもっと厳しくなっているのかもしれませんね。

読書『異常に非ず』(新潮社)桜木紫乃著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『異常に非ず』(新潮社)桜木紫乃著

いつものカメリアステージ図書館から、図書館が一週間ほど休みなので、多めに借りよう!と手を伸ばしたのは、久しぶりの桜木紫乃さん。約一年ぶりでした。いっとき集中して読んだ時がありましたが、重いものが多いので、たまに手を伸ばすぐらいが、わたしにはちょうど良いのかもしれません。

昭和54年に大阪で実際に起きたという銀行立てこもり事件をもとにした、フィクションです。昭和54年=1979年、わたしは10歳で、子どもではありますが同じ時代に生きていました。そのような事件があったということは、まったく覚えていませんが。巻末に参考文献として『破滅―梅川昭美の三〇年』(毎日新聞大阪社会部編)のタイトルがあり、これが、実際のルポであったことがわかります。

読みながら、なんとも暗澹たる気持ちになりました。心療内科医の海原純子先生が、新潮社の公式サイトで書評を書いています。その文章中に登場する「社会や文化に根差した無意識の心理的束縛、いわばゴースト」「お互いに依存しあう関係から抜け出せずフラストレーションが高まっていく」の記述に、事件を起こした当人の当時の状況だけでなく、現代にも共通するものがあることを思いました。あるいはいつの時代にも、このゴーストは少しづつ姿を変えながら存在しているのでしょう。

本書のタイトルは、「オレは精神異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや」というセリフからついていて、「道徳と善悪をわきまえない」の意図するところを考えさせられました。こうしてひとつのフィクションの形になることで、登場人物がそれぞれの境遇や行動の背後にどのような思いを抱えていたのかを、推し量る足掛かりにもなるのだろうな、と思いました。あくまでも推測の域を出ないのではありますが。

読書『どれか一つは嘘』(集英社)キム・エラン著/古川綾子訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『どれか一つは嘘』(集英社)キム・エラン著/古川綾子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。10月上旬に館内整理で1週間ほど休館する、ということで、いつもより少し多めに借りてきたなかの一冊です。韓国の作家さんによる小説は、長いこと守備範囲外でしたが、図書館の新刊棚に入ってくるおかげで、手に取る機会が少しづつ増えてきているように思います。

キム・エランさんの著書は初めまして、でした。それぞれに、しんどい状況、秘密と背景を抱えた、三人の高校生が主人公です。韓国も日本も、「現代」が抱える過酷さは共通するものがあるのでしょう。登場人物の名前こそ、国柄を感じるものでしたが、舞台が日本であってもまったく違和感なく読めるだろうな、と思いました。

タイトルになっている「どれか一つは嘘」は、主人公たちが通う高校で、クラスの先生が提案した自己紹介方法。これがとても絶妙な方法で、なるほどたったこれだけのことでも、気持ちをいくぶん楽にする方法にもなるのだと、思わず感心しました。とっても簡単な仕組みでありながら、絶妙です。なにがどう絶妙なのかは、読んだら感じ取っていただけると思います。

しんどい物語を、とつとつとした文体でつないでいます。著者の目線の優しさが伝わってくるような感じです。加えて、原文では読めないので、確かなことはわかりませんが、翻訳者の方の原著に対する思い入れがあってのことでもあるのでしょうね。毎度のことながら、海外の良書をわたしたちに読めるように差し出してくださる翻訳者の方に、そして刊行してくださる出版社に、感謝です。

毎年秋の恒例茶会、香椎宮での献茶式→野点、でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

毎年秋の恒例茶会、香椎宮での献茶式→野点、でした。

毎年秋に行われている茶道南方流の香椎宮献茶式と、報恩寺での野点茶会。南方流のお茶会は「稽古茶会」です。お茶会はその前日の準備とセットであり、お茶会前日と当日に生じる仕事に合わせて係があります。昨年の野点から「席決め係」チームの仕事を仰せつかったワタクシ、今回の野点で1年が経った=お茶会での勤めを1周経験したわけなのですが、いまだ慣れません。一緒に仕事をしてくださる皆さまがいらっしゃるから、なんとかなっている(!?)という感じです。

今回は参加者が50名以上とあって、1席の人数が25名を超える大所帯でのお茶会となりました。準備段階ではどうなるのかしらと思っていましたが、ちゃんとなんとかなるところが、和尚様はじめ先生方の采配の素晴らしさ。しなやかな判断力とリーダーシップで、人としてこんなふうになりたいと思うお手本を、目の前で拝見できるのはありがたいことです。

当日は雨予報も出ていて、一瞬パラパラとすることもありましたが、無事に野点茶会を終了することができました。ところで香椎宮での献茶式は、先代の師匠(和尚様)によって昭和22年からスタートしたということで、来年は80周年だとか。このように長く続く関係性の中に、参加させていただいていることの不思議を感じます。

秋の夜長の勉強合宿(宿泊はしていないけど)でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

秋の夜長の勉強合宿(宿泊はしていないけど)でした。

自分が学びたいと思っている分野について、「勉強会を計画しているので、参加しませんか?」と、声をかけてもらえるのは、とってもありがたいことです。長年、EC系の勉強会でご一緒してきたお友だちからのお誘いは、自分にとってプラスになるのがわかっているので、スケジュールさえ合えば、迷いなくGOです。

というわけで、10月は少人数勉強合宿からスタート。まずは、マニアックな事業をなさっている方の仕事場拝見からです。実はこの4月にも見学させていただいたので、半年しか経っていませんでした。が、その半年の間に、前回の勉強会で学んだことをご自身の業務の多くに取り入れていらっしゃるのを目の当たりにして、思わずうなりました。あたりまえですが、同じ勉強会に参加していても、どれだけ速やかに自分の仕事に具体的にフィードバックできるかで、違い(あるいは「差」)が出ますね。わたしは生かせていないなぁと思いました。ただ、その分野に関しては「うちの場合はそれでOK」という判断の上なので、それが駄目だということでは無く。

そのあとはご飯を食べながらのざっくばらんな情報交換会。今、参加者の皆さんがそれぞれどのようなことを考えて、どのような動き・取り組みをなさっているのか。会話の端々から、たくさんの検討材料を得ました。特に、海外進出に関しての状況をいろいろと伺うことができたのが、わたしにとっては今後に向かって良い機会となりました。北米、台湾、シンガポールなど、これまでに何度も話が出ては、結果としては事業に結びついていないケースについて、あらためて考え直すきっかけになりました。

ご一緒いただいた皆さまに、心より感謝です。ありがとうございました。

久々の女子会は、なにげに貴重な情報交換会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久々の女子会は、なにげに貴重な情報交換会。

対人関係における自分の生息エリアを考えたときに、いくつかの枠組みが思い浮かびます。仕事関係・仕事関連でのつながりが多いのは言うまでもありませんが、そのなかでも「どこでご一緒しているか」によって、顔を合わせたときの話題は異なり、それぞれに学びや面白さがあります。

今回の集まりは、社会教育関連つながりの面々。月に2~3回程度の会議で顔を合わせる皆さんです。通常、会議は平日の午後に行われ、年に数回、その会議後に「懇親会」が開かれることがあります。その懇親会のタイミングに、仕事が重なってわたしが参加できない!という状態がここ数年続いていました。わたし自身は、ふだんの会議の場でざっくばらんに意見交換をしているので、さして気にしていなかったのですが、わたしが参加できるときにランチミーティングをしよう!と計画してくださる方がありました。

メンバーは、40代前半から70代まで6名。世代の幅はありますが、ふだんから「社会教育」という共通言語で言葉を交わしている者同士、お互いの価値観のベクトルの方向を理解しやすく、会話がはずみます。話題はあっちに行ったりこっちに行ったり。個別の深刻な話題もありながら、それぞれのこれまでのキャリアも、現状も、まったく異なるからこそ、いろいろな考え方が出てきて、お互いに助言できることも多々あります。結果としてはまあ、ずいぶん笑いました。状況にもよりますが、ときに「笑い飛ばす」ことは大切で、その威力を実感する時間にもなりました。

ふだん会議で意見交換しているから意思疎通できている、と思っていましたが、議題がありフォーマルな会議の場で出てくる意見は、当然その場に沿ったものに限られるわけです。会議という枠を外した場であるからこそ、聞くことができ話すことができることもあります。おかげで、それぞれの考えの背景にあるものを垣間見る機会にもなり、良かったなぁと思いました。もともとチームワークの良い仲間でしたが、それがさらに強化されたような気がしています。それぞれに忙しいなか、わたしに時間を合わせてくださった皆に、心より感謝です。