久しぶりに筑前琵琶鑑賞。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりに筑前琵琶鑑賞。

週末は津屋崎千軒の秋の恒例イベント「音楽散歩」でした。気持ちの良い秋晴れ。ゆるやかな人出。のんびりとした音楽日和の一日でした。

演奏スケジュールを見て、聞きたい!と思っていたのが「筑前琵琶」。筑前琵琶の演奏を初めて聞いたのは、もう7-8年前でしょうか。博多でのお茶会の席でした。その深い音色はもちろん、着物姿で弾き語りをなさる女性の凛とした佇まいに、圧倒されたのでした。

今回、津屋崎千軒での音楽散歩に登場してくださったのは、筑前琵琶奏者の緒方蝶嘉(おがたちょうか)さん。2回あるステージのうち、2回目を拝見することができました。演目は古典の「曽根崎心中」。ちなみに1回目は「八百屋お七」と聞きました。琵琶の音色もさることながら、その声の美しさ、力強さに引き込まれました。時間にして30分足らずだったと思います。あっという間にその世界観を作ってしまう力に感嘆いたしました。

古典物語のしみじみとした世界に浸ったあとは、「黒田節」で景気づけ。筑前琵琶は福岡藩(黒田藩)との関りが深いということで、十八番というところでしょうか。合間の語りで、そうした歴史をちょっぴり垣間見ることができたのも、収穫でした。

会場は国登録有形文化財「藍の家」。その開け放した和室から外路地に向かっての演奏を、秋晴れの空の下で聞くという贅沢な時間を過ごしました。音楽散歩実行委員会の方々のご尽力に感謝いたします。

野山の草花に手伝ってもらう。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

野山の草花に手伝ってもらう。

朝一番、生けるのに良さそうなお花が庭に少なくて、近所の花農家さんがお花を出してくださる「お魚センター」に駆け込んだものの、こちらも切り花はほとんど出ておらず。ちょうどお花が少ない時期なのかもしれません。で、ダンナにボヤいてみたところ「花じゃなくても、山にいろいろあるよ」と。そうです。花が少ないときは、葉っぱや蔓や実に助けてもらいましょう。

ということで、こんな感じになりました。

大鉢に剣山を入れて、差し込んだだけ。葉っぱもほとんど落とさず、そのままです。

横から見るとこんな感じ。青や紫の実が美しい蔓草です。

野花は一日しか持たないものも多いので、一輪挿しで主役に。

高い位置に生けると、下からちょうど美しい実が見えます。

ご覧の通り、投げ込んだだけ、の風情です。野の草花は、それが「らしさ」につながるので、助かります。

「肥前磁器作家の仕事」を取り巻く仕事。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「肥前磁器作家の仕事」を取り巻く仕事。

11月に開催する福岡アジア美術館での展覧会準備を進めています。藤吉憲典の仕事を並べ直す展覧会。すなわち肥前磁器(古伊万里)の歴史をおさらいし、今度の展開を考えていくものです。生業としてお世話になっている「肥前磁器」の歴史や仕事、やきもの(磁器)そのものへの感謝を伝える機会にもなれば、と全体の構成を考えています。

そのなかで 「『肥前磁器作家の仕事』を取り巻く仕事」を紹介したいよね、となったのは、自然な流れでした。いつもお世話になっている原材料やさんを中心に協力依頼。ふだん自分たちの仕事がどう使われて、どのように見られているのかを知る機会があまりないということで、皆さん喜んでご協力くださいました。

陶土やさん、釉薬やさん、呉須絵具やさん、赤絵具やさん、筆などの道具やさんなどなど。磁器作家の仕事のモトをご覧いただくコーナーを設けることで、ふだんギャラリーさんで開催していただく展覧会とは違ったアプローチを取り入れるのも、自主開催をする意味のひとつかな、と。準備しながら、どんどんワクワクしています^^

古伊万里の変遷と未来 古典からアートへ磁器作家藤吉憲典の挑戦

磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 の様子をご紹介。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 の様子をご紹介。

9月20日に初日を迎えた、ギャラリー栂さんでの藤吉憲典展。初日、二日目と作家が在廊してまいりました。このご時世のなか、初日オープン前からお待ちのお客さまもあったとのことで、ほんとうにありがたいことです。

磁器作家藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 

会期は10月3日(日)までです。

ギャラリー栂 磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

ギャラリー栂 (とが)
〒709-0431 岡山県和気郡和気町清水288-1
電話0869-92-9817

磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

会期:2021年9月20日(月祝)-10月3日(日)
※9月27日(月)休み
営業時間:11時~17時

藤吉憲典《古典とART》展、スタートしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典《古典とART》展、スタートしました。

気持ちの良い秋晴れで初日を迎えることができた、ギャラリー栂さんでの個展。初日、二日目と在廊するダンナ・藤吉憲典より、初日の報告がありました。

オープン前からお待ちのお客さまもあり嬉しいやら有難いやら、とはダンナの報告第一声。ギャラリー栂さんのある岡山県内も「まん延防止措置」の宣言が出され、イベント等への外出がし難い状況が続いています。そんななか足を運んでくださいました皆さまに、心よりお礼申し上げます。

アーティストトークでは、お客さまからのご質問も多かったようで、予定時間を超えて盛り上がったとのこと。7月に放送のあったNHK BSプレミアム『美の壺「青と白の粋 染付の器」』の影響もあったのでしょう、「染付」についての質問も多かったようで、たくさんお話をすることができたと喜んでいました。

会期は10月3日(日)までです。

ギャラリー栂 磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

ギャラリー栂 (とが)
〒709-0431 岡山県和気郡和気町清水288-1
電話0869-92-9817

磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

会期:2021年9月20日(月祝)-10月3日(日)
※9月27日(月)休み
営業時間:11時~17時

11月は福岡アジア美術館で展覧会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

11月は福岡アジア美術館で展覧会。

気が付けば会期初日までに2か月を切っていて、ちょっと焦っています。というのも、11月の福岡アジア美術館での展覧会は、初めての花祭窯の自主開催なのです。写真は、急ピッチで制作に取り掛かっている、告知ツールのひとつ。

そもそものはじまりは、昨年のこと。コロナ禍でいろいろなことが見通し難くなりました。花祭窯として独立以来これまでも、2011年東日本での地震、2016年熊本での地震など、己の無力を突き付けられるニュースがあるたびに、「わたしたちは、日々自分たちのするべき仕事をコツコツと続けていくしかない」という想いに至っていました。

昨年の春、最初の自粛生活がスタートし「先が見通し難くなった」ときにも、その先に進むために、「今、自分たちのするべき仕事」は何かを突き詰めて考えました。その結果「一度おさらいをする」ことにたどりついたのでした。ちょうど来年は創業から25周年ということもあり、これまでの仕事を並べ直してみることに。

藤吉憲典の仕事を並べ直すことは、そのまま、肥前磁器(古伊万里)の歴史をおさらいし、今度の展開を考えていくことにつながります。そこで「肥前磁器の歴史を、藤吉憲典の『写し』でご覧いただく」という形をとることにしました。公開することで、ずっとお世話になっている「肥前磁器」の歴史や仕事、やきもの(磁器)そのものに、興味を持ってくださる人が増えたら、少しは恩返しになるかもしれない、という想いもあり。

通常、藤吉憲典の展覧会は、ギャラリー(コマーシャルギャラリー)さんが主催してくださる、販売がメインの展覧会です。その機会をいただくおかげで、生業としての陶芸家が成り立っています。それに対して今回は、まったくの非営利での自主開催。開催には少なからぬ金額が掛かります。入場料は無料ですので、売上はありません。これをコストではなく投資として昇華できるものにしなければなりません。

古伊万里の変遷と未来 古典からアートへ
磁器作家 藤吉憲典の挑戦

スタートは昨年の春ですが、その後はふだんの仕事をしながら、どう組み立てたらよいかを隙間で考えてきました。気が付けば会期まで2か月弱。やっとこさ中心に据えて取り組みはじめています。初日は1の並びが縁起の良い11月11日。ここに向かって全力投球です。

古伊万里の変遷と未来 古典からアートへ磁器作家藤吉憲典の挑戦

花祭窯の九月の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の九月の庭。

9月も中旬になり、花祭窯の露地には彼岸花が咲きはじめました。例年この季節になると、スーッと茎が伸びてきて、つぼみが膨らんできます。ちょうどお彼岸に入る頃に咲き始めるので、偉いなぁ、といつも感心していました。今年は珍しく一週間ほど早いようです。

彼岸花

ヤブランの紫色は、緑のなかで目を引きます。

ヤブラン

ミズヒキソウも紅白で伸びてきました。可憐で可愛らしい雰囲気が、写真ではなかなか上手に撮れません。

ムラサキシキブは、昨年の台風から潮風で葉っぱが痛んでいましたが、復活してくれました。

紫式部

そして今回は番外的にちょうど頂きもののお花がありました。

夏の間は「緑」一辺倒だった花祭窯の露地ですが、九月に入って色数が増えてきた今日この頃です。

ふすまの貼り換えをしたら、白い面が美しく。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ふすまの貼り換えをしたら、白い面が美しく。

夏の終わりに思い立って、ふすまの貼り換えをいたしました。もちろん、実際にやってくださったのは、ふすまやさんです。頼るべきはその道のプロですね。4枚のふすまを両面、二日で美しく仕上げてくださいました。

花祭窯の建物は、昭和元年に建てられたものを使わせていただいており、設えはできるだけ当時のままにと心がけています。建具も当時のものをできるだけ使っています。ふすまのサイズが部屋により様々だったり、現在の標準サイズとは異なっていたりします。今回請け負ってくださった職人さんによると、ふすま自体の内側のつくりも、昔ながらのつくりだったということでした。

今回、襖紙は無地に近いものを選びました。設置していただくと、淡いクリーム色に控えめな地文はありながら、ほぼ白い面が広々とした感じになりました。すっきりとなり、何も描かれていない、無の状態の美しさを楽しんでいたものの、しばらくすると、何か絵画的なものをプラスしたくなってきています。

季節的に、今はまだほとんど襖を開け放っていますが、これから先、襖をきっちりと占めたときに何か楽しい絵が現れると面白いだろうな、と。4枚のふすま両面で8面…どんどんイメージが膨らみます。襖絵を描かせた古の人々も、こんな気持ちだったのかしら、と思いつつ。

今すぐにどう、ということではありませんが、そのうちに「襖がこんな風になりました」とブログをしたためる日が来るかもしれません。

花が無いときは、葉っぱで。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花が無いときは、葉っぱで。

真夏らしいお天気が続いています。朝から蝉の声、青い空青い海に、ぴかぴかの陽射し。花祭窯の小さな露地では、百合の花も終わり、力強い緑色に覆われてきています。ちょっと花でも活けておこうと思ったときに、パッととってこれる花が無い!という状態。

そんなときは、まず近所のお魚センターうみがめに足を運びます。でも、やはりこの猛暑続き故でしょうか、切り花があまり出ていません。活けたいと思える花がないならば、無理はせず、頭を切り替えます。そう、我が家の庭に緑はたっぷりあるのですから、それらを生けよう!ということで。

濃い緑に白が目を引く、斑入りの葉蘭がありましたので、葉っぱの大きさと斑の景色で3枚選んできました。

同じ「緑」でも、こちらはやわらかい黄緑色。茎の赤茶色とのコントラストがきれいです。花が無くても、葉っぱでOK。緑が室内にあることで空間が潤いますね。

7月25日は波折神社で夏越祭でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

7月25日は波折神社で夏越祭でした。

ここ津屋崎波折神社の夏越祭は、毎年7月に行われます。6月末に正月から半年の禊払いを行う神社も多いですが、ひと月遅れ。毎年楽しみな行事のひとつです。

今年も感染症対策の観点から、皆でぞろぞろと歩く「茅の輪くぐり」は出来ず、午後の時間帯に随時それぞれ出かけて輪くぐりをする方法となりました。出かけていくと氏子総代の方が輪のそばにいらして、「くぐり方」を指導してくださいます。輪に向かって左側、右側と8の字を描いてくぐります。

茅の輪くぐりが終わったら、境内にお参りして紅白のお饅頭をいただき、茅を数本頂いて帰ります。我が家の玄関内側に飾る輪っかを編むのは、ダンナの仕事。ともあれ今年も、無事家族皆が元気に茅の輪くぐりに参加できることへの感謝と、半年の反省を込めてのお参りができました。

波折神社の茅の輪と、霰天神社の厄除粽。

つい先日、思いがけず、お客さまから霰天神山の厄除粽と護符をいただきました。霰天神山は「火除天神山」ともいわれ、京都祇園祭の宵山には、火伏・雷除の護符「火乃要慎」が授与されるのだそうです。我が家は窯元で火を扱いますから、お客さまのお気持ちを、とてもありがたくいただいたところでした。

さっそく火乃要鎮の護符は窯のところに、厄除粽は波折さんの茅の輪と一緒に玄関内側にかけて柏手。良い日曜日となりました。