映画『生きる LIVING』を観て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

映画『生きる LIVING』を観て参りました。

「月に1本映画を観に行く」。2023年はスタートから「月1回」の波に乗れなかったので、「月1回ぐらいのペース」ということで、仕切り直し。2023年の2本目は、いつものご近所イオンTOHOシネマではなく、博多で。というのも、久々に「これは絶対観たい!」と思った最寄りの館が博多だったのです。

さて『生きる LIVING』。絶対観たいと思った理由は、脚本がカズオ・イシグロだったから、の一点です。黒澤明の映画『生きる』が元であり、イギリスを舞台に撮り直したもの、ということで話題になっていますが、わたしは黒澤版を観ておらず、ストーリーも何もまったく知らない状態で、映画館に参りました。

カズオ・イシグロ脚本の『生きる』。舞台は第二次世界大戦後のイギリスです。余命宣告を受けた市役所職員の主人公が、「死ぬ前に、生きたい」と願うところから動き出すストーリー。全編にただよう静かさが、登場人物の心の変化や揺らぎを際立たせていました。主人公の抑制された雰囲気が、物語をぐいぐいと引っ張っていく不思議な感覚。時代もストーリーもまったく異なりますが、カズオ・イシグロ原作で映画になった『日の名残り』をほうふつとさせるものを感じました。

周りの観客は、ほぼわたしより上の年齢層の皆さま。平日の午前中にもかかわらず、わりと席が埋まっていたのは、やはり「黒澤明」と「カズオ・イシグロ」効果かしら、と思いつつ。本家の黒澤版も観てみたいと思いました。

読書『ガウディの遺言』(PHP研究所)下村敦史著

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読書『ガウディの遺言』(PHP研究所)下村敦史著

ガウディといえばサグラダファミリア、サグラダファミリアといえば某インスタントコーヒーのテレビCM「違いがわかる男」外尾悦郎氏。と連想するのは、ある年齢層以上の方には思い当たるのではないでしょうか。ガウディについて、すごい!面白い!との認識はもちろんありましたが、その作風があまり好みではなく、深堀りしたことはありませんでした。個人的にはどちらかというと、パトロンであったグエル氏への興味の方が強かったかもしれません。

ですが本書を読んで、建築物サグラダファミリアに興味が湧いてきました。宗教観と、それを形にする方法としての建築、現場を動かす職人たちの誇り。本書はジャンルで言えばおそらくミステリーで、その謎解きを通してガウディ建築の謎と魅力が語られています。フィクションですので、物語に登場するエピソードを全て鵜呑みにするものではもちろんありませんが、それでもこれまでにない興味深さが読後に残りました。

上の写真は、2021年度の郷育カレッジ講座での「学ぼう!スペイン」の資料。このときに講座を担当してくださった方が、スペインバルセロナに残るガウディの仕事というか、グエル氏の仕事というか、を、とても誇らしく解説してくださったことを思い出しました。

この本を読んだ後にサグラダファミリアに行けば、建築物の見方が変わるだろうな、という一冊。わたしはまだ一度もスペインに行ったことがありませんので、今後バルセロナに行くことになったときには、本書を読み直して復習してからサグラダファミリアを観に行きたいと思いました。

ガウディの遺言』(PHP研究所)下村敦史著

読書『書籍修繕という仕事』(原書房)ジョエン 著/牧野美加 訳

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読書『書籍修繕という仕事』(原書房)ジョエン 著/牧野美加 訳

韓国ソウル市内で「ジョエン書籍修繕作業室」を営む書籍修繕家・ジョエンさんによるエッセー。エッセーというよりは、著者の書籍修繕の記録であり、書籍修繕という技術・仕事を紹介する本であり。なによりも、書籍修繕という仕事に対する著者の誇りと愛情と、魅力がバンバン伝わってくる本でした。

プロローグに「この本を読んで、皆さんの心の中に、修繕してこれからも大切にしたいと思う本が一冊くらいは思い浮かびますように。」と書いてありました。本書を読み終わってわたしが最初にしたことは、まさにその「修繕に出す候補の本」を本棚から引っ張り出すことでした。書籍修繕をしてくれる人があるのかどうかも分からないまま、ですが。

そしてまた著者は「「将来なりたいもの」を聞かれて書籍修繕家と答える子どもが出てきますように。」とも書いています。わたしはあいにくもう大人ですが、もし子どものときに、この職業の存在を知っていたら、なりたい仕事のひとつに上げていたかも、と思いました。本が好きで手先の器用な子がいたら、ぜひおすすめしたい仕事だと思いました。

ジョエンさんは韓国の美術大学で純粋美術とグラフィックを学んだあと、アメリカの大学院に進学してブックアートと製紙を専攻し、専攻内容をより早く深く理解するためにはじめた「書籍保存研究室」でのアルバイトで書籍修繕の技術を身に付けています。それが天職となっているのですから、面白いものですね。

書籍文化がどんどん廃れているとされる昨今の出版界の状況と反比例して、紙の本が遺してくれる価値の大きさがどんどん大きくなることを予感させる本でした。

『書籍修繕という仕事』(原書房)ジョエン 著/牧野美加 訳

久しぶりの久留米市美術館。

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久しぶりの久留米市美術館

お友だちからチケットを頂いたので、久留米市美術館で開催中の展覧会「リアル(写実)のゆくえ-現代の作家たち 生きること、写すこと」を見て参りました。

10年以上ぶりの久留米市美術館。いえ、前回行ったのは、まだ石橋美術館だったころでしたので、そう考えると初訪問です。石橋美術館であったころには存在した収蔵品の数々、特に久留米に縁のある日本の近現代画家の作品が、ほとんど東京のアルティゾン美術館(旧石橋美術館)に引っ越ししてしまったのは残念なことでしたが、2012年に建て替えられたという新しい館は、とても快適な展示空間=鑑賞空間となっていました。

さて展覧会「リアル(写実)のゆくえ-現代の作家たち 生きること、写すこと」。期待以上に面白かったです。まず佐藤洋二さんの「義手」「義足」シリーズに引きつけられました。必要から生まれ、発展した作品群は、これぞリアルでした。素材としてのシリコーンのすごさをまざまざと感じる作品でした。次にいいな、と思ったのは満田晴穂さんの「自在」シリーズ。昆虫を作る金工作家さんです。すべての関節が動くという緻密さは、以前から話には聞いていましたが、今回初めて実物を拝見。その造形のリアルさには昆虫への愛情がにじみ出ていて、眺めながらニヤニヤしてしまいました。

そんななか、わたくし的今回の一番の傑作は、漆器の若宮隆志さんの「曜変天目蒔絵椀」。ご存じやきものの世界では過剰な(笑)脚光を浴びている「曜変天目」ですが、それを漆で再現していました。そのユーモアといいましょうか、皮肉といいましょうか、美術工芸界への批判的な視点が伝わってきて、とても面白く拝見しました。もちろん、見た目の再現性も素晴らしかったです。わたしは、現代アートの求める「メッセージ性」が、言葉で説明しないと伝わらないものには、まったく魅力を感じないのですが、この「曜変天目蒔絵椀」は、言わんとすることが一目瞭然。こういう作品は大好きです。

上の写真の通り、小雨が降るあいにくのお天気ではありましたが、石橋文化センターの庭園では「春の花まつり」がちょうどスタートしたところで、満開の桜と咲きはじめのチューリップ、もうすぐお終いのツバキも楽しむことが出来ました。庭園をぐるりと一周すれば、すっかり華やかな気分に。市街地にこのようなオアシス的空間があるのは素晴らしいですね。

読書『TRANSIT』No.59(講談社MOOK)ユーフォリアファクトリー

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読書『TRANSIT』No.59(講談社MOOK)ユーフォリアファクトリー

毎年、雑誌を定期購読しています。定期的に、自分のそのときの興味とは関係なく届くもの(情報)があることは、凝り固まりがちな視野を広げるうえで有効である、というお話をどなたかの文章で知り、それからの習慣になっています。これまでに購読したものは、ナショナルジオグラフィック、婦人画報、イングリッシュジャーナル、プレジデント、フォーブスなどなど、ジャンルもいろいろ。購読期間も、1年ちょっきりでお終いにするものもあれば、面白くて2年以上続けるものとさまざま。情報源を散らばす意図があるので、今のところ最長でも3年です。

2023年の定期購読誌として選んだのが、年4回の発行の季刊誌『TRANSIT』。雑誌ですが「読書」と言ってよいのではないかというボリュームです。到着してまず驚いたのが、その紙質。表紙も中の紙も質感がとても良くて、めくるのが嬉しくなる手触りと、目にやさしい「ピカピカしていないカラー印刷」です。昨今、紙と印刷のコストを省く傾向が感じられる雑誌が多いなか、好感度高し!です。

ページを開けば、写真、文章、データ、並々ならぬ熱意が伝わってきます。「パラパラと読む」ことなどできません。実にさまざまな角度からの記事が並び、ガッツリ向き合って読むことを要求されます。これでもかと充実したコンテンツの数々は、この雑誌が保存版であることを示しています。最後の「編集後記」を読んで納得、海外情報記事によくある「現地ライター」による情報ではなく、制作スタッフの皆さんが実際に現地に足を運んでいるのですね。これは熱量が高くなるはずです。

3月15日発行の59号は東インド・バングラディシュ特集。これまでわたしの守備範囲にまったく無かったエリアでしたので、興味深さは倍増しました。本書を読んで「旅しに行きたいと思ったか」と問われれば、即答できないというのが正直なところです。リアルな東インド・バングラディシュが描かれていた(と感じた)からこそ、単純に「行ってみたい!」とはならなかったのだとも思います。でもその「混沌と神秘」の魅力は、バシバシと伝わってきました。

あともうひとつ、広告ページがもちろんありはしたのですが、それもまたスタイリッシュにまとめられていて、読んでいてまったく妨げを感じなかったのが素晴らしいと思いました。次回は6月で「メキシコ」。これまたとっても楽しみです。

読書『二都物語』(新潮文庫)チャールズ・ディケンズ著/加賀山卓朗訳

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読書『二都物語』(新潮文庫)チャールズ・ディケンズ著/加賀山卓朗訳

久しぶりのディケンズ、で『オリバー・ツイスト』を読んだのは今月初めのことでした。

つづいての「勝手に課題図書」指定であった『二都物語』を読了しました。

いやぁ、手強かったです。もともと上下2巻で出ていたものが1冊になった新潮文庫の新訳版。ディケンズの長編のなかでは短い方だと言われているそうですが、650ページを超えるボリュームで、しかも文学的表現の記述がてんこ盛り。独特の言い回しに、文字を追う目と頭がやっと慣れたのは、三分の一ほども読み進めた頃でした。本書が2014年刊行の新訳版であったことを考えると、その前に出ていたものは、もっと手強かったのだろうと思います。新訳版を出してくれた新潮文庫に感謝。

「ディケンズの代表作のひとつ」という以外には、まったく前情報を入れずに読書を開始しました。フランス革命(パリ市民革命)時代の話であること、「二都」がパリとロンドンを指し示すことをきちんと理解したのは、これもまた三分の一ほど読み進めた頃。そこから先は、これまでに読んできたフランス革命もの、藤本ひとみさんの『マリー・アントワネット』やら『アンジェリク』のイメージが背景に浮かんできて、読みやすくなってきました。「国王側」から描いたのが『マリー・アントワネット』、「国王ではないもの」の目線から描いたのが『アンジェリク』でしたが、『二都物語』では「市民革命」の「市民」が描かれています。

訳者あとがきによると、『二都物語』はディケンズの「ダーク」サイド全開の一篇ということですが、個人的には『クリスマス・キャロル』よりも『オリバー・ツイスト』よりも、読みごたえがありました。ラストは思いがけない展開となり、結末が見えない(想像するしかない)部分もありましたが、それもまた魅力的でした。今後また何度も読み返す本になりそうです。

『二都物語』(新潮文庫)チャールズ・ディケンズ著/加賀山卓朗訳

「没後190年 木米」@サントリー美術館、観て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「没後190年 木米」@サントリー美術館、観て参りました。

上の写真は、「撮影厳禁」の会場内で唯一のフォトスポット。前回サントリー美術館で観たのは「智積院の名宝」でしたが、その時にチラシを発見し、足を運べたら嬉しいなぁと思っていた「木米展」に来ることが出来ました。

江戸の文人・木米。文人とは、中国から伝わった概念であり、中国文人は「詩書画三絶」つまり「詩」と「書」と「画」において優れていることを理想としたとされています。木米に置き換えてみれば、「陶芸」「書」「画」の三絶ということになるのかしらと、木米展の展示キャプションにあった「詩書画三絶」の文字を、検索してみたところ、以下の解説を見つけました。

詩と書と画に優れることを意味する詩書画三絶は中国文人の理想であった。書画と併称されるように絵画は書と密接な関係があり、書と画は根本的に一致すると考えられてきた。詩文は直接的に画題を絵画に提供する場合もあるが、両者は情景描写という点で共通することから、画を「無声詩」、詩を「有声画」と呼んできた。

(人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要より 藤田 伸也氏「南宋画院の詩書画 : 三絶の視点から」の一部を引用)

    この通りに理解すれば、画を嗜むことはすなわち詩を嗜むことと同意ともいえそうです。

    ともあれ「陶工であり画家」という木米の生きた道は、今まさに磁器作家・藤吉憲典が突き進もうとしているところであり、たいへん興味深い展覧会でした。木米が書画を本格的に発表し始めたのは50代後半ということで、この辺りの共通点も面白く。

    展覧会の感想としては、陶芸にしても書画にしても、木米の作品から伝わってきたのが、生真面目さと努力の跡であったということです。きっちり一生懸命にやってきたことが伝わってくる作品群をみれば、木米は天才とはとても言えないと思いました。展示作品を見る限り、文人のイメージに漂う浮世離れした感じはまったくなく、書画の線の細さと余白の無さは、生真面目な性格を思わせました。

    会期は残すところあと10日ほど、3月26日(日)まで。ちょうど東京出張に合わせて足を運ぶことが出来、ラッキーでした。

    「没後190年 木米」サントリー美術館

    九州国立博物館メンバーズプレミアムパス。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    九州国立博物館メンバーズプレミアムパス。

    2022年春に初めて購入してみた、九州国立博物館メンバーズプレミアムパス。おおよそ特別展2回分の料金で購入したパスで、特別展4回の権利と常設展示見放題がついた優れものです。ちょうど有効期限を数日前に控えたところで、四つ目の企画展を観に行くことが出来たのでした。

    九州国立博物館

    入場スタンプは左から「最澄」「北斎」「ポンペイ」「加耶」。特別展4つは決して多い数ではありませんが、ミッションコンプリートの満足感があります。我が家から九州国立博物館までは車で約1時間半の距離。個人的にはちょっぴり「よいしょっ」という感じなので、このパスポートを持っていなかったら年に4回は観に来なかったかもしれない…というのも正直なところです。

    先日の「特別展 加耶」がまさにそうだったのですが、展覧会タイトルからのイメージよりも、実際の展示がものすごくよかった!ということがあります。できるだけ先入観を持たずにいろいろな展覧会に足を運びたいと、理想論的には思いつつ、集めた範囲の情報で判断するのが常。そういう意味でも、パスポートを持っていたからこそ出会うことができた名作が、2022年度はいくつもありました。

    2023年度の九州国立博物館特別展も、観たい!タイトルがたくさん。現在発表されているのは、以下の四つ。この春もパスポートをゲットすることが決定です。

    読書『絵で見て分かる伝統建築の図鑑』(秀和システム)斉藤武行著

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    読書『絵で見て分かる伝統建築の図鑑』(秀和システム)斉藤武行著

    いつものカメリアステージ図書館新刊棚。素敵な本を見つけました。古民家に住んでいますので、伝統建築への興味はあります。けれども、これまでに見つけたその手の本には専門的な用語が多過ぎたり、学術的であったり、少々とっつきにくいものが多く、結果、耳で伝え聴いた古民家についての知識に頼った状態でした。本書はタイトル通り「絵」「図」がてんこ盛りで読みやすく、個人的に「押さえておきたい!」と思っていた知識がきちんと入っておりました。即、購入リスト入り^^

    1章「日本の伝統建築の歴史」、2章「日本の伝統建築物」、3章「伝統を支えた職人たち」、4章「日本の伝統建築に使われたものたち」、5章「建築と儀式」。なかでも3章の「伝統を支えた職人たち」と4章「日本の伝統建築に使われたものたち」の情報は、今後、花祭窯の古民家を説明するのにあたり、とても役に立ちそうです。

    津屋崎千軒には、明治~昭和初期に同じ筋の大工さんが建てた古民家が何件か残っていて、花祭窯の古民家もその1軒です。いずれの建物も、商家として建てられたからこそ、見栄を張り贅を尽くした作りが随所にあります。建具、欄間、鏝絵、卯立…ふだん身近にあって見慣れていますが、本書を読んで、あらためてその技術の素晴らしさと貴重さを思いました。文化財登録こそしていなくても、文化財に住んでいるようなものかもしれません。

    津屋崎千軒にある唯一の登録有形文化財・藍の家では、運営するボランティアスタッフの皆さんが、そのつくりを実際に見ながら詳細に解説してくださいます。わたしにとってはあまりにも身近で、前回ご説明を聞いてからずいぶん時間が経っていますが、本書片手にあらためて解説をお聞きしたら、また新たな発見がありそうです。

    『絵で見て分かる伝統建築の図鑑』(秀和システム)斉藤武行著

    映画『レナードの朝』を観てきました。

    こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

    映画『レナードの朝』を観てきました。

    昨年に続き今年も掲げた「月に1本映画を観に行く」。スタートの1月・2月と立て続けに映画館に足を運ぶことが出来ず、やっとこさ2023の1本目を見に行って参りました。映画館に行けるタイミングで観たいものがないとき、「午前10時の映画祭」の存在は貴重です。最寄り館が「午前10時」の上映館であるのは、とてもありがたいことです。

    午前10時の映画祭

    「午前10時の映画祭」から、『レナードの朝』。原題は『AWAKENINGS』直訳すると「覚醒」といったところですが、タイトルのつけ方が素敵だと思う映画のひとつです。ロビン・ウィリアムズに、ロバート・デ・ニーロ。デ・ニーロは「午前10時」映画の常連といえるほど、主演助演含め、出演作がとても多いようです。字幕は戸田奈津子さん。

    製作は1990年、舞台は1969年ニューヨークのブロンクス。タイトルは知っていましたが、今回観るまで、実話に基づいたストーリーだとは知りませんでした。実話に基づいていたからこそでしょう、ハリウッド映画にありがちなロマンスやハッピーエンドの演出はなく、重みを感じさせました。ロビン・ウィリアムズが、とても良かったです。この映画を観るまで、ロビン・ウィリアムズについてのわたしの認識は、人気コメディアンから俳優業へ、そして人気絶頂と思えるさなかの突然の自殺…というぐらいのもので、実は出演作を見たことはほとんどありませんでした。もっと見ておけばよかったな、と。

    2023年度の「午前10時の映画祭」のラインナップ発表が待ち遠しい!と思いつつ帰路につきましたが、サイトをチェックしたところ、すでに発表されていました。と、喜んだのも束の間、最寄りの映画館は上映館から外れているという悲しいお知らせが。

    でもまあ、鑑賞者数を考えると仕方がありません。わたしが観た回のいずれも、入場者数5名前後でしたので。観に行く人がいなければ、文化は定着しませんよね。守りたいと思ったら足を運ばなければと、あらためて思ったのでした。