昔に比べて楽になった!?久しぶりのパソコン移行作業でドキドキ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

昔に比べて楽になった!?久しぶりのパソコン移行作業でドキドキ。

仕事で使うメインパソコンを入れ替えるのは、数年に一度やってくる必須作業ですが、そのたびに入れ替えまでの年数が短くなっています。昨年からマイクロソフトがあまりにもしつこく「Windows11」へのアップデートを促してくるので、いやいや、このままアップデートしたらスペック的にたいへんなことになるでしょ!?ということで、アップデートのタイミングでパソコンを買い替えることに決めていたのでした。

もともとがアナログな人間なのに、仕事上の必要でパソコンやらインターネットにかかわるようになって約30年。でもまあ「自分がやらなければならない」状況にあったからこそ、なんとか今までやってくることができた、というのも事実です。ともあれ、昨年末に「年明けてから移行できるように」と注文したパソコンが思いのほか早く到着し、お正月休み明けからは、決算やら確定申告の準備やらで移行どころではなく、せっかくの新品PCがしばらく放置状態となっておりました。3月も中旬になってようやく「そろそろ移行準備に取り掛かるかな」という心境になったところです。

まあ何度やっても緊張します。そんななか今回とても役に立ったのが、昨年のうちに購入していた雑誌『2024年最新版 Windows11は初期設定で使うな!』(日経PC編)でした。11では、これまでにはない「おせっかい機能」が満載で使い勝手がかなり異なるということを、本誌でざっと目を通していたので、覚悟して取り組むことができました。一方で、いろいろな設定が自動でスムーズにいくところは、前回も感じていたところですが、やはり20年前とは雲泥の差がありますね。また「クラウド」の概念が浸透してからの移行は今回が初めてでしたので、そこはとても大きな違いだったと思います。

今回の移行でもうひとつ便利だったのが、WindowsのAIアシスタント「Copilot(コパイロット)」でした。移行や初期設定においてわからないことが出てきたら、とりあえずここで質問すると、ある程度解決。もちろんCopilotの言うことを鵜呑みに実行して「違うやん、やりなおし!」というケースもありましたが、そこはちゃんと画面に「間違いを言うこともあるよ」的な注意書きもありますので、まあそういうものということで。

あとはこまごまとしたことを整えていけば、通常運転に入ることができそうです。慣れている人から見たら、大げさなことを言っていると思われそうですが、わたし的には心理的負担の大きな作業です。なんとか目途をつけることができて、ほっと一安心。こういう仕事をしてくださる業者さんがいらっしゃるのはわかっているのですが、自分でできるうちは自分でやらないと、本当にまったく分からなくなってしまうという危機意識もあり、せめぎあいです。

読書『失墜の王国』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

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読書『失墜の王国』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から、海外長編ミステリーです。単行本544ページで、しかも久々に目にした二段組。ぱっと開いてその「字の詰まり方」を見たときに、途中で挫折するかも…と思ったのですが、まったくそんなことはなく、ページを繰る手がどんどん進み、実に読みごたえがありました。

巻末の解説で、本書は「重厚なノワール小説である」という言葉が出てきました。「ノワール小説」の意味を知りませんでしたのでググったところ、「暗黒小説」「犯罪小説」といったところのようです。たしかに主人公は「殺人犯」であり、主人公の一人称で進むストーリーは、全編を通して陰鬱な雰囲気をまとっています。その一方で、読み始めてすぐに、登場人物らが破滅に向かっていることがうかがえるのだけれど、不思議と楽観的な空気が漂っているという、なんとも言葉にし難い感じがありました。

ひとつには、文章がとても読みやすく美しいことが、暗黒小説という言葉とは一線を画していたように思います。文学的な表現が文章のあちらこちらに登場し、主人公の声(心の声も含めて)の端々には、哲学的なことばが垣間見えます。こうした文章の美しさは、著者はもちろん、日本語に置き換える訳者の方の力の大きさを感じさせました。こんなふうに日本の読者に届けてくださる存在(出版社・訳者)に、あらためて感謝です。というところでやはり、安定の早川書房さんだということに気づきました。

どうやら嬉しいことに、本国では本書の続編がすでに出ているということ。日本での刊行が楽しみです。本書はわたしにとっては「初めまして」でしたが、著者のジョー・ネスポ氏は「北欧ミステリ界の巨匠」だということです。さっそく図書館で検索してみたところ、既刊本を数冊発見。まずは既刊本を読みながら、続編を待ちたいと思います。

『失墜の王国』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

アジアの中心から世界へ-海外展開の可能性を考察する、ピアリビングさん主催セミナー。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アジアの中心から世界へ-海外展開の可能性を考察する、ピアリビングさん主催セミナー。

セミナーの正式タイトルは「アジアの中心から世界へ。グローバルビジネスの起点であるシンガポールでの法人設立から事業開始までの戦略的メソッド」。ということで、かなり、我が身の丈には合わない(大きすぎる)テーマです。が、今後シンガポールのギャラリーさんを探したいという頭がありましたので、シンガポールビジネスをスタートしたばかりの株式会社ピアリビング代表でもある室水さんと、彼女を現地でサポートしている方々の生の声を聞くことができたのは、とっても貴重でした。

以下、備忘。


  • 親日。
  • 真似しない=いいものを自分で選ぶ気質。
  • 今まさに高度成長~バブルという感じ。
  • ほんとうにいろんな人種の人がいる。
  • Made in Japanへの信頼。
  • ブランディングは日本のままでOK=現地仕様にする必要無し。
  • 賃貸は家具付きが多く、インテリアはプロ(デザイナーなど)が一括してやっている。
  • 人口の約40%が外国籍。
  • Wise使える。おススメ。
  • 世界の富裕層・起業家にとって魅力的な法制度(特に税制)。
  • 国土面積は東京23区程度。「遊びに行く場所」があまりないので、イベント・パーティー開催需要がある。
  • 日本人コミュニティが多数あり、結びつきが強い。

上記は、実際にシンガポール進出を決めた室水社長の体験に基づくお話の備忘。とても面白く、勉強になりました。その後に続いた「現地法人設立」に関する法的な事柄等、現地弁護士さんによる詳細なお話は、まったく頭にないので退屈するかもと思いながら聞きましたが、退屈どころではありませんでした。というのも、法律関係のお話を聞くほどに、シンガポールという国が、国民や産業をどのように守っていこうとしているかの姿勢が垣間見え、自国と比べても非常に興味深かったのです。

福岡で、生でこのようなお話を聞くことのできる機会を作ってくださった株式会社ピアリビングさんに、心より感謝です。

もうそろそろ本気で中長期的な「花祭活用計画」を立てたい、立てよう。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

もうそろそろ本気で中長期的な「花祭活用計画」を立てたい、立てよう。

花祭窯の創業地である佐賀・花祭は、自然豊かな里山です。ここにある300坪を超える敷地(その半分以上は斜面)をどう生かしていくか。そろそろちゃんと、現実的に考えなければなりません。

もともと漠然と、自分たちが楽しむ程度の果樹を植えたいと考えていました。これまでにレモン、パール柑、ポンカン、りんご、ヤマモモなどを植え、こまめに手入れをできていないにもかかわらず、なんとか育ってくれています。住んでいた頃から植えていたカボスが毎年たくさん収穫できるので、柑橘系の木はこの土地に合うのだろうな、と思っています。最近植えた木々は、実がついて収穫できるようになるのはまだまだ先ですが、ここにさらに果樹の木を増やして、家庭菜園ならぬ、家庭果樹園的な「ミニ果樹園」を作りたいな、というのが野望の一つ。

それから、花祭に住んでいたころから、梅干づくりをはじめとした梅仕事でずっとお世話になった梅の木がだいぶ弱ってきているので、あらたに梅の木を増やしたいと思っています。ここに「ミニ梅林」作れるといいな、と。こちらは斜面を利用して作ったら、梅の花が咲くシーズンには、散策の楽しい美しい場所になるのではないかと思っています。ただ梅の木は、「桜伐るバカ、梅伐らぬバカ」の言葉があるように、上に伸びてしまわないように手入れをしないといけません。そう考えると、管理をサポートしてくださる方を見つけることも必要です。

栗の木が大きく育ったエリアでは、毎年たくさんの栗がイノシシたちの食事になっているようすですので、今年こそは栗拾いを決行したいと思っています。栗の木があまりにも大きくなったので、その陰に入ってしまった木々は枯れてしまったものもあり、日当たりの良い場所に移して救出する活動も必要です。一方でその日影が幸いして、自生し出したビワの木や、増え始めたマンリョウの木などもあり、感心しています。自然の妙ですね。ともあれ、この場所は「栗コーナー」ということにしてしまおうと考えています。

放っていてもその土地に合うものは育ち、合わないものは頑張ってもうまく行かない。これは花祭で生活していた時から実感していたことですが、離れて十年以上が経った今、やはりそうなのだなぁという気持ちが増しています。まずは敷地に張り出してきている「笹藪」を伐採するところから始めなければなりません。一年後にはある程度「ミニ果樹園」運営の姿がイメージできることを目指して、コツコツ取り組んでいきたいと思います。

下の写真は、昨年の写真。この桜の木も、一年でさらに大きくなっています。桜の季節も楽しみです^^

桜の木 花祭

花祭窯の三月・弥生(やよい)の庭―ジンチョウゲが開きはじめました♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の三月・弥生(やよい)の庭―ジンチョウゲが開きはじめました♪

二月分をアップしてから約2週間、ツボミだった沈丁花(ジンチョウゲ)が咲き出したのが嬉しくて、いろいろ撮ってみました。可愛いですよね。葉っぱのつややかな緑色と、つぼみの紫、花の淡い薄紫色が絶妙です。

沈丁花ジンチョウゲ

プランタ栽培で植えてすぐにヒヨドリに葉っぱを食べられてしまったリーフレタスが復活♪

リーフレタス プランタ栽培

バレンタインデーにもらったパンジーの苗は、路地に植え直したところ、たくさん花が咲いてきました。

パンジー

こちらもプランタ栽培のパセリ。使ってもすぐに伸びてきてくれるので、日々の食卓に大活躍です。

パセリ プランタ栽培

カネノナルキ復活プロジェクトも順調!?無事に厳しい冬を乗り越えています。

カネノナルキ

ひと月ほど前にいただいた、切り花のキンギョソウは、まだまだきれいです。

だんだんと春っぽくなって参りました^^

令和6年度デザイン開発ワークショップ最終回―今年度もお世話になりました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

令和6年度デザイン開発ワークショップ最終回―今年度もお世話になりました!

福岡県の新事業支援課の事業のひとつ「デザイン開発ワークショップ」。昨年11月からスタートしたワークショップも、昨日が最終回でした。北九州のワークショップグループは、初回から、2時間の予定をほぼ毎回(ときに大幅に)超えていたのですが、最終回とあって、予想通り約1時間押しとなりました。

花祭窯としては、昨年から構想していた、シルクスクリーン作品のPR動画第一弾を完成させ、お披露目することが出来たのが、ワークショップのひとつの成果です。最終回は限られた時間を有効に使いたかったので、肝となるロゴデザインの確定に絞ってアドバイスを求めました。おかげさまで、ロゴデザインも無事決定。もうひとつ手がけていた作品紹介の小冊子制作については、前回までにたくさんのアドバイスをいただいておりましたので、それらをまとめてプロに投げることにしました。このように「どこまで自分でやり、どこから専門家に投げるか」の見極めが出来るようになったのも、ワークショップ参加の成果だと思います。

以下、今回のワークショップで得た大切なこと、備忘。


  • 文章・ストーリーはできるだけ短く端的な表現で。
  • どこで使うか?何に使うか?誰に伝えたいのか?によって、メディア・サイズ・カタチを決める(変える)。
  • 1.ロゴ、2.キャッチコピー、3.(補足としての)文章。プラス、それぞれをつなぐためのブランドメッセージ。
  • 文章で言いたいことを、図・絵・写真で置き換え。
  • 伝えたいことの優先順位の高い方から、順番に目に付くように並べる(提示する)。
  • 何が価値で、どこをどう見ればその価値がわかるのか。見極めるべきポイントの明確化。

最後に福岡県の担当者さんのお話を聞きながら、そういえば、そもそもこのワークショップは「福岡デザインアワード」というひとつのゴールを持っていたのだと、思い出しました。ただ、その場でオブザーバー参加していた専門家の方が「アワードを受賞するということと、売れる商品ができるということとは、まったく別のこと」だと即座に補足なさったのが、とても良かったです。県の思惑は思惑として、北九州でのワークショップは、グループをまとめる先生方が一貫して「参加する企業さんの売り上げに結びつかなければ意味がないので、そこを目指して頑張りましょう」というスタンスで場を作ってくださったため、「デザインアワードでの受賞を目指す」というお飾り的な目標に煩わされることなく議論ができたと思います。他のグループのことはわかりませんが、わたしは北九州のグループに参加して良かったと、つくづくと思いました。小倉城も拝めるし^^

小倉城

コーディネーター、アドバイザーとして伴走してくださった先生方には、ほんとうにお世話になりました。ありがとうございました。

博多―小倉間の移動に、新幹線がとっても便利であることに気がつきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

博多―小倉間の移動に、新幹線がとっても便利であることに気がつきました。

仕事で博多方面に出かけたり、小倉方面に出かけたり、というのはもちろんこれまでもふつうにあることなのでしたが、最近になって「博多に出たあとそのまま小倉に移動」というパターンが出てきました。花祭窯のある津屋崎は最寄り駅がJR鹿児島本線の「福間駅」で、博多には在来線で25~30分、小倉には在来線で40~50分ぐらいな感じです。特急停車の本数はとても少ないので、ほとんどは在来線の快速または普通電車での移動です。余程急いでいて、タイミングよく特急があれば、特急に乗ることもありますが、ほぼ在来線でじゅうぶんです。

これが博多から小倉まで、となると、一気に乗車時間が1時間半近くとなり、少し時間がかかります。電車好きなので、時間に余裕があるときは、長時間の乗車も苦になりませんが、目指すべき到着時間がある場合は、さてどうしよう?となります。

そんなときに博多駅-小倉駅間の移動方法としてわたしの選択肢にあるのは、次の三つ。それぞれの方法でかかる乗車時間と料金は、2025年3月11日現在下記のような感じです。

  • 在来線快速利用→約1時間20分 1310円
  • 特急自由席利用→約45分 1910円
  • 新幹線自由席利用→約15分 2160円

上記の特急と新幹線の料金は、あらかじめネット予約等をした場合ではなく、乗るときに通常の切符を購入した場合です。特急利用で時間が在来線の約半分になり、600円のプラス。新幹線利用では特急から200円のプラスで、時間は特急からさらに三分の一になります。時間、だいぶ違いますね。ここまで異なると「特急券」の価格の価値を感じます。

博多小倉間の電車運行事情を考えると、実は新幹線が最も本数が多い=時間を選べるということがあります。それに加えて、小倉方面の特急の「揺れ」が独特で酔いやすいことから、特急はちょっと避けたい、という心理もあります。というわけで、最近はもっぱら新幹線利用を楽しむことに。新幹線に乗ると、線路の位置が高いので、いつもの電車とはまた目線が変わることも面白く。15分間の贅沢です。

読書『沸騰大陸』(集英社)三浦英之著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『沸騰大陸』(集英社)三浦英之著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から、表紙の写真の光の強さと鮮やかさにひかれて手を取りました。表紙の印象で写真集なのかな?と思いましたが、著者は、ノンフィクションやジャーナリストに贈られる賞をたくさん受賞なさっているルポライターさん。ルポ・エッセイです。

内容に対してまったく心構えの無いままに読みはじめ、「アフリカの現在とその背景」を突き付けられて、正直うろたえました。それでも本から目を離すことが出来ず、読み終わったときには、世界について自分は何にも知らないのだという事実が残りました。アフリカで起こっている紛争が、民族や宗教を起点とするものではなく「富」と「格差」を起点としたものであること、日本のメディアは「日本の視聴者に忖度」して報道をすること、自衛隊の派兵は「現地ではなにもできなかったといえる」こと、などなどなど。「自分は何も知らないし、わかっていない」ということを分かっていなければならないと、強く思わされる読書でした。

本文を読み終わってから表紙の写真をあらためて見れば、最初に新刊棚で手に取ったときとはまったく異なる印象が湧いてきました。中身を見ずに本を借りると、今回のように不意打ちされることがありますが、ふだん自分が意識的に選ぶものとは異なるもの、出会う可能性が低かったであろうものに出会う貴重な機会にもなっています。

『沸騰大陸』(集英社)三浦英之著

追記:図らずも、このブログをアップした翌日3月11日から、西日本新聞でNPO法人ロシナンテス理事長・医師の川原尚行さんの連載がはじまりました。この記事を読むまで、NPO法人ロシナンテスの存在を私は知りませんでした。2006年に設立し、北九州市に本部を置いて、アフリカの貧しい地域の人々に「医」を届ける活動をしているそうです。あまりにもタイムリーでしたので、こちらの連載も楽しみにしたいと思います。

西日本新聞 聞き書き新シリーズ NPOロシナンテス理事長・医師 川原尚行さん「無東西 ノーサイド」

読書『一億円のさようなら』(徳間書店)白石一文著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『一億円のさようなら』(徳間書店)白石一文著

いつものカメリアステージ図書館、貸出カウンター横の「特集テーマ」コーナーに、手が伸びました。特集のテーマが何だったかは、覚えていません(笑)が、「つい手に取る」という行動に結びつくあたり、司書さんたちの撒いた餌にまんまと釣られております。最近は「新刊棚」と並んでお気に入りの棚となっています。

本書はわたしにとっては、はじめましての作家さんでしたが、直木賞や山本周五郎賞を受賞なさっている人気作家さん。裏表紙に「この2年間、ぼくはこの作品をおもしろくすることだけを考えてきた。」と書いてありましたが、たしかに面白くて、けっこうなページ数(文庫版で680ページ)にもかかわらず一気に読みました。読了後まず思ったのは「映像化したら面白いだろうな」でしたが、こちらもすでに上川隆也さんの主演でドラマになっていたようです。

夫婦間の「信頼関係」とは何かと、人の持つ闇・凶暴性について、読んでいる間中考えさせられました。主人公的には到底納得できないであろう過去の出来事・現在の出来事が次々に判明し、悶々とした状態が続いて展開にハラハラしたわりには、最後はなんとなく明るい終わり方で、「あら?」という感じ。どこかで壊れてしまうのではないかと思えた主人公が、最後まで理性的に持ちこたえるあたりも、ちょっと拍子抜けしました。これって、主人公は、かなりできた人物!?という感じで。主人公の闇の部分が顔を出したらどんな結末になったのだろうと、もう一つのストーリーを想像してしまいました。

はじめましてでとっても面白かったので、著者の既刊本を追っかけてみたいと思います^^

『一億円のさようなら』(徳間書店)白石一文著

久しぶりに有田-佐賀有田へ仕事道具の買い物に同行してきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりに有田-佐賀有田へ仕事道具の買い物に同行してきました。

花祭窯の独立以来ずっと、材料や道具は有田焼の産地である佐賀県有田とその近辺にある関連産業の事業者さんにお世話になっています。そのほとんどは、藤吉憲典が独立前に、有田の複数の窯元で商品開発デザイナーとして働いていた時からお世話になっていたところ。つまり窯元勤め時代を合わせると、30年を超えるお付き合いだったりします。

久しぶりに、有田への仕入出張にダンナと一緒に行ってきました。ダンナはたびたび足を運んでいますが、わたしは約1年ぶり。「つくる」に関してはノータッチのわたしですが、足を運ぶことで、制作環境について気づくこと・理解することもたくさんあるので、できれば年に数回は足を運びたいと思っています。

今回の有田行きは、絵付に使う筆を購入するのが主目的でした。「筆」は、実は伝統工芸。国内の職人さんの廃業が増えていて、磁器の絵付用の筆も、長いこと使っていた職人さんのものがどんどん手に入りにくくなっています。陶芸材料を幅広く扱う古川商店さんへ。昨年おじゃましたときにも、筆をどこから仕入れるか今後の課題とお店の方がおっしゃっていましたが、「この方の筆は、もう在庫限りなんですよね…」と並べて見せてくださったなかから、「ダミ筆」を選び確保することが出来ました。

次は梱包材やさんへ。梱包材は全国どこにでもありますが、花祭窯では化粧箱の制作とクッション材は、有田で調達しています。やきもの用の梱包材量を幅広く扱っている岩永商会さんへ。クッション材こそ、ネットでもどこででも販売していますが、岩永商会さんではわたしたちにとって使い勝手の良いサイズにカットされたものが何パターンも揃っているので、有田に来たときはついで買いをすることにしています。店内はそれほど広くはありませんが、やきものを包むウコン布や真田紐や紙袋など、「やきものを扱っている人が欲しいもの」が置いてあるので、「あ、これも必要だった!」と目に留まるのもありがたく。

それから今回は足を運びませんでしたが、有田の「卸団地」と呼ばれる業界関連の工場やお店が集積する場所に、化粧箱を作ってくれる蒲原興産所さんがあります。もう長いこと同じパターンでの化粧箱制作をお願いしているので、電話注文して作ってもらって送ってもらうというお取引になっています。長年、やきもの=ワレモノ用の箱をつくっている会社なので、強度面で安心であるというのと、丁寧な仕事できれいな紙箱を作ってくださること、品質に対して制作料金も良心的だと思うのでずっとここにお願いしています。

有田での用事が済んだら、創業地・花祭へ。冬の間できていなかった草刈りです。ちょうど梅の花が咲き出したところでした。ちゃんと手入れできていなかったので、木が少し弱っている感じで申し訳なく、蔓をはらって元気に復活してくれるよう声掛け。数年前に植えたリンゴの木は二本とも元気でした。柑橘系の木は、たびたびうっかり草刈り機でカットしてしまったりしていましたが、それでもちゃんと根付いています。ありがたいですね。

桜の木が二本、とても大きく育っていましたので、今年の桜の季節が楽しみです♪