宗像の新たなスポット「伊豆本店」さんの見学に行ってまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

宗像の新たなスポット「伊豆本店」さんの見学に行ってまいりました。

1717年創業で300年以上の歴史ある酒蔵が、2026年伝統ある歴史を礎に酒蔵を再興した!というニュースは、その経営に久原本家が入った!というニュースとともに、宗像・福津エリアではちょっとした話題でした。酒蔵といえば、ここ津屋崎にも豊村酒造さんがあり、豊村さんの旧醸造場施設が国の重要文化財に指定されたのは2024年1月のこと。その保存・活用が課題になっていることは、昨年末にお世話になった、藤吉憲典の個展を通じても理解していましたので、伊豆本店さんの再興は、個人的にもとても気になるニュースでした。

以前、10年くらい前だったと思いますが、宗像エリアの経営者の集まりでツアーをしたときにも、伊豆本店さんには足を運んでいました。そのときも、趣のある雰囲気でとても良い場所だと映っていましたが、当時に比べてどのように変わったのか、期待たっぷりで伺いました。

伊豆本店さん

レンガ造りの外観がインパクト大の煙突は、前回訪問時に、地震等に備えてどうするかが課題になっているとお聞きしていたスポットでしたが、見事に周りに支えを施して遺されていました。

伊豆本店さん

主屋には、久原本家・茅乃舎さんの代名詞的な景観でもあるかやぶき屋根が、ここでも見事に復活。古い建物の美しさを、あちらこちらに拝見することができます。

伊豆本店さん

酒蔵見学できる楽しみは、プログラムを作りこむことによって、大人の社会科見学需要に応えてくれそうです。

伊豆本店さん

季節の設えとして、奥の和室にはお雛様が飾ってありました。酒蔵見学や酒蔵BAR、小さいながらも歴史資料室もあり、そしてもちろん茅乃舎さんのショップもあります。今回はお酒の試飲はしませんでしたが、茅乃舎の「出汁」をたくさん試飲しました(笑)。敷地内では、ふかしたてアツアツの酒饅頭も販売しています。

全体としての感想は、見事な地域資源であり歴史資源の活かし方!という感じで、津屋崎のご近所でも参考にできる要素がたくさんありました。宗像方面の旅は、宗像大社・鎮国寺・道の駅むなかた、というのが、これまでのおススメルートでしたが、これからは伊豆本店さんもありますので、さらに旅の楽しさが増えそうです^^

有朋自遠方来(ともありえんぽうよりきたる)-春節がやってきた!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

有朋自遠方来(ともあり えんぽうより きたる)-春節がやってきた!

「不亦樂乎(また たのしからずや)」と続きます。大好きな論語のひとつ。というわけで、東京にお住いの友人夫妻が、津屋崎の花祭窯に来てくれました。わたしがサラリーマンだったころから、もう30年以上の付き合いになります。藤吉憲典の個展のタイミングで、東京やら上海やらでときどき顔を合わせていましたが、津屋崎に来てくれるのは十数年ぶり^^

意識的か無意識的かにかかわらず、彼らとの会話は、そのまま「花祭窯経営会議」となります。前回来てくれたときは「お正月」のタイミングで、その場でその年からの方向性・スタンスが決まり、海外へのアプローチをスタートし、ダンナの海外アート市場デビューへとつながったのでした。今回の「春節」もまた、今後の方向性を確認する機会として、グッドなタイミング。おしゃべりのなかで、的確な球(問いや意見)を返してくれる彼らは、今時の言い方をするならば、わたしにとって無二の壁打ち相手なのだと思います。特に、長いスパンで見たときのありがたさは、格別。ビジネス感覚、国際感覚、俯瞰で「時」や「関係性」を見る感覚が、自分たちの価値観に、新たな目線を取り入れてくれます。

一緒に散歩をしたり、古いものを観に行ったり、美味しいものを食べ飲みながらおしゃべりするなかで「!」が自然発生的に起こるので、楽しいばかり。気心が知れているだけに、わりと容赦なく意見を出してくれるので、それが一番有難いことなのかもしれません。お正月以降考えてきたこと、2026年から先どのように動くかを、自分のなかで確認し直し、GO!を出す材料を集めることができるのも、嬉しいことです。

ご近所の宮地嶽神社では、2月19日からちょうど春季の「光の道」がはじまったところ。神社の境内から参道を臨むエリアは、たくさんの観光客でたいへんなことになっているのが予想できましたので、目の前の津屋崎浜から夕陽を拝むことに。季節の変わり目をがっつり体感するここ数日です^^

創業の場所へ、はじめて「ふるさと納税」の寄付をしてみました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

創業の場所へ、はじめて「ふるさと納税」の寄付をしてみました。

「これまでしたことなかったの!?」という声が聞こえてきそうですが…はい、そうなんです。 花祭窯は、福津市のふるさと納税の返礼品の提供はしてきました(現在進行形)。福津市が積極的にふるさと納税の返礼品の募集を始めたのが、たしか2017年頃からだったと思いますので、10年近くになりますね。ところが、自分たち自身はふるさと納税の制度を使って寄付をしたことがありませんでした。「せっかく税金払うのなら、自分が住んでいるところに生かしてほしいよね」という、とても単純な理由からで、それは今も変わりません。ただ、そういえばもう一カ所そういう場所があることに、遅ればせながら気が付いたのでした。

というわけで、初めてのふるさと納税。寄付先は、花祭窯の創業の地である佐賀県江北町です。これぞまさに、ふるさと。ふるさと納税の本来の(表向きの)意図に、ばっちりはまる場所がありました。どうして今まで思いつかなかったのだろう、というのはさておき。一方で、実を言えばなんとなく手続きが面倒なのではないかというイメージがありましたので、考えるのを後回しにしていた、という面があることも否めません。ところが、ふるさと納税サイトでのナビゲーションがとても分かりやすくて、拍子抜けしました。そりゃそうですよね。この手続きが簡単でなければ、普及しないはずです。ふるさと納税のポータルサイトはいくつもありますが、いかにユーザビリティに長けるかの競争なのだろうなぁ、と余計なことを思いつつ。

ともあれ、やってみて良かったです。まず第一に、ふるさと納税の制度を使って、花祭窯の作品(現在は蕎麦猪口とマグカップ)を手に入れようとしてくださる方々が、どのような手順を踏んでアプローチしてくださっていたのか、ちゃんと理解することができました。そして第二に、寄付をしたことで、その地(うちの場合は江北町)での税金の使われ方に、これまでよりも関心が向いたのも良かったです。そして第三に、返礼品を指定することで、その町の産業(今回はタマネギ農家さん)を多少なりとも応援できるという自己満足感が得られたのも、思いのほか嬉しかったです。

昨年後半は、忙しさを理由に花祭に足を運ぶ頻度が落ちてしまいました。春が近づいてきましたので、そろそろ雑草刈りに出かけたいと思います。そして小さな小さな果樹園計画(なかなか進みませんが^^;)を、また一歩進めたいと思います。

福岡県中小企業ステップアップ支援事業「サッシン・ベース」最終報告会(ピッチ)に参加してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡県中小企業ステップアップ支援事業「サッシン・ベース」最終報告会(ピッチ)に参加してまいりました。

福岡県の商工部スタートアップ推進課からご案内をいただき、8月から参加している支援事業「サッシン・ベース」。あっというまに半年の(とはいえ月1ペースでしたが)プログラムが終わり、無事最終報告会=ピッチの日を迎えました。

わたしにとっては、生まれて初めてのピッチ(無意識に、それに相当することをしたことはあったかもしれませんが)。花祭窯のことをまったく知らない人たちを想定して、4分間で事業概要と現状の課題を説明し、課題解決のための新規事業を紹介してそこへのサポートを呼びかける。なかなか盛りだくさんで、時間内に収めるのは悩ましく。ピッチ資料を作っては、担当してくださったトーマツのコンサルさんに2度3度と投げかけて、そのたびに腹落ちする的確なダメ出しをいただき、なんとか完成させたのでした。担当コンサルYさんに心より感謝です。

さて当日は、ぜんぶで21社がそれぞれ4分のピッチを行うということで、サクサクと進みました。時間が限られていましたので仕方がないのは十分理解しつつも、個別のフィードバックは一切無くて、そこはなんだかな~という感じがしないでもなく。自分のピッチへのフィードバックだけでなく、ほかの方へのフィードバックからも学ぶことは多いので、そういう時間が少しでもあったらと、勝手に期待していたのでした。まあ「ピッチ資料をつくる」が初めてだったわたしとしては、その過程で得たものが大量にありましたので、それで良しなのかもしれません。

「得たもの」のひとつとしては、昨日アップしていた「福岡市海外支援プログラム」の情報も、サッシンに参加していたからこそ届いた情報のひとつであり、やはり自分が動くことで変わることや集まってくるものがあるなぁと、今更ながらに思ったのでした。そういえば、昨日はピッチの最終報告会とあって、主催である福岡県からも、新規事業や中小企業支援の職員の方々が何人もいらしていました。福岡県による海外展開支援策には、「福岡アジアビジネスセンター」だったときは長年頻繁にお世話になりまくっていました。が、体制を変えて「グローバルコネクト福岡」になってからは、すっかり足が遠のいていましたので、これを機会にまた活用したいと思います。

福岡市海外展開支援プログラム Day4「グローバルな表現力を身につける」に参加しました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡市海外展開支援プログラム Day4「グローバルな表現力を身につける」に参加しました。

福岡県中小企業ステップアップ支援事業「サッシン・ベース」でお世話になっているトーマツさんからご紹介いただいて、「福岡市海外展開支援プログラム」に参加しています。昨日はそのDay4でした。といっても、わたしは前回のDay3「海外市場の解像度を上げる」からの参加でしたので、二回目。「英文ピッチ作成講座」「グローバルコミュニケーション講座」のコース別で、実践型ワークショップに参加いたしました。わたしは「グローバルコミュニケーション講座」を選択。

前回グローバルコミュニケーション講座でお話してくださった元美和氏が、おススメの本『The Culture Map(異文化理解力)』エリン・メイカー著(英治出版)を、入手はしていたものの、ようやく読み始めたところ(つまりほとんど読んでいなかった^^;)でしたので、会場に向かう電車のなかで少しでも読み進めようと悪あがき。前回からの宿題に「1分でご自身のビジネスまたはアイデアを日本語で説明できるようにしてください」とありましたので、その宿題だけは準備して臨みました。

当日のプログラムは次のとおり。

  • オープニング
  • NY派遣企業による公開ピッチ(英語)&フィードバック
  • コース別実践型ワークショップ
  • ネットワーキング

以下、「グローバルコミュニケーション講座」より、備忘。


  • WHAT ではなく WHY を語る。
  • CONNECT NOW 不完全でOK。「今の自分」の状態でつながる。
  • Context/Value/Human/Ask
  • C:なぜ私はあなたと話がしたいのか。
  • V:わたしの価値(足りないこと・困っていることも含む)
  • H:(組織ではなく)わたしは何を考えているのか、どうしたいのか。
  • A:具体的な願いはなにか、相手に何を期待しているのか。
  • 30秒~1分の自己紹介のなかで、話のネタになりそうなことをいくつ盛り込めるか→話の糸口。
  • 短い時間のなかでも「WHY」をいかに伝えることができるか。何をしているかよりも、なぜそれをしているのか。
  • 相手に「Yes」と言ってもらえるポイントを、いかにたくさん入れ込めるか。
  • PASSION。

活育財団 Raiki Machida氏のお話より


グローバルコミュニケーション講座ももちろん面白かったのですが、なんといっても、来週からNYに派遣されるという起業家さん3名のピッチが、とってもすごいと感じました。面白かったです。今回は皆さん本番で使うのと同じ英語でのピッチということで、ひと月前にお聞きした日本語版から、さらにブラッシュアップなさっていたようです。海外からの投資家の方々が5名ほど最前列に並んで、登壇者への質問を投げかけ応答する様子も、なるほどこんなふうなのね~と思いながら拝見しました。来月は、そのNY派遣企業の皆さんの成果報告会が開催されるということで、こちらもぜひ聞きに伺いたいと思いました。

今後の海外向けアプローチの際に、そのまま使える考え方がいくつもあって、学びの多い二時間半でした。

読書『消失』(集英社)パーシヴァル・エヴェレット著/雨海弘美訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『消失』(集英社)パーシヴァル・エヴェレット著/雨海弘美訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から借りてきた一冊。「パーシヴァル・エヴェレット」の著者名に既視感があって、著者プロフィールが載っているかなと裏表紙をめくったところ、『ジェイムズ』の文字が目に入り、そっか!去年読んだ『ジェイムズ』の人ね!と納得。即借りです。

読み始めるとすぐに、今度はストーリーに既視感。あれ?と思い、もう一度裏表紙をめくったところにある著者プロフィールを確認して、読み直しました。そこには「本書を原作とした映画『アメリカン・フィクション』が2023年に公開され」とあり…昨年末、飛行機の中で観た『アメリカン・フィクション』の原作小説であることが判明。映画を観た後の備忘ブログに、わたしは「観はじめてすぐに頭に浮かんだのは、少し前に読んだ、小説『ハックルベリー・フィンの冒険』を皮肉った(?)『ジェイムズ』でした。」と書いていたのですが、それもそのはず、原作者が同一人物だったのですね(汗)。

というわけで、思いがけず面白い感じでつながった読書。映画では、人種差別・貧困格差・LGBTQなど現代の社会問題を主題としながら、社会派コメディという感じに単純化されて描かれていました。それはそれで、とても分かりやすく面白かったのですが、原作本は、知的ユーモアで皮肉な笑いをふりまいているとはいえ、とてもじゃないけれど「コメディ」と片付けることはできない深刻さを感じさせるものでした。タイトルも原作は『消失(原題:ERASURE)』ですので、まったく異なりますね。映画はなんとなく光が見えるような終わり方をしていましたので、そういう映画のつくり方を含めて『アメリカン・フィクション』だったのかな、と。

本書は、2023年の映画化で脚光を浴びたことと、『ジェイムズ』のヒットを経て実現したのでしょう。邦訳が出たのは今年2026年ですが、本国では2001年刊行と書いてありましたので、『ジェイムズ』よりも前だったことになります。巻末にある訳者の「あとがき」にもありましたが、本書の舞台は1990年代半ばで、それを2001年に書いたものが本国で共感を持って受け止められたのは、15年経ってもまったく同じ問題を抱えていたということなのだとわかります。さらに10年ほどあとの映画化のときも、邦訳となった2026年の今でも、「今の問題」として認識させられるものであり、その間(約四半世紀!)の人種差別的な環境・風潮・意識の「変わらなさ」を考えさせられました。

映画で観たものを小説で読みなおす楽しさは、限られた時間内に収めるために単純化されたものの後ろに、どれほどの複雑なものがあるのか(原作者は書いていたのか)を、知り直せるところにあると思います。今回、思いがけずそんな「読み直し、知り直し」ができて、良かったです。パーシヴァル・エヴァレット著作、未邦訳のものがあるようですので、これから遡って日本でも刊行されると嬉しいです。

『消失』(集英社)パーシヴァル・エヴェレット著/雨海弘美訳

1年間の「畑レッスン」を終えて、いよいよ小さな畑をスタート。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

1年間の「畑レッスン」を終えて、いよいよ小さな畑をスタート。

ガーデンアルテさんの「1年を通して畑の作り方・野菜の作り方を、一緒にやりながら教わる講座」を無事修了して、この2月から小さな畑で菜園をスタートしました。とっても小さなスペースです。なぜ畑をするのか。実は、単純に「自分で作った野菜を収穫して食べたい」というだけではありません。

花祭窯のお客さまには、何人もの料理人さんがいらっしゃいます。皆さん、ものすごく勉強なさって、ものすごく素晴らしいお料理とサービスを、自信をもって提供なさっている方々。ストイックなお仕事ぶりに、いつも感嘆しています。料理人さんとお話をする機会が増え深まるにつれ、食の器を扱う以上、実感・体感としてより「食」を理解することが必要だと感じるようになりました。食に関する情報や知識は巷にあふれていますが、もっと「自分ごと」にする必要性とでも言いましょうか。そのひとつとしての「畑」です。

2月はまだ寒いので、植えることのできるものが限られます。昨年の記録を読み返して、まずジャガイモを植えることは決定。ご近所の家庭菜園のベテランの方々からも教えていただいて、「初心者向け」というブロッコリーの一種、スティック・セニョールにチャレンジしたいな、と思いました。少し前に種芋は確保していましたので、温かくなった昨日、さっそく植えてきました。

↓2026年2月15日時点での畑の顔ぶれは、このような感じ↓

ジャガイモ(2/15)
ニラジャガイモ(2/15)
レタスミックスホウレンソウ
春菊サヤエンドウ

左上のスペースは、少し遅くなったかなと思いながら、半月ほど前にタマネギの小さな苗を植えていたのですが、どうやら育つことができませんでした。ニラのところは、もう一列、何か追加できそうです。秋に蒔いたレタスミックスは、たくさん収穫して食べましたが、そろそろお終いになりそうです。というわけで、畝3つ分、新たに春野菜を植えることが出来そうです。

畑レッスンのときは、先生が用意してくださる種を蒔いていましたが、わたしの畑は小さいので、種を袋で購入すると、大量に余らせてしまいます。それに、まだ種から育てる自信がないかも…ということで、近所のホームセンターに野菜苗を探しに。当初イメージしていたスティック・セニョールがたくさん出ていました。それからサンチュの苗が特売になっていました。昨年プランタで育てたパセリも目にとまり、これら三種類をゲット。

週間天気予報によると、この先1週間は、2月にしては温かい日が続きそうですので、植え時かもしれません。仕事の合間の気分転換に、畑仕事と参ります^^

読書『物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために』(講談社)難波優輝著

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読書『物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために』(講談社)難波優輝著

講談社の現代新書です。著者の難波優輝氏は「分析美学とポピュラーカルチャーの哲学」を専門とする研究者。日本国内約30万人の研究者が登録しているという「researchmap」の該当ページを拝見したところ、美学・哲学関連の学術論文をいくつも発表なさっているようです。執筆なさっている書籍もたくさん。

「物語を愛するがゆえに、物語化を批判する」との立ち位置で書かれている本書は、文章には学術的な難解さを感じる部分もありましたが、わたし的には「著者が感じている気持ち悪さは、なんとなくわかる」という感じで、面白かったです。ここ数年、個人的に少々辟易していたのは、事業活動・マーケティングを論じる場などで語られる「ストーリー」の「重要性」。言いたいことはわかるけど、本質とはズレている感じがぬぐえないものも目につくなど、少々濫用気味ではと違和感がありました。

さて本書。面白かったです。個人的には、第1章の「物語批判の哲学」が最も刺さりました。第2章以降は「探求編」ということで、第2章「ゲーム批判の哲学」第3章「パズル批判の哲学」第4章「ギャンブル批判の哲学」と続きます。わたし自身が、ゲームにもパズルにもギャンブルにも夢中になったことがないため、「ほうほう、なるほど」という感じで拝読。ゲーム・パズルの章では、「一つの正解があることを大前提にゴールを目指す」という単純化された思考・行動パターンの背景にあるものと、そのパターンに対する危惧が生まれました。またギャンブルの章では、「依存症」が何に対する依存なのか、という考察が、これまで自分がイメージしていたようなものではなかったことに、考えさせられました。

もうひとつ、第1章の物語批判のなかで取り上げられていた「MBTI」に関する記述が、面白かったです。実のところ、30年以上前から心理学の学術的な位置付けでMBTIを理解していた者としては、ここ数年、MBTIが「占い」のような形で一般化していることを、「そういう公開の仕方になったのね」という感じで、軽い驚きを持って受け止めていました。なので、本来のMBTIと、現在一般化されて流行っているものとの差異、現在流行っているものが、どのような文脈で利用されているのかを本書で垣間見ることができたのは、思いがけず大きな収穫でした。

わたしの持っていた、個人的ないろいろな違和感に、本書がすべて答えを出してくれたわけではありません。けれども、モヤモヤとしていたものの幾ばくかが、本書によって言語化されて、説明可能になったことは、嬉しいことでした。哲学的なので「サクッと読む」とはいきませんでしたが、このテーマに興味のある方には、とっても面白い内容だと思います。新書、ふだん使わない頭を使うのがいいですね♪

『物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために』(講談社)難波優輝著

郷育カレッジの人気講座「正しい姿勢と歩き方」に参加してきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジの人気講座「正しい姿勢と歩き方」に参加してきました。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。福津の「ひと、もの、こと」を題材に、ふるさと、健康福祉、環境、生きがいなど、さまざまな分野の講座を開催しています。令和7年度の講座も、年度末に向けて残り少なくなってきた今日この頃、久しぶりに講座を受講してきました。

福津市の健康保険施設「ふくとぴあ」3階にある「健康増進室(健康パラダイス)」の健康運動指導士・田中先生が担当してくださる本講座は、郷育カレッジのなかでも長年続く、人気講座のひとつです。毎回、募集人数を超える応募者で抽選になるので、応募していても参加できない年もあります。わたしは今回は二年ぶりの参加でした。

まずは座学が30分ほど。「なんで運動が必要なの?」を、分かりやすく納得できるように説明してくださいます。健康や運動に関する「常識」もまた、日々アップデートされているのですね。「最近は○○だということがわかってきています」という言葉で、最新情報を説明してくださるので、とてもありがたいです。知識を仕入れた後は、休憩をはさんで姿勢のチェックと、正しい姿勢に戻すための「リセットコンディショニング」。今回は主に「足」について教えていただきました。

この講座を受講した後はいつも「よし!健康増進室に通ってみよう!」となります。歩いて、または自転車ですぐ行ける距離だと理想ですが、でも車で10分足らずですから、近い方でしょう。市の施設なのでなんといっても利用料が安いのは魅力的です。鉄は熱いうちに打て、なので、モチベーションが上がっているうちに近々足を運びたいと思います。

2026年コンサート一発目は、九響定期演奏会「マーラーの第九」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2026年コンサート一発目は、九響定期演奏会「マーラーの第九」。

今年も九響を楽しみにしています。1月のニューイヤーコンサートに足を運び損ねてしまったので、この日をとっても楽しみにしていました。会場はアクロス福岡シンフォニーホール。朝までの雨も上がり、会場に到着したころには気持のよい青空。開演まで少し時間がありましたので、アクロス山を眺めながら日向ぼっこを愉しむことができました。

開演10分前に、指揮者の太田弦さんによるステージでの「プレトーク」がスタート。「マーラーの第九」と言われても、クラシック素人のわたしはピンときません(汗)が、このプレトークで、今日の演目がどのようなものなのかを、優しくかみ砕いて話してくださいました。こういうサービスが、とてもありがたく嬉しいです。いわく、演奏時間が(第一楽章から第四楽章までで)1時間半にわたるので、本日の演奏会には「途中休憩」がないということ。そして「マーラーの第九をやると言ったら、何人もの方から『太田さん、辞めるんですか!?』と聞かれた」というエピソードを、その理由と共に説明してくださいました。ちなみに辞めるということでは全然ないということで、安心しました。

すごい体験でした。鑑賞する側にも、ほのかに心地よい緊張感のただよう1時間半。壮大で激しい変化のある曲を演奏し続ける演者の皆さんの集中力と体力・精神力のすごさを思いました。わたしはといえば、第一楽章の変化の激しさに「訳が分からなくてついていけない」感じになり、第二楽章で一転したテンポに気持ちが良くなって思わず眠くなり、第三楽章でようやくなんとなく既視感(既聴感?)のある雰囲気に安心し、第四楽章の音のかたまりにミツバチの大群が押し寄せるイメージを抱き、最後の静寂に向かう迫力を堪能…と、勝手に楽しんでおりました。

今回は万雷の拍手にもかかわらず、アンコール曲の演奏がありませんでしたが、もちろん納得です。あれだけの演奏を成し遂げた後には、もうきっとアンコールに応える余力は残っていないのではないかしら、と思いました。

というわけで、今年も九州交響楽団を微力ながら応援致します♪