初・手作り紅ショウガ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

初・手作り紅ショウガ。

料理研究家の宮成なみさんが「とっても簡単!」と紹介なさっていたのを拝見し、確かにこれなら自分でも作れそう!と、唐突に作ってみました。写真は、出来上がった紅ショウガを、藤吉憲典の染付間取芙蓉手六角豆皿に盛り付けたところ。

紅ショウガは子どものころから大好きで、でも「自分で作る」という発想はまったくありませんでした。ふだんレシピを参照するのは「作りたいものがあって、つくり方が定かではないとき」なのですが、今回は紅しょうがの色のきれいな写真とレシピが先に目に入り「これ、つくりたい!」と思った、わたしには稀な例でした。

大雑把な性格のわたしでも簡単に作ることができました。思いのほか美味しく、色もきれいに仕上がって、ご飯のお伴に、お酒のあてにと大活躍。紅ショウガができたから焼きそばをつくろうか、お好み焼きをつくろうかと「紅ショウガありき」のメニューが頭に浮かびます。

作り方は「ショウガをスライスして、梅干しを作ったときの梅酢に漬け込むだけ」なので、失敗しようの無い安心感があります。とても嬉しいレシピをご紹介いただきました。これから毎年新生姜の季節には仕込みたいと思います^^

宮成なみさんの紅生姜レシピはこちら。美味しくって体に良いレシピ、ありがとうございます♪

歴史資料館の愉しみ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

歴史資料館の愉しみ。

福津市には「新原・奴山古墳群」があります。ここ津屋崎から宗像に向かう495号線沿いは、あちらこちらに古墳の丸っこい小山が点在する景色が広がるのどかなスポット。5世紀から6世紀にかけて営まれた古墳群は、現存するだけでも41基あるといわれており、宗像大社とともに世界遺産認定されたのちも、コツコツと調査が続いています。

そんな発掘調査の速報展が、ご近所のカメリアステージ歴史資料館で展示されています。カメリアステージは2階に図書館、1階に歴史資料館があるので、図書館にたびたび足を運ぶわたしとしては、そのついでに歴史資料館の展示を眺めることができるという、なんとも贅沢な場所です。

週末出かけたところ、「カメリアステージ歴史資料館 令和元年度発掘速報展」が開催中。「発掘速報展」ですよ!発掘現場との距離の近さを感じるタイトルにワクワク。新原・奴山30号墳の発掘調査の様子が展示されていました。車で津屋崎から宗像へ山越えする道路沿いにあり、通るたびに発掘調査の方々の姿が見えて気になっていたところでしたので、これは嬉しいです。

全長54mの前方後円墳ということで、そんなに大きかったのね!と感動しつつ、出土した遺物を拝見。部分のものが多く、今回出土したカケラと合わせて、全体の姿がわかるように参考品を並べて展示してあるのが親切でした。展示解説の配布資料にも図解で載っており、わかりやすいです。展示資料数は多くはありませんが、「発掘したて」の鮮度が感じられました。

個人的に一番のヒットは、黒曜石の矢じりでした。半透明っぽく見える美しい石で、黒曜石にもこんな色があるのね、と感心。この矢じりは古墳時代のものではなく、縄文から弥生時代のものが偶然混ざり込んだものと考えられるとのこと。また黒曜石の色の特長から、大分県姫島で産出されたものと似ており、古墳時代以前に人の交流があった可能性が示唆されていました(新原・奴山30号墳 配布資料より)。

それにしても、図書館のついでに古墳時代に思いをはせることのできる面白さ。今年度(令和2年度)も調査予定が組まれているということで、ワクワクが続きます。

肥前磁器の美:藤吉憲典の器「赤絵筒型二段重箱」

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

肥前磁器の美:藤吉憲典の器「赤絵筒型二段重箱」

磁器作家・藤吉憲典がつくる肥前磁器の美しさを伝えるシリーズをスタートします。「美しさ」と書きましたが、ここには「用途の美」を含みます。つまり、使い勝手の良さも含めて「美しい」と言えるもの。そこにこそ、江戸時代から400年続く肥前磁器の価値があると思っています。

磁器作家・藤吉憲典がつくる筒型の重箱です。粋で華やかな赤絵は、食卓のアクセントになりますし、おめでたい席にも最適です。菓子器として用いたり、珍味入れに用いたり、使い方はいろいろ。場が華やぐ美しいお重です。

サイズは、径9センチで、全体の高さが9センチ。一段の高さは約4センチです。

ANAのふるさと納税でも、藤吉憲典の「赤絵筒型二段重箱」福津市のふるさと納税返礼品としてご注文いただくことができます。

肥前磁器の美:藤吉憲典の器「染付牡丹唐草文三段重箱」

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

肥前磁器の美:藤吉憲典の器「染付牡丹唐草文三段重箱」

磁器作家・藤吉憲典がつくる肥前磁器の美しさを伝えるシリーズをスタートします。「美しさ」と書きましたが、ここには「用途の美」を含みます。つまり、使い勝手の良さも含めて「美しい」と言えるもの。そこにこそ、江戸時代から400年続く肥前磁器の価値があると思っています。

第1回目は「染付牡丹唐草文三段重箱」。小さめの重箱です。文様デザインは、洋の東西を問わず愛される美しい唐草文様。唐草文様には生命の繁栄の意味が込められており、古くから人気のある吉祥文様のひとつです。

菓子器として用いたり、酒の肴を揃えたり、使い方はいろいろ。染付の青が、品のある華やかさで、季節や場面を問わず安心して使えます。

染付牡丹唐草文三段重箱 藤吉憲典
藤吉憲典の器:染付牡丹唐草文三段重箱
藤吉憲典の器:染付牡丹唐草文三段重箱

サイズは7センチ四方の正角で一段の高さは約3センチ、全体の高さが10センチです。

ANAのふるさと納税でも、藤吉憲典の「染付牡丹唐草文三段重箱」福津市のふるさと納税返礼品としてご注文いただくことができます。

そろそろ山笠絵皿。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

そろそろ山笠絵皿。

例年ならば6月最初の日曜日からスタートする津屋崎祇園山笠。いつもならソワソワし始めるところなのですが、今年の山笠奉納は一年延期となりました。街も静かなら、気持ち的にも静かな感じです。

梅雨も本番のなか、こんなときこそ気分だけでも盛り上げたいと、山笠の絵皿を飾り棚に出しました。

津屋崎祇園山笠
津屋崎祇園山笠絵皿 藤吉憲典

写真左から「岡流」「新町流」「北流」の三つの流れ。2014年に津屋崎祇園山笠発足300年を迎えたとき、その記念に制作したのでした。

花祭窯にお越しのお客さまが目に留めては「山笠ですね!迫力ありますね!」と声をかけてくださいます。特に地元の方々に好評で、皆さん「今年は無いからね…」と遠い目。出してよかったなぁと、つくづく思いました。

津屋崎祇園山笠絵皿。7月いっぱい、花祭窯のギャラリーに飾っております^^

まずは一人でお茶のお稽古。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

まずは一人でお茶のお稽古。

3月以降、お茶のお稽古が中止になっています。わたしが入門している南方流では、例年ならば3月に懐石披露、4月に南坊忌とお茶会があり、気持ちが引き締まります。今年はこれらに参加できず、とても残念でした。仕方がありませんね。

ふだんのお稽古も、お茶のお稽古はまさに「三密」ですので、お休みが続いています。自分一人でも、家で手元にある道具を使ってお稽古ができることは頭ではわかっていながら、気分的に釜の前に落ち着いて座ることができませんでした。

6月も下旬になって、ようやく「そろそろ自主練(お稽古)しよう」と思えるようになってきました。もうすっかりお点前を忘れてしまったかもしれないという焦燥感もありつつ、とりあえず一歩前進です。

そんなわけで先週末は、まずお茶室周りのお掃除。露地の雑草を抜いて枯草を取り除き、お茶室に掃除機をかけて畳を乾拭き。そういえば花祭窯のお茶室「徳り庵」もずいぶん使っていませんでした。梅雨の晴れ間にお掃除できて良かったです。

季節は既に風炉。次は道具の点検です。茶筅を買い替えたほうがいいなとか、お抹茶はまだ十分にあるかなとか。少しづつ整えていくうちにだんだんと気分が上がってきます。お掃除やら道具の点検やらを通して、空間と一緒に気持ちが整っていくのだったと、今更ながらに実感しつつ。

さあ、あとは季節の和菓子を買ってきたら、十分です。美味しい水無月が手に入りますように!

花祭窯の6月の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の6月の庭。

ずっと晴れのお天気が続いていた北部九州も、そろそろ梅雨入りです。ラジオ体操をしつつ眺める小さな庭には、緑と白がたくさん。先日読み直した色彩学の本によると、緑も白も、生命そのものの色だとか。6月は生命力があふれてくる季節なのですね。

ぽやぽやと可愛らしい。つぼみもたくさん。
うしろにピンクも隠れていました。
花桃の実です。桃になったら嬉しいですが。
あっちにもこっちにもドクダミ。
ナンテンもたくさんつぼみ。
斑入りの草は、花がなくてもアクセントに。
こちらも斑入り。

外に出ると、色とりどりの紫陽花の花が目に入りますが、花祭窯の今は、見事に緑と白。思わず深呼吸したくなる空間になっています^^

紫陽花をたくさんいただいたので。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

紫陽花をたくさんいただいたので。

工房のなかが華やかです。一か所にたくさん生けるのも豪勢ですが、そんなに大きな花器が無いので、少しづつあっちにもこっちにも生けてみました。家のなか、どこに行っても花があるというのは、とっても贅沢ですね。

ご近所さんが丹精込めて育てておられる紫陽花。紫陽花に限らず、いつも季節の花が美しく咲いていて、お宅の前を通るたびに幸せな気持ちになります。ありがとうございます。

梅仕事2020♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

梅仕事2020♪

今年は梅摘みに行くのが難しいかな…とあきらめかけていましたが、緊急事態宣言が解除。5月29日に福岡県から発表された6月1日以降の行動指針で、県をまたぐ移動が可能になり、今年も無事に梅を収穫してくることができました。

梅雨入り前の快晴。年明けからずっと気になっていた佐賀・花祭へ、ようやく出かけることができました。青空の下、道路に出ている枝を切ったり、草刈りをしたり、梅を摘んだり。木も草もどんどん伸びていて、近いうちにまた足を運ばないと、手入れがまったく行き届きません。

梅は今年は数はたくさんついていませんでしたが、その代わりといいましょうか、ひとつひとつの梅はいつもより少し大きめに育っていました。収穫前に風雨の強い日がそれほど無かったので、皆つやつやときれいです。

どんどん上に伸びていく我が家の梅の木。「桜切るバカ、梅切らぬバカ」の言葉が頭に浮かび、そろそろプロにお願いして切って整えてあげた方が良いのかも、などと考えつつ。

ともあれ、あきらめかけていた梅仕事。もちろん市場には梅は出ているのですが、「自分のところの梅を採ってきて漬ける」喜びです。毎年あたりまえに行ってきたことができるありがたさを、ここでも感じました。

続・読書『色の秘密』(文春文庫PLUS)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・読書『色の秘密』(文春文庫PLUS)野村順一 著

昨日、読書『色の秘密』(文春文庫PLUS)のブログを書いたところでしたが、本日はその内容備忘メモ。


  • 生命は色彩である
  • 「肌で感じる」
  • 目とか心とかで判断する以前に、皮膚が識別する。
  • 色には感情がある
  • 味は視覚で決まる
  • 色彩呼吸法
  • 色聴
  • 音楽を色彩に翻訳
  • 色をして語らしめよ
  • 何よりも太陽光線
  • (色彩の)面積配分による快い芸術的な効果
  • 私たちの目は無意識のうちに、色彩や形態を単純化して見てとろうとする。
  • 生活空間のリズムを、視空間のなかの五パーセントの小さな面積が作り出す。場所は一か所に限定するものではない。
  • 緑色は名医だ。
  • “皿まで食う”
  • 食器の優劣で料理の味は、ものの見事に大差がついてしまう。
  • (味覚は)自らの視覚経験や味覚記憶によって条件づけられている
  • 成人の視覚は観察と観念の累積
  • 「捨て色」の美学
  • 日本人は色を見るための色を使う。
  • 思考などはこわれやすいのに、シンボルはこわれにくい。
  • 色は形よりもずっと容易に記憶される
  • 生命あるものは震動で形成されている
  • 人間は「見る」ことに慣れるにしたがって、「見えないもの」に対する感覚を鈍らせてしまった。

『色の秘密』(文春文庫PLUS)野村順一 著より


第4章「IV社会を動かす色彩術」で茶道の話が出てきます。今回十数年ぶりに読み直して、そのなかにわたしの入門する南方流の『南方録』からの引用があったことに気づき、思いがけず嬉しかったです。この本を手に入れ最初に読んだときには、南方流の存在も知らず、目に留まらなかったのですから、面白いものです。