花祭窯の如月の露地。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の如月の露地。

気がつけば2月も下旬。この冬は、例年よりサザンカの花が少なかったので、露地が花弁の濃い桃色で埋め尽くされて庭掃除が追いつかない!ということが、あまりありませんでした。それはそれで、楽ではあるものの寂しいな、と思いつつ、目を転じればあちらこちらに新芽やつぼみが。今はまだカラフルとまでは言えない庭先ですが、これからが楽しみです。

ジンチョウゲ

年明けからずっと楽しみにしているジンチョウゲ。開花までもう一息です。

パンジー

いつも野菜を買いに行く地元産直市場「あんずの里」では、毎年バレンタインデー前後に行くと花苗をひとつプレゼントしてくれます。今年もゲット♪

冬の間、葉が落ちて目立たなくなるけれど、春が近づくと新芽の緑で存在をアピール。

気持ち良いほどにまっすぐ上に伸びるスノーフレーク。先月に比べてずいぶんと背が伸びました。

お正月に切ってきた白梅が終わり、片付けをした週末、入れ替わりに立て続けにご近所さんから切り花をお裾分け頂きました。久しぶりに龍の花器を使っての花生けは、10分かからずにサクサクと進み、自己満足。お花を生けるときって、自分でも驚くくらい短時間で決まるときと、何度活け直してもうまくいかないときとがあります。なぜなのかはわかりませんが。ともあれやっぱり花があると嬉しいですね♪

藤吉憲典作 雛香合

活けたときにはつぼみだった百合の花2輪は、数日後に見事に開花。玄関は高貴な甘い香りでいっぱいです。

JETROの「中小企業海外ビジネス人材育成塾」基礎研修最終日でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

JETROの「中小企業海外ビジネス人材育成塾」基礎研修最終日でした。

昨年11月にスタートした研修も、必修の基礎研修がすべて終わりました。残すは3月に任意のフォローアップ研修があるばかり。

思えば、提出期限の短い宿題はたくさん出るわ、並行して「英文ビジネスe-メール編」と「輸出商談編」の2コースの「貿易実務オンライン講座」を受講するわ、Zoomでミラノとつないだ専門家相談の機会があるわと、基礎研修を受講している時間以外のフォローも充実で、久しぶりに「ガッツリ学んだ!」実感の濃い研修期間でした。

最終日の昨日は、約半年をかけてブラッシュアップしてきた海外向け事業計画の発表と、今後の成果に向けての決意表明。発表準備は約1時間という短時間で、自分の資料を作るのにはやや焦りました。発表時間は質疑応答含め8分で、コンパクトにまとめるスキルも求められ。ですが、ともに学んできた皆さんの発表を聴くのは、とても楽しく刺激的な時間になりました。

皆さんの発表を聴いて面白かったのは、最終段階に近い2月の「専門家面談」を経て、大きく舵を切り直した事業者さんが何社もあったこと。このタイミングからすべてをまた練り直すことになった方もあり、それでも発表内容を伺えばなるほど変更が胎落ちするものばかりで、これぞ机上で終わらない実践的な事業計画策定だと感じました。

Zoomの画面越しとはいえ、この仲間とともに学べたことは、わたしにとって貴重なことでした。研修期間が終了したあとも連絡を取り合い、お互いにブラッシュアップしていける存在になれたらいいな、と切に思いました。このような機会を作ってくださったJETROさんに心より感謝申し上げます。ありがとうございました!

いろいろ、あちこち、情報集めと種まき。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

いろいろ、あちこち、情報集めと種まき。

今日は朝から博多方面へ。福岡商工会議所さんが主催する観光商談会に参加して参りました。2回目の参加です。前回は…と確認してみたところ、2019年。昨年もご案内を頂いていたのでしたが、コロナ禍下で参加を見合わせたのでした。

思えば前回この商談会に向けて具体的に準備をしたことが、肥前磁器の伝統工芸文化・技術を伝えていく方法のひとつとして観光視点でのアプローチもあり得るということを、きちんと考える機会につながったのでした。もともと伝統工芸の産地では、伝統工芸と観光とがセットになっているようなところがありますが、そういうものとは異なる方法、花祭窯だからこそできるやり方があることに気づいたのでした。

前回から4年を経て、旅行をする人々が旅先に求めるものが、どんどん変わっていることを、随所で印象付けられた商談会でした。例えば参加者を一覧したパンフレットを見ても、従来の柱である「飲食」「お土産」「宿泊」よりも、「体験プログラム」「アクティビティ」「鑑賞コンテンツ」といったジャンルが強調されているのは、新鮮に感じました。またそれらのジャンルにさまざまなプログラムがあり、一利用者としての目線で興味をそそられるものがたくさん。

さて今回は3社の方々と面談。それぞれに得意分野が異なられるため、お話をするなかで、さまざまな知見にふれることが出来ました。残念ながら観光マッチングという面では、成約しそうなものはありませんが、1社とは今後一緒になにかできそうなことがあるという手応えがありました。ここでいただいたご縁を生かせるか否かは、自分たち次第。いい形で何か成果を出せると良いな、と思っています。

というわけで、今回も福岡商工会議所さんにたいへんお世話になりました。お声掛けくださり、ありがとうございました!

蕎麦猪口全種類撮り直し。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

蕎麦猪口全種類撮り直し。

現在、オンラインショップ「花祭窯 蕎麦猪口倶楽部」でご紹介中の蕎麦猪口。1997年に窯を開いてからこれまでにダンナ・藤吉憲典が手がけた文様は170種を超えます。

蕎麦猪口倶楽部 https://hanamatsurigama.com/

昨年から、蕎麦猪口全種類をあらためて見直し、写真に撮り直すプロジェクトを進めています。25年の間に生まれた蕎麦猪口のなかには、途中、作家の考えで「これはもう一度デザインし直そう」となったものも少なからず。そんな変遷も経ての、現在の「藤吉憲典が作る蕎麦猪口」の顔ぶれを一覧できるように「作り、撮る」プロジェクトです。あ、写真はプロにお願いしましたので、正確には「撮ってもらう」ですね。

嬉しいのは、これまでその場その場の必要に応じて自力で撮ってきた蕎麦猪口の商品写真を、まとめて撮り直していただいていること。蕎麦猪口のご紹介をスタートしたころは、何枚撮ってもうまくいかず、ものすごく時間がかかっていたのでした。そして、時間をかけたからといって、完璧な写真が撮れたわけではなく。今回ようやくすべての顔ぶれを、プロの手による揃った美しい画像でご覧いただけるようになることは、わたしにとってひとつの夢が叶う喜びそのものです。

すべての蕎麦猪口の写真を差し替えるには、また少し時間がかかりますが、アップ完了次第、あらためてお知らせいたします。蕎麦猪口ファンの皆さま、どうぞお楽しみになさってくださいね。

2023初釜。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2023初釜。

今年も無事、南方流の初釜に参加して参りました。和尚さんの美しいお点前を拝見することのできる貴重な機会であり、同門の皆さまと一年最初のご挨拶ができる嬉しい機会です。なにより年の初めに着物に袖を通し、少し緊張して臨むべき場があるというのは、とてもありがたいことだと、年を経るごとにますます強く思います。

前日の茶会準備は小雨のなかでのスタートとなりました。いつものことながら、準備に参加する皆さんのテキパキとした動きに励まされつつ。いろいろと神経を使うことが求められる場面もありますが、わたしにとってはとにかく楽しい時間なのです。掃除をはじめ、準備を整えていくなかで学ぶことは数多く。お茶のお稽古は、日々のお稽古のみならず、お茶会の設営・運営を通して初めて知ること理解できることがたくさんあると、今回も感じました。

お茶会当日は、皆さんの華やかな着物姿が目に嬉しく、ふだんのお稽古ではお会いできない方々にもご挨拶することが出来て、充実した時間になりました。わたしは今回初めて「末客」を務めることになり、過分な重責に、前日から緊張。当日の席では、先生がわたしの隣の席についてくださり、その都度細かいアドバイスをくださったので、なんとか無事務めを果たすことが出来ました。こうした役割も、実際に担ってみなければわからないことばかり。ご指名くださり、学びの機会をくださった先生に、心より感謝です。

おかげさまですっかり新年の参加行事となりました。初釜が終わると、お正月気分がすっかり抜け、シャキッとします。この充実感が大きな糧になっています。

基礎研修最終日:JETRO「中小企業海外ビジネス人材育成塾」

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

基礎研修最終日:JETRO「中小企業海外ビジネス人材育成塾」

昨年11月21日からスタートしたJETRO「中小企業海外ビジネス人材育成塾」。

あっという間に年が明け、昨日は基礎研修の最終日でした。前回までのようなワークショップ中心の研修ではなく、久しぶりにみっちり座学の5時間半。とはいえ、パリ・ミラノからの現地情報など、机上ではない内容もかなり充実し、終了の頃には、心はワクワク、頭はパンパンになりました。以下備忘。


【デジタル商談】

バイヤーからよく出る、事前に答えを準備しておくべき(即答できるようにしておくべき)質問7。

  1. 商品開発ストーリーは?
    →なぜその商品を売りたいのか、なぜ海外(対象国)に出したいのか、ポジティブな理由。
  2. 他とのどんな違いがありますか?
    →5つ以上。3つまでならどの会社も出してくる。
  3. お客さまはどんな方たちですか?
    →そのお客様たちがどのように評価しているか=お客さまの声。
  4. どこで、どのような環境で作られていますか?どこで、どんな場所で売られていますか?
    →必然性。ブランディング。
  5. 創業何年ですか?会社の歴史は?
    →たとえ2~3年短くても、語れるものを用意する。
  6. どのように作られていますか?どのように使われていますか?
    →写真、動画によるビジュアル的な解説の重要性。
  7. 価格は?発注ロットは?
【現地事情 イタリア】
  • 売り手(小売店・専門店)のコンセプトが明確。
  • 装飾品市場規模60億ユーロ。
  • 居住環境(インテリア)を充実させたい願望。
  • 購入場所は45%以上がデザイン・家具の専門店。
  • オンラインショップと実店舗、両方チェックして購入する人が70%以上。
  • 商流として現実的に有望なのは「現地代理人」方式。
    →言葉の問題が解決でき、現地にすぐに問合せできる人がいることは、取引先の安心につながり、大きな価値。通常(月額基本料+コミッション)で契約。
  • インスタ・フェイスブックのショッピング機能SHOP NOWの活用、利用が急激に伸びている。
  • ハイレベルの伝統工芸品、高価格帯の一点ものの取り扱い先(=ギャラリー)は極めて狭くなる。
  • ミラネーゼは「ストーリー」よりも、直感的に「美しい」「格好いい」に反応する。
  • イタリアの従来のライフスタイルに取り入れることで、ちょっと豊かになるものが好まれる=生活空間での商品イメージの可視化が必要。
    →写真やショート動画。
  • ハイエンドギャラリーへのアプローチは、あきらめず何度も手を変え品を変えトライ!
  • サステナビリティは、今や欧州全体で外せないテーマ。
    →自社の考え方や取り組み、貢献について語れるようにしておく必要性。

この研修を受講しているメンバー15社のなかには、1月19日~23日パリで開催される見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展なさる方も数名あります。直前のあわただしい時期であろうなか、きっちりと受講なさっている意欲的な姿勢に、とても刺激を受けました。中小企業海外ビジネス人材育成塾は、このあと実践に向けて3月まで、現地専門家による個別指導、仕上げ研修、事後評価、フォローアップ研修と続きます。学んできた内容を自分のものにできるよう、ひとつひとつ落とし込んで参ります。

花祭窯2023経営指針書と、展覧会予定など。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯2023経営指針書と、展覧会予定など。

年の初めの恒例行事「経営指針書」の作成は、自分のための整理整頓です。年の初めから10日ほど経って、ようやく固まってきました。これから1年間、この指針書をもとに、適宜修正変更しながら進んでまいります。

今年のテーマは「表現の多角化」「奥行きのある仕事」。

テーマはダンナ・藤吉憲典のその一年に向けての思いを文字にしています。そのときどきにより、精神論的になることもあれば、具体的になることもあり。今年は思いがけず具体的なテーマが飛び出し、「おお!」と思ったのでした。やるべきこと、やりたいことがとても明確になっているようです。わたしはそのサポートに徹するのみ。

そんな2023年も、各地で藤吉憲典作品をご覧いただくことが出来そうです。機会をご用意くださるギャラリーのオーナーさんに、心より感謝申し上げます。

現在のところ、確定している展覧会は下記の通りです。


  • 6月21日(水)~6月26日(月)桃居(東京西麻布) 藤吉憲典 陶展

隔年で開催してくださる桃居さんでの個展は、作家にとって毎回新しいチャレンジの機会です。今回は器を中心とした磁器作品をメインに、書画による壁面作品もお楽しみいただく予定です。
http://www.toukyo.com/

  • 7月19日(水)~7月25日(火)博多阪急(福岡博多) ふくつのね 藤吉憲典 展

昨年に引き続き博多阪急さんで、花祭窯のある福津市の地域イベント開催が決まりました。前回はアート作品数点での参加でしたが、今回はもう少しボリュームアップしてご覧いただくことが出来そうです。
https://www.hankyu-dept.co.jp/hakata/

  • 10月28日(土)~11月7日(火)暮らし用品(大阪阿倍野) 藤吉憲典 展

関西方面の皆さま、たいへんたいへんお待たせいたしました。何年ぶりになるでしょうか、大阪での個展開催です。阿倍野にある暮らし用品さんでは初の個展となります。今からとてもワクワクしています。
http://www.kurashi-yohin.com/

  • 12月 SLADMORE(ロンドン) クリスマス・ショウ

ロンドンでは、今年は個展ではなく、SLADMORE12月恒例のクリスマス・ショウに参加いたします。SLADMOREではほかにもテーマに基づいた展覧会に、いくつか作品を発表予定です。
https://sladmore.com/


それぞれの詳細が決定次第、あらためてご案内いたします。今年も一人でも多くのお客さまとお会いできる機会があることと、ダンナともども楽しみにしています。

花祭窯は「江北発。」です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯は「江北発。」です。

町の名前で「こうほく」と読みます。花祭窯の創業地。住所は佐賀県杵島郡江北町山口花祭…と続きます。ポスターの写真は、JR長崎本線と佐世保線との分岐点である「肥前山口駅」あらため「江北駅」を象徴したものだろうと思われます。「花祭窯さんはもともとこちらにいらしたんですよね」と、思いがけずお友だちが江北町のポスターを持ってきてくださいました。電車好き、肥前山口駅好きのわたしたちにとって、嬉しいお年始です。

江北町のポスター

このところ江北町は町制70周年を記念したテーマソングをつくったり、西九州新幹線開業に伴って駅名を変更したりと、どうやら活発に動いているようです。このポスターも、そんなイメージ戦略のひとつなのでしょうね。

「江北発。未来はつづくよ、どこまでも。」

文字通り江北発のわたしたちにとって、なかなか、いえ、かなり響くフレーズです。これを持ってきてくださったお友だちに感謝。さあ、がんばります!

何回目かの「経営革新計画」策定。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

何回目かの「経営革新計画」策定。

つくづくわたしは「計画を立てる」のが好きなのかも知れません。とはいえ、「経営革新計画」の承認を目指して計画を立てることが、これまでの事業継続を後押ししてくれたのも、事実です。というわけで、佐賀時代から数えて5回目の経営革新計画策定。佐賀県で最初の承認を受け、福岡県移転後に3つの計画を推進してきました。最初の経営革新計画で、佐賀から現在の津屋崎への工房移転を実現する道筋がついたのでした。上の写真は、その一番最初の認定書。

今回は、コロナ禍下で計画した前回の内容が数字的にも行動計画的にも伴わなかったことを反省しつつ、そのなかで生まれた「良かった要素」をピックアップして伸ばしたいと考えています。来年はさらに世の中の変化のスピードが速くなりそうな気がするので、そのなかで足元をしっかり安定させるための事業展開が出来たらよいな、と。

頭のなかには「協業」や「パートナーシップ」といったキーワードが浮かんでいます。これまでもたくさんの方々に助けていただきながら、ここまで参りました。新しい年はさらに、「藤吉憲典と仕事をしてよかった!」と感じていただける体制を、よりしっかり作っていきたいと思います。

まずは年明けに、最初の商工会の経営相談アポを確保しました。他力本願。いろいろな方の話を聴き、力をお借りしながら、進めて参ります。

佐賀・花祭の自然の恩恵。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

佐賀・花祭の自然の恩恵。

ダンナが佐賀有田にお出かけ。今回の用事は、窯やさんと化粧箱やさんをまわり、古くからお世話になっている作家友人たちへの年末あいさつを兼ねて。花祭窯の工房は福岡県津屋崎ですが、仕事の道具や材料は、佐賀有田にずっとお世話になっています。車で2時間ほどの距離なので、気分転換兼ねてちょうど良い距離です。

創業地・佐賀県江北町の花祭までだと、車で1時間半ほど。有田に用事で出かけるときは、たいてい花祭にも立ち寄ります。自然豊かな里山には、どの季節に行っても楽しみがあります。年末も差し迫ったこの時期ですので、お正月用に飾ることのできる梅や南天、笹、その他を調達して来てもらいました。上の写真はその一部。

自分の敷地だけで、いろいろなものが揃うありがたさ。南天はたくさんあるので、ご近所の方にも使っていただいています。今年の春に植えた柑橘の木もどうやら無事に根付いてくれた様子で、ひとまずほっとしました。来年はまた苗木を増やそうと企み中。一方で、藪笹がどんどん侵食して来ているので、きちんと草払いの手入れをしなければ、と思いました。いつも思ってはいるものの、うやむやになってしまっているのを、反省。

自然豊かな里山は、住んでいるときはその怖さも体感していましたが、そのおかげで学んだことも数多くあります。自然の恵みに感謝しつつ、来年はわたし自身、もっと足を運ぼうと思いました。