2018 読んだ本ベスト5!

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

2018 読んだ本ベスト5!

「2018 一番使っている英語本」ベスト3を出したので、まだ何冊か2018年中に読む本は有りそうですが、とりあえず現時点での振り返り。当初こちらも「ベスト3」にしようと思っていたのですが、あらためて年初からの記録を見直すと、「あ!そうだ!あの本も!」とどうしてもタイトルを紹介したい本が増え…結果としての「ベスト5」です(^^)

第5位『バッタを倒しにアフリカへ』(光文社新書)前野ウルド浩太郎著

本書を「勢い余って1冊余分に買ってしまった」お友だちが分けてくださった本(^^)表紙のインパクトに膨らむ期待感を裏切らない面白さでした。笑いながら読みましたが、「好きなことを仕事にする」とはどういうことなのか、実は哲学的な葛藤も含んだ本です。

第4位『英語でアート』(マール社)佐藤実・宮本由紀共著

「2018 一番使っている英語本」では使用頻度という意味で第2位でしたが、全ジャンルの「本」として見たときに、唯一ベスト5に入った英語本です。ほんとうにお世話になりましたし、とっても勇気づけられました。

第3位『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)
森嶋通夫著

直方谷尾美術館の古本BOXで偶然出会った1冊。思いがけず子どもの成長を見守るうえで、一つの指針になった本です。

「教育とは個人の持っているいろいろの資質を耕す(カルティベイト)ことであって、型にはめることではないと考えているようです。その結果、教育と文化(カルチュア)が直結する」(本書より)

第2位『15の夏』(上・下)(幻冬舎)佐藤優著

まだ読み終わったばかりですが、わたしにとって質・量ともにボリュームの大きな本でした。いろいろなことを考えさせられました。教育のこと、仕事のこと、政治のこと、「国」というもののこと、国際交流について、哲学的なこと、教養とはなんぞや…

第1位『日の名残り』(早川書房)カズオ・イシグロ著

今年はわたしにとって「カズオ・イシグロ元年」でした。『遠い山なみの光』『わたしを離さないで』『日の名残り』『充たされざる者』『わたしたちが孤児だったころ』…。

今年は思いのほか「分厚い本」を読破することができました。気持ちに余裕が無いと後回しになりがちな「分厚い本」。今年は読書時間を確保できたということですね。ありがたいことです。

一番使っている英語本 2018。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

一番使っている英語本 2018。

ここ数年、毎年3冊以上は購入してきたと思われる英語関連本。書評に釣られてついポチっとしたり、本屋さんで衝動的に購入するのはそろそろやめにしようと思います(笑)そのためにもまずは手元に持っている本のなかで、自分が実際に使っている英語本を確認してみようと思いました。ちなみに「2018」というのは、わたしが2018年に一番使った、という意味であって、刊行された年とは必ずしも一致しませんので悪しからず<(_ _)>

「一番」というからには1冊を選ぶべきなのでしょうけれど、ふじゆり的ベスト3はこちら!

第3位:『会話もメールも 英語は3語で伝わります』(ダイヤモンド社)中山裕木子 著

主に日常的に海外の方とおしゃべりするときの会話で役に立っています。流暢な英語をしゃべることができなくても、ちょっとした視点の切り替え=「3語で組み立てる」を意識することで、少し楽に伝えることができると実感しています。これが習慣としてしっかり身につけば、もっと会話がスムーズになるだろうな、と思います。

第2位:『英語でアート』(マール社)佐藤実・宮本由紀 共著

アーティストのポートフォリオを作成したり、そのポートフォリオをメールや手紙で送ったり、という、まさに実践的なところで役に立っています。「こういう本が欲しかった!」をかなえてくれた本です。

下の画像は、この本に倣ってつくった藤吉憲典のアーティストポートフォリオ。A4で1枚にまとめることを意識してつくったものです。この1枚に「なにを入れるのか、どう入れるのか」。英語での表現ということだけでなく、海外に向かうアーティストにとって必要な基本もおさえることができます。

Ceramic artist Kensuke Fujiyoshi portfolio
Ceramic artist Kensuke Fujiyoshi portfolio

第1位:『英語のお手本 そのままマネしたい「敬語」集』(朝日新聞出版) マヤ・バーダン 著

英文メールを書くときに手放せない本です。現在、仕事上もっとも英文メールを送る頻度が高いのは、ロンドン宛。メールは書くのに時間をかけることができる分、内容がわかりやすいようにはもちろん、出来るだけ丁寧に、失礼にならないように、を意識しています。この本で紹介されている、英語での敬語の使い方を駆使してメールの文章を作成しています。

おかげで、実際に会って話をすると「メールの英文はいつもとても素晴らしいけれど、ほんとうに自分で書いているの?」と、あまりにも会話英語が拙いことに驚かれてしまいます(汗)良いやら悪いやら…だからやっぱり、会話力ももっとつけて行かないといけませんね。

読書『サピエンス全史』(河出書房新社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『サピエンス全史』(河出書房新社)ユヴァル・ノア・ハラリ著

『サピエンス全史』上下巻。副題は「文明の構造と人類の幸福」。2016年初版の発行時からずっと気になっていた本を、やっと読みました。

人類の進化の歴史と、その結果起こっていること、起ころうとしていることを説き・問題提起しています。人類史・文明史を生物学的な側面、科学技術的な側面から眺めるだけでなく、哲学的にも社会学的にも考察することを求められる本。

わたしが上巻で引っかかったキーワードは「虚構」。そして「客観的現実」と「想像上の現実」。下巻では、章題にもなっている「文明は人間を幸福にしたのか」。そして最終章で提起される「私たちは何を望みたいのか?」。

上巻を読みはじめて気がつけば、つい先日聞いてきたダライ・ラマ法王の法話の内容が、ずっと頭に浮かんでいました。「空(くう)である。すなわち、すべてのものには微塵たりとも実体性が無い。実体があると勘違いするから、そこに執着その他が生まれる」というお話。

背筋が寒くなるような示唆もありましたが、事実そのような危惧のある現代に生きている者としては、読むべき本、読んでよかった本だと思いました。ボリュームがあり消化しきれなかった感があるので、また時間をおいて繰り返し読もうと思います。

特撰復刻古伊万里蕎麦猪口

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

特撰復刻古伊万里蕎麦猪口

12月に入ってご依頼が少し増えてきました。福津市のふるさと納税で花祭窯が提供している返礼品。市からの要望があって、今年の春に提供品の種類を増やしたところ、「特撰復刻古伊万里蕎麦猪口揃い」のシリーズが人気です。

上の写真は、ふるさと納税額20万円以上で選ぶことができる、特撰復刻古伊万里蕎麦猪口揃いの5客組。内容は…

  • 錦粟に鶉文蕎麦猪口(にしきあわにうずらもんそばちょこ)
  • 錦紫陽花文蕎麦猪口(にしきあじさいもんそばちょこ)
  • 染付風船蔓唐草文蕎麦猪口(そめつけふうせんかずらからくさもんそばちょこ)
  • 染付丸文撫子文蕎麦猪口(そめつけまるもんなでしこもんそばちょこ)
  • 染付青海波文蕎麦猪口(そめつけせいがいはもんそばちょこ)

いずれもしっかりと手が入った文様ばかり。もちろん藤吉憲典の作品です。通常のご注文と同様、ご依頼を受けてから制作しています。3~4ヵ月お待たせするにもかかわらず選んでくださる方々がいらっしゃるのは、ありがたいことです。

ちなみに、通常の蕎麦猪口ご注文は、オンラインショップ花祭窯・蕎麦猪口倶楽部で承っております(^^)

ふるさと納税については賛否ありますが、この制度を通して多少なりとも地域の役に立つことがあるのだとしたら、それは事業者として嬉しいことです。

福津市が寄附金の使い道として掲げているなかでも【文化財保護や伝統文化の継承に関する事業】に賛同していただけると嬉しいな、と。福津市には世界遺産登録された「新原奴山古墳群」や、花祭窯のすぐ近所に国登録文化財の「藍の家」などがあります。

九州EC勉強会でした!

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

週末は、2018年ラストの九州EC勉強会でした。写真は会場となった、ピアリビングさんのピアカプリスレンタルスペースセミナールーム。

九州EC=九州ECミーティングは、EC(イーコマース)事業者が集い、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会で、2005年1月にEC事業に関する情報過疎地であった九州でも東京並みの情報が得られる場を作ることが目的で結成された会です。幹事による完全ボランティア運営で、わたしも末席ながらちょっぴりお手伝いをしています。

今回の講師は株式会社パーシヴァルCMOの酒匂雄二さん。ネットショップのためのビジネス・ポータル「ECのミカタ」でもコラムを書いておられます。テーマは「地域特化SNSで勝ち取る検索No.1~局地戦で中小企業が大手に勝つ方法~」。字面だけ見るとなんだか勇ましい感じですが、わかりやすくて面白くて、あっという間の3時間半でした。

わたし的に今回のセミナーで得たポイントベスト3はこちら。

  • 詳しくわかりやすく丁寧に!の基本。
  • 好き+仕事。必要なのは愛と情熱。
  • ニッチなキーワードを占拠。

今日から仕事に取り入れてまいります(^^)

読書『十五の夏 上・下』(幻冬舎)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『十五の夏』(幻冬舎)

作家・元外務省主任分析官 佐藤優氏によるご自身の回想録、といったらよいのでしょうか。上巻・下巻ともにそれぞれ435ページという、質量ともにずっしりと読み応えのある本でした。「知の巨人」と呼ばれる佐藤優さんがどのような青春時代を送ったのか、気になっていたのをやっと手に取ることができました。

上巻はまるで冒険小説でも読んでいるような疾走感。高校一年生とは思えない佐藤優少年のしっかりした思考・発言・振る舞いに対し、読んでいる自分のドキドキと落ち着かないこと。一気に読みました。

下巻は当時の政治的な空気や、この旅に至るまでの佐藤少年の背景にあったものを理解するためのストーリー(エピソード)が解説的にたくさん入っていることもあって、正直なところ読み進むのにやや困難を感じる部分も少なからずありましたが、それでも一気に読まずにはいられない興味深さがありました。

大学生、高校生、そして中学生にも(かなり難しく感じるかもしれませんが)ぜひ読んで欲しい本だと思いました。それから、そういう年代のお子さんが周囲にいらっしゃる大人にも、ぜひ読んでみて欲しいと思いました。

上下巻を通じて最も印象に残ったのは、国にしても人にしても「好き嫌いに関係なく、相手のことをよく知ることがまずは何より大切である」という通底したメッセージ。そして最終章に出てくる、浦和高校で倫理・社会を教えていたという堀江六郎先生のことば「ほんとうに好きなことをしていて、食べていけない人を私は一度も見たことがありません」「ただし、それはほんとうに好きなことでなくてはダメです。中途半端に好きなことではダメです。ほんとうに好きなことをしている人は、必ずそれで食べていくことができます」(『十五の夏 下』幻冬舎より)という言葉。

藤吉憲典の新しいパンフレット制作中。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の新しいパンフレット制作中。

写真は、2018年上海での藤吉憲典展での一幕。

2019年からの動きに合わせて、パンフレット=作品集を編集しなおしています。2019年はアート系の作品が多く生まれてきそうなので、その前に現時点でのアーカイブ整理整頓というところです。

今回のパンフレットに載せる作品も半分以上がすでにお客さまのもとにある状態で、ありがたいことだなぁとつくづく。同時に、手元にある写真データを見繕いながら、作品が嫁いでいく前にもっとちゃんとプロに撮っておいてもらわなければ、という反省も。

今までは漠然と感覚的に見ていた藤吉憲典作品も、生み出された作品の数が増えるにしたがって「箱シリーズ」「動物シリーズ」「半人シリーズ」「社会シリーズ」と色分けできることが見えてきました。同じ作品写真でも、カテゴリーによって色分けしたら、観る方にとって、より受け取りやすいものになるかもしれないな、などと考えつつ。

藤吉憲典の新しい作品パンフレット。年明け早々の完成を予定しています。

福岡県立美術館

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福岡県立美術館。

先日、学芸員の研修でお世話になった福岡県立美術館。気がつけば何年振り?の久しぶりの訪問でした。

特別展が開催されることの多い3階展示室と、館収蔵品のコレクション展などが開催されることの多い4階展示室。今回は4階展示室でスタートした『コレクション展3 特集:おしゃべりな絵画と寡黙な絵画』を観てきました。

今回の展覧会を担当した福岡県立美術館学芸員さんによるギャラリートークに参加。わたしはふだん展覧会を見る際、できるだけ言語情報を入れたくないので、めったにギャラリートークに参加しません。が、久しぶりの「解説を聞きながらの鑑賞」は、学芸員さんの熱意が伝わってくる、あたたかい時間となりました。

近年はどの館でも特別展には「イヤホンガイド」が用意されていることが多いですが、せっかく解説を聞くのならば、有名人によるアナウンス的解説音声よりも、実際に関わった学芸員さんの生の声で聞いた方が、伝わってくる熱量が違うよね、と感じました。

福岡県立美術館でお薦めしたいのは4階にある『美術図書室』。3万冊以上の美術図書を自由に閲覧できるということですが、個人的には、近所の図書館や書店では見つけにくいアート系の月刊誌・季刊誌などが並んでいるのが嬉しいです。また、これも書店ではなかなか見つけることのできない全国の展覧会図録を探すことができるというのも嬉しいですね。

 

映画『ボヘミアンラプソディ』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

映画『ボヘミアンラプソディ』

写真はわたしのお宝Queenの2枚組ベストアルバムに入っている解説書から。

そもそもQueenが好きなので、当たりまえに観に行ったわけですが、好きになって30年ほどを経た今、思いがけず「歌詞の意味、その歌詞が生まれた背景を深く考える」初めての機会となりました。

わたしがクイーンを聴きだしたのは、10代前半からのこと。ラジオで全米チャートを聴き、夜中にMTVでプロモーションビデオをチェックするという、当時の洋楽好きな中高生にありがちなパターン。

クイーンに限らず、洋楽をたくさん聴いてはいても、英語の歌詞は何を言っているかわかりませんでしたし…歌詞カードを読めば少しはわかったのでしょうけれど(笑)、ヴォーカルの魅力は音のひとつとしての魅力でしたから、歌詞の内容を気にしたことがありませんでした。ひたすら「音の格好良さ」に惹かれて聴き続けてきたのです。

映画『ボヘミアンラプソディ』を観たあとで、今まで何百回・何千回と聴いてきた同じCDの音がまた違って聞こえる不思議。

上映期間中にもう一度映画館に行けたらいいな、と思いつつ

連続講座第5回「美術館de音楽療法」

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

連続講座第5回「美術館de音楽療法」

博物館マネジメント人材育成事業」の一環である連続講座「2025年問題に向けた高齢者の健康と博物館の役割」。第1回目「コラージュ」、第2回目「園芸療法」、第4回目「回想法」に続いて、第5回目「音楽療法」に参加してまいりました。

写真は、今回の会場となった福岡県立美術館。開催中の「バレルコレクション」、足を運びたいなと思いつつ、当日はガッツリ音楽療法を学びました。これまで3回受講した連続講座のなかでも、最も実験的な試みの講座でした。

指導してくださったのは、福岡女子短期大学音楽科の井上幸一先生。ほとんどの参加者が日頃は音楽は聴くだけの素人状態から、「即興的アンサンブル」を完成させるところまでしっかりと導いてくださいました。

以下、備忘。


  • 社会的・文化的関わりから音楽療法を捉える「コミュニティ・ミュージックセラピー」の考え方
  • (単にリラックスする、というようなレベルではなく)意図的、計画的に音楽を使用する
  • 音楽は時間芸術である
  • 音楽による非言語的コミュニケーション
  • ソーシャルアートとしての音楽
  • 触媒としての音楽
  • 音楽の構造のなかで「リズム」は本能的・情動的レベルで、人間が最初に取得し最後まで残るもの。
  • 理論的背景にあるのは「医学モデル」「精神分析モデル」「行動療法モデル」「人間主義的心理学」「同質の原理」
  • 精神分析モデル→音楽は無意識のレベルに働きかける
  • 同質の原理→浄化作用(カタルシス)をもつ

(「美術館 de 音楽療法」福岡女子短期大学音楽科 井上幸一先生 より)


座学ののち実験的に挑んだのは「絵画のイメージを音(即興的アンサンブル)で表現する」という、冷静に思い返せばかなり「無茶ぶり」な内容でした(笑)

この活動を通して最も大きく感じたのは「ふだん自分が何かを表現し伝えようとするときに、いかに『言語』という手段に頼っているか」ということ。そして、言語という手段に安易に頼るがゆえに、「きちんと伝える」ためにすべきことがないがしろになっていたかもしれないという反省。

広義での「鑑賞=見ること」について、あらためて考える機会となりました。