読書『美術館っておもしろい!』(河出書房新社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『美術館っておもしろい!』(河出書房新社)モラヴィア美術館

「展覧会のつくり方、働く人たち、美術館の歴史、裏も表もすべてわかる本」阿部賢一・須藤輝彦 訳

このところ、カメリアステージ図書館の新刊選書がツボにハマっています(笑)いつもの図書館で、選書しておられる司書さんのなかに、自分と好みの合う方がいらっしゃるのだなぁと思うと、ひそかに嬉しくなります。そういえば佐賀に住んでいたころは、有名になる前の「武雄市図書館」を利用していましたが、当時の武雄市図書館の新刊コーナーも秀逸で、毎回嬉しかったのを思い出しました。

さて『美術館っておもしろい!』。素晴らしい本です。「絵本」です。美術の本というよりは、美術館の本です。目次は「美術館の歴史」「美術館の仕事」「展覧会のつくりかた」。モラヴィア美術館は、チェコ共和国でプラハの国立美術館に次ぐ規模を持つ美術館なのだそうですが、そこの学芸員・スタッフによって作られた本です。今年の「わたしのベスト本」上位入りが確実な本です。

子どもたちがこの本を読み終えたとき、美術館を面白い場所だと思ってくれるはず!という期待が持てます。アートエデュケーションを考えるときに根底にある「美術館」という存在への思想が、そのまま絵本になっているような感じで、とても嬉しくなりました。わかりやすく紐解かれていて、それはそのまま、大人が読んでも同じです。美術が好きな人、美術に関わる仕事をしたいと思っている人、皆さんにおすすめしたい本です。

原書も探してみたところ、紀伊国屋さんのウェブ書店ではドイツ語の中に入っていました。あ、これはチェコ語なのかな。すみません、見てもよくわかりませんでした。とにかく英語ではなかったので、わたしは断念。日本語版を手に入れることに。

図書館は借りるだけの場所ではないと、つくづく思います。「図書館で読めるから、本は買わなくていい」という論法ももちろん成り立ちますが、「図書館で出会って、良い本・必要な本だとわかったから購入する」も、同時に成り立ちます。これは、新刊書に限らずで、古典の良さに気づかせてもらえるのも、図書館。

図書館で本を物色 → 家で熟読 → 気に入って本屋さんで購入

手元に置いておきたい本が、じわじわと増殖中です。

そこに「愛」はあるか?

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そこに「愛」はあるか?

週末、友人から声がかかり、ある会合に足を運んでまいりました。年齢も性別も職業も社会的立場もさまざまな十数名が、私人の立場で参加するというもので、共通しているのは、今住んでいる地域の未来を真剣に考えている、という一点のみ。

初顔合わせということで、まずは自己紹介兼ねそれぞれの地域に対する想い(=課題感)を共有するだけでタイムオーバーとなりましたが、それだけでもふつふつと湧き上がるものを感じる、面白い時間でした。

以下、備忘メモ。


  • 将来そこに帰りたいと思えるか。
  • 住まいと仕事場。
  • 腰を据えると決めたからこそ、腹が立つこと。
  • ビジネスをスタートしようとしたときの、風通しの悪さ。
  • 世界基準で見たときに、どうか。
  • 毎日歩き、見るからわかること。
  • とにかく情報を集める。
  • シビックプライド。
  • 愛情と誇り。
  • 地元民と移住者との温度差。
  • ひいきをする。
  • 下町。
  • 巻き込む。
  • 地域の分断。中立的な場所。
  • 「次」が無い。
  • ○○と言えば、□□。
  • その「次」の必要性。
  • キーマンはどこにいるのか。
  • その「場」はどこにあるのか。
  • 元気な事業者がたくさんいることの大切さ。
  • スピード感を阻む壁。
  • 変化の必然性。
  • そこに「愛」はあるか。
  • 他力。
  • 若者。

これからの地域を考えるとき、あらためて、「住まいと仕事・仕事場」「愛情と誇り」がキーワードになると感じました。地域が何をしてくれるのか、の前に、自分たちは地域で何ができるのか。これを考えることは、そのまま自分たちの事業の在り方を考えることにもつながります。

ふわふわとしたミーティングではなく、ちょっとした緊張感がまた楽しい時間でした。参加者それぞれが、これまでもシビアなビジネス環境(ビジネスに限りませんが)を当事者として乗り越えてきた方々だからこその、根拠ある視点、広い視野、変化への意欲に触れることができました。

新しいことがはじまりそうで、ワクワクしています。

優先順位を再確認。

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優先順位を再確認。

昨日までの数日は、読書記録のブログ記事が続きました。隙間時間の積み重ねではありながら、読書時間を確保できているのは、とても幸せなことです。「本を読む」は、わたしのこれまでの生き方のなかで、優先順位が高く、もっとも資本(時間とお金)を投下したジャンルだと思います。実際に数字を出してはいないので、あくまでも印象ですが。

2020年に新たに学びはじめたもののひとつに、タロットがあります。カードを読む訓練のひとつとして、毎朝一枚カードを引いています。一日のスタートに、それなりに示唆があるので面白く。今朝の一枚が「人生の優先順位を再確認してみるタイミングかも」と言っていたので、ちょっと手を止めて考えてみることに。12月に入ったところでもあるし、ちょうどよさそうです。

価値観(自分にとって何が大切か)がはっきりしている方だと思うので、意識しなくても自動的に優先順位がついていることが多いのですが、もしかしたら惰性になっているだけかもしれません。わたしの場合、日々の選択に対するスタンスは、自分の決定への信頼感というよりは、選択の結果に対して(それが失敗しても)受け止めるよ、というほどのもの。でも、自動運転に選択を任せているうちに、真に優先すべきことがないがしろになっているかもしれません。

そう思いながら、つらつらとメモを書き出してみると、確かに、年内にやり遂げたいと思いながらまだ見通しの立っていないものがいくつか出てきました。でも、やる気モードになっていないことをしようとすると、なかなか進まないので、すぐに取り掛かることはいたしません。まずは無意識に後回しになっていたものを、目に見える形にして意識に上ってくるようにするところから。

優先順位の番号を振って目に見えるようにして、「よし、やるぞ!」が下りてくるのを待ちます。それが完結するのが、目指すべき期間内であればよいのですが、ギリギリになって「やらざるを得ない」状況に自分を追い込むのもまた一つの方法です(笑)。ともあれ月の初めにこのカードが出たことに感謝。

ところでタロットを手に取ったきっかけは、夢のなかで、美術鑑賞を使った訓練との共通点に気づいたことでした。すなわち、丁寧に「見る」ことと、そこから何を「読み取る」か、ということ。わたしが美術鑑賞教育のなかで一番大切にしていきたいこれらのことが、カードをツールとして用いることでも展開できそうだということです。特にルネサンス絵画というジャンルでみたときに、タロットとの結びつきにハッとしたのでした。夢のなかで気づくとは、無意識おそるべし(笑)。

読書『小説 イタリア・ルネッサンス 1 ヴェネツィア』(新潮文庫)塩野七生

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読書『小説 イタリア・ルネッサンス 1 ヴェネツィア』(新潮文庫)塩野七生

塩野七生さんといえば『ローマ人の物語』。過去何度か読もうとチャレンジしましたが、そのたびに途中で挫折していました。わたし自身の世界史・地理・宗教などについての基本知識不足が理由となって、いちいち前に戻ったり別書を開いたりして確認しないと読み進むことができず、ついには本を閉じてしまう…の繰り返しでした。

先日偶然この「小説 イタリア・ルネッサンス」シリーズを見つけ、これならばスラスラ読めるかもしれない!という淡い期待を抱き手に取りました。「ルネッサンス」「ヴェネツィア」と時代やエリアを区切ってあるだけでも、読みやすいはず…という期待は裏切られませんでした。いやぁ、面白い。「歴史物語の力」を感じた一冊です。

文庫を開いてまず巻頭に、物語の時代を象徴するような絵画がカラーで紹介されているのが、魅力的です。ルネッサンス期というのは、美術に関わる人にとって、やはり特別な時代なのだと思います。美術作品を見たときに、その背後にあるものを知りたいと思い、そのために本を開く。わたしもこれまでも、そうして手に取った本がたくさんあります。

塩野七生さんの本をずっと「読みたい!」と思いながら、読み通せずに不甲斐無い思いをしていたので、とても嬉しい「小説イタリア・ルネッサンス」シリーズとの出会いとなりました。時間をかけて読破していく楽しみができました^^

読書『最後のダ・ヴィンチの真実』(集英社インターナショナル)

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読書『最後のダ・ヴィンチの真実』(集英社インターナショナル)ベン・ルイス著、上杉隼人訳

そういえば、少し前に読んだ鑑賞教育関連の本『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』(ダイヤモンド社)の著者・神田房枝さんの肩書は、ダヴィンチ研究所ディレクターでした。本書『最後のダ・ヴィンチの真実-510億円の「傑作」に群がった欲望-』は、偶然図書館の新刊棚で見つけたもの。このところ、思いがけずダ・ヴィンチづいています。ダヴィンチに関する本はフィクション・ノンフィクションともにたくさんありますが、あらためて、世界中にダ・ヴィンチ研究者がたくさんいることを思いました。

表紙裏に書かれた「13万円で買われた絵は、なぜ12年で510億円になったのか」のフレーズが、この本を物語っています。最初に「本書はノンフィクションであるが、ミステリー小説のように楽しめるので」と書いてある通りの本です。アート関係者としては、発見された名もない絵が「傑作」として認定されるまでの過程がとても興味深く、ドキドキしながら読みました。

作者も来歴もわからない美術品の中から、「眠れる美術品」を見出す才能は、まさに審美眼と呼ぶべきものでしょう。その才能はまた、美術史とその周辺の膨大な知識・教養に裏付けられたものであり、どれだけたくさんの美術品を見てきたかの結果でもあります。そのような審美眼を持つ「発見者」の存在は、本来美術の表舞台には出て来にくいだろうと思います。この本で一つのリアルな物語を見ることができたのは、わたしにとって貴重なことでした。

名もない絵が「傑作」として認定されるまでの過程を眺めるにつけ、「誰に発見され(見いだされ)、どこでどのように評価されるか」が、その作品と作者の行く末を決めるのは、古いものも新しいものも同じことだなぁと、つくづく感じました。署名が無いがゆえに名作と認定されず廉価で取引されるオールドピースの数々と、無名であるがゆえに評価の土俵に上がることさえできない現代アートの作品たち。

生まれても日の当たる場所に出ないままに忘れ去られていくアーティストや作品たちが、世の中にどれだけあるでしょう。古今東西、そういうことが繰り返されてきているのだと思うと、やっぱりまずは土俵に上げるための努力をしなければならないと痛切に感じます。美術史に残っていけるのは、ほんとうに、ほんの一握り。「いいものをつくれば、いつか日の目を見る」は、よほどのラッキーであって、「知られなければ、存在しないのと同じ」が実際だと、あらためて思いました。

Meet Me at Art コラージュ講座。

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Meet Me at Art コラージュ講座。

コラージュ講座のインストラクションをしてまいりました。今年は全国的に、オフラインでの各種講座の開催は様子を見ながらでしたので、Meet Me at Artとしても、美術教育のプログラムは焦らず安心して計画できるようになってから、と思っておりました。そんなわけで、久しぶりのインストラクション。

「美術的アプローチでのコラージュ」との出会いは、約2年半前。2018年度の「博物館マネジメント人材育成事業」の一環である連続講座「2025年問題に向けた高齢者の健康と博物館の役割」の第1回で「美術館でコラージュ療法」を学び、その魅力に惹かれました。アートセラピーとしてのコラージュを、美術的アプローチに重きを置くことによって、もっと気軽に誰でも実現できる創作体験として広めていく。その可能性に、ビビビッと来たのでした。

今回は、福津市の生涯学習の仕組み「郷育カレッジ」の講座のひとつとして開催したもの。多様なジャンルの講座を抱える郷育カレッジですが、美術系の講座はそれほど多くありません。コラージュも今年度が初めてでした。約1時間半の講座は、皆さんの意欲的な姿勢に支えられ、サクサクといい感じに進みました。

昨今のご時世を鑑み、グループワークによる意見交換「分かち合い」の時間は割愛することになり、それが少し残念でしたが、その分、自分自身の内面と向き合う時間をしっかりとることができればと思いつつ。後日、講座終了後のアンケートに書かれた感想をフィードバックしてもらったのですが、受講者の方々がその意を汲んでくださっていたことがわかり、ホッとしました。

いただいたご感想を要約すると…

  • 初めてやってみたけれど、新鮮だった。
  • 集中して一人静かな時間が持てた。
  • コラージュ制作を通じて、自分の好きなことに改めて気づくことができた。
  • 自分で考えを創作していく過程に、希少価値を感じた。
  • 今自分が表現したいことが明確に出て、面白かった。
  • やりだしたら、ついついはまり込んだ。
  • 空間で何かを表現したいという思いが出てきた。

などなど。

このように皆さんが感じてくださったことこそが、Meet Me at Artコラージュの面白さであり、目指しているところです。このようなご感想をいただけたということは、コラージュの深さや面白さを感じていただけたということ。ほんとうに嬉しかったです。久しぶりのインストラクションで、コラージュの可能性をますます感じました。

読書『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』(ダイヤモンド社)

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読書『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』(ダイヤモンド社)神田房枝 著

美術鑑賞の効用を説く本がまた一冊登場しました。上の写真は帯で紹介されているコンテンツ。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)で対話型鑑賞法を説いた山口周さんはじめ、ここ数年美術鑑賞によるトレーニング・研修効果をうたう本が次々と出ていて、アートエデュケーターとしては嬉しい限りです。目についた都度、読むようにしています。

著者によれば、「その効果が科学的に検証されている、絵画観察を用いたトレーニング」について論じているのが、本書『知覚力を磨く』の強み。たしかに自らを省みても「効果があると確信を持ってはいても、それを証明しろと言われると、検証までは出来ていない」のが、鑑賞教育の担い手としての実態です。それだけに、裏付けが語られることに、とても心強さを感じました。

以下、備忘。


  • 思考の前提となる認知、すなわち「知覚(perception)」
  • 「知覚」の幅を広げるというアプローチ
  • 知覚→思考→実行
  • 純粋によく見る
  • 知覚は「コントロール」できない
  • 知覚から「知識」がはじまる
  • 「他者」の知覚を取り入れる(=読書)
  • マインドアイ(見えないものを観る力)
  • 知覚力を奪う「敵」は「認知バイアス」
  • 「具体性に満ちた全体」をとらえる
  • 点と点をつなぐ観察(=関連づけ)
  • 人文科学は、明確な答えが無い問いに対して、自分なりの答えを提案していく学問

『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』神田房枝 著より


ところで著者の神田房枝さんの肩書きが「ダヴィンチ研究所ディレクター」。ダヴィンチ研究所なるものがあるのですね。ダヴィンチはアーティストであっただけでなく、他分野を横断した様々な創造・業績を残していますが、そのほとんどが独学であったということを、本書で知りました。

アーティスト以外のアート関係者、教育関係者、企業人にもおススメの一冊です。

郷育カレッジ「カメリアステージの歴史資料館を見に行こう」

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郷育カレッジ「カメリアステージの歴史資料館を見に行こう」

福津市民と福津で働く人のための生涯学習の仕組み「郷育(ごういく)カレッジ」。地元福津市のカメリアステージ歴史資料館を紹介する講座に参加してまいりました。

福津市に、歴史資料館と図書館を併設したカメリアステージができてから、まるっと三年が過ぎました。個人的にはすっかり生活の一部となっていますが、まだ三年しか経っていないのですね。開館してから何回か、歴史資料館の説明をお聞きする機会がありましたが、今回は郷育カレッジ講座でその機会をつくることができました。

講座を担当してくださったのは、福津市文化財課の専門職員さん。歴史資料館ができるまでの道のりから、展示・保存管理設備の解説、バックヤードツアーに展示解説と、1時間半という短い時間ながら盛りだくさんの充実した講座でした。

博物館資格取得課程に在籍時に学んだ内容を、思い出しました。以下、備忘。


  • 博物館法等の法令指針に従って作られた施設。
  • 表:展示・公開・教育普及/縁の下:収蔵・保存・調査・研究
  • ゾーニング
  • 所有権、所蔵権
  • 「観覧動線」と「文化財(管理・展示準備)動線」
  • バックヤード(荷解きの部屋・学芸員調査室・収蔵庫)。狭くても役割を持った部屋に「分かれている」ことが大切。
  • 展示→モニタリング→修復等→保存→展示

郷育カレッジ「カメリアステージの歴史資料館を見に行こう」より


決して広くはないスペースながらも充実した展示内容に、さらに面白さを裏付けていただいた解説講座でした。何度聞いても楽しいです。ありがとうございました!

読書『THE CURATOR’S HANDBOOK』(フィルムアート社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『THE CURATOR’S HANDBOOK』(フィルムアート社)エイドリアン・ジョージ著 河野晴子訳

いつかは!と思って読んでいた本が本格的に活躍しそうで、ワクワクしています。『THE CURATOR’S HANDBOOK』を読んだのは、約4年前。当時は、わたしにとって仕事上なじみの深い美術館・博物館・ギャラリーなどの「文化・文化施設が果たす社会的な役割」について考察する手引きとなる本として、読んでいたのでした。

本書の日本語でのサブタイトルが「美術館、ギャラリー、インディペンデント・スペースでの展覧会の作り方」。サブタイトル通り、第1章から第12章まで “How to” の宝庫です。


目次

第1章 始動する:キュレーションの第一歩
第2章 アイデアを実現させる
第3章 プロポーザル、企画の売り込み、プランニング
第4章 予算と資金調達
第5章 契約、交渉、義務、評価
第6章 展覧会の出版物と物品販売
第7章 展覧会をつくる
第8章 オープン前の数週間
第9章 展示作業
第10章 オープン数日前と当日
第11章 プレスオープンと内覧会
第12章 展覧会会期中、そして会期後

『THE CURATOR’S HANDBOOK』(フィルムアート社)より


「展覧会」。花祭窯の場合、それは「陶芸作家・藤吉憲典の個展」です。主催してくださるコマーシャルギャラリーさんがすべてお膳立てしてくださるので、作品と作品リストをお届けすることに注力し、それ以外は全面的にギャラリーさんにお任せするのが常です。

なので、学芸員資格を持っているとはいえ、自分自身が中心となって「展覧会をつくる」ことは、「いつかできたら楽しいだろうな」と思うぐらいで、具体的にイメージしたことがありませんでした。が、ここにきて「展覧会をつくる」計画が浮上。まさに本書が活かされる状況になりそうです。

ギャラリーオーナーの方々には毎回お世話になりっぱなしです。オーナーさんがどれほどのエネルギーを注いで個展を開いてくださっているのか、身をもって理解することのできる機会になりそうです。とはいえ、まだ計画どころか「アイデア」の段階。開催できるのが来年になるのか再来年になるのか、詳細はこれからです。本書を読みなおし、準備するべきことの多さを考えると、ある程度時間がかかる(時間をかける必要もある)こともわかってきました。

一日も早く皆さんに告知ができるよう、頑張ります!

令和2年度郷育カレッジ、スタートしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

令和2年度郷育カレッジスタートしました。

福津市の生涯学習の仕組み「郷育カレッジ」。郷育カレッジとは、「ごういくかれっじ」と読み、福津市民と福津で働く人のための生涯学習の仕組みです。講座の運営をサポートするボランティアスタッフとして、わたしも参加しています。

過去記事:福津市には「郷育カレッジ」があります

郷育カレッジは毎年度7月初旬の開校式を皮切りに講座を運営していますが、今年度はご多分に漏れず7月8月と開校延期・講座中止となっておりました。ようやく9月からコロナ対策を万全に心がけつつスタート。9月以降も、バスに乗っての移動を含む講座など、いくつかは感染防止対策の観点から中止のものがありますが、大切な学びの場が復活して、運営委員の一人として少しホッとしているところです。

今年度の特集講座テーマは「郷育で心も体も健康に」。「情報を集めよう!」「リフレッシュしよう!」「自分自身を知ろう!」「体を動かそう!」の四つの視点から、健康にフォーカスした講座をお勧めしています。特集講座のテーマ決定は約1年前にさかのぼりますが、なんとも今年度にぴったりのテーマでした。

コロナ対策で「密」を避けるため、当初予定していた受講人数を半分以下に絞り込むなど、今年は講座を受講できる人数も限られた中でのスタートとなりました。通常三人掛けの机に一人づつかける、受付に消毒用エタノールを設置する、一講座ごとにすべての机・椅子・出入り口の取っ手などを消毒剤で拭き取るなど、市の郷育推進課職員さんを中心に対策を施しています。

一方で、人数制限のため、せっかくご応募いただいても、抽選で外れて受講できない方が今年は多くいらっしゃる事態となり、心苦しい限りです。この点を踏まえ、来年度は、受講希望の方ができるだけ受講できるよう、人気講座は同じ内容で2回以上の開催をするなどの対策をしようと、今から来年度に向けて話し合いを行っています。

ともあれ、学びの場がオープンしたことは、とても嬉しいことです。令和2年度の講座は、おかげさまで満員御礼の講座が多いようですが、引き続き受講生受付中の講座も、まだいくつかはありそうです。詳しくは、福津市郷育推進課におたずねくださいね。福津市にお住まいの方、または福津市内にお勤めの方でしたら、ご参加可能です。

郷育カレッジに関するお問い合わせは
福津市教育部郷育推進課 電話0940-62-5078 まで。