弁当の日。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

弁当の日。

本日は、息子の通う中学校で「弁当の日」でした。「弁当の日」とは…

『2001年、香川県の小学校で竹下和男校長(当時)が始めた「弁当の日」。子どもが自分でお弁当を作って学校に持ってくるという取り組みです。 何を作るかを決めることも、買い出しも、調理も、弁当箱に詰めるのも、片付けも、子どもがします。親も先生も、その出来具合を批評も評価もしないという約束です。』(株式会社共同通信社サイトより)

ここ福津市の小中学校でも数年前から取り組みが行われています。我が息子にとっては小学校高学年からはじまり、今回が3回目。

数日前から献立を考え、必要な材料を書き出し、弁当作りの手順を考えていました。学校と部活で平日の時間を確保するのが難しいため、材料の買い出しはわたしがお手伝い。「全て子どもがする」というところにこだわりすぎると、チャレンジがストレスになるので、そこは臨機応変に。

前日の晩には、台所に下ごしらえと弁当箱の準備がしてあり、当日の朝はいつもより30分以上早く起きてお弁当作り。「時間と手間をあまりかけずに、でもおいしいの(=自分の好きなの)を、彩りよく」考えた結果の献立に、なるほどと思わずニヤリ。残念ながら、写真を撮るのを忘れてしまいました…。

全国の小中学校に広がっているという「弁当の日」。賛否両論あるようですが、たまにこういう機会があるのは、いいものですね。

書道部12月は、色即是空。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

書道部12月は、色即是空。

2018年ラストの書道部でした。 周りでは「お歳暮」とか「迎春」とか、季節を感じる文字が飛び交っておりましたが、 今回はあらかじめ書く字が決まっていなくて、さてどうしようかな、と。

今年後半の私的トピックのひとつに、ダライ・ラマ法王の来福があったこと、先日読んだ『サピエンス全史』に考えさせられたこと、このところ般若心経の音読を再開していることなどから、「色即是空」に決定。良い書き納めとなりました(^^)

さて

年明け2019年1月2日は、毎年恒例、お友だちならどなたでもお越しいただける「書初め大会」です。お正月だけど、特に出かける用事が無い!という皆さまのお越しをお待ちしております(笑)ご参加希望の方は、花祭窯までお気軽にお問い合わせくださいませ。

読書『わたしたちが孤児だったころ』(早川epi文庫)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『わたしたちが孤児だったころ』(早川epi文庫)

カズオ・イシグロブーム、続行中のふじゆりです。発刊された順番を考えずに読んでいたのですが、直前に読んだ『充たされざる者』のイメージとの既視感を覚え、思わず順番を確認していました。

『充たされざる者』が1995年、その次作が2000年の『わたしたちが孤児だったころ』で、偶然ですが、わたしの読んだ順番と合っていました。なるほど納得です。

『わたしたちが孤児だったころ』の訳者あとがきで「語り手でもある主人公が嘘をつく」というような解説があり、それが独特の世界観を生み出しているのですが、この世界観は『充たされざる者』で極端にしつこく(笑)描かれていたもので、その名残が『わたしたちが孤児だったころ』にもあったなぁ、という感じでした。

「語り手でもある主人公が嘘をつく」 。そのために物語のあちらこちらに矛盾やほころびが生まれ、読み手は違和感に苛まれます。この違和感に対峙しながら読み進めるのは、モヤモヤを楽しむ余裕が無いと難しいかもしれません。これは『充たされざる者』のほうが顕著ですが。

語り手でもある主人公が嘘をつくのは、「嘘をついてやろう」という意図のもとではありません。もちろん語らせているカズオ・イシグロさんには大いなる意図があるのですが(笑)。いわば語り手の「記憶の取り違え」や「思い込み」をベースに話が進む。決して本人には嘘をついているつもりはない。だからこそ読者は袋小路に迷い込む…。

でも、これは実は、自分の人生を見つめる自分の目線そのものだということに、気づかされてハッとしました。実際どうであったか、ではなく、その時自分はどうとらえていたか、ということ。そのことが自分にとっては事実よりも最も重要であったということ。

過去の事実は変えることはできないけれど、その事実をどう認識するか、捉え方・解釈を変えることはできる。そんなことも考えさせられる本でした。

藤吉憲典、干支制作中につき。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

12月も中盤を過ぎておりますが、今まさに2019年の干支イノシシをせっせと制作中のダンナ・藤吉憲典。写真は今年初め『ミセス』2018年1月号「福を招く、正月」特集でご紹介藤吉憲典の「昼寝犬香合」

イノシシ、楽しみにしてくださっている皆さまには、なんとか年内にお届けできればと思いつつ、年明け初荷でのお届けになるかもしれません…。

お待たせしております間に、干支置きもの(箸置き)振り返り。

藤吉憲典干支の午(馬)
藤吉憲典の干支。午(馬)。
藤吉憲典 干支兔ウサギ
藤吉憲典 干支兔ウサギ
藤吉憲典 干支 未(羊)
藤吉憲典 干支 未(羊)
藤吉憲典 干支 酉(ニワトリ)
藤吉憲典 干支 酉(ニワトリ)
藤吉憲典 干支 申(サル)
藤吉憲典 干支 申(サル)
藤吉憲典 干支 辰(龍)
藤吉憲典 干支 辰(龍)
藤吉憲典 干支 巳(蛇)
藤吉憲典 干支 巳(蛇)

2018 読んだ本ベスト5!

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

2018 読んだ本ベスト5!

「2018 一番使っている英語本」ベスト3を出したので、まだ何冊か2018年中に読む本は有りそうですが、とりあえず現時点での振り返り。当初こちらも「ベスト3」にしようと思っていたのですが、あらためて年初からの記録を見直すと、「あ!そうだ!あの本も!」とどうしてもタイトルを紹介したい本が増え…結果としての「ベスト5」です(^^)

第5位『バッタを倒しにアフリカへ』(光文社新書)前野ウルド浩太郎著

本書を「勢い余って1冊余分に買ってしまった」お友だちが分けてくださった本(^^)表紙のインパクトに膨らむ期待感を裏切らない面白さでした。笑いながら読みましたが、「好きなことを仕事にする」とはどういうことなのか、実は哲学的な葛藤も含んだ本です。

第4位『英語でアート』(マール社)佐藤実・宮本由紀共著

「2018 一番使っている英語本」では使用頻度という意味で第2位でしたが、全ジャンルの「本」として見たときに、唯一ベスト5に入った英語本です。ほんとうにお世話になりましたし、とっても勇気づけられました。

第3位『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)
森嶋通夫著

直方谷尾美術館の古本BOXで偶然出会った1冊。思いがけず子どもの成長を見守るうえで、一つの指針になった本です。

「教育とは個人の持っているいろいろの資質を耕す(カルティベイト)ことであって、型にはめることではないと考えているようです。その結果、教育と文化(カルチュア)が直結する」(本書より)

第2位『15の夏』(上・下)(幻冬舎)佐藤優著

まだ読み終わったばかりですが、わたしにとって質・量ともにボリュームの大きな本でした。いろいろなことを考えさせられました。教育のこと、仕事のこと、政治のこと、「国」というもののこと、国際交流について、哲学的なこと、教養とはなんぞや…

第1位『日の名残り』(早川書房)カズオ・イシグロ著

今年はわたしにとって「カズオ・イシグロ元年」でした。『遠い山なみの光』『わたしを離さないで』『日の名残り』『充たされざる者』『わたしたちが孤児だったころ』…。

今年は思いのほか「分厚い本」を読破することができました。気持ちに余裕が無いと後回しになりがちな「分厚い本」。今年は読書時間を確保できたということですね。ありがたいことです。

一番使っている英語本 2018。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

一番使っている英語本 2018。

ここ数年、毎年3冊以上は購入してきたと思われる英語関連本。書評に釣られてついポチっとしたり、本屋さんで衝動的に購入するのはそろそろやめにしようと思います(笑)そのためにもまずは手元に持っている本のなかで、自分が実際に使っている英語本を確認してみようと思いました。ちなみに「2018」というのは、わたしが2018年に一番使った、という意味であって、刊行された年とは必ずしも一致しませんので悪しからず<(_ _)>

「一番」というからには1冊を選ぶべきなのでしょうけれど、ふじゆり的ベスト3はこちら!

第3位:『会話もメールも 英語は3語で伝わります』(ダイヤモンド社)中山裕木子 著

主に日常的に海外の方とおしゃべりするときの会話で役に立っています。流暢な英語をしゃべることができなくても、ちょっとした視点の切り替え=「3語で組み立てる」を意識することで、少し楽に伝えることができると実感しています。これが習慣としてしっかり身につけば、もっと会話がスムーズになるだろうな、と思います。

第2位:『英語でアート』(マール社)佐藤実・宮本由紀 共著

アーティストのポートフォリオを作成したり、そのポートフォリオをメールや手紙で送ったり、という、まさに実践的なところで役に立っています。「こういう本が欲しかった!」をかなえてくれた本です。

下の画像は、この本に倣ってつくった藤吉憲典のアーティストポートフォリオ。A4で1枚にまとめることを意識してつくったものです。この1枚に「なにを入れるのか、どう入れるのか」。英語での表現ということだけでなく、海外に向かうアーティストにとって必要な基本もおさえることができます。

Ceramic artist Kensuke Fujiyoshi portfolio
Ceramic artist Kensuke Fujiyoshi portfolio

第1位:『英語のお手本 そのままマネしたい「敬語」集』(朝日新聞出版) マヤ・バーダン 著

英文メールを書くときに手放せない本です。現在、仕事上もっとも英文メールを送る頻度が高いのは、ロンドン宛。メールは書くのに時間をかけることができる分、内容がわかりやすいようにはもちろん、出来るだけ丁寧に、失礼にならないように、を意識しています。この本で紹介されている、英語での敬語の使い方を駆使してメールの文章を作成しています。

おかげで、実際に会って話をすると「メールの英文はいつもとても素晴らしいけれど、ほんとうに自分で書いているの?」と、あまりにも会話英語が拙いことに驚かれてしまいます(汗)良いやら悪いやら…だからやっぱり、会話力ももっとつけて行かないといけませんね。

読書『サピエンス全史』(河出書房新社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『サピエンス全史』(河出書房新社)ユヴァル・ノア・ハラリ著

『サピエンス全史』上下巻。副題は「文明の構造と人類の幸福」。2016年初版の発行時からずっと気になっていた本を、やっと読みました。

人類の進化の歴史と、その結果起こっていること、起ころうとしていることを説き・問題提起しています。人類史・文明史を生物学的な側面、科学技術的な側面から眺めるだけでなく、哲学的にも社会学的にも考察することを求められる本。

わたしが上巻で引っかかったキーワードは「虚構」。そして「客観的現実」と「想像上の現実」。下巻では、章題にもなっている「文明は人間を幸福にしたのか」。そして最終章で提起される「私たちは何を望みたいのか?」。

上巻を読みはじめて気がつけば、つい先日聞いてきたダライ・ラマ法王の法話の内容が、ずっと頭に浮かんでいました。「空(くう)である。すなわち、すべてのものには微塵たりとも実体性が無い。実体があると勘違いするから、そこに執着その他が生まれる」というお話。

背筋が寒くなるような示唆もありましたが、事実そのような危惧のある現代に生きている者としては、読むべき本、読んでよかった本だと思いました。ボリュームがあり消化しきれなかった感があるので、また時間をおいて繰り返し読もうと思います。

特撰復刻古伊万里蕎麦猪口

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

特撰復刻古伊万里蕎麦猪口

12月に入ってご依頼が少し増えてきました。福津市のふるさと納税で花祭窯が提供している返礼品。市からの要望があって、今年の春に提供品の種類を増やしたところ、「特撰復刻古伊万里蕎麦猪口揃い」のシリーズが人気です。

上の写真は、ふるさと納税額20万円以上で選ぶことができる、特撰復刻古伊万里蕎麦猪口揃いの5客組。内容は…

  • 錦粟に鶉文蕎麦猪口(にしきあわにうずらもんそばちょこ)
  • 錦紫陽花文蕎麦猪口(にしきあじさいもんそばちょこ)
  • 染付風船蔓唐草文蕎麦猪口(そめつけふうせんかずらからくさもんそばちょこ)
  • 染付丸文撫子文蕎麦猪口(そめつけまるもんなでしこもんそばちょこ)
  • 染付青海波文蕎麦猪口(そめつけせいがいはもんそばちょこ)

いずれもしっかりと手が入った文様ばかり。もちろん藤吉憲典の作品です。通常のご注文と同様、ご依頼を受けてから制作しています。3~4ヵ月お待たせするにもかかわらず選んでくださる方々がいらっしゃるのは、ありがたいことです。

ちなみに、通常の蕎麦猪口ご注文は、オンラインショップ花祭窯・蕎麦猪口倶楽部で承っております(^^)

ふるさと納税については賛否ありますが、この制度を通して多少なりとも地域の役に立つことがあるのだとしたら、それは事業者として嬉しいことです。

福津市が寄附金の使い道として掲げているなかでも【文化財保護や伝統文化の継承に関する事業】に賛同していただけると嬉しいな、と。福津市には世界遺産登録された「新原奴山古墳群」や、花祭窯のすぐ近所に国登録文化財の「藍の家」などがあります。

九州EC勉強会でした!

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

週末は、2018年ラストの九州EC勉強会でした。写真は会場となった、ピアリビングさんのピアカプリスレンタルスペースセミナールーム。

九州EC=九州ECミーティングは、EC(イーコマース)事業者が集い、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会で、2005年1月にEC事業に関する情報過疎地であった九州でも東京並みの情報が得られる場を作ることが目的で結成された会です。幹事による完全ボランティア運営で、わたしも末席ながらちょっぴりお手伝いをしています。

今回の講師は株式会社パーシヴァルCMOの酒匂雄二さん。ネットショップのためのビジネス・ポータル「ECのミカタ」でもコラムを書いておられます。テーマは「地域特化SNSで勝ち取る検索No.1~局地戦で中小企業が大手に勝つ方法~」。字面だけ見るとなんだか勇ましい感じですが、わかりやすくて面白くて、あっという間の3時間半でした。

わたし的に今回のセミナーで得たポイントベスト3はこちら。

  • 詳しくわかりやすく丁寧に!の基本。
  • 好き+仕事。必要なのは愛と情熱。
  • ニッチなキーワードを占拠。

今日から仕事に取り入れてまいります(^^)

読書『十五の夏 上・下』(幻冬舎)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『十五の夏』(幻冬舎)

作家・元外務省主任分析官 佐藤優氏によるご自身の回想録、といったらよいのでしょうか。上巻・下巻ともにそれぞれ435ページという、質量ともにずっしりと読み応えのある本でした。「知の巨人」と呼ばれる佐藤優さんがどのような青春時代を送ったのか、気になっていたのをやっと手に取ることができました。

上巻はまるで冒険小説でも読んでいるような疾走感。高校一年生とは思えない佐藤優少年のしっかりした思考・発言・振る舞いに対し、読んでいる自分のドキドキと落ち着かないこと。一気に読みました。

下巻は当時の政治的な空気や、この旅に至るまでの佐藤少年の背景にあったものを理解するためのストーリー(エピソード)が解説的にたくさん入っていることもあって、正直なところ読み進むのにやや困難を感じる部分も少なからずありましたが、それでも一気に読まずにはいられない興味深さがありました。

大学生、高校生、そして中学生にも(かなり難しく感じるかもしれませんが)ぜひ読んで欲しい本だと思いました。それから、そういう年代のお子さんが周囲にいらっしゃる大人にも、ぜひ読んでみて欲しいと思いました。

上下巻を通じて最も印象に残ったのは、国にしても人にしても「好き嫌いに関係なく、相手のことをよく知ることがまずは何より大切である」という通底したメッセージ。そして最終章に出てくる、浦和高校で倫理・社会を教えていたという堀江六郎先生のことば「ほんとうに好きなことをしていて、食べていけない人を私は一度も見たことがありません」「ただし、それはほんとうに好きなことでなくてはダメです。中途半端に好きなことではダメです。ほんとうに好きなことをしている人は、必ずそれで食べていくことができます」(『十五の夏 下』幻冬舎より)という言葉。