アート三昧の後は、器三昧。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アート三昧の後は、器三昧。

南青山の百福さんから個展案内状が届いた!と喜んでいたのは10月中旬のこと。気がつけば、もう今週末11月26日土曜日が個展初日です。あっという間ですね。

11月はロンドン個展(アート)と、百福さんでの個展(器)がひと月のなかに入りましたので、作家・藤吉憲典は、器をしっかり作り込んだうえで、まずは先にオープンするロンドンの個展へ。その間、わたくしは百福さんでの個展の準備です。個展に出す器のリストを作成し、梱包し、発送する、というところまで。展覧会のスケジュールが混んでいたからこそ、早め早めに器が出来上がっていたというのは、発送作業をする者にとっては助かりました。

今回の個展に向けては、久しぶりに蕎麦猪口を少し多めにご用意することが出来ました。ご飯茶碗もいろいろと作っていますので、新年に向けて新しいご飯茶碗を見繕うのも楽しいと思います。『美の壺』放映以来問合せの増えていたマグカップも少し多めにご用意しましたので、こちらはクリスマスプレゼントに良いかもしれません。そして、いつものことですが、ぐい呑、盃、片口…と酒の器がたくさん。

自分用に、贈りもの用に、ハレの日に、ふだん使いにと、選んでいただけると思います。ぜひ藤吉憲典の器を楽しみに、百福さんにいらしてくださいませ。


藤吉憲典展(磁)
百福 momofuku
2022年11月26日(土)-12月2日(金)※会期中無休
12時-18時※最終日17時まで
東京都港区南青山2-11-6-1F
TEL03-6447-0952

NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi スタートしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi スタートしました。

ロンドンSladmore Contemporaryでの個展がスタートしました。「案内状が来た!」と思ったら、あわただしく作家の渡航準備。今回はわたしは日本でお留守番でしたが、無事オープンの連絡をギャラリーからもらい、ホッとしたところです。

コロナ禍を経て3年ぶりの個展。先の予定を立てるのが難しい時期にありながら、個展開催を決定し準備してくださったギャラリーと、新作を楽しみにお待ちくださったクライアントの皆さまに、あらためて心より感謝しています。ダンナが顔を出した11月16日夕方からのオープニングと、翌17日のアーティストデモンストレーションでは、懐かしい方々と楽しい時間を過ごすことが出来たようです。

写真はオープン前の様子。わたしもその場に居たかったです(笑)

NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi ロンドンSlasmore Contemporary
NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi ロンドンSlasmore Contemporary
NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi ロンドンSlasmore Contemporary
NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi ロンドンSlasmore Contemporary

作家はオープニングを見届けて帰国しておりますが、会期はクリスマス12月23日まで続きます。

博物館リンクワーカー人材養成講座がはじまりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

博物館リンクワーカー人材養成講座がはじまりました。

せっかくの機会なので、具体的な実践につなげていくための学びにしたいと、今年は自分なりに事前準備をいたしました。まずは、自分の取り組みスタンスを整理。

できる範囲での周辺知識の獲得。

連続講座第1日目は、九州産業大学の緒方泉先生による「博物館浴」研究の最前線の報告からスタートしました。そのなかでピンときたキーワードは次の通り。

  • 博物館に課せられる「ケアの義務」
  • 博物館法=社会教育法+文化芸術基本法
  • MUSEUM CHANGES LIVES
  • 博物館やギャラリーは、英国におけるウェルビーイング資源
  • 英国での取り組み Museum Health &Well-Being Summit
  • メンタルヘルスプログラム、MINDFUL MUSEUM
  • 感覚から科学へ
  • 博物館健康ステーション
  • 脳の仕組みの変化を追う
  • 回想法のキーワードは「共感」

これまで、社会教育法のうえに根拠を置いていた「博物館法」が、今年度から社会教育法にプラスして文化芸術基本法をも根拠とするように変わったという、日本の法令上の変化は、遅れ馳せ感はありながらも、きっと歓迎すべき変化なのだろうと思いました。

講座後半はグループに分かれて「語り場」タイム。久留米大学の学芸員課程を教えておられる先生、宮崎県総合博物館の解説員さん、下関市考古博物館の学芸員さんとご一緒させていただきました。宮崎県総合博物館では既に週3回、福祉施設と連携した回想法の開催をしているということで、実際の取り組みについてお話を伺うことが出来たのは、とても刺激になりました。

NEW PORCELAIN SCULPTURE

こんにちは。花花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

NEW PORCELAIN SCULPTURE

11月16日オープンのロンドン個展の案内状イメージが届いて、差し出されたタイトルに、またひとつ今後の展望を示されたような気がしています。

NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi @ SLADMORE CONTEMPORARY
NEW PORCELAIN SCULPTURE by KENSUKE FUJIYOSHI

藤吉憲典のつくるものを何と称するか、藤吉憲典の肩書は何なのか。第三者に伝えるには、わかりやすく言葉にすることが必須です。なんと表現するのか最も合っているのか、もっとも伝わるのか、その都度頭をひねっているのですが、今回SLADMOREからいただいた「NEW PORCELAIN SCULPTURE」の文字を見たとき、思わず膝を打ちました。

NEW PORCELAIN SCULPTURE。日本語で言い換えれば「新しい磁器彫刻」です。確かに、そうです。ごく普通の言い回しにもかかわらず、ひとつのジャンルが生まれたような気がいたしました。言葉の力ってすごいですね。そういえば昨年5月に参加した展覧会「BEYOND BRONZ」すなわち「ブロンズを超える」というのも、SLADMOREから贈られた一つのイメージでした。

藤吉憲典の作品群に、「新しい磁器彫刻」という位置づけは、とてもしっくりきます。これを新しいジャンルとして切り開いていくことが、陶芸家(磁器作家)でもあるアーティストとしての、道筋のひとつとなりそうです。

ロンドン個展の案内状が届きました。

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ロンドン個展の案内状が届きました。

NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi SLADMORE CONTEMPORARY
NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi @ SLADMORE CONTEMPORARY
藤吉憲典ロンドン個展2022
NEW PORCELAIN SCULPTURE by Kensuke Fujiyoshi @ SLADMORE CONTEMPORARY

ロンドンSLADMOREより、11月16日オープンの個展案内状が届きました。前回の個展から「e-invite」=電子案内状をメールでご案内するようになっています。個展出品作品のカタログも「e-catalogue」が先行してギャラリーのトップクライアントに送られます。世界のどこにいるコレクターさんにも、同じタイミングで作品閲覧機会を提供できるということですね。

11月に入り、準備も大詰め。ドキドキワクワクです。

特別展のあとは文化交流展示室@九州国立博物館。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

特別展のあとは文化交流展示室@九州国立博物館。

九州国立博物館の常設展示・文化交流展示室。前回伺ったのは5月。半年近く経っていましたので、展示入れ替えが進んでいる部屋がいくつもあり、今回も見応えがありました。ちょうどこの日から、テーマ展示「いつもそばにいた 人と動物のアジア」がスタートしていたので、グッドタイミングでした。特に第8室の「シルクロードの動物たち」が良かったです。

やきもの関連では、多彩な江戸文化を紹介する第11室で、特集展示「御所の器」として古伊万里が展示されていました。江戸末期から明治のものが多かったです。公家好みなのでしょうか、染付の器の数々が、デザインも作りも絵付けも単調で面白くないのが残念でした。煙草盆やキセルは良かったです。お隣の第10室「九州陶磁の華 田中丸コレクション」は、安定の充実ぶり。今回も素晴らしい器を拝見して、大満足しました。

文化交流展示室には、修学旅行と思しき学生さんたちの姿が戻ってきていました。美術館・博物館に子どもや学生の姿があるのは、とっても嬉しいですね。やっと通常の状態に近づきつつあるのだな、と思いました。最後は大好きな第6室「アジア人の理想の姿」へ。仏像の皆さんにご挨拶して、大満足。

特別展 ポンペイ@九州国立博物館。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

特別展 ポンペイ九州国立博物館

九州国立博物館での今回の特別展は、一番楽しみにしていたポンペイ展。九州国立博物館の周囲は、いよいよ紅葉シーズンがはじまろうかという雰囲気でした。ロンドンに行ったときに古代ローマ帝国の気配を感じる遺跡で感動したのは、5年前のこと。あの感動が蘇ってくる展覧会でした。

ポンペイ展、よかったです!会期中に時間が取れたら、もう一度観に行きたいと思っています。特に素晴らしかったのが、モザイク画の数々。かなり期待して出かけましたが、その期待を上回る良さでした。朝一番に出かけたので、まださほど混んではおらず、至近距離でじーっと見たり、少し離れた場所から眺めたり、時間をかけて拝見することが出来ました。

数々のブロンズ像も素晴らしかった。いくつかのブロンズ像の、練りガラスではめ込まれた「目」に惹かれました。大理石の石像も素晴らしかった。…と、嬉しいばかりの展示でした。全ての作品が撮影可能(フラッシュは禁止)というのも、国内の展覧会では珍しく、良かったと思います。資料保存の観点から許されるものについては、こういう方向になっていくと良いですね。あちらこちらで、自分のお気に入りを撮る方々がありました。

ちなみにわたしが撮ってきたのは、この1枚。

このほか、黒曜石の盃、エメラルドと真珠母貝のネックレス、カメオ、ヘビ型ブレスレット、イセエビとタコの戦い(モザイク)などが、目に留まりました。

特別展「ポンペイ」のサイトでも、いくつかの顔ぶれをご覧いただくことが出来ます。

11月末は、南青山の百福(ももふく)さんで「藤吉憲典展(磁)」。

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11月末は、南青山の百福(ももふく)さんで「藤吉憲典展(磁)」。

写真は、先日百福さんから届いた、個展案内状。画像をクリックすると拡大でご覧いただくことが出来ます。

藤吉憲典展(磁)百福さん

百福さんとのお付き合いは、町田にももふくさんがオープンなさったときから。当時佐賀の山奥にあった花祭窯まで、オーナーの田辺さんがいらしてくださったのでした。一年おきに開催していた町田での個展。実はわたしは町田生まれです。10歳で引越しをしてからなかなか行く機会の無かった生誕地に、ももふくさんのおかげで足を運ぶ理由が出来たのは、個人的にとてもありがたいことでした。

昨年、百福さんが南青山にお店を移転なさったので、今年からは南青山へと場所が変わります。コロナ禍下で動きが縮こまりがちであったところに、百福さんから移転のお話を聞き、その攻めの経営姿勢に脱帽し、同世代としてとても勇気づけられました。

いつもの百福さんの、新しい場所での個展。藤吉憲典としても初心に返るような気持で臨んでいるようです。10月に入って、飯碗・湯呑など、ふだん使いの器がどんどん出来上がっているところ。会期スタートの11月下旬に向けて、あと3回ほど本窯を焚く予定ということなので、その意気込みの大きさが伝わってきます。


藤吉憲典展(磁)
百福 momofuku
2022年11月26日(土)-12月2日(金)※会期中無休
12時-18時※最終日17時まで
東京都港区南青山2-11-6-1F
TEL03-6447-0952


お一人でも多くのお客さまに、藤吉憲典の器の現在をご覧いただけると幸甚です。

博多と天神の中間でちょっと時間が出来たら。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

博多と天神の中間でちょっと時間が出来たら。

このエリア、コーヒーでも飲みながら仕事のできるカフェはたくさんありますが、ふじゆり的おすすめスポットは、福岡アジア美術館にあるアートカフェ。先日久しぶりに足を運び、やっぱりいいなぁ、と実感。リバレインセンタービル7階の、アートと本が同時に楽しめるオープンスペース&カフェです。図書スペースには、国内外のアート・旅に関する約1 万冊の書籍が国別やテーマ別に並んでいて、電源付きのデスクもあります。

この素敵な空間、わたしが行くのがたいてい平日の日中だからかもしれませんが、未だかつて「人が多くて使えない」と感じる事態に遭遇したことはありません。電源付きデスクのエリアには、「長時間のご利用はご遠慮下さい」的な譲り合いを促すメッセージがありますが、たいていは空いています。ここでは食べ物は駄目ですが、飲み物はOK。

図書については、福岡アジア美術館は、実は8階にも図書閲覧室があります。アジアの近現代美術に関する世界有数の蔵書(図録、書籍、雑誌など)を持つ、閲覧のみの図書室です。7階の図書スペースがオープンスペースなら、8階はややクローズドな雰囲気。ですが、こちらももちろん無料で使うことが出来ます。

ともあれ、気楽に使うなら、俄然おススメは7階。美術と本とカフェ。大好きな組み合わせの穴場空間です。

福岡市美術館の常設展示が、いい。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡市美術館の常設展示が、いい。

鳥獣戯画展の報告ブログを書いたのは、昨日のことでした。

鳥獣戯画展を観たあとは、そのまま同じフロアの常設展示室の「コレクションハイライト」へ。上の写真は、2022年12月27日まで展示予定のKYNEの壁画

通年展示のコレクションハイライトは、近現代の作品が中心です。何度も見ていますが、何度見ても見ごたえのある作品がいくつもあります。フロアを広くとっているので、空間的にも気持ち的にもゆっくり拝見することが出来るのも嬉しい。先日の郷育カレッジ「知識要らずの美術鑑賞」講座でレプリカをお借りしたシャガール作品「空飛ぶアトラージュ」のホンモノにまずは挨拶。

ダリ、ミロ、バスキアと眺めて、あれ!?と足が止まりました。画をじっくり観たあと、キャプションを見て納得、横尾忠則作品「Y字路」シリーズのひとつでした。おそらくずっとあったのだと思いますが、これまでは気に留めていませんでした。つい先日、横尾忠則についてのレポートを書いていたところでしたので、なんとなく目に留まったのかもしれません。所蔵品検索をかけてみたところ福岡市美術館は70点ほどの横尾忠則作品を持っていることがわかりました。

カフェでの休憩をはさんで、続いては1階にあるコレクション展示室へ。東光院仏教美術室の仏像は、いつ見てもワクワクします。お気に入りは十二神将の立像。仏像の皆さんにご挨拶したあとは、松永記念館室へ。この部屋ではお茶道具や仏教美術のコレクションを拝見できます。「秋の名品展」と銘打った展示を開催中で、勢いを感じさせる木造の風神像がとても良かったです。最後は、古美術企画展示室。「明恵礼賛」のテーマで、こちらも茶道具をたくさん拝見することが出来ました。

九州国立博物館でも、わたしは常設展示がお気に入りですが、あらためて福岡市美術館の常設の素晴らしさを堪能しました。常設展示だけなら200円で拝見できるのですから、とってもお得で嬉しいですね。贅沢な一日でした。