読書『受難』(KADOKAWA)帚木蓬生著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『受難』(KADOKAWA)帚木蓬生著

帚木蓬生さんの追っかけ継続中。いつものカメリアステージより借りて参りました。1冊1冊のボリュームが、質・量ともにあるので、ついつい手が伸びそうになるところを我慢して1冊づつ借りています。2週間の貸出期間のうちに読める分、ということです^^

これまでわたしが読んできた「帚木蓬生著作」もほとんどがそうでしたが、実際に起こった事件・出来事や社会問題をもとにしてストーリーを展開している、という点で、フィクションながら現実的な引っ掛かりが大きくて、考えさせられます。本書は、2014年に韓国・珍島沖で起きた客船の沈没事故に対する、著者の憤りが感じられる一冊。テレビの報道などで見た記憶がよみがえってきますが、約10年前のことだったのですね。

一方で、3Dプリンターで人体の生きたレプリカをつくる、というストーリーでもあります。これがSFではなく実際にそこまで進んでいるのかもしれないと思わせられるのは、昨今広範な分野で3Dプリンターが活用されていることに加え、著者が医師であるという事実によるものだと思います。

社会問題に対する目線と、医師であるが故の知識や経験が、帚木蓬生さんの著書の深みになっているのだろうな、と思いつつ。次回は何を借りようか、まだまだ楽しみが続きます。

『受難』(KADOKAWA)帚木蓬生著

夏の恒例展示「想い出の宮地岳線展2025」@津屋崎千軒なごみ。

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夏の恒例展示「想い出の宮地岳線展2025」@津屋崎千軒なごみ。

ここ数年、夏の恒例行事となりつつある、ご近所観光案内施設・津屋崎千軒なごみでの鉄道ミニチュアの展示。鉄道マニアであり市の職員さんでもあるF氏と、そのお友だちでやはり鉄道マニアのM氏による、ボランティア展示&運営です。展示は見るだけでなく、もちろん、走らせることもできます。

わたしはふつうに電車が好きです。電車に乗るのはとにかく楽しく、この手の展示にはテンションが上がります。プラレールとかもずっと見ていて飽きません。なので、そんな展示がすぐ近所で毎年ある!というのは、とっても嬉しいもので^^

想い出の宮地岳線展2025

↑廃線により販売会に出されたという駅の表示看板。ちゃんと電気が付いた状態で展示してくれるのが、素晴らしいです。

想い出の宮地岳線展2025

わたしが観に行ったときは、先客の小学生がいて「運転席」に陣取っていましたので、大人なので、運転は遠慮しました。その代わり「あの電車走らせて!」とその少年に操作を任せ、走る様子を存分に楽しみました。

想い出の宮地岳線展2025

車庫や操車場の景色は、実物も壮観ですが、こうしてミニチュアで眺めるのもなかなか嬉しいものです。

そして一番上の写真の切符のサービス。ちゃんと駅員さんの改札鋏で切ってもらいました^^

毎年ありがとうございます!来年も楽しみにしてます♪

読書『水棲生物 水の底のアフリカ』(講談社)オズヴァルド・ルワット著/大林薫訳

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読書『水棲生物 水の底のアフリカ』(講談社)オズヴァルド・ルワット著/大林薫訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。アフリカ・カメルーン生まれの著者による物語。アフリカのどこかの国が舞台になっているのだろうな、と思いつつ、読了しても舞台となっている場所がよくわからなかったので、講談社の公式サイトを覗いたところ「家父長制と因習に縛られ、権力闘争が渦巻く国ザンブエナ」とありました。ところがアフリカの地図をさがしても「ザンブエナ」の国名を見つけられず…どうやら架空の国名のようです。

貧富の格差、階級差別、女性差別、家父長制と因習、性的マイノリティへの弾圧、その背景にある宗教の教え。様々な要因が「差別のもと」となって、人々をがんじがらめにしていく様子が、寒々しく伝わってきました。著者はジャーナリズムを学び、新聞社に勤めたのちに、ドキュメンタリーの監督や写真家として活動しているとのこと。このような本を書かなければと、著者をかきたてるものがあったと思うと、息苦しさを感じます。架空の国名であったのは、そうでなければ本書を世に出すことができなかったということかしらと、頭をよぎります。

最近、思いがけずアフリカテーマの本をたびたび手に取ります。図書館の司書さんが、アフリカ関連の良書を蔵書に選んでくれているから、ということですね。自分のもともとも興味の範囲外にあるものも、「新刊書」というくくりで選択肢として目の前に提示してもらえるおかげで、こうして手に取る機会が増えて視野を広げることができます。ありがたいことです。

『水棲生物 水の底のアフリカ』(講談社)オズヴァルド・ルワット著/大林薫訳

読書『水神』(新潮社)帚木蓬生著

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読書『水神』(新潮社)帚木蓬生著

帚木蓬生さん追っかけ継続中。いつものカメリアステージ図書館の蔵書から借りて参りました。本書を開いてまず文体でおや?と思いました…時代ものもお書きになるのですね。上下巻にわたる、長編歴史小説です。新田次郎文学賞受賞作ということで、賞の説明を確認したところ「小説・伝記・エッセイなど形式を問わず、歴史、現代にわたり、ノンフィクション文学、または自然界(山岳、海洋、動植物等)に材をとったもの」ということでした。現在、上巻を読み終えたところ。

舞台は筑後川流域の村々。江戸時代の久留米藩、稲田の渇水に苦しむ百姓たちのために、治水事業に命を懸けた庄屋の物語です。今だけの対処療法ではなく、将来の子々孫々にも恵みをもたらす事業。そうわかってはいても、人手もお金もかかり、村々のなかには事業に反対するところもある困難のなか、これを貫くことは並大抵のことではありません。

静かな筆致のなかに、登場人物たちの事業に賭ける熱い思いがあふれていました。帚木蓬生さんの著書をよく読んでいる友人が「文章がとてもきれいな人」と評していましたが、ほんとうに、目線がやさしくて、慈愛にあふれているのを感じます。だからなのかわかりませんが、気が付いたら、登場人物に感情移入しています。

「暴れ川」の異名も持つ筑後川は、もちろん現在も福岡県民にとって大切な水源の一つ。花祭窯のあるここ福津市は、地理的に近いとは言えませんが、上水道の一部は筑後川水系の恩恵によるものです。本書内に登場する地域の名前には聞き覚えのある所が多く、他人ごとではなく読み進めました。下巻も楽しみです。

『水神』(新潮社)帚木蓬生著

追伸:8月17日、下巻読了。小説を読みながら涙が流れたのは久しぶりでした。

読書『アフリカの瞳』(講談社)帚木蓬生著

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読書『アフリカの瞳』(講談社)帚木蓬生著

帚木蓬生さんの追っかけ継続中です。長編が多く、一冊読み終わるのに時間を要するのではありますが、毎回テーマが興味深く、引き込まれています。本書のテーマは、アフリカのエイズ問題。小説とは言いながら、現実的な社会問題としてイメージできるものであり、少し前に読んだ、ルポライターの三浦英之さんによる『沸騰大陸』(集英社)を思い出しました。

個人が問題意識を持ったところで、相手が大企業だったり国だったりと大きな権力を持った存在の場合、無力感に苛まれ諦めてしまうことは責められないと、50年以上生きてきた今のわたしは考えています。声を上げなければ何も変わらないと言われたら、たしかにそうかもしれませんが、では声を上げればどうにかなるのか。せめて自分にできることをコツコツと、抵抗にもならないかもしれない抵抗をするしか、無いのではないかと。本書には、そんな無力感をものともしない正義感に突き動かされる登場人物たちが何人も出てきて、その姿にスカッとしたものを感じました。

本書は2004年が初出ですが、政治と製薬会社についての話は、つい先般のコロナ禍下でも同様のことが起こっていた(あるいは現在進行形かも)のだろうなぁと、思わせられるものがありました。わたしは昔、一年ほどの短期ですが製薬会社の仕事をしたことがあり、MR(医薬情報担当者)さんたちのお仕事ぶりを眺めていましたので、いろいろと想像できることも多々ありました。

ところで本書は、著者の過去作『アフリカの蹄』の続編的なものだそうで、本書の中でもそのエピソードが度々登場しました。『アフリカの蹄』を読んでいなくても、まったく問題なくストーリーに入り込むことができましたが、遡って読みたいと思います。

『アフリカの瞳』(講談社)帚木蓬生著

読書『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著

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読書『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より、久しぶりの桜木紫乃さん。前回桜木紫乃さんを読んだのは2022年のことでしたので、約3年ぶりです。今回もまた、行間からあふれてくる「凄み」に圧倒されながらの読書となりました。

徳間書店の公式サイトに、著者自身のコメントが載っていました。曰く「書きながら改めて、生きることは滑稽だと感じました。滑稽でいいと思うところまで、書けた気がします。」と。読後に公式サイトの解説を見て、本書は桜木紫乃さんが実の父親をモデルにしたものだということがわかり、思わずうなりました。「家族」の闇の壮絶さ。その壮絶さをもって「滑稽」と断じてしまう著者の目線は、いったいどこから注がれているのか、ある種自虐的なものを感じました。

実の父親がモデルであるという主人公の、コンプレックスと、自分はこんなものではないという焦り、必ず見返してやるという気持ちが痛々しい物語。自分で自分を追い込み、家族に当たり散らす姿は、人としての器の小ささゆえ、と言葉にするのは簡単ですが、読んでいて他人ごとにしきれない自分に気づかされました。どこかで少しは光が見えてくるのではないかと期待して読んでいても、見えそうだと思った光はあっという間に雲に隠れてしまう救いのなさは、著者の真骨頂なのかもしれません。

そういえば前回追っかけたときは、数冊読んだものの、もろもろの受賞作はじめ「桜木紫乃といえば」な著書は、一冊も読んでいませんでした。凄みに中てられてしまうので、連続してたくさんは読めない感じです。だけれども、読みたくなる。明るい本の合間に、ときどき遡って少しづつ読んでいくのがよさそうです。

『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著

福岡県中小企業ステップアップ支援事業「サッシン・ベース」がスタートしました。

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福岡県中小企業ステップアップ支援事業「サッシン・ベース」がスタートしました。

福岡県の中小企業支援事業はいろいろとあって、例えば経営革新計画書の策定や、それが認められた後の融資や補助金審査における加点など、たびたびお世話になっています。昨年度、一昨年度とお世話になったデザインワークショップも、県の施策でした。そういえば、海外進出にあたって長年お世話になった福岡アジアビジネスセンター(2025年より組織変更)も、県の出先機関。と考えてみると、福岡県民としてのメリットをかなり享受していますね。ありがたいことです。

そんな福岡県の商工部スタートアップ推進課からご案内をいただいた支援事業「サッシン・ベース」への参加が無事採択されまして、昨日はそのキックオフイベントに参加してまいりました。キックオフイベントなんて、サラリーマン時代以来です(笑)。この事業は昨年度から始まったそうで、わたしたちは第二期。今回の参加企業は17社です。

県の委託でこの事業を運営するのは、デロイト・トーマツグループの方々。初日は参加者の顔合わせと、事業期間中の個別の担当者となるコンサルさんからマンツーマンでのヒアリング、その後はテイクオフパーティーでした。「キックオフ」だったり「テイクオフ」だったり(笑)。トーマツの担当コンサルさんからのヒアリングは、ヒアリングというよりもおしゃべりという感じで上手に引き出してくださり、さすがプロだなぁと思いました。花祭窯の創業年(1997年)を見て、「僕の生まれた年です!」と言われたときはガクッとなりましたが。

テイクオフパーティーでは、「ファクトリエ」を運営するライフスタイルアクセント株式会社の代表取締役 山田敏夫氏の講演と、大正13年創業の漆喰の会社である田川産業株式会社の代表取締役 行平史門氏の講演がありました。これがまた、それぞれにとても面白かったです。夢(実現を前提とした)を持つことの力と、人生何が起こるかわからないワクワク感を見せつけられました。そしてなにより「日本の製造業の力」を信じ守ってゆかねば、という誇りと使命感をひしひしと感じました。ファクトリエの山田さんがおっしゃった「日本から世界ブランドをつくる」が、響きました。花祭窯もまた、製造業(窯業)です。お二方の熱いお話を聴いて、すっかり気分が上がりました。

この日一番びっくりしたのは、20年以上前から勉強会でご一緒させていただいた経営者さんと会場でお会いしたこと。どうやら参加者のリストはウェブ上に上がっていたらしく、先方はご存じだったようなのですが、わたしはまったく見ていなかったので、嬉しくて思わず大騒ぎしてしまいました。また、別の勉強会で10年以上前にご一緒したことのある方が参加なさっていて、「お久しぶりです」と声をかけてくださいました。皆さんやっぱり頑張っておられるのだなぁと、しみじみ思いました。そんな方々とこれからまたご一緒に学べることが、とても心強く、ほんとうに嬉しいです。

プログラムは2026年3月まで、月1回の集合研修です。上の写真は、「支援メニュー」として掲載されているもの。これからのプログラムがとても楽しみです^^

読書『閉鎖病棟』(新潮社)帚木蓬生著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『閉鎖病棟』(新潮社)帚木蓬生著

いつものカメリアステージ図書館から。先日読んだ『聖灰の暗号』が衝撃的でしたので、さっそく帚木蓬生氏の追っかけです。わたしが知らなかっただけで、たくさんの著書がおありだとわかりましたので、今回は蔵書検索せずに直接図書館の棚へ。「日本の小説」の「は」行の棚を眺めたところ、ありましたありました!単行本のコーナーにも、文庫コーナーにも何冊も並んでいました^^

さて『閉鎖病棟』。著者の、登場人物へのあたたかい目線に救われる読書となりました。なにかのきっかけで自分をコントロールできない状態になってしまったこと、その延長線上で罪を犯してしまったこと。閉鎖病棟に住まうそれぞれの過去はあるにしても、そこで穏やかに暮らしている姿の描写を見れば、閉鎖病棟の中と外、その間にある心理的な壁の高さが、過剰にも思えてきます。かといって、では自分のすぐ身近にある現実のことだとなったときに、自分は受け入れることができるのだろうかと考えると、自信がないというのが正直なところで、自らの勝手さを突き付けられる読書ともなりました。

小説の終盤からラストにかけての展開に、心打たれます。

『閉鎖病棟』(新潮社)帚木蓬生著

山本周五郎賞受賞作という本作は、どうやら映画化もされていたようです。もしやと図書館検索したところ、DVD発見!ありがとう図書館。追ってこちらも観ようと思います。

『閉鎖病棟』のあと、同じく新潮社から出ている『沙林 偽りの王国』も読みました。小説=フィクションと断り書きをしながらも、事実に基づいた詳細な記述はルポルタージュのように読めました。地下鉄サリン事件当時、わたしは福岡に住んでいましたが、同僚が日比谷線に乗車していたこともあり(幸い軽症でした)、報道を見た時の記憶がよみがえってきます。そんなこともあって、本を読み終わってすぐの今は、平常心では語れない感じがありますので、こちらの読書記録はまた別の機会に。

読書『聖灰の暗号』上・下(新潮社)帚木蓬生著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『聖灰の暗号』上・下(新潮社)帚木蓬生著

知人がSNSで読後の感想を書いているのを見て、気になり、いつものカメリアステージ図書館で検索・発見・予約。いやぁ、ほんとうに便利です、図書館。そして、良い本を読書感想の形で紹介してくださる、本好きのお友だちの皆さんのおかげで、未知の読書領域に踏み込むことができるのが、とてもありがたいことです。上の写真は、若かりし頃に旅行したローマ。このときヴァチカンにも入ることができたのは、貴重な経験でした。

帚木蓬生さんのお名前は、たびたび見かけたことがありましたが、読むのは初めましてでした。本書読後に、新潮社の公式サイトで著者紹介を拝見しましたが、福岡生まれ、九州大学卒のお医者さま(精神科医)でいらっしゃるのですね。医者としての視点を生かして書いていらっしゃる本も、たくさんありそうです。「次は何を読もうか」と興味をそそられるもの多々。

さて『聖灰の暗号』。ヴァチカンから異端として敵視され、十字軍の攻撃を受け、壊滅させられたカタリ派についての真実を追求する物語。古文書を手掛かりに11~14世紀の出来事を調べてくうちに明らかになっていく内容は、日本での16~17世紀のキリシタン弾圧のイメージにもつながります。「歴史ミステリー」ジャンルの、もちろん小説ではありますが、そのもととなっている史実があることを考えると、なんともやりきれない気持ちになりました。そして、少し前に観た映画『教皇選挙』と、その後に実際に行われたローマ法王のコンクラーベを思い返しました。

キリスト教に限らず「宗教がその名のもとに暴力をふるう」事態は、古今東西で起こっているわけで、結局、宗教と政治は結びつきやすいということなのか、宗教に限らず組織あるところには権力闘争が生まれるということなのか、それが人の業ということなのだろうかと考えさせられます。教祖や聖地をつくるから問題が生まれるのならば、いたるところにさまざまな神が宿るとする「八百万の神」的な考え方、自然信仰が一番平和なのではないだろうかと思ったり。

少々、というか、かなり重いテーマでした。少し時間をおいてリフレッシュした後に、帚木蓬生氏の著書を追っかけてみたいと思います。

『聖灰の暗号』上・下(新潮社)帚木蓬生著

郷育カレッジ「終活と相続について~人生100年時代を生きるために~」に参加してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ「終活と相続について~人生100年時代を生きるために~」に参加してまいりました。

今年度の郷育カレッジ講座受講一発目は「終活と相続」のお話。講師はファイナンシャルプランナーの目代正道氏で、定番の人気講座の一つです。わたし自身は初めての参加。郷育カレッジの受講生は全体的に70~80代の受講生の割合が多く、この講座も内容からしてそうかな、と思っていました。が、わたしと同年代の50代と思しき受講生も少なからずで、関心を持つ年代が広がってきていることを感じました。

実際に話を聞いてみて、特にエンディングノートについては、年代に関係なく一度書いておくべきかも、と思いました。そして、定期的に見直していくのが良さそうです。「余生への準備」というよりは、「今をよりよく生きるためのもの」だということが、しっかり伝わってきた講座でした。遺言状とエンディングノートの違いが分かったのも、良かったです。

途中休憩をはさんで2時間の講座、皆さんとても熱心にメモを取りながら聞いておられました。質問受付時間も盛り上がりました。講座を聞いてすぐに準備を始めることはできなくても、このようなオープンな場を通して、まずは心構えをしていくのは、良いことですね。

近年、書き込み式の「エンディングノート」がいろいろと市販されています。ご自身に合ったものを手に入れると、書き込みやすいかもしれませんね。わたしは今回の講座で初めて知ったのですが、福津市の高齢者サービス課では「エンディングノート」を発行しています。市民サービスの一つとして、こういうものが位置づけられるようになったことに、時代の流れを感じます。

終活に向けての行政サービスに興味のある方は、まずはお住まいの市役所等に問い合わせてみると良さそうですね。

福津市の地域資源(高齢者向け)…高齢者やそのご家族からの問い合わせが多い情報をまとめた冊子

福津市各種連絡先