暮らし用品さんの「酒器展」に、藤吉憲典も参加いたします。

おはようございます。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

暮らし用品さんの「酒器展」に、藤吉憲典も参加いたします。

暮らし用品さんでは先日初めての個展が無事終了したばかりでありますが、12月に開催される「酒器展」にも参加することになりました。なので、引き続きの告知です。

さっそく案内状が届きました。今回の酒器展は、暮らし用品さんとしても初めての試みだそうで、暮らし用品さん自体が、どんな展示になるかとても楽しみにしているとおっしゃっていました。藤吉憲典も、複数の器作家さんの作品とご一緒する器の企画展は、ここ10年以上ありませんでしたので、なんだかワクワクしています。

陶・磁・ガラスの作家八名の、酒の器をご覧いただくことが出来ます。オーナーの米田さんからは、お正月向けに、酒器以外にも何かあれば、ということでしたので、ハレの席で使えそうなちょっとした食器も並びそうです。藤吉憲典は、ふだんから作っている酒器に加え、来年の干支「辰」に合わせて龍の文様を入れたおめでたい盃や、広東碗型の龍の蕎麦猪口などをお届けする予定です。昇龍の書画もお届けしようかな、などと考え中。先日の個展とはまた異なった顔ぶれとなりますので、ぜひ楽しみに♪


暮らし用品 酒器展

【参加作家】井上美樹、岩田圭介、高梨良子、西川聡、浜野まゆみ、藤吉憲典、村木雄児、渡邊心平(五十音順)

【会期】2023年12月9日(土)~12月19日(火)※水・木曜休み

【時間】11:00~18:00

【場所】大阪市阿倍野区阪南町1-45-15

【電話】06-6628-2606

暮らし用品さんの「酒器展」に、藤吉憲典も参加いたします。

偶然発見、「coppers早川 造形展」@阪急うめだ本店。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

偶然発見、「coppers早川 造形展」@阪急うめだ本店。

先週のことですが、大阪日帰り出張の帰りに、ちょっぴり時間を作ることが出来ました。

現在大阪市内では、めぼしい美術館が大規模施設修繕で長期休館しています。おそらく万博に備えて、なのでしょうね。そのうえ月曜日でしたので、美術展を観に行くのは諦めておりました。が、新幹線の時間に少し間がありましたので、せっかくだからと梅田で降りて久しぶりに阪急さんのうめだ本店へ。

どんな展示をしているかは全く情報の無いままに、7階の美術画廊へ直行。そこで目に飛び込んできたのが、上の写真にあるようなオブジェの数々でした。金属だということはわかりましたが、何で作っているのかなぁ、造形が面白いなぁ、と思いながら拝見。すみません、coppers早川さん、存じ上げませんでした。早川篤史さん(息子さん)と早川克己さん(お父さん)による親子ユニットだということで、DMに書いてある略歴を拝見して、なるほどと納得。

展覧会タイトルに「coppers早川 造形展 ~銅の不思議な世界 2023~」とあった通り、不思議な、でも何となく懐かしい親しみを感じる作品が並んでおりました。造形にも色合いにもなんだか明るさがあって、完成度の高さは感じながらも、取り澄ましていない姿に好感。短い時間ながら充実した鑑賞時間となりました。そうと知らずに阪急さんに向かったのでしたが、ラッキー♪阪急うめだ本店さんでの会期は11月7日まででした。

おかげで、弾丸日帰りながらも一つ展覧会を観ることができて、充実度合い増し増しの大阪出張となりました。最近は、できるだけ出張の際に、美術館やギャラリーでの展覧会を観る予定を入れるようにしています。coppers早川さんは、福岡では福岡三越で個展を開催なさることがあるようです。情報チェックして、また見に行きたいと思います。

特別展「古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」@九州国立博物館 を観て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

特別展「古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」@九州国立博物館 を観て参りました。

日曜日は朝一番で九州国立博物館へ。花祭窯から九州国立博物館へは、車の混み具合にもよりますが、だいたい1時間半程度です。と思って8時に出発したところ(九博のオープンは9時半なので)、長いこと工事が続いて片側一車線をいくつも抱えていた道路がいつの間にかほぼ全線開通しており、1時間で到着。思いがけず早く到着できたので、開館前の30分は、便利な「アクセストンネル(虹のトンネル)」でつながっている太宰府天満宮へお参りに行くことが出来ました。ラッキー♪

さて九州国立博物館。今年三回目の訪問は、年初の美術展チェックから楽しみにしていた、古代メキシコ展です。

6月に手元に届いた季刊誌『TRANSIT』の特集がメキシコだったのも後押しして、否応なく期待が高まっておりましたが、

その期待に応えてくれる、大満足の展示内容でした!

まずなによりひとつひとつの展示作品が素晴らしく、ピラミッドの写真をドーンと据えた壁面も効果的で、適度な展示間隔と背面までぐるりと見える展示が随所にあり、年表や地図などの資料も充実していました。

何が一番良かったか!?選べません。あれもこれもと、もし家に持って帰って良いと言われたれら、欲しいものがたくさんありすぎました。「今日の一番」を選ぼうと会場を2周しましたが、どれもこれも、素晴らしい。土偶の数々が、土偶と呼ぶにはその装飾の凝りようがすごすぎました。赤の女王の部屋も良かった。3周目に入ろうかと思いましたが、さすがに10時を回るとお客様の数が増えてきましたので、断念。大満足の展覧会でした。

全作品が撮影OK(ただしフラッシュ禁止・動画禁止)というのも、良かったと思います。自分の好きなものを写真で持って帰ることが出来るというのは、とても嬉しいこと。わたしは、特に子どもたちが自分の気に入ったものと一緒に写真を撮ってくれたらいいな、といつも思うのです。ずっとあとから写真を見返したときに、その時の自分の好きだったものを辿ることが出来るので。日本国内の美術館博物館も、だんだんと撮影OKを推進するようになってきたので、良かったなぁと思います。もちろん保護保存の観点から、撮影禁止をするべきところはするべきですが。

九州国立博物館の特別展は、年内はこれがラストです。会期は12月10日まで。大満足の休日でした。

特別展「古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」@九州国立博物館 

Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その2。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その2。

現代アートコレクターのOmer Koc氏は、藤吉憲典のSladmore Contemporaryでの最初の個展の時から、作品を購入してくださっています。ロンドンのギャラリーMESSUMSから刊行される氏のコレクション図録に、インタビュー記事を提供いたしました。英文原稿については刊行待ちとなりますが、元となっている日本語原稿を一足早くこちらでご紹介いたします。


Q3. あなたにもっとも影響を与えたアーティストあるいはアート作品は?

A3. わたしに影響を与えたものとして、一人のアーティストあるいは一つの作品を上げるのは、とても難しいことです。ミケランジェロ、ルノアール、マティス、ピカソ、シャガール、クリムト、ロダン、モネ、北斎、漫画家の永井豪、大友克洋、手塚治虫、そして、名も知らぬ古伊万里の職人たちや、あらゆる分野のアーティストとその作品からさまざまな影響を受けています。

表現手法や技術的な影響だけでなく、彼らのチャレンジングな生き様もまた、わたしに大きな影響を与えています。彼ら先人たちのおかげで、わたしは作りたいものを作り、好きなことに挑戦する勇気を持つことが出来ました。

例えば「人魚」という作品があります。伝統的な肥前磁器の表現技法・技術で作られていますが、海の色や鱗の色の表現はモネの影響が強く出ています。またその姿・造形には、マニエリスムの時代の影響がみられます。そして作品全体の醸し出す雰囲気を見れば、漫画家・永井豪の世界観に強く影響を受けていることがわかります。

ただ、実のところ制作している最中には、まったくそのようなことは意識も意図もしていません。ただ自分が「こうすると一番美しくなる」と信じるように作るのみです。完成した作品を観た人からそのような感想を得て、あらためて自分で振り返ると、なるほどその通りかもしれないと感じる次第です。

わたしはアカデミックな美術教育を受けていませんので、わたし自身の五感の美意識に忠実に作品を作っています。美しさの基準は、ひとつではありません。たくさんの偉大な先人たちが創り出した美しい作品の数々に、たくさんの影響を受けています。


実はこのほかにもいくつか質問を受けていましたが、それらは個別の作品についての質問で、文章だけでは伝わりにくいものがありますので、ここでは割愛いたしました。全文(英文)の公開は、図録の刊行を待つことになります。とっても楽しみです。

↓「Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その1.」はこちら↓

久しぶりの大阪、久しぶりの新幹線で日帰り出張-暮らし用品さんにおじゃまして参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりの大阪、久しぶりの新幹線で日帰り出張-暮らし用品さんにおじゃまして参りました。

もう何年大阪に行ってなかったかしら…ということはつまり、山陽新幹線にもずいぶん乗っていない、ということで、久しぶりの新幹線ホームからワクワクの大阪へ。目的地は、「藤吉憲典 陶展」開催中の、大阪阿倍野の暮らし用品さん。

その前に、どうしても顔を出しておきたいところがあり、まずは東大阪へ。従前通り、難波で近鉄線に乗り換えて行ったところ、「新大阪から直接来たんやったら、JRの東線で来れたのに」と路線図を見せられ、「ええええー!」と驚愕。そんなラインが通っていたなんて、知りませんでした。懐かしいお顔にご挨拶を済ませて、次は阿倍野方面へ。近鉄線のホームで難波行きの電車を待っていて「尼崎方面」の文字が目に入りました。「尼崎???」と路線図を確認したところ、なんと阪神線に乗り入れているではありませんか!いろいろなラインが繋がって便利になっていたのですね。そっかぁ、そんなに大阪に来てなかったんだなぁ…と、すっかり浦島太郎でちょっぴりショックでした。

さて暮らし用品さん、実はわたしは初めての訪問でした。「伺います!」といいながら、何度も予定が流れてしまい、ようやくおじゃますることが出来ました。ダンナから話には聞いておりましたが、とっても雰囲気のある長屋の一角で、玄関先から続く素敵なたたずまいに、思わず顔がニヤニヤしてしまいました。

そんな暮らし用品さんの店内の様子を激写して参りました。

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

靴を脱いで上がる空間は、とっても落ち着いた空間です。畳に座ってじっくりと器を愛でるのに、最適。ご来店なさるお客様も、皆さん長居をして楽しんで行かれるようです。わたしが伺ったときは、本降りの雨が降り出したところでしたが、雨に濡れた坪庭の雰囲気も素晴らしく、すっかりくつろいでしまいました。

店主の米田さんと、たくさんお話が出来ました。今回の「藤吉憲典陶展」は本日11月7日が最終日ですが、このあとも暮らし用品さんと、一緒にいろいろと取り組んで行くことが出来そうです。とっても充実した日帰り出張となりました。

福津市の図書館のサイトが新しくなりました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福津市の図書館のサイトが新しくなりました!

システム改修のために長期休館していた福津市の図書館が、11月1日ようやくオープン。いやぁ、待ちかねておりました!

↑の記事でも書きましたように「図書システムの更新」が今回の休館の理由でしたので、まずは新しいウェブサイトにアクセスするとことから、図書館生活復活です。

福津市の図書館 

システム更新に合わせて、URLも変わっていました。旧アドレスから自動でジャンプするようになっていましたので、そこは心配なく。ただ、あらためてログイン登録をしなおさなければならないというのは、不親切ですね。大事な「入り口」で足止めされるのは不本意ですから、ここは旧システムから引き継げるようにしておいた方が、スムーズで良かったと思います。再登録させることに何か別の意図があるなら、仕方ありませんが。

続いては、新しいサイトで蔵書検索と予約をお試し。あくまでも個人的な感想ですが、本を検索してから予約完了画面に至るまでの道のりが、以前よりもやや長くなったような。これは足を運んだ時に司書さんに聞いてみたところ、実際経由する画面数が増えていることがわかりました。そして、これまでは検索した本のスペック(ページ数とか発行日とか)とともに内容が簡単に表示されていたのですが、それが無くなっていたのが、残念だなぁと。

まだ新しいシステムに慣れていないから、というのももちろんあると思いますが…ちょっと使いにくくなっている!?という思いを抱えつつ、図書館に足を運ぶと、カウンターに司書さんらスタッフだけでなく、館長さんもいらっしゃって、再開後のお客さまをお迎えしていました。図書館側としては、貸し出し等に伴うシステムの使い勝手が気になるのでしょうね。返却・貸し出しの手続きは、これまで通りスムーズに進みました。

さっそく司書さんと館長さんに、新しい図書検索システムの使い勝手の感想をお知らせ。更新=改善したところに、マイナスの感想を報告するのはどうかとも思いましたが、福津市立図書館協議会委員を務めている役割意識もあり、また運用を始めてから微修正していくこともあるかもしれないと期待しつつ、ここは正直なところをお伝えしました。

ともあれ無事の再開はとても嬉しく。平日の午後でしたが、図書館内は賑わっていました。皆さん開館を楽しみに待っていたのですね。

暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」スタート!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」スタート!

久しぶりの大阪個展は、阿倍野の暮らし用品さんです。ちゃんと調べてみましたら、関西方面での個展は2017年が最後となっておりましたので、なんと6年ぶり。関西方面の皆さま、たいへんたいへんお待たせいたしました。

大阪・阿倍野にある暮らし用品さん。数年前から、常設で藤吉憲典の器を扱ってくださっています。暮らし用品さんでは初めてとなりますので、暮らし用品さんのお客さまに「はじめまして」のご挨拶をする気持ちです。常設ではふだん使いに取り入れやすい器を中心にお届けしておりますが、個展ではアイテムを絞り込まずに、「藤吉憲典」の様々な顔をご覧いただけるよう、お届けしています。

暮らし用品さんのインスタグラムでも、器をご紹介いただいております。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

藤吉憲典陶展 暮らし用品

暮らし用品 藤吉憲典 陶展

【会期】2023年10月28日(土)~11月7日(火)※水・木曜休み

【時間】11:00~18:00

【場所】大阪市阿倍野区阪南町1-45-15

【電話】06-6628-2606

ART FAIR ASIA FUKUOKA (AFAF)2023 観に行って参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ART FAIR ASIA FUKUOKA (AFAF)2023 観に行って参りました。

アートフェアアジア福岡(以下、AFAF)です。今年はVIPパスをいただきましたので、少し早め、混みあう前に観に行ってくることが出来ました。会場はマリンメッセ福岡B館。すっかり大規模アートフェアの様相を呈してきました。ホテル開催のアートフェアからスタートしたことを考えると、この数年で隔世の感があります。ホワイトキューブなブースが並ぶさまは、メディアでよく目にする海外の大規模アートフェアさながらの雰囲気でした。

120軒以上のギャラリーが出展するなか、効率よく回れるよう、あらかじめ見たいところを絞り、そこを目指す道々、目についたところに立ち寄る、という感じで会場を歩きました。今回わたしが「とりあえず外さずに見よう」と決めていたのは、みぞえ画廊、日動画廊、ミヅマアートギャラリー、小山登美夫ギャラリーと、先日AFAFのプレイベントでお話を聞いてきたコレクター・宮津大輔氏のキュレーションによる特別展示のコーナー。

さてAFAF。純粋に、楽しかったです!目当てを決めて動いたので、まったく通らなかったエリアもありますが、限られた時間で回る以上、そこは仕方がないと割り切りました。逆に、目に留まったブースでは時間をかけ、作品をじっくり拝見し、ギャラリストさんのお話を聞くようにしました。このギャラリストさんとの会話が、現在の日本の現代アート市場を垣間見るのに、とても勉強になりました。そして、自分の扱う作家さんへの愛情が強く感じられる方々にお会いすることが出来たのは、とても嬉しいことでした。

個人的に今回一番気に入ったのは、日動画廊-nichido contemporary artさんと、韓国から参加なさっていたGallery Upkasさん。特にGallery Upkasさんは、まったくノーマークで偶然見つけたのですが、韓国在住でアメリカにもルーツを持つという作家・Alika Yonさんの出す青とオレンジ色がとても美しくて、しばし見入りました。

全体の感想としては、いっときのような、コンセプトありきでコンテンポラリーのためのコンテンポラリーという感じだったり、すでに売れている誰かに追随した二番煎じ三番煎じの雰囲気ありありのものだったり、という空気感が少し和らいだ気がしました。もちろん、相変わらずそういう作品もたくさんありましたが。ただ、出展ギャラリー数が増えたことにより多様性が生まれて、「ザ・コンテンポラリー」の印象が薄らいだのかもしれないな、という好感は持ちました。わたし個人的には、嬉しい限りです。

また全体に若手を推し出すところが多かったようで、小品で10万円前後からのプライスがついているものが多々あり、自らの眼力で作品・作家を探し出す格好の機会となっていたように感じました。コレクション形成の最初の一歩を踏み出すのに、ちょうど良いアートフェアかもしれません。といいつつ、わたし自身は作品購入には至っておりませんが(笑)。

AFAFは、明日9月24日(日)まで。お時間のある方、ご興味のある方、ぜひ出かけてみてください♪

ART FAIR ASIA FUKUOKA (AFAF)2023

講演会『経営者のためのアートセミナー』-「教養」「投資」としてのアート-に参加して参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

講演会『経営者のためのアートセミナー』-「教養」「投資」としてのアート-に参加して参りました。

アジアをコンセプトとした唯一のアートフェア「アートフェアアジア福岡2023」が、いよいよ来週に迫って参りました。そのプレイベントとして、今年はスペシャルアドバイザーに就任しておられる宮津大輔氏の講演会が、9月に入ってから福岡市内で開催されています。わたしは福岡商工会議所が主催となった掲題の講演会に、参加して参りました。

もともと「サラリーマンコレクター」として有名だった宮津さんは、その後芸術系大学の修士・博士課程で学び直しをされ、現在は横浜美術大学の教授でいらっしゃいます。前回宮津さんの講演をお聞きしたのは、やはりアートフェアアジア福岡の関連イベントで、2019年のことでした。

4年前の講演備忘録を読み返しても、当時のワクワクした気持ちが蘇りますが、今回の講座はさらに「経営者に向けて」とのタイトルに寄せた、独特の面白さがありました。

以下備忘。


  • アカデミック&実践知としてのアート教養。
  • 「資産」であり「ファミリープライド」としてのアート。
  • コンテンポラリーアートとは「同時代性を持ち」「(西洋)美術史上の文脈で語ることが出来る」もの。
  • アート市場において、現代アートは53%の市場占有率を持ち、年々上がっている。←古い良品がほとんど市場に出なくなっているため。*公的美術館に入ったものは、余程の事情がない限りまず市場に出てこない。
  • オークション市場における国別占有率:米国42%、英国18%、中国17%。日本は1%。
  • 未だ日本人にとって美術は「観に行くもの」であり、「購入して手に入れるもの」になっていない。
  • アートの価格形成は、「ローカル」「ドメスティック」「グローバル」×「古美術」「近代美術」「現代美術」の掛け合わせによる。
  • 「現代アート」の台頭:Visual Art(目を楽しませるアート)からConceptual Art(社会課題を表現するアート)へ。
  • 第二次大戦後美術の中心は、パリ→NYへ/具象の時代→抽象の時代へ。
  • 1980年代~新自由主義。重厚長大のものづくりの時代から金融・ITの時代へ。
  • コロナ禍後の今は、中世の価値観がペストにより砕かれたルネッサンスの時代と似ている。*生き残ったモノだけが「古典」となる。
  • アートに描かれる、呪術・ローカル・民俗・宗教。
  • Look Back。世間一般の価値は、後からついてくる。
  • 優れたアーティストだけでは、価値創造・歴史化は不可能。
  • 「アートでありビジネス」は、成り立つ。例えば「チームラボ」。
  • ポーラ美術館・アルティゾン美術館:財団として本業の筆頭または上位株主となる=買収防衛となり、配当による利益を高額な作品購入に充てることが可能。
  • フランスー中東。アート輸出による資源確保(仏)/資源立国から観光立国への脱却(中東)。
  • 書道の起源は「彫ること」にあり。

講演会『経営者のためのアートセミナー』-「教養」「投資」としてのアート(宮津大輔氏)より


とても楽しく学びの多い1時間半でした。現代アート市場に挑戦していく側として、これまでのスタンスが間違っていないことを、再確認することのできる内容でした。この機会を作ってくださった、福岡市商工会議所とアートフェアアジア福岡実行委員会に心より感謝です。

『知識要らずの美術鑑賞』ご参加の皆さんからのご感想。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

『知識要らずの美術鑑賞』ご参加の皆さんからのご感想。

福岡市美術館での美術鑑賞講座を開催してきましたのは、つい先日のことでした。

ご参加の皆さんからのご感想が届きました。今後の研修に生かすべく、以下備忘。


  • 今までこんなに作品をつきつめて鑑賞したことはありませんでした。
  • ひとつひとつの作品をじっくり鑑賞できて、とても有意義な時間を過ごしました。また美術館に行って、もっとゆっくり回りたいと思います。
  • 質問できるのがよかった。
  • 今日のような見方をしたことが無かったので、勉強になり楽しかったです。
  • 常設展示作品は観ていなかったので、今回鑑賞できてよかったです。
  • とても楽しく参加できました。ガイドの方もお話が上手で素直な感想が言えました。
  • 一つの作品をここまでじっくり観ることがなかったので、貴重な体験でした。みんなでワイワイ意見を出し合って見るのも楽しいですね。
  • とっても楽しく過ごせました。これからはゆっくりみてみようと思いました。
  • 日頃、なかなか来ることが出来ない、福岡市美術館を見学して、ボランティアガイドさんと一緒に説明してもらってわかりやすかったです。
  • 美術館は久しぶりで良かったです。説明していただき、自分だけでみるだけでなくよかったです。
  • 今日、見た作品、ちょっと不思議な作品でわかりにくかった。
  • 美術館、久しぶりでした。一人でゆっくり再度来てみたい。
  • 良かった。
  • たいへん楽しく参考になりました。
  • わからないと思った作品も自分なりに感じた事を言葉にし、見直すとちょっと違って見えるので見方が変わるようです。

美術館に行くこと自体が久しぶりだった、という方も少なからず、やはり一人で行きづらいという方もあるようで、「美術館への同行」のニーズを感じました。ひとつの作品に時間をかけて向き合う体験が初めてだったという方が多いのも、この講座では毎回感じることではありますが、あらためてこの講座を開催して良かったな、と思いました。そして何より嬉しかったのは「またゆっくり(美術館に)行ってみようと思う」というご感想がいくつもあったこと。コロナ禍をきっかけに、足を運ぶことが途絶えてしまっていた方が、また美術館に向かうきっかけとなることが出来たなら、とても嬉しいです。