読書『強運の持ち主』(文春文庫) 『天国はまだ遠く』(新潮文庫)瀬尾まいこ著 の中編ふたつ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『強運の持ち主』(文春文庫) 『天国はまだ遠く』(新潮文庫)瀬尾まいこ著 の中編ふたつ。

いつものカメリアステージ図書館より。先日久しぶりに読んだ瀬尾まいこさんの文体が、とっても優しくて心にしみるような感じで嬉しかったので、目に入ってきた著者名に、迷わず手が伸びました。

『強運の持ち主』は、占い師になった主人公のもとに訪れる相談者の相談内容と、主人公自身の日々の生活とが淡々と描かれています。公式サイトに「“小さな世界”へのこだわり」というタイトルで書評が載っていますが、その「小さな世界=日々の生活」と結びついた喜怒哀楽が、どれだけ大切なものか、が、じんわりと伝わってきます。

『天国はまだ遠く』では、自殺未遂をした主人公が死にきれず、自然に囲まれた山奥で毎日を過ごしていくうちに、「自分の居場所」について気付いていく物語。こちらも、スタートは「自殺未遂」という、ある種事件でありながら、穏やかに毎日を積み重ねることで自分を取り戻していく様子は、事件とはかけ離れています。

両方とも、さもない日々の生活こそが人生なのだと思わせてくれる物語。読後感がとにかく「やさしい」の一言です。きっと著者の瀬尾まいこさんのお人柄が、書くものににじみ出るのだろうなぁと勝手に思いつつ。

『強運の持ち主』(文春文庫) 『天国はまだ遠く』(新潮文庫)瀬尾まいこ著

読書『「ひとり社長」の賢い節税』(明日香出版社)杉田健吾著

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読書『「ひとり社長」の賢い節税』(明日香出版社)杉田健吾著

出版コンサルタント・土井英司氏が発行しているメールマガジン「ビジネスブックマラソン」略して「BBM」からの新着書籍の一冊です。平日ほぼ毎日届くこのメルマガ、要点を簡潔に伝えてくださるのでとっても便利です。すごい読書量だなぁと感嘆しながら、ビジネス書の選書に重宝に使わせていただいています。

タイトルは『元国税が教えるお金の残し方「ひとり社長」の賢い節税』です。近年のビジネス書あるあるの、長くてわかりやすいタイトルですね。節税関連の本は調べればたくさんヒットしますが、著者が「元国税職員」というのが響きました(笑)。法人化を検討しているわけではないものの、丸善で中身をパラパラと確認したところ、事業をする者として理解しておくべきことが多々載っていましたので、ゲット。個人事業主として仕事をするよりも、法人化したほうが良い!というのが、本書の一貫したスタンスです。もちろん「こういう人には法人化はおススメしない」という例外も載っていますが。

ただ、法人化を検討していない身にとっても、税金の考え方、節税の考え方、経理の仕方の考え方、なるほどと勉強になること多々です。以下、備忘。


  • 経費として認められる2つの条件
    ・事業活動に「直接」関連していること
    ・事業活動に必要であること
  • 領収書の裏には、事業に関係する『誰』と『何の目的で』行ったのかを書いておきましょう
  • 実際に仕事で使用している証拠
  • 所得税、復興特別所得税、住民税、個人事業税、国民年金、国民健康保険
  • SNSへの投稿は(自身のブランディングのための)立派なマーケティング戦略
  • どんどん稼いでいくつもりなら、さっさと法人化すべき
  • ズボラ会計
  • 勘定科目をパターン化して簡単に
  • 貸方科目はすべて短期借入金(社長借入金)(個人事業主の場合は事業主借)を使用
    →現金勘定を使わないことにより、日々の現金管理が大変になるのを避ける。
  • 領収書をもらい忘れた場合は、メモ書き
  • (税務調査が入った場合)調査官は主として売上の計上漏れや給与の不当な操作など、より悪質な脱税に近い大きな項目を重点的にチェック
  • 自分で会計処理を行い、万が一の税務調査で認められない費用が見つかったときに修正するほうが、はるかに合理的
  • ビジネスを個人で行っても法人で行っても、日々の事務作業はほとんど変わらない
  • 法人化することで難しくなるのは、決算と申告だけ
  • 会計ソフトを使えば決算書は比較的簡単に作成できます。申告書の作成も、決算書さえできていれば(完璧でなくても)何とかなります。
  • 決算書を持って税務署に行けば、申告書の作成方法を無料で丁寧に教えてくれます。
  • 税務調査を恐れるよりも、積極的に税務署を利用する
  • 節税の本来の目的は、手元に資金を残すこと
  • その節税方法は本当に手元に金を残すものなのか
  • 自分で理解できないものには手を出さない
  • 賢い節税のための5つのポイント
    1.手元に資金を残す
    2.不要な支出を避ける
    3.事業の成長につなげる
    4.法令を遵守する
    5.長期的な視点を持つ
  • いかに経費を『賢く』増やすか
  • すでに発生している支出をいかに経費として認識するか
  • 日々の事業活動の中で、どのような支出が経費として認められるか、またどのようにすれば経費として認められるようになるかを常に考える習慣
  • 将来の売上(収入)を増やすために先に支出する費用を経費として計上する
  • 税金の発生するタイミングをコントロールする(例:減価償却費、経営セーフティ共済等)
  • 専門家を上手に活用できる経営者になる
  • 専門家に適切な質問をする
  • 自分の意見を論理的に説明できるよう準備しておく
  • 税法はつねに変化している
  • 節税脳を鍛えるのは、継続的なプロセス
  • レシートにメモを残す
  • 「なぜこの費用が会社の事業に必要なのか」をしっかりと説明できること
  • 利益が出てから慌てて対策を考えるのではなく、早い段階から適切な節税計画を立てておくこと
  • 事業の成長とブランディングに必要な支出を適切に経費計上する

『「ひとり社長」の賢い節税』(明日香出版社)杉田健吾著 より


今のタイミングでこの本を読むことができて、すごく良かった!勉強になった!内容でした。これから独立しようとしている方、すでに個人事業を立ち上げている方、知識として知っておくべきことがたくさん載っていると思います。おすすめです^^

『「ひとり社長」の賢い節税』(明日香出版社)杉田健吾著

2025年映画三本目は『ブリジットジョーンズの日記』-実は初めましてでした♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2025年映画三本目は『ブリジットジョーンズの日記』-実は初めましてでした♪

今作のタイトルは『ブリジットジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』。「ブリジットジョーンズの日記」のタイトルは、もちろんこれまでも知っていました。が、コメディは好きだけれど「ラブコメ」にあまり興味がなかったもので、スルーしていたのです。なぜか米国が舞台の恋愛ものだと思い込んでいたのですが、舞台&ロケは英国なのですね。そんな情報がじわじわと入ってきて、興味がわいてきました。

最初はいつだったのかしら?とググってみたら、2001年とでてきました。2作目の『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』が2016年。そして2025年の今作。現代女性の恋とキャリアをメインストーリーにした映画が、続編で四半世紀を超えようとしているって、すごいことだと思います。「初めて見るんだったら、これまでのやつを見てから行くのがおススメ!」と、ブリジットジョーンズファンの方からアドバイスいただきましたが、見る時間を作れませんでしたので、とりあえず映画館へ。

アラフィフ設定のブリジットジョーンズ。泣けて笑えて、また泣けて、な映画でした。初めてスクリーンで観たブリジットジョーンズその人の、なんと魅力的なこと。ブリジットを演じたレネー・ゼルウィガーさんは、米国の人なのですね。Wikipediaによれば、ブリジットジョーンズを演じるために、英国英語を完全にマスターしたとのこと。くるくる変わる表情が豊かで、かわいらしくて、とっても素敵でした。わたしが観たことのある映画では、『シカゴ』で主演をなさっていたのだとわかりましたが、その時の印象とはまったく違っていました。

ストーリーそのものはありがちでしたが、登場する人たちの姿が魅力的で、とてもいい映画だなぁと思いました。ヒュー・グラントも良かったです♪壮大なドラマや事件がなくても、悩みながら懸命に生きていることが伝わってくるだけで、十分なのだと思えました。今作初めて見ただけでもこれだけ感情移入できるのですから、第一作目からぜんぶ見ている人には、たまらないだろうな、と。というわけで、過去作二本、遡って見ることにいたします。もし何年か後に続編ができたら、それもきっと、わたしは観に行くと思います^^

読書:季刊誌『AXIS 2025.4 spring』株式会社アクシス

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読書:季刊誌『AXIS 2025.4 spring』株式会社アクシス

読書記録が続きます^^

いつものカメリアステージ図書館の雑誌スポンサーとなり、提供誌として『AXIS』の定期購読を選んだのは、昨年夏のこと。その後、読むほどに「これは手元に置いておきたい」の欲求が高まり、結局、花祭窯でも定期購読することになったのでした。

今号のメインの特集は、大阪万博。いまのところ前評判があまり芳しくないようすの大阪万博ですが、関西に住む友人から誘われて、視察に行くことを決めたところでした。パビリオンの内容をまったく把握していませんでしたので、わたしにとってはベリーグッドタイミング!な特集でした。

特集を読んでまずよくわかったのが、今回の大阪万博に、とてもたくさんの著名建築家、アーティスト、デザイナーが関わっているということ。パビリオンでの展示内容以前に、パビリオンの建築そのものも見どころであること。一方でそれらの結果として、建設を請け負う事業者の入札がある意味クローズドになり、建築費の高騰を招いているという指摘もありますので、なんとも言えないところではありますが。ともあれ海外からの出展だけでなく、ホスト国である日本の出展の力の入りようが伝わってきました。

そういえばわたしは高校生の時の修学旅行で「つくば万博」に行ったきり、「万博」と名の付くものに出かけたことがありませんでした。そのときの印象といえば、ただ広いばかりの場所で、待ち時間ばかりが長いという、残念なもの。自分の興味の向いていないときに見に行っても、得られるものは少ないですね。今回の大阪万博は、せっかく足を運ぶならば、しっかり目を見開いてきたいと思います。あらかじめ調べてアンテナを張って訪問しよう!という気持ちを高めてくれる、AXISでの特集でした。

ところで今号の表紙は建築家の安藤忠雄氏。インタビュー記事がたっぷり載っています。国内外の美術館・博物館も数多く手掛けておられますね。実際に安藤氏による館で仕事をしている学芸員さんのお話を、何人からか聞いたことがありますが、いずれもなかなか辛口の感想でしたので、このインタビューにも興味津々。そして、まさにその応えとなるご本人のコメントを見つけることもできました。

ぜひぜひ、興味のある方はAXIS手に取って読んでみてくださいね。福津市在住あるいはお越しの機会がありましたら、カメリアステージ図書館1階のカフェスペースにある雑誌の書架に、最新号が並んでいますので、読んでいただけます。バックナンバーは、2階図書館の雑誌配架棚にあり、こちらは貸出可能です。ぜひご活用くださいね^^

デザイン誌『AXIS』(株式会社アクシス)

読書『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著

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読書『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著

タイトルは『Effectuation エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』。はい、タイトル長いですね、実用書です。先日参加した九州EC勉強会で、講師の酒匂さんが講座中に紹介してくださった本です。

講座のなかで本書の概要を簡単にご説明くださったのを聞いて、面白そう!と思い、勉強会帰りにそのまま博多駅上の丸善に寄ったところ、運良く在庫がありましたので、即ゲット。表紙がまたかわいいんです(笑)。久しぶりのビジネス書ですが、即買いして良かった!な一冊。

そもそもエフェクチュエーションって何?でしたが、それもそのはず、本書はその思考法を紹介する「日本初の入門書!」と、帯に書いてありました。が、本を読めば腑に落ちることだらけであり、理解の難しい思考法では決してありません。ただ、頭で理解したことを実践できるかどうかは、これまでの目的志向的な思考・行動パターンからいかに抜け出せるか、にかかっているのだと思います。

以下、備忘。


  • 目的ではなく手段に基づく
  • 手持ちの手段(資源)(私は誰か、何を知っているか、誰を知っているか)
  • どこまでなら損失を許容できるか
  • できるだけ一歩の幅を小さくする
  • 自分にとって許容できない損失が何かを自覚し、それを許容できる誰かをパートナーとする
  • 行動しないことの機会費用(機会損失)
  • 「成功するかどうか」や「儲かるかどうか」という利益以外の基準で、本当に自分にとって重要な取り組みを選択する
  • 予期せぬ事態を(中略)自らの手持ちの手段(資源)の拡張機会ととらえる
  • 重要なのは、そのアイデアに進んで参画してくれる顧客をはじめとするさまざまなパートナーを獲得する行動
  • 自発的な参加者に対して、「何を共創することができるだろうか?」と考える
  • 顧客、取引先、出資者、紹介者、共同経営者…
  • すでに手にしているものの価値というのは、自分だけでは決められない
  • 問いかけ(asking)
  • 自らのアイデアを積極的に説明すること以上に、相手の話をより多く聞くことが、極めて重要
  • 協力をしてくれる相手が、必ずしも直接的なリターンや経済的な見返りを期待しているとは限らない
  • 不確実性への対応に熟達するうえで最重要の活動こそが「the Ask」
  • 自らを取り巻く半径2メートルの世界を変える=コントロール可能な範囲で新たな行動を生み出す
  • 「巻き込み力」「巻き込まれ力」
  • おねだり
  • 積極的に、他の協力者に“おねだり”をする、また、積極的に他者の提案を受け入れる
  • 自分が気付かない価値を、想定しない人が教えてくれる
  • 私自身の行動や事業内容が変化していっただけではなく、内面の関心(私は誰か)もまた変化しており、それが具体的な行動として変貌
  • 関心軸

『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著より


簡潔に感想を言えば、ものすごく面白かったです。

読書『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著

『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著

読書『図書館の神様』(ちくま文庫)瀬尾まいこ著

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読書『図書館の神様』(ちくま文庫)瀬尾まいこ

いつものカメリアステージ、貸出カウンター横の特集棚から。いつも、棚のポップよりも本のタイトルにすぐ目が行ってしまうので、特集棚の特集テーマが何だったのか、ちゃんと見ていませんでした。「図書館」がテーマだったのかもしれません。上の写真は、わたしがこれまで訪問した図書館のなかでも印象の強かったひとつ、福岡女子大学の図書館です。

瀬尾まいこさんの著書は『そして、バトンは渡された』以来です。いつ読んだんだっけ?と、ブログ検索してみましたが、なんとアップしていませんでした。読んだ本をすべてアップしているわけではないのですが、いいお話だなぁとほっこりした読後感を覚えていますし、映画化で話題になった本でもありますので、これをアップしていないのは我ながら意外でした。ちなみに、本の印象が良かったので、そのイメージを維持したくて、映画は観ておりません(笑)。

さて『図書館の神様』。すごく、良かったです。主人公が抱えている傷はまあまあハードなものであるにもかかわらず、文章のテンポや言葉がとてもやさしくて、安心して読み進むことができました。そういえば『そして、バトンは渡された』も同じ感じでしたね。それにしても、高校教員の主人公が顧問をする「文芸部」の部員が一人=マンツーマンという設定が、とても面白かったです。そしてその部員の高校生の大人びていること、「そんな子いるかなぁ」と思いつつ。「文芸部」の活動を通して主人公が変わっていく姿が、嬉しく映りました。文芸部の活動場所が図書館だったので、タイトルが『図書館の神様』なのですね。

文庫版で200ページ足らずでしたので、週末サクッと読了。文庫版では、そのあとに短編がもうひとつ載っていました。タイトルは『雲行き』こちらもやさしい文体で、するっと読みました。こういう読書もいいですね♪

『図書館の神様』(ちくま文庫)瀬尾まいこ

読書『わたしの人生』(新潮社)ダーチャ・マライーニ著/望月紀子訳

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読書『わたしの人生』(新潮社)ダーチャ・マライーニ著/望月紀子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚からの一冊。表紙の写真が印象的で手に取り、小説かと思って借りてきました。著者はイタリアを代表する小説家・劇作家だそうですが、本書はご本人の回想記=ノンフィクションです。1936年生まれの著者が、たくさんの文筆活動をしながらも、これまで書いてこなかったこと。「今書かなければ」という思いに突き動かされたのだろうということが、読後にしみじみと感じられました。

1938年から日本に住み、1943年から終戦まで一家5人で抑留された、2年間の体験が語られています。戦時中に日本に暮らす外国籍の方々がどのような目にあったのか、当事者によって語られたものを、わたしはこれまで読んだことがなかったと思います。読んだことはありませんでしたが、日本の官憲がひどいことをしたのではないかという推察はできるもので、恐る恐るページを繰りました。

ひどい目にあった著者が、それでも自分は日本を恨んではいないし、日本が好きだと言ってくれることが、読む者にとって救いになりました。数々の出来事や行為に対して、抑留された人たちが、日本の歴史や日本人の精神性からそれを紐解こうとする姿に、理性や知性を保ち続けることの強さを感じました。

新潮社の公式サイトでの紹介には、映画翻訳でおなじみの戸田奈津子さんが短評を寄せています。訳者のあとがきも、力が入っています。歴史をのなかで何度も同じ過ちを繰り返してきた人間への警鐘が込められた一冊です。

今回「はじめまして」の著者さんでした。これを機会に、彼女の書いた小説も読んでみたいと思います。

『わたしの人生』(新潮社)ダーチャ・マライーニ著/望月紀子訳

2025年二本目-映画『教皇選挙 CONCLAVE』を観てきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2025年二本目-映画『教皇選挙 CONCLAVE』を観てきました。

正直なところ、昨年は「これは絶対に観に行きたい!」という映画がなくて、「今観るならこれかなぁ」という感じで、映画館に足を運んでいました。もともと事前にどんな映画なのかを詳しく調べることはほとんどなく出かけるのではありますが、観終わったときには「よかったー!」となることも多かったので、観るまではわからないというのが実際のところです。昨年観たなかでは、『フェラーリ』が(とりわけ主演のアダム・ドライバーが)まさに、期待以上にすごくよかった一本でした。

今年二本目の本作は、映画館で観た予告編で、久しぶりに「これはぜひ観たい!」と期待していたものでした。そして実際のところ、「観てよかった!」 なんなら「もう一回観たいかも」な満足度。重厚で緊張感のある2時間でした。《極上のミステリー》の宣伝文句は、そのままそのとおりです。ほとんどは「隔離」された屋内の映像ですが、とても美しく、陰影と色彩が深く印象に残りました。印象的なセリフもいくつかありました。なかでも、聖職者は「理想の姿を追い求める者」であって「理想の姿そのもの」ではない、というセリフが、その職にある人たちのリアルを感じさせました。

主演のレイフ・ファインズさんの出演作に『ハリー・ポッター』があると知って、『ハリー・ポッター』なら何回も観ているぞ!?と思い、ポスターのお顔をじっくり見ましたが、何の役をやっていたのかまったく思い浮かばず。ググったところ、なんと、ヴォルデモート卿でした。お鼻を隠してみたら、ああ、たしかにそうかもしれない!と。その主演さんはじめ出演者すべての顔ぶれが、ここまで「熟練のいぶし銀」という映画も珍しいかもしれません。すっかりその世界に引っ張り込まれました。

わたしが「コンクラーベ」という言葉を知ったのは、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世が亡くなった時のこと。ウィキペディアによると2005年4月のことですので、ちょうど20年前のことですね。宗教にまったく興味はありませんでしたが、このヨハネ・パウロ二世さんが来日した時の印象がとても強く、なんとなく親しみを感じさせるものでしたので、お名前とお顔が記憶に残っています。これまたウィキでググったら、1981年に東京・広島・長崎にいらっしゃっていました。当時わたしは10代ですが長崎に住んでいましたので、特に印象に残っているのかもしれません。その後、大学の卒業旅行でローマ・バチカンに足を運んだ時、現地ガイドの方が「あそこから教皇が手を振ってくれることもあるんですよ」と教えてくださり、友人たちと「出てこないかな~」とそわそわしたことも良い思い出でした。残念ながらお目にかかることはできませんでしたが。

映画『教皇選挙 CONCLAVE』

偶然ですが、前回観た『ゆきてかへらぬ』も本作も、キノシネマの木下グループの配給でした。良い映画に連続で出会えていて嬉しいです♪

読書『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳

最近の実用系書籍のタイトルは長い、と、本屋さんでタイトルを眺めているとよく思います。本書もその例にもれず、表紙に書いてある文章=タイトル・サブタイトルは、

『THIS IS WHY YOU DREAM 夢を見る技術 最新脳神経科学が明かす、睡眠中の脳の驚くべき力』

おかげで、どんなことが書いてあるのかを推測しやすいですね^^

わたし自身がこれまでに読んだ「夢」についての本といえば、ほとんどが心理学的アプローチのものでした。ユング、フロイト、というお決まりのライン。夢中になったのは、高校・大学時分で(ありがちですが ^^; )本で独学しました。ユングもフロイトもとても面白くはありましたが、例えばシンボルの考え方ひとつとっても、文化的な背景・生きてきた環境の前提の違いを考えれば日本人に当てはめるのは違和感がある、というのが正直なところでした。そんなわけで、「夢って面白い」と漠然と夢の力を感じてはいても、それを診断したり分析したり解釈したりすることへの興味はめっきり減退していました。本書は、著者が「脳神経外科医」であり「神経生物学博士」であるというのが、わたしが飛びついた一番の理由でした。

以下、備忘。


  • 過剰適合仮説
  • イメージリハーサル療法。
  • 創造性とは独創的なアイデアや既成概念にとらわれない思考だけを指すのではない。それを実現するために必要な専門知識や、アイデアを事項に移すための決断力も含まれている。
  • インキュベーション・ピリオド(あたため期間)
  • 30分から60分程度の昼寝→反復作業によって疲れた心を回復させる効果
  • 60分から90分程度の昼寝→作業パフォーマンスを大幅に向上、学習効率を高める
  • 昼寝は創造的な問題解決に有効
  • 夢の三つの力:視覚的創造力、(過去の映像や感覚、感情を追体験する)エピソード記憶、(未来を予測する精神的な)タイムトラベル。
  • 夢は視覚的でありながら空間的な体験。
  • 心の声である夢を解釈できるのは、あなただけ。
  • 夢を通じて過ごす人生は、私たちが可能だと考える範囲を冷え尾毛てくれる。その自由な状況のなかで、夢は進化における重要な利点、すなわち物事に適応するための心を与えてくれる。

『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳より


正直なところ、学術的な難解さもあり、理解が及ばない部分も多々ありました。上の写真は、巻末の参考文献リスト。このリストが20ページを超えています。それでもこのような本を、一般人に向けて書いてくださったことは、嬉しくありがたく。「夢」に興味のある方は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳

第113回九州EC勉強会「これからのSEOの話をしよう」に、参加してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

第113回九州EC勉強会「これからのSEOの話をしよう」に、参加してまいりました。

九州EC(九州ECミーティング)は、経営者やECに取り組む方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。完全ボランティアで続いている、稀有な勉強会組織。毎回、充実したテーマと講師による勉強会を博多で開催してくれるので、ほんとうにありがたい存在です。第113回九州ECは「これからのSEOの話をしよう~E-E-A-TとYMYL、コンテンツ・マーケティングでAI時代に大切にしたいこと~」のテーマで、株式会社ユウキノイン代表取締役・酒匂雄二さんを講師としてお迎えしました。

たしかに「SEO」の話ではありましたが、SEOというフィルターを通した「ブランディング」の話だったのだと思います。「SEO対策」という言葉を聞くと、ちょっぴり小手先感が漂ったりもする昨今ですが、そういうテクニック的なものとはかけ離れたお話でした。

以下、備忘。


  • 地産外商。
  • 記事で重視されるのは、文字数ではなく「文脈」。
  • alt属性=視覚的に認識できない人にも、同様の情報を届けるためのもの。
  • 事業は継続していくことが、世のため人のため自分のため。
  • 売り手とお客様の間にロイヤリティがあれば、顧客単価アップ(値上げ)はGOOD。
  • お客様との時間を増やす。
  • ライブ感=ファンイベント、展示会、工房見学等。
  • 歴史を語る、自分たちが考えていることを語る。
  • 「読みもの」を作る。
  • 「オリジナリティ」に注力する。
  • LinkedIn。
  • ウィキペディア。
  • 日本語圏のグーグルと英語圏の検索の傾向は、まったく異なる。
  • グーグルのAI利用ガイドラインは要チェック。
  • 「労力のかかっているコンテンツ」。
  • 「ドメインの趣旨」と異なるコンテンツはアップするな。
  • 労力・独自性・才能や技術・正確性。
  • 引用=出所(名前・URL等)を明示すればむしろOK。
  • EEAT:経験・専門性・権威性・信頼性。
  • 「商標」の効用。
  • 「実在」を証明する価値。
  • 誰が何を言うか=「自分は何者か」をはっきりさせる。その「証拠」をつくる。
  • プレスリリース→ニュースサイト→ブランディング。
  • グーグルビジネス「言語設定」多言語化する。
  • Do、Know、Goの見極め。
  • ○○専用→理由→開発秘話。
  • 当たり前のことこそちゃんと伝える。例)米と水だけのお酒。
  • ブログ=更新頻度アップと、読者数アップが肝。

第113回九州EC「これからのSEOの話をしよう~E-E-A-TとYMYL、コンテンツ・マーケティングでAI時代に大切にしたいこと~」株式会社ユウキノイン代表取締役・酒匂雄二さんのお話より。


こうしてあらためて復習すると、誰もがスマホを持ちインターネットの情報を当たり前に享受する時代に、情報を発信するサイドがわきまえるべきリテラシーのお話だったということがわかります。とっても勉強になりました。ありがとうございました!