「英語でアート!in 福岡」に参加してきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

「英語でアート!in 福岡」に参加してきました。

正確なイベント名は「英語でアート!著者が語る 海外を目指す アーティストへ伝えたい事 in 福岡」。

少し前に読書記録を書いておりました『英語でアート』(マール社)の共著者のお一人であり、Art Alliance「英語を使ってアートを学ぼう!」主催の宮本由紀さんが、なんと福岡にいらっしゃるということで、1day講座に参加してまいりました。

「海外へ向けてのアーティストへのアドバイス」、「人とつながるための英会話」と「美術英語の基本のキ」。定員25名のスペースは満員御礼で静かな熱気に包まれていました。参加者の皆さんが「アート×英語」という目的意識を持っていることがひしひしと伝わってきました。

「たくさんお伝えしたいことがある」と当初予定を30分延長しての3時間。せっかくだから本には書かれていないことを中心に、というスタンスでお話をしてくださった宮本由紀さんの、世界を目指すアーティストを応援したいという気持ちがとても嬉しい3時間でした。

そして、もうひとつすごいなと感じたこと。今回の福岡での出版記念講座の開催は、ボランティアで事務局を務めてくださった方の熱意で実現したものでした。「ダメでもともと」と、宮本さんに福岡での1day講座を打診してくださり、会場手配から集客その他を引き受けてくださった事務局のお二方があってこその機会でした。

福岡まで足を運んでくださった宮本由紀さん、イベントをつくりあげてくださった事務局の皆さんに心より感謝いたします。ありがとうございました!

 

 

読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

先日、直方谷尾美術館に行ったときに、常設展示室で偶然開催されていた直方図書館の古書交換会で手に入れた一冊。ちょうどイギリスの教育に興味が湧いてきていたところにこの本を発見し、「若干情報が古いかも!?」と思いつつもありがたく頂戴してきたところでした。

読んでまず思ったのが、この本と出合えた幸運。著者の森嶋通夫さんは、経済学者でロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の名誉教授。この本を執筆なさったときはロンドン大学教授の肩書です。2004年にご逝去されており、この本に出合わなければ、わたしは存じ上げることのない方だったかもしれません。

1975年の講演をもとに1977年に第一刷がでている本書。つまり40年前の本なのです。が、アマゾンで調べたら2003年1月21日刷がでてきました。それはつまり、40年前に書かれたこの本から、今もなお考えるべきことがたくさんあるということですね。

ページをめくると最初に現れる「はしがき」に、「日本でいま教育問題が大きな社会問題になっていますが、その解決策とまではいかなくても、せめて改善策を見つけるための、一つの資料を提供するという意図で、イギリスの教育についてお話したいと思います」と1977年当時の筆者が書いておられます。

が、2018年の現在も同様に日本は「教育改革」の方向性をいかにすべきか試行錯誤の状態。常にベターな状態を目指すべき「教育」ですから、「これが正解」に辿り着くことは永遠にないのかもしれません。そんな教育問題を考察するうえで大きな示唆のある本であると思いました。

1975年といえば終戦後30年。その当時の統計的裏付けを含みながらの、日本とイギリスの比較文化論。講演ならではのわかりやすい語り口の文章であることも相まって、とても興味深く面白く読みました。

教育の在り方について考察を深めたい方に、おススメの一冊です。

書道部@花祭窯、はじまりました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

書道部@花祭窯、はじまりました。

4月は第一回目ということで「おためし」的にスタート。

今回は、「ひらがなからやりたい!」という方には「いろはにほへと」を字の成り立ちの解釈から手ほどき。「自分の名前をきれいに書きたい」という方には名前のお手本を書いて、書き方を手ほどき。「そのとき自分が書きたいと思ったものを書きたい」という方には、各種のお手本からピンとくるもの(今回は「論語」の書写でした)を探してもらってからのスタート。

「書道をしたい」想いは人それぞれですが、普通の書道教室では、なかなかそれが実現できないのですね。うちのダンナは教授級の腕前でありながら、それが仕事ではないので、柔軟にそれぞれに対応したお手本を書いたり説明ができます。身内ながらすごいことだなぁと、書道をするたび毎回思うのですが(笑)

月に一回、会費は参加できるときだけその都度のお支払い。道具もテキストもこちらで用意してありますので、初期費用がかからず気軽に始めることができるのが良いところ。

興味のある方はお尋ねくださいませ(^^)

 

九州EC勉強会;「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

九州EC勉強会;「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる

九州EC(九州ECミーティング)平成29年度ラストの勉強会は、ブランドクリエイター阪本啓一さんをお招きしての勉強会でした。

「九州ECミーティング」は、2005年1月、EC事業に関する情報過疎地であった九州でも「大阪東京並みの情報を得られる場」を作る目的で結成されました。運営はボランティアによって成り立っています。

今回は、坂本啓一さんの新著『「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる』で展開されている話を中心に、中小企業・個人事業主サイズのこれからの商売を考える勉強会となりました。

以下、勉強会備忘。


  • 非再現性
  • 自社にとって最適なサイズ
  • 宣伝ではなく広報
  • 手段=モノ+α
  • ユーザーエクスペリエンス
  • リポジション
  • 熱量
  • 狭く濃く
  • クライアントの意図
  • エコシステム
  • 強みだけに集中
  • 経験と知識
  • 安心ベース

 

ひさびさ京都(4)京都水族館

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ひさびさ京都(4)京都水族館

京都2日旅、最後の訪問先です。「京都に水族館があったのね!」と思っていたら、2012年にオープンしたのですね。1日目に出かけた鉄道博物館も含め、梅小路エリアの目玉のひとつ。

京都駅前から市バスで梅小路方面に、鉄道博物館と水族館は同じバス。バス停での乗降客の顔ぶれから、水族館もまた鉄道博物館と同様、地元のお客さまが繰り返し訪問し、喜ばれている場所なのだということが伝わってきました。神社仏閣等歴史的な観光名所の多い京都にあっては、観光的に後回しになってしまうのももっともですが。

が!京都水族館、楽しいです(^^)

特に嬉しかったのは、オットセイ、アザラシ、ペンギン、オオサンショウウオ。そして「京の里山」と名付けられたビオトープ。2周見て回って、3周目に入りたいところにイルカのショータイムが終わり、観客がどっと増えたため、3周目は断念。それにしても人の混雑さえ緩和できれば、もっとゆっくり滞在したい、ゆっくり滞在できる水族館でした。

ひとつだけ残念だったのは、ミュージアムショップにあったらいいな♪と思っていたグッズがなかったこと。京都水族館には上の写真のように、素敵なイラストを多用した展示解説があり、入場チケットも同じイラストのオオサンショウウオでした。

京都水族館

このイラストがとってもよかったので、絵葉書とかグッズがあったら買って帰ろう♪と思っていたのですが、見つけられず…。次回訪問時には商品化されているといいな、と思いつつ。

ともあれ「梅小路エリア」、京都観光から外せません(^^)

 

 

 

読書『西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養』(ダイヤモンド社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養』(ダイヤモンド社)

先日手に入れた2冊の『西洋美術史』。の、2冊目。

表紙をめくるとまず「美術とは“見る”ものではなく“読む”ものである」という、著者がこの本で伝えたい内容の象徴的なメッセージが目に飛び込んできます。文章が少々固いのが気になりましたが、たしかに「読む美術」の本でした。

以下、備忘。


  • 政治的にはギリシャを征服し植民地化したローマでしたが、文明的には逆に征服されてしまったのです。
  • ローマの古代美術は美の「規範(個展)」と見なされ現代にまで至ります。
  • 「目で見る聖書」としての宗教美術
  • 色彩は富の象徴でもあった
  • その人物の精神や知性が反映された作品が、「商品」ではなく「芸術品」と見なされるように
  • 経済の繁栄すなわち美術市場の活性化
  • フィレンツェ派の「デッサン(ディセーニョ)」に対して、ヴェネツィア派の「色彩(コロリート)」
  • いわゆるブルーカラーは、生活のために手を用いて仕事をする人々と考えられていたため、職人階級に属する画家や彫刻家はエリートとはかけ離れた存在
  • アカデミー的価値観に束縛されない自由な作風
  • 美術品が持つ「力」
  • 建築や美術のイメージの力を自分の政権と権力に結びつけ、自分の帝位と帝国のイメージつくりに利用する
  • 「理性」対「感性」
  • デッサンと理性(中略)色彩と感性
  • 「何を描くのか」ではなく「どう描くのか」
  • より物語性の強いものや、畏怖すべきものに美を見出すイギリス発祥の美の概念「崇高(sublime)」
  • ただ純粋に視覚的な喜びをもたらす審美性
  • 自分たちの原風景
  • 自分の審美眼に自信がなく、美術品に対しても美術アカデミーという「ブランド」を求め
  • 背景にあったのは、純粋な芸術・文化に対する憧憬
  • 伝統的に美術コレクションは個人(君主の場合は国家も)のステータスを高め、社会的に認知されるためのツール
  • アートと芸術家の大衆化は、(中略)市民社会ならではの産物
  • 芸術を庇護することは、(中略)「ノブレス・オブリージュ(高貴な人にとっての義務)」

『西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養』(ダイヤモンド社)より


読書『天才と凡才の時代』(芸術新聞社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『天才と凡才の時代 ルネサンス芸術家奇譚』(芸術新聞社)

「奇譚」には「珍しい話」とか「不思議な話」という意味があります。著者の言葉を借りれば、この本はルネサンスの時代の芸術家の「こぼれ話」「逸話」「伝説」といったところでしょうか。

著者の秋山聰(あきやまあきら)氏は、現在、東大大学院の人文社会系研究科教授。もともと月間広報誌への連載だったということで、1回につき(すなわち、芸術家一人につき)1200字のサクッと読めるストーリー。芸術家たちのエピソードそのものの面白さもさることながら、著者独特のウィット、言い回しのうまさが楽しめます。

個人的に特に興味深かったのは、作者不詳『デカメロン』写本挿絵についてのストーリー。いずれのストーリーも、ルネサンスの芸術家を生き生きと感じられる一冊です。

 

※福津市カメリアステージ図書館の選書ツアーで本書が館の蔵書に選ばれました。カメリアステージ図書館でも借りることができます(^^)

読書『新しい分かり方』(中央公論新社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『新しい分かり方』(中央公論新社)

「a new way of understanding」。

表紙とタイトルに引き寄せられて手に取った一冊です。

わたしがここ数年考え続けているテーマの一つが「『見る』とはどういうことか」なのですが、本書では「『分かる』とはどういうことか」を投げかけています。「見る」つまり「ものの見方」=「分かり方」といえるので、ここでは「見る」「分かる」「知る」などをほぼ同じ意味で使えると思います。

このように書いてくると、なんだか高尚なテーマのように見えなくもありませんが、実のところ、ページを開けば面白い実験が次々に繰り出されます。読むための本というよりは、取り組んで楽しめる本。自分がいかに日頃から固定観念に縛られて「分かっている」かを、ゲーム的に突き付けてくれます。頭を柔らかくしたい人にお薦め。

巻末の著者紹介文のなかに、「NHK教育テレビ『ピタゴラスイッチ』」という文字が入っているのを見て納得(^^)

※福津市カメリアステージ図書館の選書ツアーで本書が館の蔵書に選ばれました。カメリアステージ図書館でも借りることができます(^^)

読書『江戸の美術大図鑑』(河出書房新社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『江戸の美術大図鑑』(河出書房新社)

「江戸時代」と区切って日本の美術を紹介する一般書は珍しいのではないでしょうか。それともやはり専門書なのかな?ともあれ、単純に観ていて目に楽しいので、いろんな方にページを開いて欲しい本です。

個人的には、やはり仕事上江戸文化について学ぶことは楽しみでもあり欠かせない部分です。というのも、藤吉憲典の創作技術・文化の基礎である肥前磁器の歴史は、江戸時代にほぼ重なります。肥前磁器に現れる傾向は、そのまま「江戸(時代)の美術」の傾向に重なり、江戸の美術の変遷から当時の風俗がうかがい知れるのが、その面白さ。

本書の「はじめに」にもあるとおり、江戸の美術(文化)の最大の特徴は、庶民への広がり。それまで公家や武家のものであった美術が民衆化したことによって、新たな表現が生まれたり、「ブーム」が生まれたり。蕎麦猪口のブームも、江戸の庶民文化のなかで広がったものです。

タイトルに「大図鑑」とついているだけあって、豊富なカラー写真に加え、作者や作品についての解説もしっかり。トピックごとに文化人な方々の「エッセイ」があるのも、見方を深めるうえで役立ちます。

一番後ろには「江戸の工芸」として、染色、陶磁器、漆芸についても載っています。工芸の文様として用いられる意匠(デザイン)についてもページを割いてあるのが嬉しいところ。芸術・デザインに関わるお仕事をなさっている方にもぜひ手に取ってほしい本です(^^)

※福津市カメリアステージ図書館の選書ツアーで本書が館の蔵書に選ばれました。カメリアステージ図書館でも借りることができます(^^)

続・読書『いちばん親切な 西洋美術史』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

続・読書『いちばん親切な 西洋美術史』

新星出版社から出ている池上英洋・川口清香・荒井咲紀共著の『いちばん親切な 西洋美術史』。2月22日に読書『いちばん親切な 西洋美術史』を投稿したばかりですが、今回は自分のための備忘録として(^^)


  • 美術の歴史は、人類の歴史
  • 前者はつまり作品の「精神的側面」であり、後者は「物理的側面」である。
  • 技法と素材の歴史は、「いかに美しくするか」という目的(美的追求)と、「いかに安くあげるか」という必要性(経済原理)の、ときに矛盾するふたつの要素によって変化してきた。(中略)その時代と地域が必要とした美的追求と経済原理によって生み出されたものである。
  • “神”か“人間”か   (エジプト・メソポタミア)
  • 絵画において、陶器の表面は最も重要な画面だった。  (エーゲ文明・ギリシャ)
  • “神々”だけでなく、“王や個人”のための美術が生まれ  (エーゲ文明・ギリシャ ヘレニズム美術)
  • ステンドグラスは「読み書きのできない人のための聖書」   (ロマネスク・ゴシック)
  • 人体把握・空間性・感情表現   (プロト・ルネサンス)
  • 君主と教会(中略)“第三のパトロン”としてギルド   (ルネサンス)
  • “人間の視点”   (ルネサンス)
  • 当時の工房は、絵画、彫刻だけでなく家具や武器の製造、修理も行う、いわゆる「何でも屋」だった。   (ルネサンス)
  • 360度、どこからの鑑賞にも耐えうる構図   (マニエリスム)
  • 彫刻と建築が一体化した空間   (バロック)
  • ヴィジョン(幻視)により感情移入   (バロック)
  • 注文主の意図はなく、おそらくは売ろうとする画家の意図さえなく   (バロック)
  • 経済力をつけた市民たちは新たな芸術の鑑賞者となって作品の購入を始めた   (ロココ)
  • 理性よりも個人の感性   (ロマン主義)
  • 「美しいものこそが芸術である」というそれまでの前提   (新古典主義・ロマン主義)
  • 日本美術のもつ造形感覚   (印象派・ジャポニズム)
  • 実在の風景と空想の世界を同時に展開する「総合主義(サンティスム)」   (後期印象派)
  • 大胆な構図に的確な単純化、そして華やかな色彩   (後期印象派・新印象派 ポスター芸術)
  • 人物と植物文様が見事に融合する流麗な世界観   (後期印象派・新印象派 ポスター芸術)
  • 中世的な植物文様や昆虫などの有機的素材を装飾に用いる   (世紀末芸術・アールヌーヴォー)
  • 工芸の技術と絵画の融合   (世紀末芸術・分離派)
  • アカデミックな美術教育の薫陶を受けないまま成立するジャンル   (現代美術・素朴派)
  • 無意識がもたらす偶然性や即興性   (現代美術・シュルレアリスム)
  • 芸術家の存在意義と、美術品そのものの存在意義の問題

以上、『いちばん親切な 西洋美術史』より