「1年を通して畑の作り方・野菜の作り方をまなぶ」畑レッスンの進捗状況。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「1年を通して畑の作り方・野菜の作り方をまなぶ」畑レッスンの進捗状況。

造園家であり野菜を作りハーブの専門家でもあるガーデンアルテさんの畑で「1年を通して畑の作り方・野菜の作り方を、一緒にやりながら教える講座」に参加しています。家庭菜園を借りてやる、というのではなく、指導してもらいながら畑・野菜を作っていく講座。一年後からは自分で家庭菜園を作れるように、毎回「やったことをちゃんと記録しておいてくださいね」と宿題があります。同時期にスタートした皆さんの様子を見ていると、作業をしながら随時畑の状態の写真を撮って、スマホにメモを書き込んで記録していっています。ビジュアルで記録を残すのは理にかなっているなぁと思いつつ、わたしは畑でスマホを取り出すことはなく、作業終了後に手帳に、図と文章で書き込んでいます。

現在、スタートしてから約二か月が経ったところです。これから暖かくなって、野菜が伸びていく季節になりますので、その前に備忘録として畑記録をこちらにも共有。


(1)2/15晴3/12℃

  • 草刈り→畑(畝を作る)スペースの確保。
  • 刈った草は、枯れてから使うので端に除けて取っておく。
  • 雑草の根っこは放置して乾燥させる。

(2)2/16晴3/14℃

  • 土均し。高低差のある所を平たんに均す。
  • 畝幅30cmぐらいで、畝の面も、溝になる面も平らにする。
  • 溝を平らに→雨のあとに水が溜まったり、土が流れたりしないように。
  • 2メートルの畝を2列×4本。

(3)2/25曇/晴

  • プランタ栽培:下から 枯れ木→土→枯草等の腐葉土→土→マルチとしての枯れ葉
  • 苗の生長点が土から上に出るように植えつける。
  • 枯れ葉や藁を畝にかけるときは、細かくして苗や種をまいた場所の周りにかける。苗や芽に直接かからないようにする。
  • 庭で出た落ち葉などは腐葉土に使えるので、まとめて取っておく。

(4)3/1曇/雨8/19℃

  • 畝は均等に。上を平らに。
  • ジャガイモは、V字に深めに堀った畝に等間隔で種芋を植える。へそを下に、芽の出ているほうを上に。
  • 植えた後は、畝は高く土を寄せて、てっぺんは平らに均す。
  • 畑作業を終えたら、全体に枯草をかけておく。

(5)3/8晴4/12℃

  • にんじんは浅めに植える。芽出しに水を多めに。
  • きぬさやの支柱は、網が苗に対して垂直になるようにまっすぐ張る。
  • ビーツはよく育つので、にらを中央に植えた畝の両脇に。
  • 畑作業を終えたら、畝の上には細かくした枯草をかける。溝にも保水のために枯草を敷く(大きいままでもよい)。

(6)3/22晴12/23℃

  • 畑作業の都度、枯草を外して作業し、終わったら戻す。
  • サラダミックス、カブ、ラディッシュなどは早く育つので、隙間期間に植え付けるのに最適。
  • 野菜への声かけ^^

時期的に、わたしは冬野菜のあとからスタートしたので、夏野菜の植え付けをする前に、期間の隙間を使って、比較的短期で収穫できる春野菜を植えています。「育成の様子が目に見えて、早く収穫して食べることができると、畑をするモチベーションが高まるから」とおっしゃる指導は、実に人間的。広い敷地を持っている場合や、複数人で分け合って使える場合は、種から蒔くのもよいけれど、個人で小さい畑でする場合は、苗を買ってきて使うのも効率的で無駄がないという指導も、とても実際的です。

「楽しく続ける」ために、できるだけ「たいへん!」なことを減らして、収穫などの楽しいことを目の前にぶら下げるというのは、とても理にかなっているなぁと感心しながらの畑レッスンです。

読書『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳

最近の実用系書籍のタイトルは長い、と、本屋さんでタイトルを眺めているとよく思います。本書もその例にもれず、表紙に書いてある文章=タイトル・サブタイトルは、

『THIS IS WHY YOU DREAM 夢を見る技術 最新脳神経科学が明かす、睡眠中の脳の驚くべき力』

おかげで、どんなことが書いてあるのかを推測しやすいですね^^

わたし自身がこれまでに読んだ「夢」についての本といえば、ほとんどが心理学的アプローチのものでした。ユング、フロイト、というお決まりのライン。夢中になったのは、高校・大学時分で(ありがちですが ^^; )本で独学しました。ユングもフロイトもとても面白くはありましたが、例えばシンボルの考え方ひとつとっても、文化的な背景・生きてきた環境の前提の違いを考えれば日本人に当てはめるのは違和感がある、というのが正直なところでした。そんなわけで、「夢って面白い」と漠然と夢の力を感じてはいても、それを診断したり分析したり解釈したりすることへの興味はめっきり減退していました。本書は、著者が「脳神経外科医」であり「神経生物学博士」であるというのが、わたしが飛びついた一番の理由でした。

以下、備忘。


  • 過剰適合仮説
  • イメージリハーサル療法。
  • 創造性とは独創的なアイデアや既成概念にとらわれない思考だけを指すのではない。それを実現するために必要な専門知識や、アイデアを事項に移すための決断力も含まれている。
  • インキュベーション・ピリオド(あたため期間)
  • 30分から60分程度の昼寝→反復作業によって疲れた心を回復させる効果
  • 60分から90分程度の昼寝→作業パフォーマンスを大幅に向上、学習効率を高める
  • 昼寝は創造的な問題解決に有効
  • 夢の三つの力:視覚的創造力、(過去の映像や感覚、感情を追体験する)エピソード記憶、(未来を予測する精神的な)タイムトラベル。
  • 夢は視覚的でありながら空間的な体験。
  • 心の声である夢を解釈できるのは、あなただけ。
  • 夢を通じて過ごす人生は、私たちが可能だと考える範囲を冷え尾毛てくれる。その自由な状況のなかで、夢は進化における重要な利点、すなわち物事に適応するための心を与えてくれる。

『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳より


正直なところ、学術的な難解さもあり、理解が及ばない部分も多々ありました。上の写真は、巻末の参考文献リスト。このリストが20ページを超えています。それでもこのような本を、一般人に向けて書いてくださったことは、嬉しくありがたく。「夢」に興味のある方は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳

第113回九州EC勉強会「これからのSEOの話をしよう」に、参加してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

第113回九州EC勉強会「これからのSEOの話をしよう」に、参加してまいりました。

九州EC(九州ECミーティング)は、経営者やECに取り組む方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。完全ボランティアで続いている、稀有な勉強会組織。毎回、充実したテーマと講師による勉強会を博多で開催してくれるので、ほんとうにありがたい存在です。第113回九州ECは「これからのSEOの話をしよう~E-E-A-TとYMYL、コンテンツ・マーケティングでAI時代に大切にしたいこと~」のテーマで、株式会社ユウキノイン代表取締役・酒匂雄二さんを講師としてお迎えしました。

たしかに「SEO」の話ではありましたが、SEOというフィルターを通した「ブランディング」の話だったのだと思います。「SEO対策」という言葉を聞くと、ちょっぴり小手先感が漂ったりもする昨今ですが、そういうテクニック的なものとはかけ離れたお話でした。

以下、備忘。


  • 地産外商。
  • 記事で重視されるのは、文字数ではなく「文脈」。
  • alt属性=視覚的に認識できない人にも、同様の情報を届けるためのもの。
  • 事業は継続していくことが、世のため人のため自分のため。
  • 売り手とお客様の間にロイヤリティがあれば、顧客単価アップ(値上げ)はGOOD。
  • お客様との時間を増やす。
  • ライブ感=ファンイベント、展示会、工房見学等。
  • 歴史を語る、自分たちが考えていることを語る。
  • 「読みもの」を作る。
  • 「オリジナリティ」に注力する。
  • LinkedIn。
  • ウィキペディア。
  • 日本語圏のグーグルと英語圏の検索の傾向は、まったく異なる。
  • グーグルのAI利用ガイドラインは要チェック。
  • 「労力のかかっているコンテンツ」。
  • 「ドメインの趣旨」と異なるコンテンツはアップするな。
  • 労力・独自性・才能や技術・正確性。
  • 引用=出所(名前・URL等)を明示すればむしろOK。
  • EEAT:経験・専門性・権威性・信頼性。
  • 「商標」の効用。
  • 「実在」を証明する価値。
  • 誰が何を言うか=「自分は何者か」をはっきりさせる。その「証拠」をつくる。
  • プレスリリース→ニュースサイト→ブランディング。
  • グーグルビジネス「言語設定」多言語化する。
  • Do、Know、Goの見極め。
  • ○○専用→理由→開発秘話。
  • 当たり前のことこそちゃんと伝える。例)米と水だけのお酒。
  • ブログ=更新頻度アップと、読者数アップが肝。

第113回九州EC「これからのSEOの話をしよう~E-E-A-TとYMYL、コンテンツ・マーケティングでAI時代に大切にしたいこと~」株式会社ユウキノイン代表取締役・酒匂雄二さんのお話より。


こうしてあらためて復習すると、誰もがスマホを持ちインターネットの情報を当たり前に享受する時代に、情報を発信するサイドがわきまえるべきリテラシーのお話だったということがわかります。とっても勉強になりました。ありがとうございました!

「日日是好日」のテーマにあった本の紹介、というお題をいただきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「日日是好日」のテーマにあった本の紹介、というお題をいただきました。

読書記録はブログにまあまあアップしているので、「本の紹介コラムを書いてください」というご要望には、持ちネタのなかから拾ってくることができ、「わたしでよければ喜んで!」です。今回いただいたお題は、本の中でも「『日日是好日』のテーマに合うもの」ということ。「喜んで!」とお返事したものの、はてどれぐらい該当するものがあるかしらと、まずはさっそく読書記録をさかのぼってみました。

「日日是好日」のテーマに合いそうな候補本を、まずは2025年1月~3月で探してみると…

読書『人気建築家と考える50代からの家』(草思社)湯山重行著

『美学への招待 増補版』(中央公論新社)佐々木健一著

季刊誌『AXIS 2025.1 winter』株式会社アクシス

『おとなのOFF 絶対見逃せない2025年 美術展』(日経TRENDY)

こんな感じです。実用書系のタイトルが並んでしまいました。しかも二冊は季刊誌です。ほんとうは小説など「役に立てようと思って読むものではないもの」のなかからこそ選びたいと考えていたのですが、この期間中に読んだものの中では、少々難しそうです。

なので、もう少しさかのぼって2024年後半を見てみると、

『「ふつうの暮らし」を美学する』(光文社新書)青田麻未著

『小さくも重要ないくつもの場面』(白水社)シルヴィー・ジェルマン著/岩坂悦子訳

と、やっと小説が出てきました。小説は解釈次第でテーマに合わせることもできると思いますが、それも程度問題だと思うので、無理には持ってこないほうが良いのかもしれません。

あとは、ぱっと頭に浮かぶものとして、アランの『幸福論』だったり、中原中也の全集だったり、AAミルン『くまのプーさん』だったりという感じですね。詩集はこのテーマに合いやすいかもしれません。茶道関係の本は、「日日是好日」のテーマに対してストレートすぎるので、せっかくなら意外性のある所から見つけてきたいな、と思いつつ。このお題を考えることを、しばらく楽しめそうです^^

読書『真夜中の太陽』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『真夜中の太陽』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

先日読んだ『失墜の王国』がとても面白かったので、著者名検索で既刊本をさかのぼり、いつものカメリアステージ図書館から借りてきました。

本書もまた「ノワール小説(犯罪小説・暗黒小説)」に位置づけられていましたが、『失墜の王国』のあとがきで「著者のそれまでの作品はソフト・ノワール」というようなことを書いてあった通り、『失墜の王国』を先に読んだ身としては、だいぶソフトに感じました。

舞台は北欧ノルウェーの北極圏、少数民族のサーミ族が暮らす地域でした。『真夜中の太陽』のタイトルは、夜中でもお日様が沈まない彼の地の夏の景色を思わせます。わたしはノルウェーには行ったことがありませんが、フィンランドのやはり北極圏・ラップランド地方に行ったことがあるので、その風景を思いながら読みました。わたしが行ったのは、真昼間でもお日様の姿が見えず、日中の数時間だけが明るくなる真冬でしたので、まったく逆なのですが。でも読み終わったときには、一日中「ずっと暗い」というのと「ずっと明るい」というのは、どちらも閉塞感を伴うものなのかもしれないと感じていました。

ノワール小説でありながら、文学的な雰囲気と美しさを感じる文章で、サクサクと読了。訳者のお名前を確認したところ、やはり同じ方でした。わたしはこの方の日本語の雰囲気が好きなのかもしれないな、と思いつつ。

『真夜中の太陽』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

飯塚プチツアー:文具のたまおき本店さんと、畠中育雛場さんのたまごん工房。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

飯塚プチツアー:文具のたまおき本店さんと、畠中育雛場さんのたまごん工房

本屋さんの次に好きなお店といえば、文具屋さんとか紙屋さんとかです。ダンナもわたしも文具屋さん大好き。花祭窯の近所で楽しい文具屋さんといえば、お隣の宗像市にある「文具のたまおき宗像店」があります(車で30分ほどかかりますが)。自分へのご褒美に「ちょっといいボールペン」を買おうと思ったときにも、ここへ駆け込みました。ちょっと、ちゃんとしたものが欲しいな、専門的なものが欲しいなと思うときには、やはり「文具屋」を名乗っているお店に行きたいと思うのです。

年に数回、文具のたまおきさんからの新聞広告が入ります。そのたびに「いつかは飯塚の本店へ!」と思いながら、宗像止まりでした。が、先日「春の文具まつり」の広告が入ったのを見て、ついに本店に行こう!と決定。飯塚に向かうのは久しぶりです。福津市津屋崎から目的地までは、グーグル先生の見立て通りに約50分で到着。けっこう距離があるイメージでしたが、いざ出かけてみれば、それほど遠くはありません。平日、お店の開店時間に合わせて出かけましたが、到着したらすでにお客様がわらわらと。やはり人気なのですね。さっそく店内へ。

今回、わたしの目的は、万年筆のインク。全品20%オフということで、なかなかない機会です。種類もたくさんあり、「たまおきオリジナル」なるものもありました。さんざん目移りした挙句に、結局はPARKERの箱を手に取りました。ダンナはといえば、クレヨンのお試しコーナーでさんざんお試しお絵かきをしたうえで、2種類のクレヨンのケースを抱えていました。店内をいくら眺めても楽しくてキリがないので、目的のものを購入しておしまいに。次なる目的地、畠中育雛場さんのたまごん工房へ向かいます。

たまごん工房の社長の畠中さんには、勉強会を通じて20年以上お世話になっています。まずはお買い物。新鮮でおいしい卵と、かしわ飯のもとをゲットしました。名物の卵かけご飯をいただこうとカフェスペースに行くと、まだ正午には1時間ほど早い時間だったにもかかわらず、並んでいました。人気なんですね。このご時世に、新鮮な卵ご飯のセット(下の写真)が390円で5杯まで食べることができる(2025年3月21日現在)のですから、すごいことです。お腹いっぱい大満足で、事務所にいらっしゃった畠中さんにご挨拶をして帰りました。

畠中育雛場さんのたまごん工房

約半日の飯塚プチツアー。大満足でした^^

今日は春分の日-久しぶりに晴れたので「朝10分草むしり」を再開。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今日は春分の日-久しぶりに晴れたので「朝10分草むしり」を再開。

ここ数日「寒の戻り」で空気の冷たい日が続きました。週間天気予報を信じて「暖かくなるはず!」という本日は、朝は寒かったものの久しぶりに青空でお日さまがキラキラ。気分良く、冬の間サボっていた「ゴミ出しついでに道端の草むしり」を再開しました。

まずは枯れてしまった草やら葉っぱやらを取り除き、続いて伸びてきている雑草を引っこ抜いていきます。昨日まで雨が降ったりやんだりしていたので、地面がやわらかくなっていて根っこから取りやすく、良いタイミングでした。そうやっていろいろと取り除いていくと、芝桜が冬の間に根っこを張って広がってきているのがわかったり、スイセンやスノードロップがたくさん伸びてきていたり、と目に見えてきます。バレンタインデーにもらったパンジーは、苗は一つだけでしたがたくさんの花とつぼみがついていて、すっかり嬉しくなりました。たくましいですね。

そういえば今日は祝日だったとカレンダーを見れば「春分の日」の文字。そういえば、おはぎ屋さんにお勤めしている友人が「今週末までが忙しさのピーク」とSNSに書き込んでいたのを思い出しました。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は、なにげにあたっているんだよなぁ、と思いつつ。

カメリアステージ歴史資料館で開催中の「令和6年度発掘速報展 新原・奴山古墳群」を見てきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

カメリアステージ歴史資料館で開催中の「令和6年度発掘速報展 新原・奴山古墳群」を見てきました。

カメリアステージ図書館の1階にある歴史資料館は、コンパクトな展示エリアながら、空調管理のできる特別展示室を備えた資料館です。図書館に行くついでに歴史資料を見ることができる、それもまあまあ良い環境で観れるというのは、実はかなり嬉しいこと。そして毎年度末に、その年の発掘調査の報告展示があったり、研究成果をテーマ展示にしてくれたりするので、それがまた、とても嬉しいのです。

前回、ここで企画展示を見たのは2月のことでしたので

令和6年度分はそれでお終いなのかと思っていましたが、古墳の調査成果の展示が展示されるという情報を得て、図書館がてら足を運びました。

「令和6年度発掘速報展 新原・奴山古墳群」展

ふだんからよく目にしている景色である古墳群。発掘調査のお手伝いをしたことがあるわたしとしては、車で通るたびに「あ、今ここ掘ってるんだ!」とワクワクしています。現代の自分が親しみを感じている場所で、古代の人たちがどのように暮らしていたのか。発掘調査の成果を知ることは、まさにこの土地ならではの贅沢です。

今回の展示では、出土品が須恵器数点と数は少なかったのですが、遺構がどのように残っていたのか、豊富なカラー写真で解説する報告書が「ご自由にお持ち帰りください」で設置してあったのが、嬉しかったです。いつもは資料館入り口にあたる場所に、展示の看板が置いてあるのですが、今回は少し奥まった場所になっていて、ぱっと見わかりにくかったのが残念でした。もともと興味のある人は奥まで行って見るけれど、そうでない人にも、まずは「ついでに」でよいので見て欲しい展示です。せっかく展示しているのですから。

古墳好きの方、福津・宗像方面お越しの際は、ぜひカメリアステージ歴史資料館にもお立ち寄りくださいね。

カメリアステージ歴史資料館

昔に比べて楽になった!?久しぶりのパソコン移行作業でドキドキ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

昔に比べて楽になった!?久しぶりのパソコン移行作業でドキドキ。

仕事で使うメインパソコンを入れ替えるのは、数年に一度やってくる必須作業ですが、そのたびに入れ替えまでの年数が短くなっています。昨年からマイクロソフトがあまりにもしつこく「Windows11」へのアップデートを促してくるので、いやいや、このままアップデートしたらスペック的にたいへんなことになるでしょ!?ということで、アップデートのタイミングでパソコンを買い替えることに決めていたのでした。

もともとがアナログな人間なのに、仕事上の必要でパソコンやらインターネットにかかわるようになって約30年。でもまあ「自分がやらなければならない」状況にあったからこそ、なんとか今までやってくることができた、というのも事実です。ともあれ、昨年末に「年明けてから移行できるように」と注文したパソコンが思いのほか早く到着し、お正月休み明けからは、決算やら確定申告の準備やらで移行どころではなく、せっかくの新品PCがしばらく放置状態となっておりました。3月も中旬になってようやく「そろそろ移行準備に取り掛かるかな」という心境になったところです。

まあ何度やっても緊張します。そんななか今回とても役に立ったのが、昨年のうちに購入していた雑誌『2024年最新版 Windows11は初期設定で使うな!』(日経PC編)でした。11では、これまでにはない「おせっかい機能」が満載で使い勝手がかなり異なるということを、本誌でざっと目を通していたので、覚悟して取り組むことができました。一方で、いろいろな設定が自動でスムーズにいくところは、前回も感じていたところですが、やはり20年前とは雲泥の差がありますね。また「クラウド」の概念が浸透してからの移行は今回が初めてでしたので、そこはとても大きな違いだったと思います。

今回の移行でもうひとつ便利だったのが、WindowsのAIアシスタント「Copilot(コパイロット)」でした。移行や初期設定においてわからないことが出てきたら、とりあえずここで質問すると、ある程度解決。もちろんCopilotの言うことを鵜呑みに実行して「違うやん、やりなおし!」というケースもありましたが、そこはちゃんと画面に「間違いを言うこともあるよ」的な注意書きもありますので、まあそういうものということで。

あとはこまごまとしたことを整えていけば、通常運転に入ることができそうです。慣れている人から見たら、大げさなことを言っていると思われそうですが、わたし的には心理的負担の大きな作業です。なんとか目途をつけることができて、ほっと一安心。こういう仕事をしてくださる業者さんがいらっしゃるのはわかっているのですが、自分でできるうちは自分でやらないと、本当にまったく分からなくなってしまうという危機意識もあり、せめぎあいです。

読書『失墜の王国』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『失墜の王国』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から、海外長編ミステリーです。単行本544ページで、しかも久々に目にした二段組。ぱっと開いてその「字の詰まり方」を見たときに、途中で挫折するかも…と思ったのですが、まったくそんなことはなく、ページを繰る手がどんどん進み、実に読みごたえがありました。

巻末の解説で、本書は「重厚なノワール小説である」という言葉が出てきました。「ノワール小説」の意味を知りませんでしたのでググったところ、「暗黒小説」「犯罪小説」といったところのようです。たしかに主人公は「殺人犯」であり、主人公の一人称で進むストーリーは、全編を通して陰鬱な雰囲気をまとっています。その一方で、読み始めてすぐに、登場人物らが破滅に向かっていることがうかがえるのだけれど、不思議と楽観的な空気が漂っているという、なんとも言葉にし難い感じがありました。

ひとつには、文章がとても読みやすく美しいことが、暗黒小説という言葉とは一線を画していたように思います。文学的な表現が文章のあちらこちらに登場し、主人公の声(心の声も含めて)の端々には、哲学的なことばが垣間見えます。こうした文章の美しさは、著者はもちろん、日本語に置き換える訳者の方の力の大きさを感じさせました。こんなふうに日本の読者に届けてくださる存在(出版社・訳者)に、あらためて感謝です。というところでやはり、安定の早川書房さんだということに気づきました。

どうやら嬉しいことに、本国では本書の続編がすでに出ているということ。日本での刊行が楽しみです。本書はわたしにとっては「初めまして」でしたが、著者のジョー・ネスポ氏は「北欧ミステリ界の巨匠」だということです。さっそく図書館で検索してみたところ、既刊本を数冊発見。まずは既刊本を読みながら、続編を待ちたいと思います。

『失墜の王国』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳