2026年映画7本目は『Michael マイケル』。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2026年映画7本目は『Michael マイケル』。

映画『マイケル』、公開前から話題になっていましたが、実は「観なくてもいいかな~」と思っていました。世代的には、1980年代洋楽シーンにどっぷり浸かっておりましたので、ドンピシャです。メディアで報じられるマイケル・ジャクソンの栄枯盛衰物語は、放っていても耳に入ってきましたし、彼の作品が素晴らしいのだから、人となりや私生活をわざわざ見る必要は無いという気持ちもありました。

ほんとうは、もっくん(本木雅弘)主演で脇を固めるキャスティングが豪華すぎる『国牢城』を観ようと思っていたのですが、上映時間の長さに迷いが生じ、「今日はとりあえずマイケル」にしたのでした。近所のシネマコンプレックスのなかでも一番広いスクリーン。こんなに広い部屋があったのね、と思いつつ足を踏み入れると、平日昼間にしてはまあまあの数のお客さまです。さすがマイケル。ほぼ皆さん「マイケル世代」とお見受けし、謎の連帯感を感じながら着席しました。上の写真は、チケットもぎりのところで「プレゼントです」と渡された冊子。

マイケルの曲が鳴り響き、映画が始まると、もうそれだけで、我ながらどうしたという感じですが、涙が出てきました。映画のなかで曲が流れるたびに、涙腺が緩みます。ジャクソン5時代のマイケルも、ソロになってからのマイケルも、とにかくその声の美しさに圧倒されました。映画での歌唱シーンは、マイケル本人の声と、演じた役者さんの声とをミックスしているという噂を耳にしましたが、どっちでもいいよね、素晴らしいものは素晴らしい!です。1980年代に入ってからの洋楽シーンは、まさにわたしも一緒にその時代に居たので、マイケルの切り拓いてきた道を眺めながら、感慨深いものがありました。映画中に登場する数々のエピソードのなかでも、当時MTVが黒人アーティストを取り上げることを渋っていたこと、そこにマイケルが風穴を開けたことに、びっくりしました。有名なエピソードだったようですが、知らずにおりました。

1982年はわたしにとって、洋楽にどっぷりはまるスタートの年でした。ラジオから流れるUKチャート、全米チャート、しばらくするとそこに深夜のMTV番組が加わります。UKチャートから洋楽のMVが流れる『ミュージックトマト』、それから少しして『ベストヒットUSA』もスタート。マイケル・ジャクソンはもちろん、マドンナ、プリンス、ブルース・スプリングスティーン、ヴァン・ヘイレン、ジャーニー…数え上げたらきりがありません。UKの「バンドエイド」による『Do They Know It’s Christmas』、それに続く「USA for Africa」による『We Are the World』へと、記憶がつながります。小林克也のいい声と流暢な英語にほれぼれしていたのも、このころ(笑)。

エンディング、1988年のロンドン公演の再現が、とても良かったです。このままもっと、映画館の大音量で、マイケルの曲を聴いていたいと思いました。観に行って、ほんとうに良かったです。同時代を生きて、80年代洋楽の洗礼を受けてきた同輩の方々には、ぜひおススメです。と、わたしが言うまでも無く、皆さん既にご覧になっていると思いますが^^

映画『Michael マイケル』

ソニーミュージックが映画公開に合わせてアップした、マイケル・ジャクソンの特設サイトも良かったです♪

北九州での九響定期演奏会は、ハイドン→ベートーヴェン→ショスタコーヴィチ♪

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北九州での九響定期演奏会は、ハイドン→ベートーヴェン→ショスタコーヴィチ♪

ときどきクラシック。九州交響楽団のコンサート会員になってから、年4~5回程度演奏会に足を運ぶことができています。わたしにとっては貴重なリラックスタイム。九響の定演はアクロス福岡のシンフォニーホールでの開催がメインですが、今回の会場は北九州芸術劇場。そういえば、先月『メアリー・スチュアート』を観に来たのもここでした。

15時開演のコンサートですが、14時半からの「プレトーク」に間に合いました。九響の演奏会では、この「プレトーク」が設定されていることが少なくありません。素人観客であるわたしにとっては、これから行われる演目の背景を垣間見ることができる、ありがたい機会です。10分程度のトークですが、主席指揮者の太田弦さんのお話はいつも、作曲家や曲に対する深い愛情が感じられるもので、拝見していて嬉しくなります。

演奏会では、毎回演目の解説が載った冊子をいただくことができます。そこで基礎知識を読み学ぶこともできますが、そもそも曲名も作曲家名もほとんど知らないわたしには、「先入観の無い状態で演奏を聴くことができる」という利点があるので(笑)、できるだけ開演前には解説を読まないようにしています。そのスタンスから考えると、プレトークは少々先入観を取り入れてしまうものではあるのですが、それはそれということで^^

2曲目、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37」なるものの演奏で、ピアニストの田所光之マルセルさんが登場。今回のわたしの席は3階の最前列でしたので、ピアノ全体を上から見ることができ、鍵盤上の手の動きが目で追える、とっても良い席でした。すごいですね。音を聞くだけでもすごいですが、合わせて手がどんなふうに動いているかが見えて、圧倒されました。そして、鳴りやまない拍手に応えたアンコール曲がまた、凄まじかったです。

北九州芸術劇場は、休憩時間に窓の外の小倉城を高い位置から眺めることができるのが、これまたご褒美的な魅力です。お城の景色を眺めつつ体操して体を伸ばして、後半へ。ショスタコーヴィチは、『グッバイ、レニングラード』を読んで以来、気になっている作曲家さんです。戦時下における芸術家やその作品の政治利用は、音楽だけでなく、演劇、絵画と古今東西でなされてきていますが、それを強く考えさせられた存在です。そんな理由で名前を覚えるというのは、少し悲しいことなのかもしれません。こうして九響の演奏会でたびたび聴く機会に恵まれるのは、社会のなかでの芸術・芸術家の在り方を考えさせられることにもなり、わたしにとってはこれも大切な時間です。もちろん、ホールの席に座って音楽を聴いているときは、あれこれ頭で考えることなく、単純に音楽自体にたいする「すごい!」の畏敬の念のみですが^^

ともあれ今回も大満足の演奏会でした。次の定期演奏会も楽しみです♪

アーツスタッフ養成講座『知的財産講座』で勉強してまいりました。

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アーツスタッフ養成講座『知的財産講座』で勉強してまいりました。

北九州市芸術文化振興財団が主催する「アーツスタッフ養成講座」に参加してまいりました。「文化芸術分野に携わるスタッフの専門性向上と現場対応力の強化を目的として、著作権や商標、契約、AI生成物の取り扱いなど、知的財産管理について実践的な知識を学びます」ということで、嬉々として申し込みいたしました。アート関係者であれば、作る側にとっても使う側にとっても、関心の高いテーマです。主催は北九州市の文化財団でしたので、北九州市内からの応募が優先されるよね、と思っていましたが、無事抽選に通りました。ありがとうございます^^

講師は明倫国際法律事務所の代表弁護士であり弁理士である、田中雅敏先生。もう10年以上も前に、わたしたちが初めて海外進出を考えたときに、当時の「福岡アジアビジネスセンター」で相談に応じてくださっていたのが、田中先生でした。おかげさまで、安心して海外との商談やお取引を進めることができました。その田中先生のお話は、パワーポイント資料87ページにわたるボリューム。毎年のように増えたり変わったりしているという知財関連の法律と解釈、考え方について、実例を交えながらユーモアたっぷりにわかりやすく解説してくださいました。

特に興味深かったのは、AI生成物との関連での権利の考え方でした。法律の制定が追いついていないというか、現実に対して後追い状態のなかで、どのように考えていくべきなのかを、いくつもの例題を出して考えさせ、解説してくださいました。アーティストやその周りの人だけでなく、今や誰もが、侵害する側・される側どちらにもになりうる状況です。実際に田中先生の事務所で担当している係争中の案件のお話を聞くこともできて、とても参考になりました。

前回アーティストマネジメント関連で知財についてまとまった勉強をしたのは、2016年の学芸員研修会でのことでしたので、ちょうど10年前になります。その後、必要に応じて単発的に弁護士相談等を活用して知識を仕入れることはたびたびありましたが、久しぶりにまとまった勉強ができて、良かったです。10年での世の中の変化の大きさと、それに伴う法解釈の変化の大きさを感じる時間となりました。変化のスピードが速いので、毎年でもこのような勉強の機会を持った方が良いかもしれないと思いました。

北九州市芸術文化振興財団は、公益財団法人。公的機関が文化芸術イベントを開催することは、あちらこちらの自治体でなされていることですが、このように人材を育てていこうとする地に足の着いた施策はあまり知りませんでした。素晴らしい取り組みに参加できた感謝を胸に、北九州を後にいたしました。

読書『立ち上がる時(上・下)』(講談社)メリッサ・デ・コスタ著/山本知子訳

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読書『立ち上がる時(上・下)』(講談社)メリッサ・デ・コスタ著/山本知子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。なんとなく既視感のある上下巻が並んでいたので、手に取りました。家に帰って本を開いて、既視感の理由が判明。今年のお正月休み中に読んだ『空、はてしない青』の著者でした。出版社も訳者も同じで、表紙の雰囲気も似た感じ。上下巻もの、というのも一緒です。

上下巻ありますので、まあまあなボリュームです。が、ページをめくる手が止まらず、わりと一気に読みました。激しい愛の物語であり、再生(回復)の物語です。主人公は40代の舞台俳優フランソワと、その愛人(のち妻)で20代のエレオノール。俳優として人生の絶頂にいたフランソワが、交通事故により下半身不随となり、それを支えるエレオノールとともに、舞台に戻るまでの物語。と書くと簡単ですが、まあ上下巻のボリュームのなかに、これでもかというほどの波風が立ちます。主人公二人の感情の起伏がジェットコースターのようで、先が気になり続けました。

一気に読んだ=面白かったのですが、読みながらなんだか違和感が付きまとっていました。実は前回『空、はてしない青』を読んでいたときにも同じようなことが気になっていたのですが、そのひとつが、本文中で「ここが大事だよ!」的な部分を太字にしているところ。太字やマーカーが文中にすでに入っているのは、最近の実用書やビジネス書でもよく見かけますが、わたしはあまり好きではなく、小説でこれをされると尚更です。

そしてもうひとつは、著者のあとがきを読んで違和感の理由がわかりました。あまりにも描写がはっきりと限定的であったことです。著者ご本人に言わせると、それは「映画的」に読んで欲しい=読者が画を正しくイメージできるように、ということなのですが、そういう部分はある程度読む側にゆだねて欲しいところだなぁ、と思いました。読み手を書き手の意図(イメージ)そのままに導こうとするスタンスが、ちょっぴり残念でした。そういえば映画でも、最近は「説明しすぎ」と感じるものが少なくありません。小説では特に「行間を読む」も読み手の楽しみだよね、と思いつつ。

って、がっつり楽しく読んだくせに何言っているのか、という感じですが(笑)。著者の思惑通り、映画にした時のイメージがはっきりと浮かびます。映画化されるのかもしれませんね。そのときはぜひ観に行きたいと思います^^

『立ち上がる時(上・下)』(講談社)メリッサ・デ・コスタ著/山本知子訳

読書『吸血鬼』(集英社)遠野 遥著

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読書『吸血鬼』(集英社)遠野 遥著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より、なんとなく手に取った一冊。家に持ち帰ってから表紙をよく見てタイトルが『吸血鬼』であることに気が付き、ホラーものにはあまり興味が無いので、しまった!?と思ったものの、とりあえず読み出しました。結果、まったく「吸血鬼=ヴァンパイア」は関係ありませんでした(笑)

なんとも不思議な設定でした。時代は、記憶に新しい「新型感染症」の時代であり「東京オリンピック」の時代であり、科学技術の進歩具合を見てもまあ現代なのですが、年代表記を「西暦××××年」とするなど、「現代だけど近未来」的な雰囲気。あまり上手な言い方ではありませんが、この「誤魔化し方」とでもいいましょうか、なんとも上手いなぁと感心しました。現代の話じゃありませんよ、の体を装いながら、巧妙に先回りした社会風刺というか社会批判。ありえそうな(あるいはすでに起こっている)問題を、過剰にデフォルメして、笑いを誘いつつ笑えない社会小説でした。

遠野遥さんの著作は初めまして、でした。思ったよりもサクサクと読みおわり。社会に対する鋭い目線を、批判的に丸め込んだような不思議な世界観に興味が沸きました。

追記:今朝(6/13)の西日本新聞の新刊書評コーナーに掲載されていました^^ 曰く「女性圧殺のディストピア小説」。なるほど、こういうのをディストピア小説と呼ぶのですね。

『吸血鬼』(集英社)遠野 遥著

読書『人文知は武器になる』(文春新書)山口周/深井龍之介著

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読書『人文知は武器になる』(文春新書)山口周/深井龍之介著

山口周さんといえば、2017年に刊行された『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』です。「対話型鑑賞」という言葉・概念が美術館を中心に一気に広がったのは、この本の影響が大きかっただろうと思いますし、博物館学芸員による教育普及活動の考え方に大きな影響を与えた1冊だと思います。その後、2019年に開催された「アートフェアアジア福岡」のプレイベントで福岡で、ゲストスピーカーとして登壇された山口周さんのお話を生でお聞きすることができたのは、わたしにとってラッキーなことでした。

その山口周さんのお名前と、「人文知」のキーワードにつられてゲットした1冊。本書『人文知は武器になる』は対談の書籍化です。対談相手でいらっしゃる深井龍之介氏のことを存じ上げなかったのですが、読みながら、とてつもなくすごい方だと思いました。読了後さっそく調べたところ、深井氏が代表を務める株式会社COTENは、なんと福岡市内に本社を置くベンチャーだということがわかり、勝手に嬉しくなりました。

以下、備忘。


  • 前提を疑う力
  • 「無知の知」の「態度」
  • 自分が愚かであり何もわかっていないことを自覚し続けて、認知をアップデートし続ける
  • 人・本・旅
  • 複数の視点を獲得することが人文知
  • 読書や歴史の学びを通して社会を構造的に理解しようという身体感覚
  • 真実は一つではない
  • 企業にとって大切なのは(中略)「何のために存在しているのか」という問いに対するブレない答え
  • 自分のやっていることが歴史的な流れ、大きなコンテキストの中でどういう役割を果たしているのか
  • 現状理解
  • 過去に学ぶ(中略)因果関係の体系的理解
  • 人が本能的に「これをやらずにいられない」「これは意味があるんだ」という動機
  • 求められるのは、目先の利益を上げるスキルではなく、社会を読み解く深い洞察力
  • 私たちが「当たり前」だと思っている規範の多くは、ある特定の時代・特定の生産体制のもとで「都合よく」形成されたものにすぎない
  • 自分自身をメタ認知する(自分の考え方や行動を客観的に認識する)必要
  • 読書って知的行為というよりも、身体行為(なので紙がいい)
  • 文化のベースとなっているのは宗教と歴史
  • デュアルスタンダード
  • 中観
  • 封建的資本主義
  • 利益の追求よりも、本来の事業の目的を優先する
  • 理性を信仰しすぎない意思決定
  • 中長期的な合理性
  • 人文知に投資する

いやぁ、良い本に会いました。深井龍之介氏、今後注目です^^

『人文知は武器になる』(文春新書)山口周/深井龍之介著

読書『AIで集客する仕組み』(技術評論社)住太陽著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『AIで集客する仕組み』(技術評論社)住太陽著

フルタイトルは『AIで集客する仕組み~クリックされない時代に選ばれるAI検索のセオリー⁠~』です。SEOコンサルタント・住太陽(すみ もとはる)さん。九州ECの勉強会で何度かお話を聞いていますので、著書が出たという情報に飛びつきました。その流れで、ご本人登壇の勉強会「AI検索時代に中小企業が勝つ方法~加速するゼロクリック検索を味方につける~」に参加した記事を昨日アップしておりました。順序が逆になりましたが、読書記録。読んで、勉強会参加して、読書記録付けて、で、結果として「予習復習」になりました^^

以下、備忘。


  • 信頼できるウェブページやウェブサイトとは、作者の実体験や人生経験、専門知識や専門技能が投影されており、情報源として参照されたり引用されるもの
  • 検索エンジンがあってもなくても、「実際の人々から信頼されること」は私たちが事業を運営していくにあたって必要なもの
  • 使用するブランド名を少数のわかりやすいものに絞る
  • 社名や屋号を表す「ビジネス名」は、実際に人々に使われている名称を使う
  • ニュースバリュー
  • (AIを使う)広報活動のためのアイデア出し
  • 業界の文脈に合っているか?/自社の理念から逸脱していないか?/お客さまにとって本当に価値があるか?
  • 専門家として大手メディアに寄稿する
  • 専門家として情報を発信することによって、専門家として知られるようになる
  • 実体験、鋭い洞察、深い知見、建設的な提言など、あなただけの独自の意見
  • 一次情報や当事者ならではの視点
  • あなたでなくても答えられる質問に答えるウェブページを作る必要はありません
  • あなたの会社に固有の情報ですから、あなたがきちんと発信しない限り、ウェブ上には出てきません
  • ブログ記事と同じ内容をそれぞれのSNS向けにアレンジして発信する
  • 人は、(中略)企業ではなく人と交流したいもの
  • 「だれに、どんなふうに探されたいか」
  • AIが使用した情報源は(中略)情報源をすべてリストアップし、1つ1つチェック
  • AI回答の情報源となったページに働きかける
  • 普段の取り組みの延長線上にある

『AIで集客する仕組み』(技術評論社)住太陽著より


「普段の取り組みの延長線上にある」というのが、本質だと思いました。これを、どれだけ真摯に着々と続けていけるか、ですね。

『AIで集客する仕組み』(技術評論社)住太陽著

住太陽さんの「AI検索時代に中小企業が勝つ方法」で勉強してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

住太陽さんの「AI検索時代に中小企業が勝つ方法」~加速するゼロクリック検索を味方につける~で勉強してまいりました。

先月、住さんの著書『AIで集客する仕組み』を読んで、これはECをするか否かにまったく関係なく、必要な知識だと思いました。読んでよかった~!と思っていたところに、九州ECでお世話になっている方が、住さんを招いての勉強会を企画してくださり、ありがたく参加してまいりました。開催1週間前の急遽決定にもかかわらず、会議室はほぼ満員。やはり皆さん関心の高いテーマなのだなぁと、思いました。

勉強会では、著書の内容を前提に、さらに新たに加わった最新知見と、本の中に書いたことのなかでも特に強調したいところを、詳しく解説してくださいました。今気が付きましたが、わたし、まだ読書記録をブログにアップしていませんでした^^; が、せっかく勉強会に行ってきましたので、順番が逆になりますが、先に勉強会記録。

以下備忘。


  • Googleはなぜ「AIによる概要」をトップに置いているのか?
    • 検索エンジンの役割の変化:リンクを選ぶ場所→回答を見る場所
    • 検索エンジン→回答エンジンへ
    • 「自然な言葉で質問し、答えだけがえられる」検索
    • 2026年現在実装済み→あとはユーザーが慣れるだけ
    • 「今後、検索流入はゼロになる」を前提として考える
    • 実は一般の中小零細企業にとってはチャンス
  • AIはどんな情報を「回答」に使うのか?
    • 1.独立した第三者による口コミやレビューの評価。
    • 2.自社が発信する公式情報:自社について・製品サービスについての評価。
    • 実際に我々が何かを探すときと同じで、AIも「人による情報・評価(Web上の)」を借りて、判断する。

↓↓↓これを受けて↓↓↓

  • 実際にやるべきことは?
    • 回答の情報源となっているサイトを確認→1つの手としては、そこに載ることを目指して情報発信する。
    • 「自分はどんな質問で探してもらいたいか?」を明らかにする→質問に対する回答にあたる情報を充実させる。
    • サイト外:外部の第三者からの評価構築=口コミとメディア露出を増やす。
      • お客様にブログやSNSへの投稿を依頼する。
      • 報道価値のある企画にリリースを打ちパブリシティを狙う。
    • サイト内:客観的データを正しく出す。
      • 基本情報(事実)の正確な発信。
      • 事例掲載は大事。
    • AIは「第三者の証言」と「公式な一次情報」を信頼する=「人にわかりやすく」はAIにとってもわかりやすい(良い)情報。

住太陽さんの「AI検索時代に中小企業が勝つ方法」~加速するゼロクリック検索を味方につける~より


「SEO」という言葉を使って説明しておられましたが、住さんはじめ信頼できるSEOコンサルの方は、ウェブ上にあっても結局は本質的なことが大切なのだということをおっしゃるので、とても安心します。住さんの著書『AIで集客する仕組み』の読書記録は、明日アップいたします^^

緒方先生の「博物館浴」研究が、じわじわと広がっています。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

緒方先生の「博物館浴」研究が、じわじわと広がっています。

2016年から継続的に、九州産業大学地域共創学部・特任教授の緒方泉先生が主導してくださる博物館学芸員研修に参加しています。気が付けばもう10年。間にコロナ禍があり、研修の方法は現地開催からオンラインへと主な軸足を移しましたが、オンラインならではの広がりを持つ「オンライン語り場」など、全国各地の学芸員さんたちと一緒に学ぶ機会が続いているのは、館に所属せずに動いているわたしには特にありがたいことです。

さてその緒方先生の提唱する「博物館浴」。昨今は各種メディアに取り上げられることも増えてきたようで、そのニュースをお聞きするたびに嬉しくなります。先日は、NHKラジオ「Nらじ」に、博物館浴特集のテーマで生出演なさったとの情報をいただきました。そこで緒方先生がお話しなさった最新の動きのなかから、またいろいろと思うところがありましたので、以下考察。


  • 日本国内の博物館当施設のうち、年間入館者数が1万人に満たないのは、全体の47%にあたり、前回5年前より減少傾向(2026年3月日本博物館協会発表・有効回答数2507館)。
    →約1200館で、入館者年間1万人=週1休館として1日当たり約30名に満たない状態。
  • 「教育の場=敷居が高い」から「健康増進の場」へ。
    →これは、変えていくというのではなく(無意味な敷居の高さは取りはらっていくべきだけれど)、両方の役割を果たせる場所としての進化が必要。
  • スローウォーキング&スロールッキング。
    →スローアート。「たくさん見る」よりも「じっくり見る」=鑑賞の本質。
  • デジタルストレス。
    →デジタル化が進めば進むほど、「実物(本物)を見る(触れる)」というアプローチはますます価値あるものになっていく=身体性。
  • 例えば「こんな状態のときには、こんな絵」→個別対応が有効であると実証できれば、「処方箋に『博物館』と書く」は、ますます具体性と現実味を帯びてくる。

最新の知見を得て、広がった考察はこんな感じ。今特質すべきキーワードとしては、個人的には「スローウォーキング&スロールッキング」、デジタル化の逆をいく「身体性」だと、強く感じています。

緒方先生の博物館浴の実証実験は、今年も国立西洋美術館(東京上野)をはじめ、各地で予定されているようです。美術鑑賞と健康増進との関係性にご興味のある方、もしお近くの博物館施設で実施されるときは、ぜひ一度参加してみてください。「博物館浴」で検索すると、関連情報がいろいろと出てきます^^

読書『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』(講談社)市塔 承 著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』(講談社)市塔 承 著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より、豪勢な雰囲気の表紙につられて借りて参りました。その分厚さ(33mm、480ページ!)に少々ひるみつつも、まあ、途中でギブアップしてもいいや、と手に取りました。第66回メフィスト賞受賞作ということで、どんな賞なのかしらとググりましたら「京極夏彦さんが先鞭をつけ、森博嗣さん、清涼院流水さん、西尾維新さん、辻村深月さんなどミステリー、エンターテインメントの異才を送り出してきたのがメフィスト賞です」と出て参りました。なるほど。

読み始めて間もなく、早くも手が止まりかかりました。というのも、本書の半分以上を「本の中に本」の入れ子構造が何重にもなって現れたので。まず本書『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』の中に『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』があり、その中に『本泥棒と少女』、その中に『ヒアヌビレの業績録』、その中に『砂漠に残された真実』、その中に『水神叙事詩』が出てきます。5階層になっている物語を行ったり来たりしながら進んでいくので、頭がこんがらがりそうになりながら、手を止めること数回。ところが途中から、本の中でもこの構造のややこしさに対して登場人物が「もう読むのをやめたい!」とキレはじめるので、その喜劇的な雰囲気が面白くて、読み続けることができました。

さて内容はといえば、喜劇ではまったくありません。複雑な構造が神秘を感じさせる冒険・歴史小説的でありながら、現代まで続く、宗教・権力・戦争をテーマとした社会小説だと、わたしは思いました。分厚くて面倒くさい(笑)一冊ですが、いろいろな意味で面白い一冊です。ぜひチャレンジしてみてください^^

『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』(講談社)市塔 承 著