24年目スタート!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

24年目スタート!

先日、朝食中に思い出して「創業日だわ、24年目スタート」と宣言。6月は花祭窯の創業月です。あらゆる記念日を忘れるのに、創業日は忘れません。今月が創業月ということは、先月は結婚記念日があったはず。創業24年目(23周年)ということは、結婚24周年ということね…と、花祭窯の創業から逆算して結婚記念年・月を思い出しています(笑)

図らずもつい先日、久しぶりに創業地である佐賀・花祭に行くことができたのでした。メインの目的は「梅摘み」でしたが、あの場所に足を運ぶと、自然と自分たちの原点を見つめ直すことになります。いろいろなことが無意識に思い出されて、「ああ、そうだった」と、現在未来への示唆につながります。そんな場所があるのは恵まれていますね。感謝。

さて、ダンナと「よく続けてるよね」と笑いつつ、花祭窯の24年目も淡々とスタート。ここ数カ月「今年は展覧会が難しいんじゃないですか?」と、心配して声をかけてくださる方が何人もありました。気にかけてくださる方のあるありがたさが沁みます。実際、東京や海外での個展や企画展は見通しが立ちにくい状況が続いていますが、わたしたちとしては、どんな変化にも柔軟に対応できるよう準備を重ねるばかりです。

創業以来「絶対に変わらないもの」と「そうでないもの」が、年々はっきりしてくるのを感じます。ずっと変化し続けてきた23年間であり、24年目以降もずっとそうでしょう。「終点」や「絶対の正解」がないからこそ面白くて飽きない=商い…と、昨年と同じ結論にたどりつき。

ロンドンのギャラリーから「こっちももうすぐ通常営業に戻れそう!」とメールも届きました。なんだかとっても嬉しい朝です。

皆さま、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

Something Special

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

Something Special

「Something ○○」なる言い方を最初に意識したのは、遺伝子研究で世界的にその名を知られる村上和雄氏の著書『アホは神の望み』(サンマーク出版)を読んだときのことでした。このなかで「人知を超える何か大きなものの存在」を「サムシング・グレート」と呼んでおり、「サムシング」の単語に込められる意味に思いをはせたのでした。

2008年初版の『アホは神の望み』を初めて読んだのは10年以上前のこと。以来、数年おきにふと思い立って読み返しています。何度読んでも愉快で、読み終わるたびに「頑張ろう!」と笑顔になるから不思議です。

さておき、something。それ自体「ちょっとした」「ひとかどの」というような意味で使われることもありますね。ちょっとした器をご紹介したいときに、どんな言葉を使ったらいいかしら、と考えていたところ、「サムシング・スペシャル」という言葉が頭に浮かびました。

自分にとって特別なもの、好きなものが生活空間のなかにあることの大切さを、あらためて感じたこの数か月。自分たちの仕事で出来ることを、いろいろと考えていきたいと思います。

あらためて、キャッチコピー。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

あらためて、キャッチコピー。

考え中。

藤吉憲典のキャチコピーとして、英語版で使っているのが「Connect Japanese Craftsmanship to Contemporary Artwork」。日本語にすると「伝統の継承を、生きた個性で形にする」。意訳ですが。いずれにしても肥前磁器作家としてのミッション(使命)にあたる内容です。

これはこれでもちろん大切にしつつ、今取り組んでいるのは「あなたにとって」の磁器作家・藤吉憲典(の作品)をわかりやすく伝えるキャッチコピーを生み出す作業です。というのも、この2-3か月「Stay at Home」が世界中で広がるなかで、思いがけず、お客さまやコレクターの方々にとって大切な本質を伝える言葉をたくさん見、聞き、書いてきたことに気づいたのでした。

それはシンプルに言えば「自分の過ごす空間を快適に」ということ。料理研究家の宮成なみさんの言葉を読んだり、インポートインテリア・ドーノ桐子さんのスタンスを拝見したり、ロックアウトの続いたロンドンで自宅から情報発信を続けるSladmore ContemporaryオーナーGerryとメールをやりとりしたり…。そんななかで、藤吉憲典作品の(それを所有する人にとっての)存在理由(価値)が、おのずと言語化されてきました。

美しいもの、楽しいもの、技術と情熱をかけてつくりあげたものが、それを見る人・使う人の生きる力をサポートすること。それが実用的なものであっても、無くても。毎日食卓に並ぶ器にも、日常空間を飾るアートにも、そんな力があること。

創業から20年以上、ずっと思ってきたことでありながら、ようやく言葉として並べることができそうです。材料はそろいましたから、あとは、キャチコピーとしていかに簡潔に過不足なく文字に載せるか。腕の見せ所ですね。頑張らねば!

陶片の整理整頓。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

陶片の整理整頓。

梅雨を前に、ダンナの仕事場の整理整頓を断行。とはいえ花祭窯の工房は、基本的に仕事場は作家本人以外立ち入り禁止です。わたしは外側からアプローチ。仕事場の裏手にある、大きくなり過ぎたヤツデの木の枝を落としてみたり、草むしりをしてみたりと、さりげなくプレッシャーをかけてみました。

周りでガサゴソとしていたら、作家本人も「整理整頓」に重い腰を上げてくれました。まずは毎朝の海散歩で拾ってくる貝殻の選り分けからスタート。ほぼ毎日拾ってくる貝殻は、種類も多様なら数も大量です。上の写真は、貝殻や陶片を目当てに散歩するダンナ。海は遠くへ向かって開けているのに、下ばかり向いているという(笑)

貝殻の整理整頓が終わったら、次は陶片の整理整頓。これまたほぼ毎日海辺で拾ってくるので、一回に拾ってくるのは2-3ピースでも、これが350日以上×8年とすると…!?という量に積みあがっています。毎日少しづつすべきだったけれど、と今さら反省。

肥前磁器の担い手として、資料的価値を感じるモノ、未来に残したいものを選んでいこうということで、選別はダンナにお任せすることに。陶片を見てすぐにそれがどういうものかを判別できる知識と経験の量は、さすがです。わたしは学芸員資格は持っていますが、この場面ではそんなことは意味をなさず、かないません。この景色を見るたびに、もっと勉強しなきゃと思います。

思いがけず陶片の整理がはじまったので、これはチャンス。今年は陶片ミュージアムに向けて歩を進めてまいります。まずは専用の展示棚があると、さらにモチベーションが上がるな、と思いつつ。年内にひとつカタチにしたいです。

理想は「東京の出光美術館」にある、陶片室。あのように一つの部屋をまるまる使えると嬉しいですが、工房兼ギャラリーのスペースを考えると、それはちょっと難しい。花祭窯の陶片ミュージアムでは、常設でご覧いただける広さは展示棚ひとつ分ぐらいかなぁ、と。ともあれ、嬉しい妄想が膨らむ五月末です。

読書『色の秘密』(文春文庫PLUS)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『色の秘密』(文春文庫PLUS)

思うところあり、十数年ぶりに読み返した一冊。

著者の商学博士・野村順一氏は「商品学」の草分け的存在だそうです。わたしは学生時代経済学部経営学科で、「商品学」なる学問があることをそのときに知りました。当時、商品学の授業で1年間をかけて「マヨネーズの比較論」をしたのが、とても面白かったのを思い出しました。「商品学の先生が科学的に解明した」というのが本書の売り文句です。

1994年に書かれた単行本の文庫版です。今でこそ「色」をビジネスに生かすことは誰もが知っていて、「カラー○○」などの肩書きでビジネスをする人もたくさんいらっしゃいます。が、執筆当時は、もちろんファッション業界をはじめデザインの世界ではあたりまえでも、今ほど「色」への注目は一般的ではなかったと思います。

約四半世紀前に書かれた本。わたしが初めて読んでからも十数年が経っていますが、やはり面白かったです。中身が濃いのに、文庫なのでさっと読めるのが魅力です。ビジネスに関わる方に、色彩学の最初の一冊としておすすめの本です。

柔軟に変えてみる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

柔軟に変えてみる。

花祭窯では、国内発送にゆうパックとクロネコヤマト宅急便のお世話になっています。どちらにお願いするかは、お届け先からのご希望や配送状況により変えています。お客さまにものをお届けするのに、物流を請け負ってくださる方があってこそ、成り立っています。

昨今の状況で、この5月現在、ゆうパックの集荷は前日までの予約が必要になりました。でも、即日発送できるものは、出来るだけ早くお客さまにお届けしたい。というわけで、今月に入ってから「早く出荷したい小さい荷物」は「持ち込み」することにしてみました。

混んでいたら止めようと思っていましたが、幸い最寄りの郵便局は、時間帯によりほとんどお客さまがおらず、受付もスムーズ。これなら、時間を選んで訪問すれば大丈夫そうです。ついでに最新の記念切手をチェックもできて大満足。先日は相撲切手を見つけ、衝動買い(笑)

物流が止まったらたいへん!の思いを強くする今日この頃。配送業の皆さまに感謝し、配送スタッフの方々の負担軽減に少しでも寄与できていたら嬉しいな、と思いつつ。

ぐるっと見るための撮影キット。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ぐるっと見るための撮影キット。

と書いて、あらためて辞書を引いたら、キットというのは「道具一式」という意味なのですね。写真は、花祭窯の「ぐるっと見るための撮影キット」。

美術館や博物館に行ったときにしばしば感じるストレスに、「作品をぐるっと全方向から見たい」とか「作品の裏側を見たい」というものがあります。わたしがやきものを見るのにギャラリーや骨董屋さんをお勧めするのは、「作品を手に取って見る」ことができるのが一番の理由です。手に取ることができるということは、あらゆる角度からそのものを見ることができるということなので。

美術館等での展示は、たいていの場合、壁面を背にしていたり、すぐ横に別の作品が置いてあったりするので、360度十分にぐるりと眺めることができないことが多く。最近は「メイン」な展示物は一作品の展示で周囲を回れるようになっていることも増えてきたのが嬉しいです。でも「裏側」に至っては「地」についているので、持ち上げなければ見ることができず、まず見ることができません。

ただ、やきものについては、裏(高台)のつくりを見たいという要望は一般的にも多いので、透明の展示板の上に作品を置いて、その下に鏡を入れて裏側の作りが見えるようにしている展示も増えてきています。この方法での展示を初めて見たとき、「全体が見える」ことが嬉しくて、この展示方法を採り入れた学芸員さんの素晴らしさに感嘆したものでした。

さて、できるだけぐるりと眺めたいのは、ネット上での作品紹介もしかり。提供する側としては、わかってはいるものの、なかなか取り組めずにおりました。が、このたびその方法のひとつとして作ったのが、上の撮影キット。

ターンテーブルには、ダンナの仕事の道具である絵付用の「筋車」を借りました。これをゆっくり回して、カメラで動画を撮れば、360度ぐるりとご覧いただける次第です。回転の速度、カメラの位置角度など、まだまだ研究課題は沢山ですが、まずはチャレンジです。

https://www.instagram.com/p/B_okEuoFG40/

いろいろ計画を立ててみる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

いろいろ計画を立ててみる。

予定や計画が変更になりがちな昨今。見通しが立たないならば、その候補をたくさん作ってしまおうと、思いつくまま次々に計画を立てています。小さなものから壮大なものまで、すぐに実現できることから妄想めいたものまで。

もともと、トライアンドエラーアンドトライ…のなかから現れる、小さな「うまくいった」を積み重ねて、やっと現在に至るわたしたちです。「こうありたい」に近づいていくためのルートはいろいろあるはずで、その実現可能性への第一歩が「計画を立てる」かな、と。

実現を目指して動いてみて、ひとつの計画が理想通りに進めばラッキー、そうでないときは次の計画へ。それ以前に、計画を立てている途中に「違う」と気がつくこともあり。こんなふうに気楽に、いろいろな可能性や選択肢を文字や図表にしていくと、見えてくるものがあります。

久しぶりにガッツリ「計画づくり」を楽しんでいる今日この頃です。

小皿豆皿増殖中。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

小皿豆皿増殖中。

先日「蕎麦猪口倶楽部ちょっぴりリニューアル」のお知らせをいたしました。

蕎麦猪口倶楽部は、肥前磁器作家・藤吉憲典がつくる蕎麦猪口と小皿豆皿を選び、お買いものできるネットショップです。いわば「藤吉憲典の蕎麦猪口と小皿豆皿の専門店」。2020年5月15日現在、染付の蕎麦猪口132種赤絵・染錦の蕎麦猪口44種小皿豆皿35種を、ネットショップ上でご紹介しています。

蕎麦猪口と小皿豆皿を、藤吉憲典のつくるもの・器へのエントリーモデルと位置付けています。作家もののうつわを購入する際に「何から揃えたら良いかわからない」とおっしゃるお客さまが、少なからずいらっしゃいます。そんなとき、わたしは蕎麦猪口か小皿豆皿をお勧めしています。

理由は、バリエーションが楽しくて、いくつあっても重宝するから。小さくても、食卓での使い勝手と存在感を存分に発揮してくれるから。価格的にも、比較的手にとりやすいよう、配慮しています。

もう何年も前に、現代アーティストの村上隆さんが雑誌「Casa BRUTUS」で「芸術(アート)でありながら、これほど手に入れやすいものはない」と「やきもの(陶芸の器)」を語っておられましたが、そのとおりだと思います。なかでも小皿豆皿は特に造形的であり絵画的でもある、用途を持ち合わせた芸術品です。古今東西、コレクターが多いのも、そのような理由に依るのでしょう。

この4月から5月にかけて、料理人さんへの器の制作を進めているなかで、ひとつ、またひとつと小皿の新作が生まれています。この仕事、何年経っても新作の誕生は嬉しいですね。小皿の増殖は、大きな楽しみのひとつです♪

原点確認。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

原点確認。

藤吉憲典の公式サイトリニューアルを検討中です。検討していくなかで、ここ数年、いえ創業からずっと、わたしの仕事の中心は「いかに情報発信していくか?」と「そのためにどこ(誰)に学び、どう動くか」であったことをつくづくと感じています。

英語版のサイトをきちんと作ったのが2016年ですから、まだ4年しか経っていません。…と書いて、「まだ」なのか、「もう」なのかはなんとも言えないことに気づきました(笑)。ただ、その4年の間での変化が大きかったのは確かです。環境変化と自分たちの変化、どちらもですね。

前回の英語サイトリニューアルでもお世話になったハラプロさんに、「今、何が気になるのか、不満なのか、どうしたいのか」を相談してはご助言をいただく形で、まずは自分の考えをまとめるところからスタートしています。対面での打ち合わせが難しい昨今ですが、メールできちんと伝わるありがたさ。

ある日のメールで「それでしたら、HTMLファイルを直接書き換えて、FTPソフトでアップロードをしていただくのがシンプルでよいかもしれません」とアドバイスをいただき、ハッとしました。

それって、一番最初にやったことだ!

一番最初…20年以上前に初めてホームページを作った時は、HTMLの教科書をにらみながら、取り組んだものでした。そしてFTPソフトでアップ。ネットの世界はどんどん進んでいて、既存ツールが便利になっています。それらを使いこなせていない自分の状態に「遅れている」「無駄が多い」と思い込んでいました。でも、ある部分においては「昔ながらのやり方」を採り入れることが、理に適うこともあるということなのですね。

今回は、英語版日本語版含めた見直しを考えています。どのように進めていくか、どうしたら、今考え得る最適なものができあがるのか。悶々としながら考える時間もまた、楽しんでいます。