ブログ「ふじゆりスタイル」の「投稿者プロフィール」を更新しました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ブログ「ふじゆりスタイル」の「投稿者プロフィール」を更新しました。

わたしが勝手に「ブログの師」と仰いでいる、「せっちゃん」こと展示活用アドバイザーの大島節子さん。まったく業界は異なりますが、彼女のブログ「展活Times」には、個人が自分の名前で仕事をしていく上での示唆があふれています。というわけで、自分の仕事に取り込めるところは、積極的に真似をさせていただいています^^

そんなせっちゃんが、ブログ「展活Times」で『生成AI時代のサイト集客「LLMO」とは?』(2025年7月8日)のタイトルで記した内容に、今回も学ばせていただきました。ブログを書く際に、読んでくださる人に価値ある情報を誠実に情報を届けようとしたときに、「今日からでも意識できる、基本的な考え方」です。なかでも『「一次情報」と「専門性」を突き詰める』『(記事を書いているのは)「何者か」を明確にする』の2点は、まさに「今日からできる」ことでしたので、さっそく取り入れることに。

記事を書いているのは「何者か」を明確にするために、せっちゃんの言う「この記事は、○○の専門家である△△が、□□という経験に基づいて書いています」(展示活用アドバイザーの大島節子さんのブログ「展活Times」より)を意識して、ブログのキャッチコピーと投稿者プロフィールを練り直しました。


<ふじゆりブログ キャッチコピー>

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。美術をもっとふつうに楽しむ。「仕事≒暮らし」な趣味的日常を記します。

<ふじゆりブログ 投稿者プロフィール>

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。


プロフィールがずいぶん長文になってしまいましたので、もう少しスマートにできたらいいな、と思っています。とりあえず現時点では上記のものを載せていますが、引き続き練り直し、その都度更新していこうと思います。なので、次にご覧になったときには、微妙に文面がブラッシュアップされているかもしれません^^。ともあれキャッチコピーもプロフィールも、ずいぶん前に書いたままで、放置状態に近かったことを反省。更新のきっかけと助言をくださったせっちゃんに、心より感謝です。

展示活用アドバイザーの大島節子さんのブログ「展活Times」

読書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)三宅香帆著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)三宅香帆著

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という本が売れているのは、知っていました。書評欄でも何度か目にしましたし、本屋さんでも目立つところに置いてある話題作。わたしもサラリーマン時代は、読書欲はあるので本を買うものの、時間が取れずに未読本がたまっていく…というループにハマっていました。なので、今の自分には当てはまらないけれど、このタイトルには心当たり有り、というところで。

ここ数年の自分自身の感覚としては、仕事に集中するほどに読書量も増えているような気がしています。根拠を測定したわけではありませんので、気のせいかもしれませんが(笑)。ともあれ、本が読めなくなるのは「働く」の内容にもよるのかもしれないな、と思いました。そう考えはじめると『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の中身にどのようなことが書いてあるのか気になりはじめ、こんなことなら先日丸善で見かけたときに買えばよかった、と思いつつ、試しに図書館で蔵書検索をかけたら…ありました。ありがとう!図書館♪

さて『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』。予想していたよりもはるかに硬派で、興味深い内容でした。「日本人と読書」について、音読から黙読へと「読書」が変化を遂げた明治時代にまでさかのぼり、現代にいたるまでの時代を追って分析をしています。出版文化の広がり、日本人の労働の仕方・階級(格差)の変化、時代背景とブーム、国(政府)の政策(思惑)、出版社の事情などなどを並べて、その関連性を探っています。

読むほどに「なるほど、そういうことだったのかぁ!」と腹落ちすること多々。1980年代~1990年代についての論考は、自分事としてものすごくよくわかりましたし、それ以前の時代については、自分たちの親の世代がどのようであったのかを理解する大きな手掛かりとなりました。感じたのは、無意識に時代の影響を受ける・時代に流される怖さです。「本を読む」という側面から眺めるだけでも、これだけのことがわかってくるのですね。そして第九章、最終章と、著者が本書を書いた理由(言いたいこと)があふれてきます。著者の言うところの「ノイズ」についての考察が、特に面白く理解できました。

読んでよかったです。読む前と読んだ後で、まったく印象が変わった一冊でした。特に最終章での話の展開というか提案には、哲学書的なものも感じました。読了後のわたしには、内容に対してタイトルが軽すぎるのではないかという気もしたのですが、でも、これが、今の時代に求められている出版に合ったタイトルなのでしょうね^^

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)三宅香帆著

読書『フェアリー・テイル』(文藝春秋)スティーヴン・キング著/白石朗訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『フェアリー・テイル』(文藝春秋)スティーヴン・キング著/白石朗訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚。スティーヴン・キングの最新作が出ているのを、少し前から新刊棚で確認はしていたのです。上下巻のどちらかがあるのを見かけていたので、上下巻とも揃って並んでいるときに借りようと思っていましたら、ついにその時が、思いのほか早くやってきました。

なにせ上下巻それぞれに328ページで、そのうえ二段組。文字数がすごいです(笑)。これ手に取ったらしばらく他は何も読めないぞ~!と思いつつ、二冊揃って借りることができるラッキーに、迷わず手を伸ばしました。で、現在上巻を読み終わったところです。

読み始めてすぐに、おや?と思いました。わたしのなかで「スティーヴン・キングといえば」のイメージである『ミザリー』や『シャイニング』寄りの物語ではなく、つまりホラーやらサイコやらという感じではなく、主人公の成長物語的な要素を考えると『スタンドバイミー』の世界観が一番近いかも、と思いました。そしてあらためてタイトルを見れば『フェアリー・テイル』ですから、さもありなん。文芸春秋公式サイトでも「ファンタジー超大作」とあり、ああ、なるほどと思うのでした。もちろんキングの作るファンタジーですから、一筋縄ではありませんし、もし絵にしたらしかめたくなるであろう場面も多々出てきます。けれどもたしかにファンタジー。そして古今東西の「フェアリー・テイル=おとぎ話」に対するキング自身のオマージュが感じられます。

わたしが前回キング作品を読んだのは、昨年初めの『異能機関』で、これも分厚い上下巻でした。そして本書『フェアリー・テイル』との間に、もうひとつ『ビリー・サマーズ』が出ています。これはまだ読んでいませんがこれまた上下巻の分厚い長編です(笑)。と考えると、とてつもない執筆ペースですよね。旺盛な創作意欲と、それを実現する体力気力に、巨匠の凄みを感じます。

文藝春秋公式サイトには「作家生活50周年を飾る巨匠の新たな代表作!」とあります。ほんとうに、すごい一冊です。下巻も読み始めていますが、どのような結末に導かれるのか、とっても楽しみです。

『フェアリー・テイル』(文藝春秋)スティーヴン・キング著/白石朗訳

令和7年度(2025年度)郷育カレッジ、無事開講式を迎えました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

令和7年度(2025年度)郷育カレッジ、無事開講式を迎えました!

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。福津の「ひと、もの、こと」を題材に、ふるさと、健康福祉、環境、生きがいなど、さまざまな分野の講座を開催します。7月5日(土)に2025年度の開講式を開催いたしました。

これまで10年ほど、わたしは開講式では受付を担当していましたが、今年は裏方のステージ担当へ。受付は式典がスタートしたら持ち場を離れることができませんでしたので、開講式でのオープニングイベントや公開講座を聴講することができないでいたのですが、今回は舞台裏からすべてのプログラムを見ることができて、個人的にとても嬉しい開講式となりました。

朝9時前から集合して会場設営を整え、リハーサルをして午後からの式典に備えます。受付は受付でそれなりに神経を使う仕事でしたが、ステージ側の仕事は初めてでもあり、また違った緊張感がありました。皆さんに教えていただきながら、自分の役割を確認。11時にはオープニングイベントで、「獅子楽」を舞ってくれる小学生が到着し、演舞のリハーサル。太鼓の移動場所、マイクを渡すタイミングなどを確認しつつ、リハーサルを見ている段階ですでに感動です(笑)。

小学生の獅子楽演舞の本番では、子どもたちの緊張が伝わってきて、こちらまでドキドキ。そろいの衣装も可愛らしく、舞台袖から近距離で見ることができたのは、役得でした。その後の公開講座では、ここ数年、放送大学とのコラボ講座を開催しています。今年は九州大学名誉教授の小山内康人先生が「九州・福岡の活断層と地震」のタイトルで、講演してくださいました。

このところずっとトカラ列島の地震が続いていたり、7月5日の災害予言が取りざたされていたりという影響があったのでしょうか、予想以上にたくさんの皆さんがご来場くださいました。地質学・岩石学を専門とする小山内先生による、地震発生のメカニズムの解説はとても分かりやすく、現在どのように研究が進められているのか知ることができたのは、とても良いことでした。そして、講座のなかで何度も強調しておられた「自然現象を止めることはできないが、対策によって災害を防いだり減災することはできる」というお話が、とても心に残りました。

毎年、放送大学側にコラボ講座でお願いしたい内容についてテーマを決めるときに運営委員が心がけているのは、学術的な内容でも、来場する市民の皆さんが「自分ごと」として聴きたくなる内容をお願いする、ということです。今年のこの集客状況をみて、皆さんの関心の高さをうかがい知ることができたのは、大きな収穫でした。

当日のアンケートをもとに、また来年の開講式に向けて準備がはじまります。講座もいよいよスタート。今年度も早々に「満員御礼」となった講座がたくさんあり、とてもありがたいことです。が、まだ参加できる講座もあります。興味のある福津市民の皆様には、ぜひ一つでも多くの講座に足を運んでいただけると嬉しいです。

郷育カレッジについてのお問い合わせは、福津市郷育推進課へどうぞ^^

七月!津屋崎も山笠シーズン到来-本番の追い山は7月20日(日)です―

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

七月!津屋崎も山笠シーズン到来-本番の追い山は7月20日(日)です―

七月に入ると、近所がなんとなくソワソワした感じになります。津屋崎千軒の観光案内所なごみを運営する「ひかりのみちDMO福津」の公式サイトでは、早くも最新版の2025年津屋崎祇園山笠の紹介記事が上がっていました。上の写真は、昨年2024年のお宮出しの様子。

津屋崎祇園山笠2025|福津の夏を盛り上げる迫力と伝統の祭り

花祭窯は「新町流」です。新町流の最初の寄り合いは6月初旬に行われ、7月の追い山当日に向けてのスケジュールが共有されたところでした。7月最初の週末は、棒あらい。さっそく「おいっさ、おいっさ」の掛け声が響き渡り、一気に気分が上がります。次の週末は飾りつけで、その次の週末の本番となります。

津屋崎千軒内では、岡流、新町流、北流のそれぞれの小屋が立ち、「なごみ」や「藍の家」では関連展示がスタートし、祭りの雰囲気を味わっていただくことができます。来週には飾り山が展示され、夜9時ごろまでは各山ともライトアップをしていますので、夕涼みがてら見て回るのも楽しいと思います。その場に控えているおじさんたちから、いろいろと説明を聞くこともできます。

今年もわたしは、ごりょんさんとしてお手伝い。楽しみです^^

キンコーズで四苦八苦―「スキャンする」はけっこう難しい仕事だとわかりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

キンコーズで四苦八苦―「スキャンする」はけっこう難しい仕事だとわかりました。

藤吉憲典の書画作品をシルクスクリーン版画にするのに、原画が出来上がったら、それをデータ化する作業があります。昨年秋に初めて制作に取り組んだ時は、原画が大きかったということもあり、最初からプロの「スキャニングやさん」にお願いしたのでした。今回は原画のサイズがすべてA2~A3以内でしたので、キンコーズで可能なサイズということで、自分でできるかなと、いざキンコーズへ。

とはいえ近所にはありませんので、博多へGO。最初にJR博多駅地下のキンコーズに行ったところ、そこにはA3までの機械しかないということで、A2まで可能な筑紫口側にあるお店を教えてもらいました。歩いていける距離に複数のキンコーズがあるなんて素晴らしい♪と思いながら移動。タイミングよくお客さんも少なかったので、店員さんに設定方法を教えてもらいながら、いざトライ。プレビュー画面で確認しながら無事USBメモリに保存完了で、会計に向かうと「画像確認なさいますか?」と店員さんがおっしゃってくださいました。聞けば店内のパソコン利用は、画像確認だけなら無料でできるということでしたので、お借りしてチェックすることに。

大きな画面で見てみると、もしかしたらそうなるかな、と心配していたことがそのまま画像に取り込まれているのが見えてしまいました。もとが和紙に描いた書画なので、水墨の水分を吸った紙が微妙に凸凹になり、影の部分ができてしまうのです。そして、予想以上に影響があったのが、和紙の紙質でした。紙の種類により、表面の微妙なざらつきが、光の跡のように残ってしまいました。裏打ちをしてからスキャンしたら多少はいいのかなぁ、などと思いつつ、現状ではこれがわたしにできる精いっぱい。とりあえず一度データを版画職人さんに見ていただいたうえで、これでは厳しいということならば、プロのスキャニングやさんにお願いするべし!という結論に達しました。前回、スキャニング屋さんにお願いしたときも「和紙に水墨画」という条件は同じでしたが、余分な影を残すことなくきれいなデータに仕上げてくださっていました。やはり違いますね。

それにしても、わたしのスキャンデータの結果はともかく、キンコーズはとっても便利でありがたいサービスです。何かあるごとに使いますが、その頻度はさほど多くはありませんでしたので、今回足を運んでついでに、どんなサービスメニューがあるのか、見て回ってきました。11月の合同商談会の準備に使えそうな項目も多々。いざというときのキンコーズですね。

読書『狼の幸せ』(早川書房)パオロ・コニェッティ著/飯田亮介訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『狼の幸せ』(早川書房)パオロ・コニェッティ著/飯田亮介訳

いつものカメリアステージ図書館。先日読んだ『帰れない山』(新潮社)が素晴らしかったので、著者追っかけです。本書は最新刊のようですね。早川書房さんからの出版で、訳者も変わりましたので、興味深く読みました。早川書房の公式サイトでの紹介では「山岳小説」と書いてあり、ということは『帰れない山』も山岳小説だわ!と妙に腑に落ちました。「○○小説」とジャンル名が付くと、説明しやすくなり、整頓しやすくなりますね。たまに「そんなジャンルなのか?」という感じのものもありますが。

さて『狼の幸せ』。前作同様、映画にしたらさぞかし美しいだろうな、と思える舞台でした。主要登場人物4名それぞれのストーリーも面白く。巻末の訳者あとがきで、著者が「ずっと書きたかった恋愛小説に本書で挑戦した」とあり、恋愛小説だったのだとわかりましたが、恋愛以外の要素のほうが、わたしには面白かったです。恋愛の要素を入れなくても、じゅうぶんに読み応えのあるストーリーだったんじゃないかな、と。そうそう、最初に気になった「訳者が変わった」件は、まったく気になりませんでした。

というわけで、『帰れない山』ほどの切なさやインパクトはありませんでしたが、読んだあとに、自分では見たことのない山々の景色を思い浮かべて、その美しさに酔うことのできる本でした。パオロ・コニェッティ氏、今後の作品も楽しみにしたいと思います。

『狼の幸せ』(早川書房)パオロ・コニェッティ著/飯田亮介訳

合同商談会当日まであと約4か月-試行錯誤の出展準備進捗状況。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

合同商談会当日まであと約4か月-試行錯誤の出展準備進捗状況。

ここ最近のブログのタイトルを眺めていたら、我がことながら、インプットに偏っているように見えてきました。単にブログに書きたくなる内容が、そういう性質ものもだということではありますが、一応「アウトプットもしていますよ」のアピールも(笑)。

長年お世話になっている地元信金さんからのお誘いで出展を決めた展示商談会。個展や企画展には慣れていますが、展示ブースを作ってのBtoB商談会というのは、花祭窯にとってはほぼ初めて(正確には二度目、一度目は2013年ジェトロ大阪主催の海外セレクトショップバイヤー向けの小規模のもの)ですので、1月にお話をいただいてから、関連情報を集めてきました。お友だちの「せっちゃん」こと展示会活用アドバイザー・大島節子さんの著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』(笑がお書房)が、とても強い味方です。

情報を集めても、良い本があっても、自分たちの現状と出展の目的に合った形で実行に結びつけなければ成果は得られません。というわけで、ここまでの進捗状況と、これからのスケジュールを確認。


完了

  • 目的・ゴール設定
  • 事前商談マッチング申込
  • 事務局への事前連絡事項提出
  • ブースレイアウト決め→備品・電気申込

これから

  • 商談会用パンフレット制作
  • 商談会用名刺制作
  • ブース設置用作品サンプル準備
  • 動画準備
  • パネル準備
  • 直前準備リストの制作

このように書き出すと、項目数としては意外と少ないような気もします。が、ひとつひとつはそれなりに時間のかかる仕事です。特に、作品サンプルの準備は、そのキャプション制作も含めて手間暇がかかります。「まだ時間があると思っていたら、あっという間に当日になりますよ!」を肝に銘じて、早め早めに動いていきたいと思います。

2025年映画4本目は『国宝』-話題作をやっとこさ観てまいりました♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2025年映画4本目は『国宝』-話題作をやっとこさ観てまいりました♪

六月は博多座大歌舞伎のチケットをとっていましたので、映画『国宝』をどのタイミングで観るかな、と考えておりました。6月初旬の公開から、あちらこちらで評判を聞くにつけ、これはロングランするな、と思いましたので、博多座大歌舞伎の後にすることに。

映画の日。お客さん多いかもな、と思っていましたが、ほんとうに多くて驚きました。満席ではなかったものの、わたしがここの映画館で観るようになってから、こんなに席が埋まっていたのは初めてかもしれません。観客が多い=映画館の存続につながりますので、とても嬉しいことです♪

さて国宝。なんといっても舞台のシーンが見応えありました。これはたしかに「映画館で観るべき」ですね。博多座の舞台演出を思い出しながら、映画で舞台裏をちょっぴり垣間見ることができたような気がして、わたしにとってはこれ以上ないグッドタイミングでした。映画のなかで出てきた歌舞伎の演目に興味が沸いたのも、良かったです。この映画をきっかけに歌舞伎ファンが増えるかもしれませんね。

実は当初「約3時間」の長さが気になって「どうしようかな」と思っていたのですが、これも先に観ていた皆さんがおっしゃったように、まったく長さを感じさせませんでした。映画館に観に行ってよかったです。ここ数年「長い」を理由に観に行かなかったものがいくつもありましたので、反省の機会になりました。興味の沸いた作品は、上映時間にかかわらず観に行った方がいいですね。

読書『スクラップ・アンド・ビルド』(文藝春秋)羽田圭介著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『スクラップ・アンド・ビルド』(文藝春秋)羽田圭介著

いつものカメリアステージ図書館から先日借りてきた、羽田圭介さんの短編集『バックミラー』の「日常版滅びの美学」のインパクトが大きかったので、今回も羽田氏の著書を借りようと思っていたら、ちょうど図書館の貸出カウンター横の特集コーナーに本書が並んでいました。わたしの心の声が司書さんに聞こえたかしらと思いつつ、即座にゲット。

10年前の芥川賞受賞作。だからというのではもちろんありませんが、おもしろくて、一気に読んでしまいました。短編ではありませんが、長編という感じでもなく、サクッと読めます。家族小説であり、介護がテーマでもあり、深刻にしようと思えばいくらでもできる材料を、軽くいなしている感じがなんとなく痛快でジワジワ来る、不思議な感覚でした。

「死にたか(死にたい)」が口癖の87歳の祖父と、「死にたい」の手助けを不自然でない形でやろうと決意した主人公と、家族に甘える祖父に我慢の限界が近づいている主人公の母(=祖父の娘)。それぞれのセリフが面白いです。特に祖父の行動とセリフの端々にあらわれる、「イラつく要素」の描写が秀逸です。祖父の方言は長崎弁のようで、祖父の気持ちの載せ方がうまいなぁと思いました。そのニュアンスがよくわかるわたしとしては、思わず笑ってしまいました。

ラスト、思いがけない終わり方に唸りました。全編を通して、そしてラストも、大きな事件やイベントは起こらず、日常の延長線上にある展開なのですが、そのなかでこれだけ面白く読ませることができるんだなぁと思いました。そういえば『バックミラー』も「日常版滅びの美学」でしたので、「日常」の絶妙な切り取り方が、著者の持ち味の一つなのかもしれません。ほかの著書も読んでみようと思います。

『スクラップ・アンド・ビルド』(文藝春秋)羽田圭介著