読書『人はなぜ物を愛するのか』(白揚社)アーロン・アフーヴィア著/著田沢恭子 訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『人はなぜ物を愛するのか』(白揚社)アーロン・アフーヴィア著/著田沢恭子 訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。少し前に何かの書評でタイトルを見かけて、ちょっと興味をひかれたのですが、すっかり忘れていました。図書館で見つけて「そうだ、読もうと思ってたんだ」と思い出し。ありがたいです。

フルタイトルは『人はなぜ物を愛するのか 「お気に入り」を生み出す心の仕組み』で、近年の実用書あるあるの「長くてわかりやすい」やつです。原題は『The Things We Love How Our Passions Connect Us and Make Us Who We Are』ですので、そもそも原題も長いですね。

著者は、米国ミシガン大学ディアボーン校のビジネスカレッジでマーケティングの教授を勤めるアーロン・アフーヴィア氏。ですがご本人が「はじめに」で書いている通り、心理学・哲学・社会学に根差しているとわかる論考が並んでいます。そもそもご自身が、モテたいがために「愛の心理学のエキスパート」になるべく研究をしてきた、というのですから(これも「はじめに」より)。マーケティング本であり同時に心理学本であり、です。

300ページ以上、まあまあな厚さですが、どの章も面白かったです。訳者さんがあとがきで、本書を簡潔にまとめているので、どんな本なのかを早く知りたい方は、ここを先に読むとよいかもしれません。このなかに「モノを愛することで、世界とつながり、世界が広がっていく」という文章があり、本書の肝はこの一文に集約されるように思いました。「非対人的な愛がじつは私たちの自己認識や自己実現に大きくかかわる」(本書あとがきより)というのは、実感としてよくわかるものです。

ところで白揚社さんには『人はなぜ…』シリーズがあるようで、サイトで検索したらいろいろと出てきました。本屋さんで少し前に『教養としての…』がやたらと目につく時期があったなぁと思い出し。

『人はなぜ物を愛するのか』(白揚社)アーロン・アフーヴィア著/著田沢恭子 訳

読書『パンダパシフィカ』(朝日新聞出版)高山羽根子著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『パンダパシフィカ』(朝日新聞出版)高山羽根子著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から。初めましての作家さんです。

読みながら不思議な既視感を覚え、なんだろうと考えていたのですが、ブログを書き始めて思い出しました。昨年読んだ、高瀬隼子さんの本や、小砂川チトさんの本を彷彿とさせる、「日常を描いていながら、日常からちょっとずれている感じ」です。

この「日常からちょっとずれている感じ」は、わたしは嫌いではなく、なので本書にも引き込まれました。ストーリーは淡々と進み、いつのまにか「あれ?」という感じのことが増えてきます。本書が何を書いているのか、何を言いたいのか、実のところ、わたしにとっては明確にならないままに終わりました。朝日新聞出版社サイトでの紹介文(あらすじ)を読めば、「命をあずかることと奪うこと。」とあり、それはたしかにそうなのですが、簡単にそう断言できるような感じでもなくて、モヤモヤしたまま置いていかれる感じがありました。

「匂い」についての表現が、ずっとついて回ります。これがなんともザワザワとした印象につながります。人間の五感のなかでも「匂い」をかぎ取る嗅覚は、「危険」を察知するのに重要な役割を持っているのだよな、とあらためて思ったり、なのに花粉症などで「鼻が詰まって匂いがわからない」状態になっている人がたくさんいる現代って…ということを考えさせられたり。あ、タイトルについている「パンダ」のお話も、もちろん出てきます。それも「やや過剰」な感じで。

高山羽根子さん、著書を遡って追っかけたいと思います^^

『パンダパシフィカ』(朝日新聞出版)高山羽根子著

京都・大阪への弾丸出張、ものすごく充実した1日となりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

京都・大阪への弾丸出張、ものすごく充実した1日となりました。

今年に入って二度目の日帰り関西です。ひとつひとつの案件は、それぞれ別のものですが、昨年12月の京都視察あたりから、なんとなく関西方面とのご縁が再び強まってきている感じがしています。若かりし頃、大阪に住んでいたことがあり、仕事で大阪・京都・兵庫を歩き回っていた時期もありますので、関西方面は自分のなかでは親しみのある場所。嬉しいかぎりです♪

大阪阿倍野の暮らし用品さんでの茶器展が、先週金曜日からスタートしています。ダンナ・藤吉憲典は、初日に暮らし用品さんに顔を出すことに。個展はもちろん、複数の作家さんによる企画展でも、できるだけ藤吉が会場に伺うようにしています。今回の企画展では10名の作家さんが器を出しているのですが、顔を出すのは藤吉だけだったとのことで、オーナーの米田さんがとても喜んでくださいました。良かったです!

さてまずは京都。京都の街中は、昨年末の時点ですでに人が多いと思っていましたが、万博の影響やら、過ごしやすい季節だということもあるのでしょう、さらにすごいことになっていました。海外からのお客様と思しき方々と、修学旅行生が入り混じって、まあ賑やか。そんななか、明治初期から五条坂で京焼はじめ伝統工芸品を扱う老舗・朝日堂さんに、足を運んでまいりました。サロンでは、展覧会「超絶技巧 明治工藝展」を開催中で、明治の京薩摩を拝見することができ、眼福。美術館と異なり、作品に間近まで寄ることができますし、手にとることができるものもあるのが、嬉しいところです。オーナーさんとも、陶芸の枠を超えた様々なお話をすることができて、とても良い時間を過ごすことができました。

その後、大阪へ移動。大阪では、先般の九州EC勉強会でお世話になった、株式会社ユウキノイン代表取締役・酒匂雄二さんに、ウェブ活用の方向性と具体策について「壁打ち相手」=単発コンサルをお願いしました。ちょうど今月下旬から、毎年恒例の藤吉憲典公式サイトの調整・修正に入ることが決まっていますので、ベストなタイミング。花祭窯の事業のなかでウェブ活用をどのように位置づけていくか、思案しはじめたところでもありましたので、九州ECでお話を聞いて、酒匂さんにご相談しよう!と決めたのでした。

いやぁ、すごいです。約1時間の壁打ちで、ぼんやりと頭の中にあったことを、明確に言語化することができました。目指すべき方向に向かって「何をするか」を具体的に決めることもでき、ものすごく頭がすっきりしました!その場で花祭窯の持っているサイトをそれぞれ確認してくださり、思いもよらなかった課題も明らかになりました。目から鱗とはこのことです。今年は外部の専門家の力をいかにお借りするかをテーマにしていますが、さっそく助けていただきました。これも、九州EC勉強会でお会いしてお話を聞いていたからこそ。ありがとうございました。

という感じで、とっても充実した一日となりました。行き帰りの新幹線から、福山城と姫路城がよく見えたのも良かったです。帰りはどちらのお城もライトアップされていました^^


茶器展 暮らし用品

場所:大阪市阿倍野区阪南町1-45-15
電話:06-6628-2606
会期:2025年4月19日(土)~5月6日(火)11時~18時
※水・木・金はお休み。
※詳細は、暮らし用品さんのホームページでご確認ください)。

毎年四月の恒例行事、茶道南方流の献茶式&お茶会「南坊忌」でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

毎年四月の恒例行事、茶道南方流の献茶式&お茶会「南坊忌」でした。

毎年4月に開催される「南方流遠祖・南坊宗啓禅師 献茶会」。今年も参加することができました。まずは前日土曜日のお茶会準備。よく晴れて暖かく、お掃除日和の一日でした。

現在「つくばいのお掃除係」を拝命しているわたくし、同輩のお仲間と手分けして、露地の4か所にあるつくばいのお掃除からスタートです。つくばいがきれいになったら、今回は露地のお掃除にまわりました。準備に参加する皆さんの阿吽の呼吸で、屋内の準備に回る人、露地の掃除に回る人と、うまいぐあいに手分けして準備が進んでいくのが、毎度すごいところです。

さて露地では、季節柄どんどん草が伸びてきています。ちょうど満開を迎えているツツジの華やかさを横目に、細かいところまでお掃除していきます。お掃除しながらのおしゃべりがまた楽しい。南方流で茶道修業をスタートして10年以上経ちますが、その間ずっと変わらず凄いと感じるのは、こういうときに先生方が率先して一番動いておられることです。そんな先生方の背中を見ていると、少しでも役に立ちたいという気持ちが、自然と沸き上がります。

お茶会本番の日曜日は、南坊宗啓禅の法要の献茶からです。今年の献茶は和尚様のお点前を拝見することができました。献茶と読経が終わったら『南方録』のお勉強。毎回少しづつ、和尚様が原文・書き下し分・解説と読んでくださいます。難解な表現も多いですし、自分自身の未熟さゆえに理解できないこと多々、というのが正直なところ。ですが「わかっても、わからなくても、読んでいくことが大切」とおっしゃってくださるので、安心して耳を傾けています。

法要が終わったら、昼食をはさんで、濃茶・薄茶の残茶拝服です。今回は、いずれ「水屋係」として自ら考えて動けるようになることを目指して、ご指導をいただきました。結論から言えば、もう、ぜんぜん気が回らずご迷惑をかける結果となってしまいました。「やらないと、できるようにならないのだから、いいんですよ」とおっしゃってくださる皆さんに助けられています。

席に入れば入ったで、今回も末客を仰せつかり、これまたちゃんと働けず。皆さんに教えていただきながら、頭のなかが真っ白になりながら、でした。あとで冷静に考えたら「ふだんどおりにすればよい」とわかることが、そのときには、動けなくなったり、わけのわからない動きになってしまったりするのですから、なんだかな…という感じです。とにかく、自然と体が動くようになるまで、繰り返し失敗しながら学んでいくしかありません。

たくさん失敗し、たくさんご迷惑をかけながらのお茶会ですが、それでも終わったときにはとっても充実した気持ちになっているのは、ほんとうに周りの皆さんのおかげです。とても恵まれています。今回も、ありがとうございました。

花祭窯でお抹茶

読書『図書館を建てる、図書館で暮らす 本のための家づくり』(新潮社)橋本麻里・山本貴光著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『図書館を建てる、図書館で暮らす 本のための家づくり』(新潮社)橋本麻里・山本貴光著

いつものカメリアステージ図書館、貸出カウンター横の特集コーナーより。今月の特集は「本の本」となっていました。「本」「図書館」の文字に、ついつい引っ張られるわたしです。上の写真は、わたしの好きな「本のある場所」のひとつ、福岡アジア美術館内の図書コーナー。

「図書館で暮らす」なんて魅力的な響きでしょう。学芸プロデューサーの橋本麻里さん、文筆家の山本貴光さんご夫妻の共著。その「図書館」を設計した建築家・三井嶺さんのお話も掲載されています。三者がそれぞれの立場・視点から、ご夫妻のご自宅であり仕事場であり図書館である建物について、図書館について、本について語る内容は、現実的な試行錯誤の話でありながら文学的であり哲学的であり。

図書館とはいっても、私設図書館どころか、まったくオープンなものではなく、個人宅。仕事柄、図書館が近くにあることが必要である、というお二人の生活・仕事拠点です。蔵書ファーストな設計による建築物は、家に図書館があるというよりは、図書館が家である、と言ったほうが良さそうなもので、本好きにはうらやましいかぎり。でもそれを実現してしまうというのは、並のことではありません。それほどの情熱と必然性が、淡々とした文章から伝わってきます。

本が物理的に並んでいることによる効用は、実感として理解できることであり、だからこそ、電子書籍などのデータではなく、紙の本が必要なのだという確信を、再認識できる読書でもありました。読み終わったわたしが、我が花祭窯の図書館ならぬ「図書室」を、しっかり充実させたいという思いに駆られたのは、言うまでもありません。

『図書館を建てる、図書館で暮らす 本のための家づくり』(新潮社)橋本麻里・山本貴光著

大阪阿倍野の暮らし用品さんでの「茶器展」4月19日(土)スタートです。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大阪阿倍野の暮らし用品さんでの「茶器展」4月19日(土)スタートです。

大阪阿倍野にあるギャラリー暮らし用品さんでの「茶器展」は、今週末4月19日オープンです。陶・磁・ガラス・木の作り手10名のお茶の器・道具が並びます。一つのテーマでいろいろな作家さんの作るものを見ることができる機会は、とても楽しいです。一昨年、やはり暮らし用品さんで開催された「酒器展」に続いて、今回は「茶器展」。

藤吉憲典も、急須・杯・菓子器など30点以上をお届け完了いたしました。昨年、中国北京の喜水ギャラリーさんで個展をしたご縁から、中国茶器を学ぶことができましたので、その成果も。急須、蓋碗、湯冷まし、杯、菓子皿などをお届けしています。今回の茶器展で、色絵(赤絵)を付ける作家は藤吉だけのようですので、会場に彩をお届けできると良いな、と思います。

通常の個展などより少し長めの会期で、ゴールデンウィーク最終日5月6日(火)までの開催です。大阪万博も始まりましたし、関西方面お越しの際に、お立ち寄りいただける方もあるかもしれませんね。ぜひご覧くださいませ。


茶器展

暮らし用品

場所:大阪市阿倍野区阪南町1-45-15
電話:06-6628-2606
会期:2025年4月19日(土)~5月6日(火)11時~18時
※水・木・金はお休み。
※初日4月19日は15時まで予約制、15時以降は予約不要。

※詳細は、暮らし用品さんのホームページでご確認ください)。

暮らし用品 茶器展

読書『強運の持ち主』(文春文庫) 『天国はまだ遠く』(新潮文庫)瀬尾まいこ著 の中編ふたつ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『強運の持ち主』(文春文庫) 『天国はまだ遠く』(新潮文庫)瀬尾まいこ著 の中編ふたつ。

いつものカメリアステージ図書館より。先日久しぶりに読んだ瀬尾まいこさんの文体が、とっても優しくて心にしみるような感じで嬉しかったので、目に入ってきた著者名に、迷わず手が伸びました。

『強運の持ち主』は、占い師になった主人公のもとに訪れる相談者の相談内容と、主人公自身の日々の生活とが淡々と描かれています。公式サイトに「“小さな世界”へのこだわり」というタイトルで書評が載っていますが、その「小さな世界=日々の生活」と結びついた喜怒哀楽が、どれだけ大切なものか、が、じんわりと伝わってきます。

『天国はまだ遠く』では、自殺未遂をした主人公が死にきれず、自然に囲まれた山奥で毎日を過ごしていくうちに、「自分の居場所」について気付いていく物語。こちらも、スタートは「自殺未遂」という、ある種事件でありながら、穏やかに毎日を積み重ねることで自分を取り戻していく様子は、事件とはかけ離れています。

両方とも、さもない日々の生活こそが人生なのだと思わせてくれる物語。読後感がとにかく「やさしい」の一言です。きっと著者の瀬尾まいこさんのお人柄が、書くものににじみ出るのだろうなぁと勝手に思いつつ。

『強運の持ち主』(文春文庫) 『天国はまだ遠く』(新潮文庫)瀬尾まいこ著

実は年初から「IT系のお困りごと」続発で修業を強いられておりました(笑)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

実は年初から「IT系のお困りごと」続発で修業を強いられておりました(笑)

金融サービスの管理画面にログインできなくなったり、突然PCが挙動不審になったと思ったら単にマザーボードの電池が切れていただけだったり、PCのデータ移行用に外付けのSSDを買ってきたら新品なのに「予期せぬエラー」でアクセスできなくなったり、旧PCから新PCへとデータを移したら勝手に上書きされて消えてしまったり、海外からの送金がうまくいかないとお客様に言われ散々調べてもらったら実はお客様のちょっとした勘違いだったり…。解決してみれば、どれも原因はさほど深刻なものではなく、ちゃんとわかることばかりでホッとしたのですけれど、「次はなにが来る!?」と戦々恐々でした。

修業を強いられておりました…と過去形で書いたものの、実はまだあと一つ問題が残っています。Windows11にしたら、プリンタのスキャナ機能が使えなくなったまま、という。ドライバをアンインストールしてはインストールし直し、と数回繰り返しているのですが、うまくいかず…。公式サイトによれば、同じエラーが出ているのはわたしだけではないようで、症状の当てはまるヘルプがありました。それを読んでやっているんですけど、その通りには回復しないという…ふぅ(笑)。おそらく、苦手でない方にしてみたら、「トラブル」とも言えない、ちょっとしたことばかりだと思います。でもね、パソコンとかインターネットとか、デジタル系が、不得手なのです。

「仕事でやりたいことをするために必要な手段」だからやっていますが、仕事をしていなければ、とっくに浦島太郎です。こういう事態に陥るたびに、いつも思い出すのは事業を始めてインターネットを使い始めた当時のこと。わたしが藤吉憲典の作品を販売するネットショップをスタートした2000年は、いわゆる「黎明期」で、それこそわからないことだらけでした。冷や汗をだらだらと流しながら、四苦八苦していました。でも「掲示板」その他、善意の人が集まり不得手な人を助けてくれる風土・場があり、親切な方々に頼りながら何とか乗り越えてきました。そのころのことを考えると、今はより「公式なフォロー」が行き届いた環境になってきているのは確かです。つまり、あとは、そうした情報をきちんと使いこなせるかどうか、ということになりますが。

「システム管理者」的な存在を確保して、その人に投げて解決してもらう、というようにできたら楽なのだと思います。そろそろそのような方法も、選択肢に入れていかねばならないのかもしれません。ひとつ解決するたびに大きくため息をつきながら「今回のこのトラブルを乗り越えて得たものはなんだ?」と自問します。トラブルが起きた時の解決に向けて取るべき方法の選択肢が少し増えて、トラブルに対する耐性(図太さ)が少しついて、現在自分たちがお世話になっているモノ・サービスの「仕組み」を、理解できたとは言えないまでも垣間見ることはできて、チャットによるサポートが格段に便利になっていることがわかって…と、自分でやるからこそわかること、学ぶことがたくさんあるのは確かです。

今回、続けざまにトラブルに見舞われて、一番感心したのは、チャット、メール、電話等で対応してくださった、様々なカスタマーサービスのスタッフの方々がとても親切で忍耐強いこと。すごいな、と思いました。パニック気味のこちらに対し、一つ一つ確認しながら、できることできないことを明確にして、解決に導こうとしてくださる姿勢に、何度も助けられました。そして、解決してしまえば「おかげで理解できることが少し増えた。もう少し自分で頑張ってみよう」と思ってしまいます。すべて他者に任せてしまって、自分がまったく理解できなくなってしまうことに対する怖さがあるというのも、実際のところ。結局は、その時間と労力をどう位置付けて考えるかですね。

なんてことを考えさせられたここ数か月でした^^

読書『「ひとり社長」の賢い節税』(明日香出版社)杉田健吾著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『「ひとり社長」の賢い節税』(明日香出版社)杉田健吾著

出版コンサルタント・土井英司氏が発行しているメールマガジン「ビジネスブックマラソン」略して「BBM」からの新着書籍の一冊です。平日ほぼ毎日届くこのメルマガ、要点を簡潔に伝えてくださるのでとっても便利です。すごい読書量だなぁと感嘆しながら、ビジネス書の選書に重宝に使わせていただいています。

タイトルは『元国税が教えるお金の残し方「ひとり社長」の賢い節税』です。近年のビジネス書あるあるの、長くてわかりやすいタイトルですね。節税関連の本は調べればたくさんヒットしますが、著者が「元国税職員」というのが響きました(笑)。法人化を検討しているわけではないものの、丸善で中身をパラパラと確認したところ、事業をする者として理解しておくべきことが多々載っていましたので、ゲット。個人事業主として仕事をするよりも、法人化したほうが良い!というのが、本書の一貫したスタンスです。もちろん「こういう人には法人化はおススメしない」という例外も載っていますが。

ただ、法人化を検討していない身にとっても、税金の考え方、節税の考え方、経理の仕方の考え方、なるほどと勉強になること多々です。以下、備忘。


  • 経費として認められる2つの条件
    ・事業活動に「直接」関連していること
    ・事業活動に必要であること
  • 領収書の裏には、事業に関係する『誰』と『何の目的で』行ったのかを書いておきましょう
  • 実際に仕事で使用している証拠
  • 所得税、復興特別所得税、住民税、個人事業税、国民年金、国民健康保険
  • SNSへの投稿は(自身のブランディングのための)立派なマーケティング戦略
  • どんどん稼いでいくつもりなら、さっさと法人化すべき
  • ズボラ会計
  • 勘定科目をパターン化して簡単に
  • 貸方科目はすべて短期借入金(社長借入金)(個人事業主の場合は事業主借)を使用
    →現金勘定を使わないことにより、日々の現金管理が大変になるのを避ける。
  • 領収書をもらい忘れた場合は、メモ書き
  • (税務調査が入った場合)調査官は主として売上の計上漏れや給与の不当な操作など、より悪質な脱税に近い大きな項目を重点的にチェック
  • 自分で会計処理を行い、万が一の税務調査で認められない費用が見つかったときに修正するほうが、はるかに合理的
  • ビジネスを個人で行っても法人で行っても、日々の事務作業はほとんど変わらない
  • 法人化することで難しくなるのは、決算と申告だけ
  • 会計ソフトを使えば決算書は比較的簡単に作成できます。申告書の作成も、決算書さえできていれば(完璧でなくても)何とかなります。
  • 決算書を持って税務署に行けば、申告書の作成方法を無料で丁寧に教えてくれます。
  • 税務調査を恐れるよりも、積極的に税務署を利用する
  • 節税の本来の目的は、手元に資金を残すこと
  • その節税方法は本当に手元に金を残すものなのか
  • 自分で理解できないものには手を出さない
  • 賢い節税のための5つのポイント
    1.手元に資金を残す
    2.不要な支出を避ける
    3.事業の成長につなげる
    4.法令を遵守する
    5.長期的な視点を持つ
  • いかに経費を『賢く』増やすか
  • すでに発生している支出をいかに経費として認識するか
  • 日々の事業活動の中で、どのような支出が経費として認められるか、またどのようにすれば経費として認められるようになるかを常に考える習慣
  • 将来の売上(収入)を増やすために先に支出する費用を経費として計上する
  • 税金の発生するタイミングをコントロールする(例:減価償却費、経営セーフティ共済等)
  • 専門家を上手に活用できる経営者になる
  • 専門家に適切な質問をする
  • 自分の意見を論理的に説明できるよう準備しておく
  • 税法はつねに変化している
  • 節税脳を鍛えるのは、継続的なプロセス
  • レシートにメモを残す
  • 「なぜこの費用が会社の事業に必要なのか」をしっかりと説明できること
  • 利益が出てから慌てて対策を考えるのではなく、早い段階から適切な節税計画を立てておくこと
  • 事業の成長とブランディングに必要な支出を適切に経費計上する

『「ひとり社長」の賢い節税』(明日香出版社)杉田健吾著 より


今のタイミングでこの本を読むことができて、すごく良かった!勉強になった!内容でした。これから独立しようとしている方、すでに個人事業を立ち上げている方、知識として知っておくべきことがたくさん載っていると思います。おすすめです^^

『「ひとり社長」の賢い節税』(明日香出版社)杉田健吾著

2025年映画三本目は『ブリジットジョーンズの日記』-実は初めましてでした♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2025年映画三本目は『ブリジットジョーンズの日記』-実は初めましてでした♪

今作のタイトルは『ブリジットジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』。「ブリジットジョーンズの日記」のタイトルは、もちろんこれまでも知っていました。が、コメディは好きだけれど「ラブコメ」にあまり興味がなかったもので、スルーしていたのです。なぜか米国が舞台の恋愛ものだと思い込んでいたのですが、舞台&ロケは英国なのですね。そんな情報がじわじわと入ってきて、興味がわいてきました。

最初はいつだったのかしら?とググってみたら、2001年とでてきました。2作目の『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』が2016年。そして2025年の今作。現代女性の恋とキャリアをメインストーリーにした映画が、続編で四半世紀を超えようとしているって、すごいことだと思います。「初めて見るんだったら、これまでのやつを見てから行くのがおススメ!」と、ブリジットジョーンズファンの方からアドバイスいただきましたが、見る時間を作れませんでしたので、とりあえず映画館へ。

アラフィフ設定のブリジットジョーンズ。泣けて笑えて、また泣けて、な映画でした。初めてスクリーンで観たブリジットジョーンズその人の、なんと魅力的なこと。ブリジットを演じたレネー・ゼルウィガーさんは、米国の人なのですね。Wikipediaによれば、ブリジットジョーンズを演じるために、英国英語を完全にマスターしたとのこと。くるくる変わる表情が豊かで、かわいらしくて、とっても素敵でした。わたしが観たことのある映画では、『シカゴ』で主演をなさっていたのだとわかりましたが、その時の印象とはまったく違っていました。

ストーリーそのものはありがちでしたが、登場する人たちの姿が魅力的で、とてもいい映画だなぁと思いました。ヒュー・グラントも良かったです♪壮大なドラマや事件がなくても、悩みながら懸命に生きていることが伝わってくるだけで、十分なのだと思えました。今作初めて見ただけでもこれだけ感情移入できるのですから、第一作目からぜんぶ見ている人には、たまらないだろうな、と。というわけで、過去作二本、遡って見ることにいたします。もし何年か後に続編ができたら、それもきっと、わたしは観に行くと思います^^