読書:季刊誌『AXIS 2025.4 spring』株式会社アクシス

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書:季刊誌『AXIS 2025.4 spring』株式会社アクシス

読書記録が続きます^^

いつものカメリアステージ図書館の雑誌スポンサーとなり、提供誌として『AXIS』の定期購読を選んだのは、昨年夏のこと。その後、読むほどに「これは手元に置いておきたい」の欲求が高まり、結局、花祭窯でも定期購読することになったのでした。

今号のメインの特集は、大阪万博。いまのところ前評判があまり芳しくないようすの大阪万博ですが、関西に住む友人から誘われて、視察に行くことを決めたところでした。パビリオンの内容をまったく把握していませんでしたので、わたしにとってはベリーグッドタイミング!な特集でした。

特集を読んでまずよくわかったのが、今回の大阪万博に、とてもたくさんの著名建築家、アーティスト、デザイナーが関わっているということ。パビリオンでの展示内容以前に、パビリオンの建築そのものも見どころであること。一方でそれらの結果として、建設を請け負う事業者の入札がある意味クローズドになり、建築費の高騰を招いているという指摘もありますので、なんとも言えないところではありますが。ともあれ海外からの出展だけでなく、ホスト国である日本の出展の力の入りようが伝わってきました。

そういえばわたしは高校生の時の修学旅行で「つくば万博」に行ったきり、「万博」と名の付くものに出かけたことがありませんでした。そのときの印象といえば、ただ広いばかりの場所で、待ち時間ばかりが長いという、残念なもの。自分の興味の向いていないときに見に行っても、得られるものは少ないですね。今回の大阪万博は、せっかく足を運ぶならば、しっかり目を見開いてきたいと思います。あらかじめ調べてアンテナを張って訪問しよう!という気持ちを高めてくれる、AXISでの特集でした。

ところで今号の表紙は建築家の安藤忠雄氏。インタビュー記事がたっぷり載っています。国内外の美術館・博物館も数多く手掛けておられますね。実際に安藤氏による館で仕事をしている学芸員さんのお話を、何人からか聞いたことがありますが、いずれもなかなか辛口の感想でしたので、このインタビューにも興味津々。そして、まさにその応えとなるご本人のコメントを見つけることもできました。

ぜひぜひ、興味のある方はAXIS手に取って読んでみてくださいね。福津市在住あるいはお越しの機会がありましたら、カメリアステージ図書館1階のカフェスペースにある雑誌の書架に、最新号が並んでいますので、読んでいただけます。バックナンバーは、2階図書館の雑誌配架棚にあり、こちらは貸出可能です。ぜひご活用くださいね^^

デザイン誌『AXIS』(株式会社アクシス)

読書『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著

タイトルは『Effectuation エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』。はい、タイトル長いですね、実用書です。先日参加した九州EC勉強会で、講師の酒匂さんが講座中に紹介してくださった本です。

講座のなかで本書の概要を簡単にご説明くださったのを聞いて、面白そう!と思い、勉強会帰りにそのまま博多駅上の丸善に寄ったところ、運良く在庫がありましたので、即ゲット。表紙がまたかわいいんです(笑)。久しぶりのビジネス書ですが、即買いして良かった!な一冊。

そもそもエフェクチュエーションって何?でしたが、それもそのはず、本書はその思考法を紹介する「日本初の入門書!」と、帯に書いてありました。が、本を読めば腑に落ちることだらけであり、理解の難しい思考法では決してありません。ただ、頭で理解したことを実践できるかどうかは、これまでの目的志向的な思考・行動パターンからいかに抜け出せるか、にかかっているのだと思います。

以下、備忘。


  • 目的ではなく手段に基づく
  • 手持ちの手段(資源)(私は誰か、何を知っているか、誰を知っているか)
  • どこまでなら損失を許容できるか
  • できるだけ一歩の幅を小さくする
  • 自分にとって許容できない損失が何かを自覚し、それを許容できる誰かをパートナーとする
  • 行動しないことの機会費用(機会損失)
  • 「成功するかどうか」や「儲かるかどうか」という利益以外の基準で、本当に自分にとって重要な取り組みを選択する
  • 予期せぬ事態を(中略)自らの手持ちの手段(資源)の拡張機会ととらえる
  • 重要なのは、そのアイデアに進んで参画してくれる顧客をはじめとするさまざまなパートナーを獲得する行動
  • 自発的な参加者に対して、「何を共創することができるだろうか?」と考える
  • 顧客、取引先、出資者、紹介者、共同経営者…
  • すでに手にしているものの価値というのは、自分だけでは決められない
  • 問いかけ(asking)
  • 自らのアイデアを積極的に説明すること以上に、相手の話をより多く聞くことが、極めて重要
  • 協力をしてくれる相手が、必ずしも直接的なリターンや経済的な見返りを期待しているとは限らない
  • 不確実性への対応に熟達するうえで最重要の活動こそが「the Ask」
  • 自らを取り巻く半径2メートルの世界を変える=コントロール可能な範囲で新たな行動を生み出す
  • 「巻き込み力」「巻き込まれ力」
  • おねだり
  • 積極的に、他の協力者に“おねだり”をする、また、積極的に他者の提案を受け入れる
  • 自分が気付かない価値を、想定しない人が教えてくれる
  • 私自身の行動や事業内容が変化していっただけではなく、内面の関心(私は誰か)もまた変化しており、それが具体的な行動として変貌
  • 関心軸

『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著より


簡潔に感想を言えば、ものすごく面白かったです。

読書『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著

『Effectuation エフェクチュエーション』(ダイヤモンド社)吉田満梨・中村龍太著

読書『図書館の神様』(ちくま文庫)瀬尾まいこ著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『図書館の神様』(ちくま文庫)瀬尾まいこ

いつものカメリアステージ、貸出カウンター横の特集棚から。いつも、棚のポップよりも本のタイトルにすぐ目が行ってしまうので、特集棚の特集テーマが何だったのか、ちゃんと見ていませんでした。「図書館」がテーマだったのかもしれません。上の写真は、わたしがこれまで訪問した図書館のなかでも印象の強かったひとつ、福岡女子大学の図書館です。

瀬尾まいこさんの著書は『そして、バトンは渡された』以来です。いつ読んだんだっけ?と、ブログ検索してみましたが、なんとアップしていませんでした。読んだ本をすべてアップしているわけではないのですが、いいお話だなぁとほっこりした読後感を覚えていますし、映画化で話題になった本でもありますので、これをアップしていないのは我ながら意外でした。ちなみに、本の印象が良かったので、そのイメージを維持したくて、映画は観ておりません(笑)。

さて『図書館の神様』。すごく、良かったです。主人公が抱えている傷はまあまあハードなものであるにもかかわらず、文章のテンポや言葉がとてもやさしくて、安心して読み進むことができました。そういえば『そして、バトンは渡された』も同じ感じでしたね。それにしても、高校教員の主人公が顧問をする「文芸部」の部員が一人=マンツーマンという設定が、とても面白かったです。そしてその部員の高校生の大人びていること、「そんな子いるかなぁ」と思いつつ。「文芸部」の活動を通して主人公が変わっていく姿が、嬉しく映りました。文芸部の活動場所が図書館だったので、タイトルが『図書館の神様』なのですね。

文庫版で200ページ足らずでしたので、週末サクッと読了。文庫版では、そのあとに短編がもうひとつ載っていました。タイトルは『雲行き』こちらもやさしい文体で、するっと読みました。こういう読書もいいですね♪

『図書館の神様』(ちくま文庫)瀬尾まいこ

読書『わたしの人生』(新潮社)ダーチャ・マライーニ著/望月紀子訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『わたしの人生』(新潮社)ダーチャ・マライーニ著/望月紀子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚からの一冊。表紙の写真が印象的で手に取り、小説かと思って借りてきました。著者はイタリアを代表する小説家・劇作家だそうですが、本書はご本人の回想記=ノンフィクションです。1936年生まれの著者が、たくさんの文筆活動をしながらも、これまで書いてこなかったこと。「今書かなければ」という思いに突き動かされたのだろうということが、読後にしみじみと感じられました。

1938年から日本に住み、1943年から終戦まで一家5人で抑留された、2年間の体験が語られています。戦時中に日本に暮らす外国籍の方々がどのような目にあったのか、当事者によって語られたものを、わたしはこれまで読んだことがなかったと思います。読んだことはありませんでしたが、日本の官憲がひどいことをしたのではないかという推察はできるもので、恐る恐るページを繰りました。

ひどい目にあった著者が、それでも自分は日本を恨んではいないし、日本が好きだと言ってくれることが、読む者にとって救いになりました。数々の出来事や行為に対して、抑留された人たちが、日本の歴史や日本人の精神性からそれを紐解こうとする姿に、理性や知性を保ち続けることの強さを感じました。

新潮社の公式サイトでの紹介には、映画翻訳でおなじみの戸田奈津子さんが短評を寄せています。訳者のあとがきも、力が入っています。歴史をのなかで何度も同じ過ちを繰り返してきた人間への警鐘が込められた一冊です。

今回「はじめまして」の著者さんでした。これを機会に、彼女の書いた小説も読んでみたいと思います。

『わたしの人生』(新潮社)ダーチャ・マライーニ著/望月紀子訳

2025年二本目-映画『教皇選挙 CONCLAVE』を観てきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2025年二本目-映画『教皇選挙 CONCLAVE』を観てきました。

正直なところ、昨年は「これは絶対に観に行きたい!」という映画がなくて、「今観るならこれかなぁ」という感じで、映画館に足を運んでいました。もともと事前にどんな映画なのかを詳しく調べることはほとんどなく出かけるのではありますが、観終わったときには「よかったー!」となることも多かったので、観るまではわからないというのが実際のところです。昨年観たなかでは、『フェラーリ』が(とりわけ主演のアダム・ドライバーが)まさに、期待以上にすごくよかった一本でした。

今年二本目の本作は、映画館で観た予告編で、久しぶりに「これはぜひ観たい!」と期待していたものでした。そして実際のところ、「観てよかった!」 なんなら「もう一回観たいかも」な満足度。重厚で緊張感のある2時間でした。《極上のミステリー》の宣伝文句は、そのままそのとおりです。ほとんどは「隔離」された屋内の映像ですが、とても美しく、陰影と色彩が深く印象に残りました。印象的なセリフもいくつかありました。なかでも、聖職者は「理想の姿を追い求める者」であって「理想の姿そのもの」ではない、というセリフが、その職にある人たちのリアルを感じさせました。

主演のレイフ・ファインズさんの出演作に『ハリー・ポッター』があると知って、『ハリー・ポッター』なら何回も観ているぞ!?と思い、ポスターのお顔をじっくり見ましたが、何の役をやっていたのかまったく思い浮かばず。ググったところ、なんと、ヴォルデモート卿でした。お鼻を隠してみたら、ああ、たしかにそうかもしれない!と。その主演さんはじめ出演者すべての顔ぶれが、ここまで「熟練のいぶし銀」という映画も珍しいかもしれません。すっかりその世界に引っ張り込まれました。

わたしが「コンクラーベ」という言葉を知ったのは、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世が亡くなった時のこと。ウィキペディアによると2005年4月のことですので、ちょうど20年前のことですね。宗教にまったく興味はありませんでしたが、このヨハネ・パウロ二世さんが来日した時の印象がとても強く、なんとなく親しみを感じさせるものでしたので、お名前とお顔が記憶に残っています。これまたウィキでググったら、1981年に東京・広島・長崎にいらっしゃっていました。当時わたしは10代ですが長崎に住んでいましたので、特に印象に残っているのかもしれません。その後、大学の卒業旅行でローマ・バチカンに足を運んだ時、現地ガイドの方が「あそこから教皇が手を振ってくれることもあるんですよ」と教えてくださり、友人たちと「出てこないかな~」とそわそわしたことも良い思い出でした。残念ながらお目にかかることはできませんでしたが。

映画『教皇選挙 CONCLAVE』

偶然ですが、前回観た『ゆきてかへらぬ』も本作も、キノシネマの木下グループの配給でした。良い映画に連続で出会えていて嬉しいです♪

読書『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳

最近の実用系書籍のタイトルは長い、と、本屋さんでタイトルを眺めているとよく思います。本書もその例にもれず、表紙に書いてある文章=タイトル・サブタイトルは、

『THIS IS WHY YOU DREAM 夢を見る技術 最新脳神経科学が明かす、睡眠中の脳の驚くべき力』

おかげで、どんなことが書いてあるのかを推測しやすいですね^^

わたし自身がこれまでに読んだ「夢」についての本といえば、ほとんどが心理学的アプローチのものでした。ユング、フロイト、というお決まりのライン。夢中になったのは、高校・大学時分で(ありがちですが ^^; )本で独学しました。ユングもフロイトもとても面白くはありましたが、例えばシンボルの考え方ひとつとっても、文化的な背景・生きてきた環境の前提の違いを考えれば日本人に当てはめるのは違和感がある、というのが正直なところでした。そんなわけで、「夢って面白い」と漠然と夢の力を感じてはいても、それを診断したり分析したり解釈したりすることへの興味はめっきり減退していました。本書は、著者が「脳神経外科医」であり「神経生物学博士」であるというのが、わたしが飛びついた一番の理由でした。

以下、備忘。


  • 過剰適合仮説
  • イメージリハーサル療法。
  • 創造性とは独創的なアイデアや既成概念にとらわれない思考だけを指すのではない。それを実現するために必要な専門知識や、アイデアを事項に移すための決断力も含まれている。
  • インキュベーション・ピリオド(あたため期間)
  • 30分から60分程度の昼寝→反復作業によって疲れた心を回復させる効果
  • 60分から90分程度の昼寝→作業パフォーマンスを大幅に向上、学習効率を高める
  • 昼寝は創造的な問題解決に有効
  • 夢の三つの力:視覚的創造力、(過去の映像や感覚、感情を追体験する)エピソード記憶、(未来を予測する精神的な)タイムトラベル。
  • 夢は視覚的でありながら空間的な体験。
  • 心の声である夢を解釈できるのは、あなただけ。
  • 夢を通じて過ごす人生は、私たちが可能だと考える範囲を冷え尾毛てくれる。その自由な状況のなかで、夢は進化における重要な利点、すなわち物事に適応するための心を与えてくれる。

『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳より


正直なところ、学術的な難解さもあり、理解が及ばない部分も多々ありました。上の写真は、巻末の参考文献リスト。このリストが20ページを超えています。それでもこのような本を、一般人に向けて書いてくださったことは、嬉しくありがたく。「夢」に興味のある方は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

『夢を見る技術』(光文社)ラウール・ジャンディアル著/橋本篤史訳

第113回九州EC勉強会「これからのSEOの話をしよう」に、参加してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

第113回九州EC勉強会「これからのSEOの話をしよう」に、参加してまいりました。

九州EC(九州ECミーティング)は、経営者やECに取り組む方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。完全ボランティアで続いている、稀有な勉強会組織。毎回、充実したテーマと講師による勉強会を博多で開催してくれるので、ほんとうにありがたい存在です。第113回九州ECは「これからのSEOの話をしよう~E-E-A-TとYMYL、コンテンツ・マーケティングでAI時代に大切にしたいこと~」のテーマで、株式会社ユウキノイン代表取締役・酒匂雄二さんを講師としてお迎えしました。

たしかに「SEO」の話ではありましたが、SEOというフィルターを通した「ブランディング」の話だったのだと思います。「SEO対策」という言葉を聞くと、ちょっぴり小手先感が漂ったりもする昨今ですが、そういうテクニック的なものとはかけ離れたお話でした。

以下、備忘。


  • 地産外商。
  • 記事で重視されるのは、文字数ではなく「文脈」。
  • alt属性=視覚的に認識できない人にも、同様の情報を届けるためのもの。
  • 事業は継続していくことが、世のため人のため自分のため。
  • 売り手とお客様の間にロイヤリティがあれば、顧客単価アップ(値上げ)はGOOD。
  • お客様との時間を増やす。
  • ライブ感=ファンイベント、展示会、工房見学等。
  • 歴史を語る、自分たちが考えていることを語る。
  • 「読みもの」を作る。
  • 「オリジナリティ」に注力する。
  • LinkedIn。
  • ウィキペディア。
  • 日本語圏のグーグルと英語圏の検索の傾向は、まったく異なる。
  • グーグルのAI利用ガイドラインは要チェック。
  • 「労力のかかっているコンテンツ」。
  • 「ドメインの趣旨」と異なるコンテンツはアップするな。
  • 労力・独自性・才能や技術・正確性。
  • 引用=出所(名前・URL等)を明示すればむしろOK。
  • EEAT:経験・専門性・権威性・信頼性。
  • 「商標」の効用。
  • 「実在」を証明する価値。
  • 誰が何を言うか=「自分は何者か」をはっきりさせる。その「証拠」をつくる。
  • プレスリリース→ニュースサイト→ブランディング。
  • グーグルビジネス「言語設定」多言語化する。
  • Do、Know、Goの見極め。
  • ○○専用→理由→開発秘話。
  • 当たり前のことこそちゃんと伝える。例)米と水だけのお酒。
  • ブログ=更新頻度アップと、読者数アップが肝。

第113回九州EC「これからのSEOの話をしよう~E-E-A-TとYMYL、コンテンツ・マーケティングでAI時代に大切にしたいこと~」株式会社ユウキノイン代表取締役・酒匂雄二さんのお話より。


こうしてあらためて復習すると、誰もがスマホを持ちインターネットの情報を当たり前に享受する時代に、情報を発信するサイドがわきまえるべきリテラシーのお話だったということがわかります。とっても勉強になりました。ありがとうございました!

「日日是好日」のテーマにあった本の紹介、というお題をいただきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「日日是好日」のテーマにあった本の紹介、というお題をいただきました。

読書記録はブログにまあまあアップしているので、「本の紹介コラムを書いてください」というご要望には、持ちネタのなかから拾ってくることができ、「わたしでよければ喜んで!」です。今回いただいたお題は、本の中でも「『日日是好日』のテーマに合うもの」ということ。「喜んで!」とお返事したものの、はてどれぐらい該当するものがあるかしらと、まずはさっそく読書記録をさかのぼってみました。

「日日是好日」のテーマに合いそうな候補本を、まずは2025年1月~3月で探してみると…

読書『人気建築家と考える50代からの家』(草思社)湯山重行著

『美学への招待 増補版』(中央公論新社)佐々木健一著

季刊誌『AXIS 2025.1 winter』株式会社アクシス

『おとなのOFF 絶対見逃せない2025年 美術展』(日経TRENDY)

こんな感じです。実用書系のタイトルが並んでしまいました。しかも二冊は季刊誌です。ほんとうは小説など「役に立てようと思って読むものではないもの」のなかからこそ選びたいと考えていたのですが、この期間中に読んだものの中では、少々難しそうです。

なので、もう少しさかのぼって2024年後半を見てみると、

『「ふつうの暮らし」を美学する』(光文社新書)青田麻未著

『小さくも重要ないくつもの場面』(白水社)シルヴィー・ジェルマン著/岩坂悦子訳

と、やっと小説が出てきました。小説は解釈次第でテーマに合わせることもできると思いますが、それも程度問題だと思うので、無理には持ってこないほうが良いのかもしれません。

あとは、ぱっと頭に浮かぶものとして、アランの『幸福論』だったり、中原中也の全集だったり、AAミルン『くまのプーさん』だったりという感じですね。詩集はこのテーマに合いやすいかもしれません。茶道関係の本は、「日日是好日」のテーマに対してストレートすぎるので、せっかくなら意外性のある所から見つけてきたいな、と思いつつ。このお題を考えることを、しばらく楽しめそうです^^

読書『真夜中の太陽』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『真夜中の太陽』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

先日読んだ『失墜の王国』がとても面白かったので、著者名検索で既刊本をさかのぼり、いつものカメリアステージ図書館から借りてきました。

本書もまた「ノワール小説(犯罪小説・暗黒小説)」に位置づけられていましたが、『失墜の王国』のあとがきで「著者のそれまでの作品はソフト・ノワール」というようなことを書いてあった通り、『失墜の王国』を先に読んだ身としては、だいぶソフトに感じました。

舞台は北欧ノルウェーの北極圏、少数民族のサーミ族が暮らす地域でした。『真夜中の太陽』のタイトルは、夜中でもお日様が沈まない彼の地の夏の景色を思わせます。わたしはノルウェーには行ったことがありませんが、フィンランドのやはり北極圏・ラップランド地方に行ったことがあるので、その風景を思いながら読みました。わたしが行ったのは、真昼間でもお日様の姿が見えず、日中の数時間だけが明るくなる真冬でしたので、まったく逆なのですが。でも読み終わったときには、一日中「ずっと暗い」というのと「ずっと明るい」というのは、どちらも閉塞感を伴うものなのかもしれないと感じていました。

ノワール小説でありながら、文学的な雰囲気と美しさを感じる文章で、サクサクと読了。訳者のお名前を確認したところ、やはり同じ方でした。わたしはこの方の日本語の雰囲気が好きなのかもしれないな、と思いつつ。

『真夜中の太陽』(早川書房)ジョー・ネスボ著/鈴木恵訳

カメリアステージ歴史資料館で開催中の「令和6年度発掘速報展 新原・奴山古墳群」を見てきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

カメリアステージ歴史資料館で開催中の「令和6年度発掘速報展 新原・奴山古墳群」を見てきました。

カメリアステージ図書館の1階にある歴史資料館は、コンパクトな展示エリアながら、空調管理のできる特別展示室を備えた資料館です。図書館に行くついでに歴史資料を見ることができる、それもまあまあ良い環境で観れるというのは、実はかなり嬉しいこと。そして毎年度末に、その年の発掘調査の報告展示があったり、研究成果をテーマ展示にしてくれたりするので、それがまた、とても嬉しいのです。

前回、ここで企画展示を見たのは2月のことでしたので

令和6年度分はそれでお終いなのかと思っていましたが、古墳の調査成果の展示が展示されるという情報を得て、図書館がてら足を運びました。

「令和6年度発掘速報展 新原・奴山古墳群」展

ふだんからよく目にしている景色である古墳群。発掘調査のお手伝いをしたことがあるわたしとしては、車で通るたびに「あ、今ここ掘ってるんだ!」とワクワクしています。現代の自分が親しみを感じている場所で、古代の人たちがどのように暮らしていたのか。発掘調査の成果を知ることは、まさにこの土地ならではの贅沢です。

今回の展示では、出土品が須恵器数点と数は少なかったのですが、遺構がどのように残っていたのか、豊富なカラー写真で解説する報告書が「ご自由にお持ち帰りください」で設置してあったのが、嬉しかったです。いつもは資料館入り口にあたる場所に、展示の看板が置いてあるのですが、今回は少し奥まった場所になっていて、ぱっと見わかりにくかったのが残念でした。もともと興味のある人は奥まで行って見るけれど、そうでない人にも、まずは「ついでに」でよいので見て欲しい展示です。せっかく展示しているのですから。

古墳好きの方、福津・宗像方面お越しの際は、ぜひカメリアステージ歴史資料館にもお立ち寄りくださいね。

カメリアステージ歴史資料館