「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」へのお返事。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」へのお返事。

ここ津屋崎の花祭窯へのご来訪には「必ず事前にアポイントを取ってくださいね」とあちらこちらでお願いをしています。皆さんが電話で事前に確認をしてくださるようになり、おかげさまで「せっかく足を運んだのに、欲しいと思っていたものを見ることが出来なかった」という事態を、少しづつ防げるようになってきています。

藤吉憲典はすべて一人で制作しているため、制作数が他の作家さんや窯元さんに比べるとずっと少ないです。そのため、ご覧いただける機会も、比較的少ないと思います。花祭窯まで足を運べば、たくさん見ることができるだろうとお考えの方も少なからずいらっしゃるのですが、在庫がとても少ない(タイミングによってはほとんどないこともある)ので、ご覧いただけるとは限らないのが現状です。

お客さまの「いつ、どこに行けば(藤吉憲典の)作品を見ることが出来ますか?」に対する、現在の状況をまとめることにいたしました。


★作品をまとめてご覧いただけるのは、各地での個展の機会です。

作品制作のスケジュールは、個展・企画展などの展覧会に合わせています。そのため、展覧会機会に向かって制作数・在庫数も増えて参ります。出来上がったものはそのまま個展会場へ送ることがほとんどですので、数をまとめてご覧になりたい場合は、個展にお越しいただくのが一番です。

国内で継続的に個展を開催してくださっているギャラリーさんは次の通りです。ギャラリーさんに直接お尋ねくださっても大丈夫です。

桃居(東京西麻布)、百福(東京南青山)、銀座黒田陶苑(東京銀座)、ギャラリー栂(岡山和気)、暮らし用品(大阪阿倍野)

    ★個展・企画展によって、並ぶ作品が異なります。

    基本的には「そのときに自分の作りたいものを作る」のが藤吉憲典の大原則ですが、制作ジャンルが幅広いので、展覧会を開催してくださるギャラリーさんの意向や、その先におられるお客さまのことを考えながら、展覧会に出すもの(=その展覧会に合わせて制作するもの)の傾向を変えています。そのため、個展にいらっしゃったときに「目当てにしていたものが無かった!」ということもございます。

    ★欲しいもの、見たいものが決まっているときはお問い合せ下さい。

    作る側としては「今、力を入れて作ったものをご覧いただきたい」という気持ちで展覧会に作品を送りますので、そうしてご覧になったもののなかに気に入ったものが見つかると、「作品との出会い」の楽しさになるのではないかという気持ちもございます。ただ、明確に「蕎麦猪口が欲しい」「マグカップが欲しい」というようなご要望がある場合は、近々それらを見ることのできる機会があるかどうかを、お問い合わせいただくのが確実だと思います。花祭窯へお電話いただくか、花祭窯蕎麦猪口倶楽部のお問合せフォームをご利用ください。

    ★アート作品をまとめてご覧いただける機会は、現在のところ海外のみです。

    現在アート作品は、花祭窯のギャラリースペースに数点置いていることがございますが、制作後すぐにロンドンのSladmoreギャラリーに送ることが多いです。またSladmoreでは、展覧会の際に常連のお客さまに先に作品を紹介するため、ご覧いただくことが出来ても、売約済みになっていることも少なくありません。国内でもご覧になりたいとのお声をいただくようになっていますので、最近は個展の際に数点お持ちするようにしています。今後まとめてご覧いただける機会を持てるよう、検討中です。

    ★花祭窯にいらしても、作品がほとんどない場合がございますので、何卒ご承知ください。

    最初に書きましたように、藤吉憲典は手持ちの在庫数があまり多い方ではありません。花祭窯にいらっしゃるタイミングによって、ご覧いただける場合もございますが、例えば個展会期中などは、ほとんど在庫が無い状況になることもあります。「せっかく足を運んだのに、何もなかった!」という事態を防ぐためにも、お越しになる前に必ずお電話でご確認いただけると幸いです。


    今、思いつく限りのことを書いてみました。ご参考になれば幸いです。また状況が変わることがありましたら、このような記事でご紹介して参ります。

    今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

    読書『ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら』(サンマーク出版)眞邊明人著

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    読書『ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら』(サンマーク出版)眞邊明人著

    先日映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』を観て、少々物足りませんでしたので、原作を読むべし!と手に取りました。

    本、良かったです。おかげで、映画のあとに感じた残念さが払拭されました。ありがちな感想ではありますが、これを映画化して、ああなったのは、まあ仕方がないのかなと。ただひとつ驚いたのが、映画のなかで個人的にヒットだった「聖徳太子」が原作にはおらず、映画用の登場人物だったということ。「紫式部」も映画のみの登場で、まあこれは時節柄の登用だと考えられます。こういうことがあるのが、面白さでもありますね。

    ラストに、徳川家康による演説シーンがあるのは、本も映画も同じなのですが、話している状況と内容はかなり異なります。そして、映画では説教臭くて鼻白む感じがあったそのシーンも原作本のなかでは、なるほどそれが言いたかったかとうなずける感じでした。映画だけを見てがっかりしていた方には、ぜひこの原作本を読んで欲しいです。

    ところで「ビジネス小説」とわざわざタイトルに書いてあるのがなんとなく気になっていたのですが、出版元のサンマークさんのサイトによると、それもまた意図したものだとか。歴史小説でもあり政治小説でもありミステリー要素もある、というところですが、どのジャンルにあてはまるのかは、読者に委ねられているようです。

    『ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら』(サンマーク出版)眞邊明人著

    郷育カレッジ講座「楽しい健口(けんこう)ボイストレーニング」に参加して参りました。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    郷育カレッジ講座「楽しい健口(けんこう)ボイストレーニング」に参加して参りました。

    7月初旬の開講式を経てスタートした、2024年度郷育カレッジ。

    今年のわたしの受講一発目は「楽しい健口(けんこう)ボイストレーニング」。講師は、口腔機能向上ボイストレーナーであり歯科衛生士である一世ひろみさんです。ゴスペルグループを率いる一世さんは、ボイストレーニングの方法論を取り入れた「歌トレ」による口腔ケアを提唱なさっています。楽しく学べる健康講座とあって、郷育でも毎年人気が高く、長年講師を務めてくださっています。わたし自身、今回で3回目の参加でした。

    こちらは一昨年に参加したときのレポート。このときは「早口言葉」を中心としたトレーニングを楽しみました。

    毎年の講座で、毎回新しい取り組みをしてくださるからこそ人気が高く、一度参加した人が「また次回も」と思うのですね。

    今年もまずは口腔機能についての座学解説と歯磨きの仕方(=歯ブラシの使い方)からスタート。その後は身体をゆっくり動かす準備運動から、反射テスト、関節回し、リズムストレッチ、発声・ボイストレーニングと続きました。QUEENの名曲「We Will Rock You」を使ったリズムストレッチでは、手をたたき足を踏み鳴らし声を出して大盛り上がり。最後はゴスペルの手話歌にも皆で挑戦しました。

    一世さんの専門知識と実践経験に基づいた指導の素晴らしさはもちろん、参加者を引き付けるユーモアあふれる語り口や心遣いに、今回も脱帽です。初めて聴く曲でも時間内に皆で盛り上がるところまで運んでいけるのは、選曲から伝え方までしっかり考えられておられるからこそで、すごいことだと思いました。講座が終わって帰るときには皆さん笑顔。とっても楽しくためになる講座でした。

    お客さまの熱意に、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りないことを知る。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    お客さまの熱意に、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りないことを知る。

    先日、少し遠方から新幹線で津屋崎の花祭窯までいらっしゃった、はじめましてのお客さまがありました。『美の壺』で藤吉憲典のことを初めて知り、その後、ネットの情報やギャラリーの情報を調べたとおっしゃって、足を運んでくださいました。開口一番「『美の壺』を見てびっくりした。こんなにすごいものを作る人がいるなんて。どうして自分は今まで藤吉さんの存在を知らなかったんだろう!?」と。

    聞けば熱心な陶芸コレクターさんで、自分の気に入ったものはとことん集めるとのこと。コレクションには有名作家さんのお名前が並んでおりましたが、藤吉の作品を気に入ったとおっしゃるあたり、どうやら有名無名で判断しているのではなさそうです。藤吉憲典の公式サイトで過去作品もかなり熱心にご覧になっていて、たくさん情報を集めておいででした。

    このお客さまをはじめ、やはりコレクターとなられる方は、懇意にしておられるギャラリーからの情報をメインに作家・作品を探しておられることを、あらためて感じました。つまり、オフラインであり、ギャラリーオーナーとの信頼関係による情報が一番というところ。藤吉作品を扱うロンドンのSladmoreギャラリーのお客さまも、やはりそうなので、これは日本に限ったことではありません。

    そう考えると、今回は『美の壺』というテレビ番組がギャラリー的な役割を果たしてくれた、ということ。そこからはご自身でインターネット上の藤吉憲典に関する情報を拾い集めてくださった、という順番で、花祭窯へのご来店につながっています。「藤吉憲典という作家のこと、作品のことを知りたい」と思っていただければ、そのための情報は公式サイトやSNSを通して発信していますので、辿り着いていただくことが出来ます。その前、一番最初のきっかけのところを、じゅうぶんに提供できていないのですね。

    お客さまの「どうして自分は今まで藤吉さんの存在を知らなかったんだろう!?」の言葉を思い返すほどに、「ギャラリー」や「美の壺」にあたる部分をもっと強化することが、良い作品を待ち望んでいらっしゃる方々に喜んでいただけることにつながると確信。常々頭にあることではありますが、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りませんでした。「こんな作品を探していたんだ!」とおっしゃってくださるお客さまの前に、きちんと情報を提供できるようにすることが大切であり、長期的な課題なのだということを、あらためて考えています。

    続・酷暑の夏は夕方散歩―夕焼けの色が海に映ってとってもきれいなのです。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    続・酷暑の夏は夕方散歩―夕焼けの色が海に映ってとってもきれいなのです。

    夕方散歩でカブトガニ発見!と騒いでいたのは、つい1週間ほど前のことでした。その後この写真を見たお友だちが、「これ、カブトガニにも見えるけど、エイにも見えるよね!?」ということで、エイ疑惑が(笑)。そういわれてみると、なんとなくカブトガニにしては尾っぽが長いよね、などと細部が気になりだし。海洋生物に詳しいお友だちがいますので、確認してもらうことになりました。それにしても指摘されるまでは「カブトガニ!」と信じ切っていましたので、己の思い込みの強さに驚くやらおかしいやら。

    ともあれ、引き続き夕方散歩です。日に日に日没が早くなっているので、夕食後、うっかり食休みでゆっくりしていると「あ、散歩行きそびれた…」ということになりがちな今日この頃。日中は暑いので、暗くなる前の隙間時間にいかに外に出るか、というところです。早朝歩けばよいのでしょうけれど、ね。

    津屋崎浜の夕方散歩

    お日さまはとうに沈み、雲に映った夕陽の色が海面にも映って、なんとも幻想的になります。

    津屋崎浜の夕方散歩

    波が穏やかなので、鏡の海と呼ばれるのですが、その鏡が一面薄紅色になる一瞬。贅沢な眺めです。これから秋になると、近所の宮地嶽神社や浜辺は「夕陽シーズン」でにぎわってきますが、晩夏の今の景色もなかなかのものです。

    読書『犯人に告ぐ2』(双葉社)雫井脩介著

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    読書『犯人に告ぐ2』(双葉社)雫井脩介著

    ブログタイトルは『犯人に告ぐ2』ですが、その少し前に『犯人に告ぐ』を読んでいて、本書の後に『犯人に告ぐ3』も読みましたので、『犯人に告ぐ』シリーズの読書記録ということで。

    今年6月にいつものカメリアステージ図書館新刊棚で発見してしまった、雫井脩介さん。そこからまだ2か月ほどしか経っていないのですが、このブログに上げているものも上げていないものも含めて、まあ、ハマっております。

    あまりに読んでしまうので、意図的に「雫井脩介断ち」をしていました(笑)が、お盆休みの読書用にと、『犯人に告ぐ』の続編に手を出しました。なんとなく、元から構想にあったというよりは、人気が高かったためにできた続編なのかなぁと感じました。『犯人に告ぐ』と『…2』では登場する警察側の主人公をはじめとした顔ぶれが引き継がれ、『…2』から『…3』では、警察側だけでなく犯人側の登場人物もゆるやかに引き継がれています。さらに『3』では思いがけず最初のストーリーへのつながりが示され、ほう、そうきたか!という感じで楽しめました。

    個人的に『犯人に告ぐ』がとても面白かったので、続編はどうなのだろう?と思ったのですが、連日読書の一気読み。読みごたえがありました。一番最初のストーリーでは、警察側の描写が強く印象に残りましたが、『…2』『…3』と、あとになるにつれて犯人側の描写がより細かくなっていると感じました。その結果、犯人側に感情移入しがちに。「オレオレ詐欺」をはじめとした現代的な詐欺犯罪が描かれ、なるほどそんな仕組みになっているのかと、興味深くもありました。

    『犯人に告ぐ』シリーズ(双葉社)雫井脩介著

    雫井脩介さん、まだ読んでいない既刊本がたくさんありますので、まだまだ楽しみは続きます。

    朋有遠方より来る、またよろこばしからずや。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    朋有遠方より来る、またよろこばしからずや。

    これまでに何度かこの論語の一節を、ブログタイトルに付けているような気がします。お友だちが遠くから来てくれたら嬉しくて、条件反射的に頭に浮かんできます。この夏は、お盆にお参りに出かけたほかは旅行などの予定がありませんでしたが、逆に旅行先としてうちに来てくれる人があるというのはワクワクするものです。

    大学を卒業して、社会人になったときのお友だちですので、かれこれ30年以上前!からの縁。当時からの友人が今も多く、時々東京での個展のときに会うことが出来たり、こうして訪ねて来てくれるというのが、ほんとうにありがたいなぁと思います。

    「『美の壺』で見た工房におじゃましたいんだけど…」と、冗談っぽく連絡してくれて、初めましての奥さまを伴って遊びに来てくれたお友だち。さりげなくこうしたメディア情報も気にかけてくれているのがわかります。花祭窯の和室でのんびりおしゃべりした後は、お昼ごはんへ。もつ鍋と豚骨ラーメンはもう食べた!というので、漁師さんのご家族が営む、玄界灘の海鮮を頂くことができる来進さんへ。福津名物の鯛茶漬けと海鮮丼を食べてもらうことが出来ました。おみやげには「めんべい」をゲットしたということで、完璧です。

    漁師めし 来進(らいじん)

    とっても嬉しい一日でした^^

    花祭窯の葉月八月の庭―百日紅(サルスベリ)が満開です―

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    花祭窯の葉月八月の庭―百日紅(サルスベリ)が満開です―

    猛暑日が続き、雨が降らず、植物にとっても過酷な夏です。花祭窯の小さな露地では、カノコユリのあとに続くはずのヤマユリやタカサゴユリが、今年は花をつけきれずにおります。水撒きが足りなかったのだろうな、と反省しつつ。

    そんななかでも頑張ってくれているのが、サルスベリ。

    百日紅サルスベリ

    ピンク色の花が青空に向かって伸びている様子は、見ていてなんだか晴れがましい気分になります。ご近所にも、白いのやら、もっと濃いピンク色やら、さまざまに百日紅が咲いていて、目を楽しませてくれています。花祭窯のサルスベリも、年々花が増えて見応えが増しています。

    ミニトマト

    この夏を楽しませてくれたミニトマトも、もうそろそろお終いです。おしまいかな、と思ってからついた実は、なんだか得した気分でありがたくお腹のなかへ。まだ黄色い小さな花がいくつか咲いたりもしていますので、もう少し楽しめるかもしれません。

    ザクロ

    そして、写真のピントが大幅にずれてしまいましたが、ザクロ。今年は早くからたくさんの花がついていましたが、途中で散ってしまったものが多く、実になっているのは、今のところ二つだけ。それでもその二つが、これまでになかったほど大きくなっているので、ワクワク楽しみです。

    ↓昨年の初月の様子はこちら↓そういえば昨年あれほどに栄えたフレンチマリーゴールドが、今年はひとつも咲いていません。暑さのせいかなぁと思いつつ。

    読書『世界で一番美しいマンダラ図鑑』(エクスナレッジ)正木晃著

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    読書『世界で一番美しいマンダラ図鑑』(エクスナレッジ)正木晃著

    お盆休みの読書用に、仕事の資料としてまとめて借りてきた中の一冊です。

    やきもの(肥前磁器)の仕事をしていると、文様の存在が常に側にあり、そうした観点からもマンダラはとても興味深い存在です。やきものに描かれる伝統文様を見たり調べたりしていると、そこには仏教文化の影響や、シルクロード文化の影響が色濃く残っています。わたしは博物館学芸員資格課程を京都の佛教大学で学びました。ふだんの勉強は通信でしたが、資格取得には一週間以上の博物館現地での実習が必要であり、そのときは京都へ。そのなかでどっぷりと仏教文化のシャワーを浴びることができたのは、とても幸せなことでした。

    「曼荼羅(マンダラ)」は、ただ見るだけでも、やはりとても魅力的な題材です。そんな曼荼羅の魅力をカラー写真をたっぷり使って解説しているのが、本書です。見ているだけでも楽しい一冊ですが、曼荼羅の基本的な解説がわかりやすく、各章での視点が面白く、文字通り「図鑑」的に使えそうです。なかでも「第3章立体マンダラ・都市マンダラ」の観点は、わたしにとっては新鮮でした。これは手元に置いておきたい一冊です。

    『世界で一番美しいマンダラ図鑑』(エクスナレッジ)正木晃著

    かつてわたしは文様の面白さを皆さんに伝えたい一心で、『蕎麦猪口の文様小話』なる小冊子を自費出版で制作しました。今確認したら2004年に出していますので、ちょうど20年になります。本書を読んで、そろそろ改訂版を出しても良い頃かな、と思いました。

    ところでエクスナレッジさんからは、「世界で一番美しい図鑑」シリーズが出ているということがわかりました。「世界で一番」と言い切ってしまう強さが素晴らしい。

    エクスナレッジ「世界で一番美しい」を含む書籍一覧

    読書『約束』(早川書房)デイモン・ガルガット著/宇佐川晶子訳

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    読書『約束』(早川書房)デイモン・ガルガット著/宇佐川晶子訳

    いつものカメリアステージ図書館新刊棚。洋書で目に留まるものの多くが「早川書房」から出ているということに、なんとなく気が付いてはいたのですが、これもそんな一冊でした。

    舞台は南アフリカ。この地のこともまた、わたしは「南ア=アパルトヘイト」的な世界史の記号として覚えているだけで、まったくわかっておりませんでした。アパルトヘイト以前から、以後の、移り行く時代を生きたある家族の物語。宗教、制度、戦争…価値観が大きく変わるなかでの生きづらさが、閉塞感を感じさせる一冊でした。

    主人公の小さな女の子が少女となり、大人になり、その過程で彼女を取り巻く環境は大きく変わり、それでも彼女の持つ信念の1点はまったく揺るがず、最後には希望とも言い切れないような希望が灯って終わります。彼女がこだわり続けたものは、いったい何を象徴するものだったのか、わたしにはまだ理解しきれていないという思いが残る読書でした。

    『約束』(早川書房)デイモン・ガルガット著/宇佐川晶子訳

    それにしても早川書房さん、今年に入って読んだ本で、このブログで紹介したものだけでも、かなり濃い顔ぶれです。ありがたいことです。

    ↓こちらは洋書ではありませんが、洋書的雰囲気満載の一冊でした↓

    ↓わたしのフランス文学のイメージを変えた一冊↓

    ↓古典ミステリーの新版もありました↓

    ↓離婚した元夫婦の関係性が面白く描かれた名作↓

    ↓現代イタリアが舞台ながら普遍的なストーリーが心に刺さりました↓