『新しい私 書店 通信』(三菱一号館美術館)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

『新しい私 書店 通信』(三菱一号館美術館)

5月に訪問した三菱一号館美術館で見つけた『新しい私 書店 通信』。三菱一号館美術館のブランドスローガン「新しい私に出会う、三菱一号館美術館」をコンセプトに、ウェブ上に生まれた架空の本屋さんです。

たまたまそのオープン2周年記念冊子が発行されていたのを手に取り、持って帰ってきたのでした。よくよく読んでみたら、「新しい私に出会う」という三菱一号館美術館のブランドスローガンは、日本語と英語の違いはあれど、わたしがスタートしたMeet Me at Art と言葉も似ているし、根底にある思いととっても近そうだと気づき。

実際、ウェブ上の 新しい私 書店 を訪問してみると、その本棚には興味深いテーマの数々と、テーマに沿った本の紹介文が並んでいます。書籍紹介のサイトはいろいろとありますが、ここは「アートや文学」を考えたときに探してみたくなる場所です。

美術館・博物館・図書館でのおしゃべりは厳禁なのか?

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美術館・博物館・図書館でのおしゃべりは厳禁なのか?

先日、いつも使っているカメリア図書館で、素敵な掲示が目に入りました。上の写真がそれ。

学芸員研修などで美術館・博物館の方たちとお会いするなかで、よく話題にのぼるものに「鑑賞マナーをどう考えるか」というものがあります。

走らない、大声を出さない、携帯電話は使わない、作品に触らない…いろいろありますが、実は「そんなに大きな声でなければ、おしゃべりするのはOKだと思う」とおっしゃる学芸員さんがほとんどです。気持ち的にはむしろ「展示を見て、作品についての感想を話しあったりして楽しんで欲しい」と。

ところが、実際に日本の美術館・博物館でおしゃべりをしながら観覧していると、それが展示作品に関連する内容であっても、展示室の監視員さんから「少し静かにしてください」と言われたり、声を掛けられないまでも、視線で牽制される(笑)ことが少なくありません。

話を聞いてみると、「静かに」というプレッシャーは多くの場合、別の観覧者の方からの要望が背景にあるようです。実際には、迷惑になるほどの話声であることは少ないようですが、どちらかというと「美術展は静かに観るもの!」という価値観に端を発していると思われるケースが多そうです。学芸員の方も板挟みになっているのですね。

カメリア図書館での掲示を見て、それぞれの館が、このように自館の意思表示を続けていくことが解決につながるかも!と、思いました。より展示を楽しむためにおしゃべりしながら観るのはOKですよ、という気持ちが伝わる掲示ができるといいですね。

サイレントオークションに行ってきました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

サイレントオークションに行ってきました!

福岡市地行浜(ヤフオクドームの近く)にあるみぞえ画廊さんで開催中のサイレントオークションに出かけてきました。

オークションというと、映画のワンシーンにありがちな場面が思い浮かびますよね。オークション会場に入札希望者がワイワイと集まり、オークショニアの弁舌にのせられて価格が吊り上がり、最後は二人が競り合って、ついに買い手が決まるとハンマーの音が鳴ってお仕舞い‥というような。

「サイレント」の場合は、その「音」がありません。今回のみぞえ画廊さんの場合は、会期中の好きな時間に画廊を訪問し、オークション対象の作品を閲覧したうえ、欲しいものがあったら「入札希望価格」を申し出て、残してきます。すでに入札者がある場合は、金額がついているので、欲しい場合はより高い金額を提示。会期終了時に、それぞれの作品の最高価格をつけた人が購入権を得るというもの。

最低価格1万円からの小品版画など、購入を検討しやすいものが多数ありました。すべての作品に、スタート価格(最低価格)と即決価格が提示されていました。その即決価格も極端に高いわけではなく、作品が動きやすそうな値付けがしてあることに、感心しました。そして、実際にけっこう動いていました。

聞けば、みぞえ画廊さんのサイトでオークションのことを知ったという、比較的若い方、若いご夫婦の参加がけっこうあったということで、生活のなかにアートをとりいれる習慣が少しづつ広がりつつあることが伺えました。

かく言うわたしは、気になった作品が3つ。ひとつは既に即決で購入者が決定しており、もうひとつは一人入札価格を付けている方があり、もうひとつはまだ誰も価格を付けていないものでした。

結局、決めきれずにいったん帰宅。 会期終了までに「やっぱり欲しい!」と思ったら、オークションに参戦してこようと思いますが、観に行ったからと言って、欲しいものが無ければ入札する必要は全然ないのです。あくまでも「欲しいもの」があったら、入札。なので、興味のある方は、こういう機会にぜひ足を運んでみることをおすすめします。楽しいですよ(^^)

アートフェアアジア福岡2019

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アートフェアアジア福岡2019

関係者でもなんでもないのですが、宣伝を(^^)

アートフェアアジア福岡2019

近年、日本各地でも盛んになってきたアートフェア。アートフェア東京がやはり規模的には一番大きいのだと思いますが、今回5回目を数えるアートフェアアジア福岡も年々規模が大きくなっています。

観に行く側としては、規模よりも質が気になるものですが、それは現地に足を運んでみないとわからないというのが実際のところ。これはどこのアートフェアでも同じですが、出展ギャラリーの数が多くても、質が比例するわけではないのが難しいところだと思います。でも、たくさんあるなかでひとつでも「お!」という作品に出会えたら、それだけでもラッキーですよね。

わたし個人的には、今年はプレイベントで寺田倉庫さんのトークイベントがあったり、山口周さんのトークイベントがあったりと、素晴らしい機会に参加することができたので、メインイベントであるアートフェアにもちょっぴり期待。ミヅマアートギャラリーさん(東京)と、みぞえ画廊さん(福岡)のブースはは必ず観たいと思っています。

当日お時間のある皆さん、ご興味があったらぜひ足を運んでみませんか。入場料(1日券1500円、フリーパス3000円)はかかってしまいますが、普段「アートギャラリーってちょっと入りにくい」と思ったり「アート初心者」を自認する方ほど、参加しやすい機会だと思います。

アートギャラリーでの対話型美術鑑賞プログラム。

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アートギャラリーでの対話型美術鑑賞プログラム。

学芸員研修を通して美術館・博物館での教育普及プログラムを考えたり、美術館の常設展示を用いて対話型鑑賞をしてみたり、座学の講座形式で「対話型美術鑑賞」を解説したりしてまいりましたが、このたび「アートギャラリー向け」のプログラムを作りました。

アートギャラリーオーナーの皆さま、貴ギャラリーで扱っている作品(絵画、彫刻など)を題材に美術鑑賞ツアーを開催しませんか?

そもそもわたしの「美術はもっと身近に使える」という思いは、「鑑賞する」を越えて、もっと生活のなかにあたりまえに美術が存在して欲しいというものです。

そのためにも、まずは「鑑賞する」環境や習慣が自然に生まれることが一番。アーティストではない立場でアーティストの言葉を代弁してきたわたしとしては、美術教育で一番大切なのは、描くことでも作ることでもなく、まずは鑑賞することです!と、あえて言い切りたいのです(笑)

ともあれギャラリーで対話型鑑賞のツアーをすることは、参加する方が「自分のこととして、ひとつのアート作品に向き合う」絶好の機会となります。

採り入れてみたい!という方は、お気軽にご相談くださいませ(^^)

mmaa連絡先
https://fujiyuri.com/blog/meet-me-at-art/

九国に来たら、文化交流展示室。

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九国に来たら、文化交流展示室。

九州国立博物館に足を運ぶのは、特別展の企画内容に興味があってのことではあるのですが、毎回特別展同様楽しみなのが、常設展にあたる「文化交流展示室」。

最近は、まず足を運ぶのが、展示室6。仏像や曼荼羅図の掛け軸などが展示してあることが多いです。「アジア人の理想の姿」の部屋と名前がついていますが室名はさておき。今回はカッコいい四天王像が待っていてくれました。

そして、展示室10の「田中丸コレクション」。陶磁器のコレクションの部屋で、定期的に入れ替えられているので、毎回必ずチェック。そういえば、先日行ってきた福岡市美術館でも、田中丸コレクションが観れました。

この二部屋をまずは押さえて、あとはぶらぶらと回ります。土偶コーナーもお気に入り。文化交流展示のエリアはとっても広いのですが、休憩できる場所がしっかりあるので、ゆっくり何度も回ることができます。

文化交流展示室の構成はこちらでご確認できます(^^)

もう何度も何度も言っているのですが、九国にお越しの際は、ぜひ4階の文化交流展示室にもお出かけくださいね♪

室町将軍 戦乱と美の足利十五代@九州国立博物館!

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室町将軍 戦乱と美の足利十五代@九州国立博物館!

ひさびさの九州国立博物館。夏休み、平日の朝一番に行って参りましたところ、ゆっくり楽しむことができました。

写真は、展示室に入ってまず目に飛び込んできた秀逸なパネル。わたしは普段、展示パネルをほとんど読まずに素通りするのですが、ここでは思わず足が止まりました!さらに出品目録とともに置いてあった、子ども向け(?)の「ワークシート」がこれまた素晴らしく、スタートから学芸員さんの熱意がバシバシと伝わってきました。

とっても面白かったです。その後の戦国時代などに比べて、なんとなくスポットが当たりにくい「室町時代」。なかなかどうして、見どころがたくさんありました。個人的には「勘合貿易」にまつわる品々に興味津々でした。そのほかには「寒山図」「肩衝茶入」など「お!」と目を引くもの数点。

そしてなんといっても、13体の足利将軍座像がぐるりと並んだ様は、迫力がありました。これは是非、京都の等持院で拝見したいな、と思いつつ。ひとつひとつを丁寧に見ていくと、顔つきに表れている人柄が感じられ、時代を追っての変容も面白かったです。初代尊氏像の厳しい顔つき、よかったです。

室町将軍 戦乱と美の足利十五代は、九州国立博物館にて9月1日(日)までです(^^)

福岡市美術館に行ってきました。

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福岡市美術館に行ってきました。

今春リニューアルオープンした福岡市美術館に、やっと行って参りました。まずは2階の入り口につづく外階段エリアに、草間彌生の黄色に水玉のカボチャ発見。同じカボチャのキーホルダーを何年も前からリュックにつけているのですが、最近「これ知ってる!」と言われることが増えてきたのは、福岡市美術館リニューアル効果だったのかもしれませんね。

さて今回のお目当ては、新しくなったコレクション展示室。1階に古美術の展示室、2階に近現代美術の展示室。以前より、広く明るい雰囲気の空間になっていて、とても嬉しかったです。

古美術の展示室では、まず十二神将に出迎えられました。円形に配置された十二神将をぐるりと回って拝見。いいですね。続いての企画展示室では、グッドタイミングなことに田中丸コレクション「唐津と高取」を観ることができました。朝鮮唐津の徳利が特に良かったです。

松永記念館室では「松永耳庵(じあん)の茶」と題して、四つの茶席を再現した道具が展示してありました。床の間を模した展示スペースが良かったです。

2階の近現代美術展示室では、シャガールのニワトリがお出迎えしてくれました。休日の午後でしたが、観覧者はそれほど多くなく、じっくり見ることができました。常設の展示室はゆっくり観ることができるのが、なによりの魅力です。

コレクション展示室への入館料は、1階・2階含めて200円。展示室を出る前に「再入場したいのですが」と係の方に申し出れば、再入場用のハンコを押したチケットをくださいます。わたしは一度全部回った後に、再入場してシャガールをあらためてじっくり見てまいりました。

当日はあいにくの雨でしたが、館内にカフェスペースや、座って休憩できる場所があちこちにあって、ゆっくり過ごせそうです。コレクション展の展示入れ替えがあったころに、また訪問したいな、と思いつつ。

山口周講演会 in 福岡市美術館 ART FAIR ASIA 2019 プレイベントに行ってきました。

こんにちは。花祭窯おかみ・アートエデュケーターふじゆりです。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 山口周講演会 in 福岡市美術館 ART FAIR ASIA 2019 プレイベント』に行ってきました。

タイトルが長いですね(笑)

2017年に読んだ『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」で、考え方が近いと勝手に親近感を覚えていました。その山口周氏の講演が福岡であると聞いて、これは必ず行かねば!!と。

期待以上の面白さでした。福岡に呼んでくださった、アートフェアアジア福岡2019実行委員の皆さんに心より感謝申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

以下、備忘。


  • 日本は「美」の発展途上国(後進国)である。
  • コンマリが評価されるということは、近代が終わったということ。
  • 人間が世の中に出す価値はなにか?
  • マーケティングルールよりも、感性に根差した提案が勝つ状態。
  • 役に立たないけど意味がある。
  • 文明(役に立つ) vs 文化(意味がある)
  • 個人にとっての「意味」→意味の多様化→いろんな種類の嗜好品が求められる時代。
  • 目線を鍛える。
  • キャパシティを上げる。
  • (論理ではなく)ビジュアルとストーリーで動かす。
  • 顧客との関係性における「意味」。
  • 個人的な喜怒哀楽に根差したものかどうか。
  • 本当に強く思っていれば、はるか遠くからでも見つけてくれる時代。


山口周さん、本を読んだ印象では、もっと厳しい感じの方をイメージしていたのですが、思いのほか柔らかい雰囲気をまとった方でした。きっと、このしなやかさこそが、芯の強さなのですよね。言葉の選び方、話題の運び方、質問者への対し方、どれをとっても知的でクールな物腰で、わたしもこんなふうに話せるようになりたいなぁ、と。

「日曜美術館」にヒントがいっぱい!?

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「日曜美術館」にヒントがいっぱい!?

先日受講してきた学芸員技術研修会では「展示グラフィック」がテーマでした。写真はその研修会場だった長崎県美術館。

マーケティング的な要素をきちんと取り入れた研修会で、参加者に終始一貫して求められたのは、「この展覧会を見に来たら、あなた(観覧者)にとってどんないいことがあるのか」を考える基本姿勢。そのうえで「いかに伝えるか」というテクニック的な話が続きました。

チラシやポスターといった広報物にはじまり、キャプションや解説パネルなどの展示物制作においての技術まで、常に「観覧者にとってどうか?」の立場に立ち続けることの重要性が説かれました。

そんな研修会のなかで、講師の 株式会社ノイエ代表・熊谷淳一氏 の口から出てきたのが「日曜美術館の構成をイメージしてみてください」という言葉。曰く、この番組のなかで用いられている演出に、展示グラフィックを考えるヒントがたくさんあるとの示唆でした。

なるほど!もちろんタイトルは知っていましたし、番組を観たこともありますが、そういえばこのところずっと観ていませんでした。あらためてチェックしたみたら、1974年からスタートして今なお続く長寿番組なんですね。これだけ続いているということは、やはり視聴者を引き付ける要素がたくさんあるということなのでしょう。

というわけで、しばらく「日曜美術館」に注目してみようと思います。