『「つくる」を続けるために―中川政七商店の経営とデザイン』を聴いてまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

『「つくる」を続けるために―中川政七商店の経営とデザイン』を聴いてまいりました。

福岡県産業デザイン協議会の特別講演『「つくる」を続けるために―中川政七商店の経営とデザイン』を聴いてまいりました。お話は、株式会社中川政七商店代表取締役社長の千石あや氏。オープンしたばかりの「ワンビル」ことONE FUKUOKA CONFERENCEへ、思いがけず早い時期に足を運ぶ機会となりました。

福岡県産業デザイン協議会の講演会に参加したのは、昨年に続いて二度目でした。昨年は北九州のネジチョコの会社、オーエーセンター株式会社・代表取締役社長の吉武太志氏のお話で、これがとっても面白かったのでした。

さて中川政七商店さんは、今や有名ブランドに仲間入りしたといえる奈良の老舗。工芸をテーマにしていることもあり、ぜひお話を聞いてみたいと、申し込んでおりました。

以下、備忘。


  • 日本の工芸を元気にする=経済的自立と職業への誇り。
  • 新しいことをスタートするにあたり、きっかけとしての「本」出版。
  • 知ってもらうきっかけとしての「本」。
  • 工芸産地の衰退スピードが想像以上に速い→産地全体で取り組む必要性。
  • 経営者の覚悟+独自の方法論。
  • 中小企業経営の学問。
  • 会社の業績は社長の力量できまる。
  • 社長が一番勉強しなければならない。
  • 会社の力=ビジョン×ブランディング×組織能力。
  • 経営とは社会(お客様)と調和しながら、自分のやりたいことをやり続けるための努力。
  • やりたいことをやり続けるために、学び続ける。
  • 商品を作ることとブランドを作ることとの違い。
  • 他との違い、世界観、らしさ。
  • ブランドとは、○○に関するあらゆる情報・要素が集まった結果としての(ポジティブな)イメージ。
  • 伝えるべき情報を、どのような方法で伝えていくのか、あらゆるタッチポイントで「同じポジティブ情報」を伝える。
  • 言語化・共有化。
  • SPIRIT・CONCEPT・VALUE・VISION→GOAL
  • 常にブラッシュアップすることが必要。
  • 経営の技術→すべては事業計画(管理関係)次第。
  • 問題・課題の多くは、事業計画を立てることで解決に向かう。

福岡県産業デザイン協議会の特別講演『「つくる」を続けるために―中川政七商店の経営とデザイン』(株式会社中川政七商店 代表取締役社長 千石あや氏)より


中川政七商店さんが今のような形になったのは、先代社長の中川淳氏の力によるということでした。そこから受け継がれた千石あや氏が共有する、日本全国的な、現代の「工芸・工芸産地」の問題点への意識に、大きくうなずいた1時間でした。なんとなく味方を得たような嬉しさを感じながら、会場を後にしました。

それにしても、ワンビルのスペースの広さに驚きました。会場となった6階のカンファレンスホールは、フリースペースが広々としていて、ここで仕事をする人たちのモチベーションになる空間だなぁと、感心。できたばかりのワンビルに足を運ぶ絶好の機会を作ってくださった福岡県産業デザイン協議会に感謝です^^

読書『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(早川書房)シーグリッド・ヌーネス著/桑原洋子訳

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読書『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(早川書房)シーグリッド・ヌーネス著/桑原洋子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。砂糖菓子のような色合いの表紙につられて手に取った一冊です。なんとなくタイトルに既視感があるような気がしたのは、どうやら本書が映画化されていたからのようです。映画を観たわけではありませんが、どこかで宣伝を目にしたことがあったのかもしれません。

末期癌になった友人に、自殺するまでの期間を一緒に過ごしてほしいといわれて、承諾してしまった主人公の物語。パステルカラーの表紙とは、だいぶ温度差のある、考えさせられる内容でした。タイトルの「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」は、死ぬときに近くに誰かにいて欲しいという友人の気持ちを表しているものであり、その第一発見者とならなければならない主人公にとっての「蹴破るべきドア」であり。

自分がそうなったときに、この友人のような気持になるものか、もし友人からこのようなことを頼まれたときに自分は「イエス」といえるのか、どれくらいの近しさだとそれを受け入れることができるのか、あるいはできないのか。ほんとうにその時にならないと答えは出ないだろうな、この主人公たちのように、実際にそうなってからもずっと「ほんとうにこれでいいのか」は付きまとい、答えは出ないのだろうな、と思いながらの読書でした。

「準備」については、昨今は日本でも「終活」という言葉で語られるようになってきていますね。「終活」という言葉が使われるとき、なんとなく明るく積極的な雰囲気をまとっているのがずっと気になっていたのですが、それが受け入れられる状態のときでないと、冷静な判断ができないというのもあるだろうな、と思いつつ。

『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(早川書房)シーグリッド・ヌーネス著/桑原洋子訳

読書『テスカトリポカ』(KADOKAWA)佐藤究著

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読書『テスカトリポカ』(KADOKAWA)佐藤究著

いつものカメリアステージ図書館より。直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞しているという、ジャンルとしては「クライムノベル=犯罪小説」です。タイトルとなっている「テスカトリポカ」は、15~16世紀に栄えた多神教のアステカ王国において信仰された強大な神様の一つだそう。メキシコでの麻薬密売組織の抗争、人体臓器売買など、国境を越えた大規模な組織的犯罪に、アステカの神話が絡まって、全編に暗い影が漂っています。

個人的には、貧困と資本主義を考えさせられる一冊で、ふた月ほど前に読んだ『沸騰大陸』を思い出しました。『沸騰大陸』は、アフリカの現在とその背景を写真と文章で告発するルポ・エッセイで、アフリカで起こっている紛争が、民族や宗教を起点とするものではなく「富」と「格差」を起点としたものであることを、告発している内容でした。

『テスカトリポカ』は小説(フィクション)の形をとっていますが、小説の舞台となるメキシコでも日本でも、繰り広げられる犯罪はやはり「貧困(富)」と「格差」が起点となっています。現在の世界を覆う資本主義の仕組みに対する問題提起を、強烈に突き付けられたような気がしました。知らずに呑気に暮らしていることが、無意識に罪に加担していることになる可能性があることを、かといってどうすればよいのかという解決策の案や可能性の提示がないまま突き付けられて、なんともやりきれない読後感でした。

『テスカトリポカ』(KADOKAWA)佐藤究著

読書『フランスから届いたパンのはなし』(産業編集センター)酒巻 洋子著

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読書『フランスから届いたパンのはなし』(産業編集センター)酒巻 洋子著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。表紙の魅力的なパンの写真に引っ張られて手に取りました。その場でパラパラとページをめくれば、さらに魅力的な写真がたくさん。近所に、オープン以来お気に入りのパン屋さんがあるのですが、そこのお仕事を彷彿とさせる写真の数々です。美味しいパンの写真を見て、味をイメージするだけで、幸せな気持ちになります。

さて本書、ページ構成は、写真6:文章4といったところでしょうか。文章も楽しくて、サクッと読めます。パンにまつわるちょっとした雑学を知ることができるのは、マニアでなくても嬉しいものですね。大好きなパン屋さんでは、最初お店の名前が読めなくて、パンの名前も覚えにくいという難点を感じていたのですが、なるほどフランス語だったのよね、と、今更ながらに納得しつつ。

個人的な「フランスの、パン」に対する認識は、かれこれ30年ほど前の新婚旅行にさかのぼります。ロンドンからパリへと移動するユーロスターのなかで出てきた軽食のパンに感動して、パリではパン屋さんにばかり足を運んでいました。ふつうのパン屋さんだけでなく、屋台のような感じでサンドウィッチなどを売るお店が川沿いにたくさん出ていたのが印象的で、どこで買って食べても美味しかったという至福の思い出があります。

今は、ありがたいことに、自転車でぱっと行ける場所に美味しいパン屋さんがあります。これは実はとっても贅沢なことなのだと思います^^

近所の美味しいパン屋さん boulangerie pomme de terre ポムドテール福津

『フランスから届いたパンのはなし』(産業編集センター)酒巻 洋子著

読書『皇后は闘うことにした』(文藝春秋)林真理子著

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読書『皇后は闘うことにした』(文藝春秋)林真理子著

引き続き、遅ればせながらの林真理子著作追っかけ。なにしろ図書館に行けば、林真理子さんの既刊本は大量にありますので、気軽に手に取ることができます。ありがたいですね。今回の本書は新刊。

ちょうどひと月前にブログにアップしていた『李王家の縁談』が、とっても面白かったので、本書もそのような感じなのかな、と思って予約を入れた一冊。こちらは短編集でした。上の写真はそのタイトル目次です。読後にあとがきを見たら、本書はいわば『李王家の縁談』のスピンオフ版だという解説があり、なるほどなるほど。

現代でもなにかと大きな話題になる、皇室の婚礼をとりまくニュース。その根っこにあるものが、単に野次馬的な興味だけでなく、政治に大きな影響を与える要素だからなのだということを、あらためて思わされる読書となりました。「政略結婚」というのは、戦国時代だけのものではなく、その前後もずっと続いてきているのだよな、と。

皇族とか華族とか呼ばれる仕組みが、明治維新以降どのように政治利用されてきたかが垣間見える本でしたが、短編になっている分、わたしにはそれぞれが分離してしまって、つなげるのが難しかったです。各ストーリーの前に家系図が付いているので、それを参照すればよいということなのですが。短編でつづられたすべての物語が一つのストーリーで展開される小説が、いつか出来上がるのを待ちたいと思います^^

『皇后は闘うことにした』(文藝春秋)林真理子著

5月の九響定期演奏会は、演奏会形式の「オペラ トスカ」でした。

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5月の九響定期演奏会は、演奏会形式の「オペラ トスカ」でした。

1月の九響ニューイヤーコンサート、2月の日本フィル以来、久しぶりのコンサートは、九響の定期演奏会。昨年来ずっと、3階席を指定席にしていましたが、いろいろ試してみようと思い、今回は1階に席をとってみました。演奏会形式のオペラで1階だったのは、わたし的には観やすくて良かったです。

さてプッチーニの歌劇「トスカ」。タイトルは聞いたことがありましたが、どんなストーリーなのだか、まったく知らないままに会場へ向かいました。演奏の内容がどんなものなのか、よく知らないというのはいつものこと。毎回会場でいただく九響の冊子に、プログラム詳細と解説が載っているので、演奏会の概要を自分が知りたいと思えば、それを開けば大丈夫という安心感があります。素人のわたしにとっては、ものすごく助かります。

いつもはあまり事前にプログラム情報を入れないのですが、開演を待つ間にちょっと解説を読んでみました。なるほどなるほど。そして、今回は開演前に指揮者の熊倉優さんによるプレトークがあり、そこで「なぜ今年プッチーニなのか」の解説もあって、気分が盛り上がってきました。この「プレトーク」、わたしは初めての経験だったのですが、指揮者の方と聴衆との距離が近まるような感じがしました。とてもいいファンサービスですね。

演奏会形式のオペラは過去に数回観たことがありました。オーケストラと、演者、そして舞台両側には字幕のディスプレイ。目に見える派手な舞台装置も道具もなく、そのことが余計に、これだけで世界観を作り上げる力のすごさを感じさせます。歌劇「トスカ」全3幕で、すべてをフルで演奏するのはあまり無いことのようですね。プレトークでそのことを知り、貴重な機会なのだとわかりました。

休憩時間を含め2時間半を超える演奏会は、夢中になっているうちにあっという間に過ぎました。「人の声ってすごい!」というのが、率直な感想です。主役のトスカを演じた高野百合絵さん、すごく迫力がありました。昨年11月の定期演奏会のときにも高野さんのソプラノがあって感動したのですが、そのときよりもさらに迫力が増していたように思いました。

それにしても、これだけの舞台を数千円のチケットで観ることができたというのは、ものすごく贅沢でした。九響の定期演奏会は、とってもお得だと思います^^

九州交響楽団

読書『ヒール 悪役』(日経BP)中上竜志著

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読書『ヒール 悪役』(日経BP)中上竜志著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。「ヒール」の単語を見て「プロレスのヒールになぞらえた小説かな」と思いながら借りてまいりました。読み始めてすぐに、そのまま「プロレス」のお話だと判明。ストレートなタイトルでした。

著者の中上竜志さんは、本書の前作となる『散り花』で第14回日経小説大賞受賞なさっているのだそうですが、それも「プロレス小説」だったとのこと。日経BPの公式サイトによると “「プロレスを書きたい」という強い思い” が「プロレス賛歌」の受賞作を書かせたということで、それに続く本書『ヒール』もまた、その「強い思い」の延長線上にあるといえそうです。

さてストーリーは、章ごとに何人もの登場人物の視点から描かれます。それぞれの立ち位置からの葛藤が語られ、章を読み進めるほどに全体が見えてきました。本書に限らず、プロレスを語る時に必ずと言っていいほど出てくるのが、エンターテインメントであるプロレスを、「真剣勝負」と呼べるか否かについての議論。わたしが小学生の頃には「プロレス=八百長」というような話題は、子どもたちの間でも熱く交わされていました。それをひとことで八百長と呼んでしまうのは少し違うと思っても、ちゃんと説明する言葉は持っていなかった頃のこと。

小学生の頃にテレビでプロレスを見ていた者としては、とても興味深く入り込めるお話でした。当時わたしが好きだったスタン・ハンセンやタイガー・ジェット・シンは、そういえば「ヒール」だったんだよなぁ、などと思いつつ。プロレス小説では長いこと、中島らも著『お父さんのバックドロップ』が、わたしのなかでは一番で、1993年に出た文庫版が今でも手元にあります。

遡って『散り花』も読もうと思います。

『ヒール 悪役』(日経BP)中上竜志著

サントリー美術館での展覧会『酒呑童子ビギンズ』を観てまいりました。

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サントリー美術館での展覧会『酒呑童子ビギンズ』を観てまいりました。

サントリー美術館の良いところは、数々のお宝を所蔵しておられるのはもちろん、立地が便利なこと、朝10時から開いていること、火曜日が休館日で月曜日は開いていること。ギャラリーのオープンはほとんどが11時か12時のため、そのオープン前にひとつ展覧会を見ることができるのは、とてもありがたいのです。また今回行ったのは金曜日でしたが、多くの美術館博物館施設がお休みをとる月曜日に開館しているというのは、美術館好きにとって救世主的であり、とても嬉しく助かります。

というわけで、今回の宿泊場所から歩ける場所ということもあって、展示内容を確認する前にサントリー美術館に行くことは決めていました。直前にウェブサイトで展覧会を確認したところ「酒呑童子」のタイトルが。実は酒呑童子の物語を知らないわたしには、いまひとつピンと来ていなかったというのが、正直なところでした。が、そこは美術館に対する信頼感があります^^

サントリー美術館公式サイトによると “酒呑童子は、日本で最も名高い鬼です。平安時代、都で貴族の娘や財宝を次々に略奪していた酒呑童子が武将・源頼光とその家来によって退治される物語は、14世紀以前に成立し、やがて絵画や能などの題材になって広く普及しました。” ということで、サントリー美術館が所蔵する「サントリー本」と呼ばれる絵巻物を中心とした展覧会でした。

修復が終わったばかりのお披露目展覧会となったサントリー本は、色彩が美しく、見事でした。絵巻物の絵が楽しいのはもちろん、物語を語る筆文字がまた素晴らしかったです。字の姿もまた饒舌ですね。サントリー本だけでなく、それに続く模本、類本の数々がまた面白く、絵の描かれ方の違い、文字の書き手による違いが、とても興味深かったです。気が付けば、観覧に予定していた1時間があっという間に過ぎていました。

個人的には、酒呑童子の物語を遡る「エピソードゼロ」の存在に興味を惹かれました。「はじまりの物語を描く」というのは、近年に始まったことではないのだと知りました。酒呑童子のルーツを日本神話に結びつけ、「スサノオノミコトによって酒に酔わされ退治されたヤマタノオロチの息子として生まれたのが酒呑童子」というストーリーが存在していた、というのがとても面白かったです。

展示室では、能の演目としての「酒吞童子」が演じられている様子の動画を観ることもでき、酒吞童子事態をよく知らなかったわたしにとっては、お話を理解するのに役に立つ仕掛けでした。絵巻物ばかりの展示は飽きることも多いのですが、今回のサントリー美術館さんの展示は、わたしにとっては時間が足りなかったくらいで、圧巻でした。

会期は2025年6月15日(日)まで。

サントリー美術館で開催中の展覧会『酒呑童子ビギンズ』

読書『手ぬいでかんたん!ほどかずそのまま着物をリメイク』(ブティック社)高橋恵美子著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『手ぬいでかんたん!ほどかずそのまま着物をリメイク』(ブティック社)高橋恵美子著

久しぶりに「縫い物」をしています。「あの人は着物を着るらしい」ということが知られると、不思議と着物が集まってくる、という経験を、着物を着る人はしたことがあると思います。お母さまやお祖母さまから受け継いだ着物がたくさんあるけれど、着ないし捨てることもできなくて…という方からいただくのです。きちんと仕立てられた良いもの、ほとんど袖を通していないものも多く、ありがたくいただき、着させていただいています。

自分のサイズに合わないものは、状態が良ければ、アップサイクルのきもの屋さんに差し上げていますが、生地が劣化していたり、ほんのちょっぴり虫食いがあったり、「そのままでは着ることができない」ものも。そういうものもなんとか生かしたいと取っておいた結果、着物箪笥が少しづつ混みあってきました。このままではイカンと、ようやく手を動かす気になったところで、この機を逃さずにハウツー本を探しました。

ネットで書籍情報を探してある程度目星をつけてから、博多の丸善へ。実際にページをめくってわかる情報も多く、最終的には売り場でこの本に決定。なんといっても「手縫い」「かんたん」「ほどかずそのまま」です。わたしにとって、これ以上に魅力的な単語があるでしょうか(笑)。ここからまずは一着でも完成させることが、最初のミッションです^^

↓下のリンク先は、ブティック社・高橋恵美子さん著の『手ぬいでかんたんに 着物をほどかず素敵にリメイク』です。わたしが入手したのは『手ぬいでかんたん!ほどかずそのまま着物をリメイク』なので、微妙にタイトルが異なり、中身も異なるのですが、このシリーズの最新版のようです。

『手ぬいでかんたん!ほどかずそのまま着物をリメイク』(ブティック社)高橋恵美子著

約30年越し?今更ながら「林真理子」著作を遡って読んでみる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

約30年越し?今更ながら「林真理子」著作を遡って読んでみる。

きっかけは2023年に読んだ『私はスカーレット』でした。林真理子氏のお名前は、彼女の作家としてのデビュー作『ルンルンを買っておうちに帰ろう』の頃から知っています。この初版が1982年だったということで、当時わたしは中学生。コンプレックスの裏返しが攻撃的な毒舌(というイメージ…)の彼女は、まさに社会現象的な存在で、ずっと気になりつつも、実は著書はほとんど読んではいませんでした。小説を初めてきちんと読んで脱帽したのが、『私はスカーレット』の上下巻。そこから軽く「追っかけ」をしています。

遡ろうと思いはしたものの、1980年代、1990年代、2000年代…と、その著作の膨大なことと(笑)。とりあえず図書館の「林真理子」の棚で1-2冊づつ借りてくる感じです。この連休中に読んだのは『不機嫌な果実』『下流の宴』(いずれも文春文庫)。初版はそれぞれ1996年、2009年となっていますが、どちらにも「ああ、こんな人いたわ(いるわ)」という、時代を代弁するような登場人物が無遠慮に描かれています。この、登場人物に対する無遠慮さが、林真理子さんならではの愛情だったりするのだろうな、と思いつつ。

そろそろ、林真理子版『源氏物語』にも手を伸ばそうかというところです。近著の『李王家の縁談』もとても面白かったです。