Meet Me at コラージュ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

Meet Me at コラージュ。

コラージュを使ったお試し講座を実施しました。「Meet Me at コラージュ」というのはわたしの造語で、「コラージュ作品をつくることで自分の内側と向き合う」というほどの意味です。

コラージュは、誰でも気軽にできるアートの表現技法のひとつです。絵が下手でも、手先が不器用でも関係なく楽しめるのが、コラージュ制作の良いところ。雑誌やカタログやチラシなど、不要な印刷物のなかから自分の気分にフィットするビジュアルイメージを切り抜いて好き好きに貼っていくだけで、その時の自分を表す作品が出来上がります。

「なんだか、すごくすっきりした」

今回のご参加者の感想の一言が、コラージュという表現によって内側を解放した効果をストレートに物語っていました。

一番の魅力は、そうして出来上がった自分の作品に向き合うことで、自分自身の状態が確認できたり、課題を整理できたりという、副次的な効果が得られることです。また一緒に作業をする仲間から感想を聞くことによって、自分では気づかなかった「作品の意味」が広がっていきます。

学芸員研修のなかでコラージュの可能性を感じて以来、そんなコラージュの魅力をどう伝えていくかをずっと考えてきました。今回のお試し講座では、解説や解釈を広げていくタイミングで、どのようにアプローチするのがより望ましいか、参加者の方から具体的な助言をいただくことができました。

ご協力くださったお友だちに、心より感謝です!

 

 

伝統継承事業スタート。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

伝統継承事業スタート。

「肥前磁器の価値を高める仕事をし、
肥前磁器の伝統技術・文化を後世へ伝える」

1997年花祭窯の創業当初から、磁器作家・藤吉憲典が掲げ続けている事業使命です。独立から20年以上が過ぎ、そろそろ具体的に取り組みをはじめるべきだろうと考えていましたが、このたびやっと皆さんに告知できる形になりました。

花祭窯:磁器作家プロフェッショナルコース

タイトルにあるとおり、プロ作家向けのコースです。次のような方々を、受講者として想定しています。

  • すでに作家として独立していて、更に仕事の幅を広げたい人。
  • 窯元のデザイン担当などで、商品開発力をもっと強化したい人。
  • 勤め中・在学中で、近い将来作家として独立予定の人。
  • 陶芸の道に進んでいるが、デザインを勉強した経験が無い人。
  • 窯元などで部分的な工程しか経験できず、全体を学びたい人。

事前にしっかりと面談をしてお互いの意思を確認してから、正式申込となります。意欲ある方からのお問合せをお待ちしております!

読書『日本美術全史』(講談社学術文庫)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『日本美術全史』(講談社学術文庫)

『日本美術全史 世界から見た名作の系譜』田中英道 著。

写真上段は、我が家にある「日本美術史」の教科書『小学館ギャラリー 名宝日本の美術』シリーズ。

このところ西洋史や西洋美術史の本ばかり読んでたので、では日本の美術史は?と思ったときに、「日本美術史の本、全然読んでない!」。というよりは、「美術史」のなかに登場すべき分野が、それぞれ別のものになっていたことに気づきました。

わたしの場合、例えば「仏教美術」であったり「陶芸の歴史」であったり、「考古学的遺物」であったり「民俗学的遺物」であったり。日本の美術、つまり絵画や彫刻や建築などを学ぶときに、「日本美術史」というまとまった形ではなかったことに思い至りました。

そんなとき、タイミングよく目に留まったこの本、『日本美術全史』。その「はしがき」と「はじめに」を読んで、なるほど納得。日本の古代からの「美術史」は、日本史の時代区分のなかだけで論じられることが多く、西洋美術史を語る場合の方法とはずいぶん異なるのですね。

あとがきまで含めて559ページの分厚い文庫本ですが、巻末に「作品索引」と「作者索引」が載っているため、美術館巡りや寺社仏閣めぐりの際の解説本として、強い味方にもなりそうです。

 

福岡acad.紹介サイトができました!

こんにちは。Meet Me at Art 藤吉有里です。

福岡acad.紹介サイトができました!

2018年5月から始動した、福岡acad.(ふくおかアカデミー)。やっとこさ、サイトが誕生しました。まだ1ページですが。

株式会社藤井設計室の藤井昌宏氏を講師に「建築の歴史勉強会シリーズ」を皮切りに、講座を展開し始めた福岡acad.。毎回素晴らしい内容で盛り上がり、開催後のアンケートでは、参加者の皆さんから満足度の高さを評価していただいています。

ただ、まだまだ講座への集客をうまくできていないのが実情で、これはひとえに事務局であるわたしの力不足。この講座が仕事への糧になるだろう人々がたくさんいるのがわかっているのに、その方々にこちらの声をお届けすることができていません。これから長く続けていくための仕組みづくりをして行かねばと、決意しています。

その第一歩として、まずはサイト制作。これから「福岡acad.って、なに?」に少しづつ答えていこうと思います。

福岡acad.公式サイト https://meetmeatart.wixsite.com/f-acad

最新の講座情報は、ニュースレターでも配信いたします。

少しでも興味のある方は、ぜひニュースレターへのメールアドレス登録をお待ちいたしております(^^)

 

 

 

プレゼンテーションセミナーに行ってみた。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

プレゼンテーションセミナーに行ってみた。

FMVことフクオカベンチャーマーケット、支援機関である福岡県ベンチャービジネス支援協議会ベンチャーサポートセンターが主催するプレゼンテーションセミナーに行ってきました。名称が長くてややこしいですね(笑)

福岡県の出先機関であるベンチャーサポートセンターは、わたしがよくお世話になっている福岡アジアビジネスセンターさんとフロアが一緒の福岡商工会議所ビルにあります。お友だちの経営者の方のなかには、フクオカベンチャーマーケットでのプレゼンテーションをスタートにどんどん事業を伸ばしていった方も。

昨今はプレゼンテーションというと、TED的なイメージが強いですね。その手の「プレゼンテーション」にさほど興味の無かったわたしでも、スティーブ・ジョブスや孫正義さんのプレゼンテーションはYouTubeでいくつも見たことがありますし、TED-xに登壇された植松努さんなど、ぱっと思い浮かぶプレゼンテーションがいくつかあります。

が、大勢の聴衆を想定しなくても、プレゼンテーションの場はあちらこちらにあるわけで。わたしがセミナーを受けてみようと考えたのも、普段の仕事の場や社交の場でしばしば現れる自己紹介的なシーンを無駄にしないために、役に立つことがあるのではないかという気持ちもあり。

結果、セミナーの内容は、バリバリにTED的なプレゼンテーションのための、テクニックが中心でした。ただ、参加したことで、とても重大な発見がありました。それは、「プレゼンテーション=資金調達のため」というわたしの思い込みが非常に偏ったものであったということ。プレゼンテーションによって生み出されるものは、本人の意思次第で限りなく広範囲であるということ。

なにをいまさらと言われそうですが(笑)、この発見は大きいです。

当日の講師、ナレッジネットワーク株式会社森戸裕一さんに感謝です。ありがとうございました!

 

読書『わたしを離さないで』(早川書房)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『わたしを離さないで』(早川書房)

写真は、本とは関係ありませんが、宮崎行きの電車から撮った景色。

さてカズオ・イシグロ作品、2冊目です。本の内容について、まったく事前情報を入れずに読みはじめました。前回読んだ『遠い山なみの光』もそうでしたが、読みはじめてすぐに引き込まれ夢中に。景色や登場人物の表情があまりにもはっきりとイメージできて、動画を見ているような読書時間でした。移動時間や就寝前を使って2日で読了しました。

読書『遠い山なみの光』(早川書房)

『遠い山なみの光』と同様、主人公の淡々とした語り口でストーリーは進むのですが、読みはじめてすぐに「そうなのかな」と匂わせてじきに明らかになる重々しいテーマに、なんともやりきれない読後感が残っています。

それにしても、『遠い山なみの光』とはまったく異なった雰囲気を感じました。あとの解説を読んで、そのなかにカズオ・イシグロ氏がブッカー賞を受賞した後のインタビューでの受け答えの一部が引用されていたのですが、そこに、その理由がありました。いわく、賞をとったりすると、そのとき賞賛された書き方を捨て去ることが難しくなり、そのことが作家としての危機をもたらす、というようなことでした。つまり、意図的に新しい書き方、新しい表現方法にチャレンジしを変えているのですね。

高く評価され成功を収めた方法を捨てるのが難しく、そこから抜け出せずにダメになってしまうことがあるというのは、陶芸作家やアーティストにもよく言われることで、実際にそういう人たちを見てきてもいるため、とても響きました。

ところで『わたしを離さないで』は、映画になっていたのですね。日本ではドラマにまでなっていたのを知りませんでした。小説の世界観がどのように映像になっているのか、映画は見てみたい気がします。

スタートしたばかりのカズオ・イシグロ作品追っかけ。ますます楽しみになってきました(^^)

 

読書『遠い山なみの光』(早川書房)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『遠い山なみの光』(早川書房)

カズオ・イシグロさんの長編デビュー作。

写真は、一般社団法人長崎県観光連盟長崎県文化観光国際部観光振興課の公式サイト「ながさき旅ネット」https://www.nagasaki-tabinet.com より、長崎市にある平和公園の平和記念像。

ノーベル賞受賞で、図書館にあるカズオ・イシグロの本はすべて貸し出し中。という状況が少しは落ち着いてきたようで、手に取った一冊。かくいうわたしも、これまでカズオ・イシグロさんの著書を読んだことがありませんでしたので、自分の行動を省みても、ノーベル賞受賞というのはやはり大きな影響力がありますね。

物語のなかで大きな事件が起こるわけではありませんが、幾つものわだかまりがあちらこちらに点在し、そのいずれもから目を離せないような感じがして、一気に読みました。かといって強い緊張感があるわけではなく、全編が淡々とつづられていたように思いました。

わたしが手に取ったのは早川書房の文庫でした。本編を読み、続けて訳者・小野寺健さんの訳者あとがきを読み、作家・池澤夏樹さんの解説を読んで、なるほど腑に落ちるものがありました。この物語が日本人であるわたしに響くのは、物語そのものに加えて、訳の秀逸な日本語遣いにあったのですね。原文のまま読んだらどのように感じるか、いずれは挑戦したい作品です。

カズオ・イシグロ作品、続けていろいろ読んでみます。

 

【開催報告】福岡acad.住まいづくりのセンスアップ建築講座「アール・ヌーヴォー」

こんにちは。Meet Me at Art 藤吉有里です。

【開催報告】福岡acad.住まいづくりのセンスアップ建築講座「アール・ヌーヴォー」

福岡acad.の建築の歴史講座、福岡市内・天神での初開催となりました。

(※福岡acad.はアート、工芸、建築、デザインに効く勉強会を企画するプロジェクトです)

平日、水曜日の午後とあって、住宅関係のお仕事をなさっている方や、フリーで仕事をなさっている方、経営者の方などが参加してくださいました。

以下、備忘。


  • アーツアンドクラフツ運動→アール・ヌーヴォー。
  • 日本文化の影響。
  • 小紋、連続文様、浮世絵。
  • 構造+装飾。
  • 絵画と立体装飾の連続性。
  • 貴族のための装飾ではなく、産業革命以降生まれた富裕層のための装飾。
  • 建築における「鉄」の出現。
  • 石造りから鉄・コンクリート造りへ。
  • 量産できる装飾、機能のある装飾、構造とは関係のないところでの装飾。
  • アカデミックに反する創作風潮。
  • 新しいものと古典的なもの。
  • 時代背景‥チャップリン、アインシュタインの相対性理論、アンリ・ルソー、ピカソ、クリムト、フォードのモデルT、ルイ・アームストロング、カラヤン、ゴッホ、マネetc…
  • バウハウス。
  • 現代にアール・ヌーヴォーが好きな人が多い理由=手仕事へのあこがれ?
  • わたしたちが見ているものは、運良く遺っているもの。

暑いなか足を運んでくださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました。そして、会場を提供してくださいました、にしてつ住まいのギャラリー天神サロンさん、ありがとうございました!

 

宮崎・MOE展行ってきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

宮崎・MOE展行ってきました。

さて宮崎旅。初日の宮崎県立美術館スタジオジブリ・レイアウト展につづき、二日目はみやざきアートセンタにて開催中の

MOE 40th Anniversary 5人展

観に行って参りました。

みやざきアートセンター http://miyazaki-ac.com/

5人の絵本作家さん、絵本や絵は「どこかで観たことがある!」という方々ばかりでしたが、名前は存じ上げませんでした。そんななか、わたしの個人的なヒットは、ある絵の作者が「ヒグチユウコ」という人であるとわかったこと。

このインパクトとシュールさ。どこかで見て、いいなぁ、と思っていたのをすっかり忘れていましたが、思いがけずMOE展で再会できました(^^)

原画、よかったです。こちらの展覧会でも、SNS向けのフォトスポットと小物が充実。塗り絵コーナーがあって、色鉛筆が用意してあったので、思いがけず塗り絵にハマり。グッズ販売コーナーも充実していました。絵本『ギュスターヴくん』最高です(^^)

こちらは9月2日(日)まで。

 

宮崎・ジブリ展行ってきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

宮崎・ジブリ展行ってきました。

昨年、学芸員研修でご一緒した宮崎県美術館の学芸員さんから、ジブリ展を企画していると聞いて興味津々楽しみにしていたもの。宮崎まで電車で5時間。夏休みを利用して行って参りました。

宮崎県立美術館 http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/

スタジオジブリ・レイアウト展特設サイト
http://www.the-miyanichi.co.jp/special/ghibli/miyazaki/

見応えがありました!

実を言えばそれほどジブリ作品が好きというわけではなく、映画館で見たのは「もののけ姫」と「千と千尋の神隠し」と、はるか昔にさかのぼって「アルプスの少女ハイジ」くらい。元来アニメ・ジブリ好きのダンナと、その影響を少なからず受けている息子が楽しんだらいいな♪くらいの気持ちでしたが、どっこい

原画の力を感じました。

モノクロあるいは色鉛筆でささっと色を付けた原画に、アニメーション以上の動きを感じました。タイトルごとに、力の入り具合までも見えてくるのが生々しくて、すっかり夢中になって観ていました。思わずダンナに「アニメより原画のほうがいいね」といってしまったものも。

SNSでの拡散を意識したフォトスポットも随所に設けられ、文字通り子どもから大人まで、ファミリーもカップルも楽しめる展覧会でした。おススメです(^^)

9月17日(月・祝)まで開催中です。

宮崎県立美術館 スタジオジブリ・レイアウト展
http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/box/tokubetsu.html