【告知】藤吉憲典上海個展。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

【告知】藤吉憲典上海個展。

昨年に引き続き、上海の皆さんに藤吉憲典の作品をご覧いただけることになりました。前回もお世話になったギャラリー未在味在空間さんのプロデュース。そして、上海の最高級和食店として名高い「日本料理くろぎ上海」さんと「南京路佐々」さんがサポートしてくださっています。心より感謝申し上げます。

会場はベラージオ上海ホテル内にある「和食くろぎ」さん。オープン時に隈研吾氏の設計で話題になったそうですね。

藤吉憲典上海個展
藤吉憲典上海個展

2種のポスターに表されているように、日本の伝統工芸美と、その基礎の上に立つ現代的なオブジェ、両方をご覧いただける展覧会です。日本の磁器文化は、その発展の過程で中国からたくさんの影響を受けてきました。藤吉憲典もまた、中国の古いものから学んだことは数知れず。その恩返しの気持ちが作品で伝わったらいいな、というのが作家の想いです。

「磁器によるアート」の可能性を感じていただけると嬉しいです。

平面と立体のあいだ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

平面と立体のあいだ。

辻仁成&江國香織共著の恋愛小説『冷静と情熱のあいだ』を読んだことは無いのですが、登場人物は絵画の修復家だったのですね。当時「○○と□□のあいだ」という言い回しが流行り、コントのネタに使われていたのを思い出しました。

さて

美術作品を説明する際の要素のひとつに、ジャンルがあります。平面・立体・映像・インスタレーションなど。藤吉憲典の場合、陶芸家・彫刻家としてこれまで作ってきたものはほぼ100%「立体」です。美術やアートといったときに多くの人が真っ先に思い浮かべる「絵画」は平面です。写真も平面作品ですね。

このところ海外での作品発表の機会を見据えて藤吉憲典が集中的に取り組んでいるのが、「平面と立体のあいだ」である「半立体作品」。これまでにも数点作ってきてはいますが、まとまった数手掛けるのは、20数年の陶歴において初めてのことです。

ここに至る要因はいろいろとありますが、なかでもここ数年「世界史を建築家の視点で学ぶ」シリーズでさまざまな歴史的・芸術的建築物を見て解説を聞き、学んだことも大きかったと思います。半立体の彫像や装飾レリーフが空間に果たす役割の素晴らしさ偉大さを、意識的・無意識的に刷り込まれました。

藤吉憲典の半立体シリーズは、現在「シマウマ」と「人魚」をテーマに広がりつつあります。これから先の展開が、いっそう楽しみです。

藤吉憲典の新作、続々追加中。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典の新作、続々追加中。

藤吉憲典の英語版公式サイトに、アート作品の新作紹介。

https://fujiyoshikensuke.com/artwork/

海外ではアート作品をメインに発表しているので、英語版サイトでもそれに準じた作品紹介になっています。

食器もチェックしたい!という皆さまには、フェイスブックやインスタグラムのほうが、いち早くご覧いただけると思います。どうぞよろしくお願いいたします。現在、藤吉憲典の公式日本語サイトでも食器も紹介していこうと準備中。こちらはゆっくりお待ちいただけると幸いです。

食器をいち早くチェックできるのはこちら!
藤吉憲典公式インスタグラム

作品撮影でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

作品撮影でした。

8月最終日、12月に開催される藤吉憲典ロンドン個展に向けて、カタログ用の写真撮影。いつもお願いしているabcフォトの赤司さんに、今回も託しました。

これまでの経験で、磁器作品を撮るのはプロのカメラマンでもなかなか難しいとわかっているので、毎回安心してお任せできるありがたさは格別です。

撮影の様子を毎回拝見していて頭が下がるのは、赤司さんの撮影技術・腕前の凄さの前に、作り手の「どう撮って欲しいか」の意を汲んでくださる繊細な感性。

一言でいえば「作品をカッコよく撮る」に尽きるのですが、「なにをもってカッコいいと言うのか」お互いに理解しあえているからこそ、作り手が満足する写真が撮れるのだと、つくづく思います。

今回も、最初のセッティングが決まってからは、サクサクと気持ちよく撮影が進みました。いつもありがとうございます!

浮遊感のある、磁器作品。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

浮遊感のある、磁器作品。

ダンナ・磁器作家・藤吉憲典がこのところチャレンジしているテーマのひとつです。

磁器は割れものですから、底辺に設置してある状態が一番安心。そのイメージを覆して宙に浮かせ、もっと自由になろうということです。

2点で支えて浮かせた置きものや、壁面や天井から吊るすような陶板レリーフなど、磁器素材でこれをやるんだ!?というような飾り方。

アートと素材を考えるとき、いろんな作品を見ていつも発生するのが、「その素材である必要性・意味はあるのか?」ということ。

磁器の特性を生かせばこそなる美しさと、はかなさ。そこに、磁器の特性を逆手に取った面白さが加わると、磁器という素材の可能性はもっともっと広がっていきます。そこを、素材自体を変えることなく、技法と工夫でチャレンジしていくのが、作家の腕の見せ所。

一番近くで見ているわたしが、一番楽しみです。

内側とか裏とか底とか。

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内側とか裏とか底とか。

写真は、藤吉憲典のつくる陶箱シリーズのひとつ「染錦(そめにしき)蛙に紫陽花(かえるにあじさい)陶箱」。蓋の裏側にも、アジサイ。

12月のロンドン個展に向けて追い込み制作中のダンナ・藤吉憲典。ロンドンでのプロモーション用に作品の写真をいくつか送って欲しいという、Sladmore ContemporaryギャラリーオーナーGerryからのメールに、こんな一文がありました。

「ケンの作品写真、正面からだけじゃなくて、内側とか、裏とか、底とかの写真もよろしく!」

もちろん原文は英語でしたが、日本語訳すると、だいたいこんな感じ。

このメッセージを受けて、嬉しくてたまりませんでした。Gerryがほんとうに藤吉憲典の作品が大好きで、どこにその良さがあるのかをきっちりと理解してくれていることが、あらためて伝わってきたからです。

そもそも、将軍への献上品や大名諸氏への贈答品として、その技術・文化を発展させてきた肥前磁器の素晴らしさは、表面的な美しさだけでなく、形・絵付ともに、見えていないところにまで配慮し手を入れるデザインと、そのデザインを形にする技術力の高さにありました。

その美点をしっかり継承していくことは、磁器作家・藤吉憲典が己に課した使命でもあります。見えない細部にまでしっかり手を入れる仕事。それを見てくれている人、わかってくれている人がいるということは、作り手にとって、大きな喜びになります。

降りてきた!?

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

降りてきた!?

ものづくりをする人=ダンナ・藤吉憲典がときどき言うことばです。現在、11月からの上海個展と、12月のロンドン個展に向けて「創造脳」フル回転中のダンナ。

あきらかに手が動いているときは「仕事をしている」感じがありますが、仕事中なのだか休憩中なのだかわからないような状態も多々。でも、この(傍から見ると)ぼんやりした時間も必要な時間なのだと、20年以上一緒に仕事をしてきて、慣れてきました。

そんな「ぼんやりした時間」がスパッと切り替わるのが、「降りてきた」とき。手の動き方、集中の仕方がまったく変わるので、「降りてきたんだなぁ」と思っていると、案の定「降りてきたから」と。

写真は今朝「降りてきた」後に、グンと制作が進んだシマウマのレリーフ。 何ものかが降りてきて、いろいろなことがしっくりくると、どんどん進むようです。出来上がりが楽しみです。

夏休みスタート。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

夏休みスタート。

近所の小中学校の夏休みが、いつもより約1週間早くスタートしました。昨年の猛暑を受けて、エアコン設置工事のためだそうです。今年は梅雨入りが遅く、それほど暑くなる前にお休みに入ったのでなんとなくピンと来ません。

昼間、近所に子どもたちの気配があるのは、やっぱりいいですね。最近の子どもは忙しすぎると聞きますが、ここ津屋崎では、多少はゆっくりできているように感じ、ホッとします。

花祭窯の今年の夏は、ひたすら「つくる」夏です。11月から12月にかけて、上海、ロンドンと海外個展が続くので、そこに向かっての制作期。すでに現地でのプロモーション準備はスタートしているので、提供する写真の準備や、和文・英文でのアーティストステイトメント作成、レセプション案の相談など、わたしの裏方仕事も少しづつ緊張感が高まってきています。

ネコに猫じゃらし。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ネコに猫じゃらし。

モデルは友人の愛猫だった「ジークフリート」さん。赤いスカーフがトレードマークです。

ネコに猫じゃらし陶箱 藤吉憲典
ネコに猫じゃらし陶箱 藤吉憲典

そういえば、過去にはこんなのもありました。

ネコに毛糸玉陶箱 藤吉憲典
ネコに毛糸玉陶箱 藤吉憲典

猫じゃらしといい、毛糸玉といい、猫との相性抜群の組み合わせ。遊び心がデザインを面白くしますね。

野兎とレンゲ草。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

野兎とレンゲ草。

環境が創作活動に与える影響には、目に見えやすいもの、目に見えにくいもの、いろいろあるのですが、こうして作品のモチーフになるとわかりやすいですね。どのような景色がつくり手の目に映ったのか、イメージが浮かびます。

創業地である佐賀の花祭は、「里山」と呼ぶのがピッタリの場所です。目にするウサギと言えば、その辺を走る野で、田んぼや畑や空き地には、春になるとレンゲ草がたくさん。

野兎とレンゲ草陶箱 藤吉憲典
野兎と白詰草陶箱 藤吉憲典

陶芸家・藤吉憲典の仕事は、自分が愛する美しい風景を形に遺すことができる仕事です(^^)