二度目の上海。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

二度目の上海。

藤吉憲典の展示会で訪問した上海。今回もまた、空港から展示会場、宿泊先への行ったり来たりで、まったく観光する時間はとれませんでした。が、会場となった「和食くろぎ」さんが入っているホテル・ベラージオ上海のあるエリアは、観光スポットとあって、ちょっぴり観光気分を味わうことができました。

ベラージオ上海

そして、宿泊先からの眺めもまた、新旧入り混じる上海らしさを感じることができました。

国内にしても、海外にしても、旅に出る理由は、ほぼ100%「仕事」の我が家。こうして仕事のおかげでいろいろな場所に赴くことができるのは、ありがたいことだとつくづく感じます。裏を返せば、行きたい場所に仕事をつくればよい、ということになりますね(笑)

写真を撮っていませんでしたが、中国の食事は、どうも体質的に合うようで、何をいただいても美味しかったです。お昼からオープンの展示会の前に、街を少しウロウロすることができました。果物屋さん、テイクアウトできる餃子屋さん、月餅やさんを発見。街中では、日本語はもちろん、ほぼ英語も通じないので、意志疎通がたいへんなのですが、なんとか欲しいものをゲットすることができ、嬉しい時間となりました。

藤吉憲典 上海展示会 2019。

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藤吉憲典 上海展示会 2019。

文化の日を含んだ三連休、藤吉憲典の上海での展示会に顔を出してきました。今年も、一日だけでしたが、お抹茶を点ててご提供することができました。今回、会場をご提供くださったのは、和食くろぎさん。料理長さんが、お客さまの目の前でわらび餅をつくってくださいました。出来たてのわらび餅にお抹茶のおもてなし。

展覧会会場では、今回も日本人、中国人を問わず、上海で頑張っておられる若手の料理人さんや、「食」に関わるお仕事をなさっている方々、日中の橋渡しとなるような仕事に従事している方々にお会いすることができました。皆さん日本語・中国語を使いこなしておられ、中国語がまったくできないわたしも、助けられつつ、会話に加わることができました。

お話を伺いながら、実際に海外に居を移して仕事をしておられる方々の覚悟と情熱に、目を覚まされる思いがしました。自分たちも、もっともっとできることがあるはず!と。たくさんの方のご協力で開催に至った、2回目の展示会。上海にしっかりと根付いた仕事ができるよう、あらためて取り組みの決意をした上海訪問でした。

藤吉憲典の上海展示会は11月10日(日)までです。

【告知】藤吉憲典上海個展。

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【告知】藤吉憲典上海個展。

昨年に引き続き、上海の皆さんに藤吉憲典の作品をご覧いただけることになりました。前回もお世話になったギャラリー未在味在空間さんのプロデュース。そして、上海の最高級和食店として名高い「日本料理くろぎ上海」さんと「南京路佐々」さんがサポートしてくださっています。心より感謝申し上げます。

会場はベラージオ上海ホテル内にある「和食くろぎ」さん。オープン時に隈研吾氏の設計で話題になったそうですね。

藤吉憲典上海個展
藤吉憲典上海個展

2種のポスターに表されているように、日本の伝統工芸美と、その基礎の上に立つ現代的なオブジェ、両方をご覧いただける展覧会です。日本の磁器文化は、その発展の過程で中国からたくさんの影響を受けてきました。藤吉憲典もまた、中国の古いものから学んだことは数知れず。その恩返しの気持ちが作品で伝わったらいいな、というのが作家の想いです。

「磁器によるアート」の可能性を感じていただけると嬉しいです。

まず動き、それから考えた。

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まず動き、それから考えた。

昨日はジェトロ主催の「英国のEU離脱(ブレグジット)セミナー」でお話を聞いてきました。

12月の藤吉憲典のロンドン個展を控えて、準備は着々と進んでいます。前回個展時の2017年5月、EU離脱議論で英国経済はいい状態とは言えないといわれていました。今回は個展のある12月には落ち着いているだろうと当初話をしていたのですが、いまだ決着がつかないようで。

気になっていたところにご案内いただき、即座に申し込みました。セミナーから帰ってきたら、息子が「どうしてその話を聞きに行ってきたの?仕事に関係あるの?」と。そういわれてみると、半ば反射的に「話を聞かなきゃ」と動いたのでした。

息子に説明する作業を通して、「英国のEU離脱(ブレグジット)セミナー」 に参加した意味を整理しました。

セミナーの内容大きく6項目のうち、とくに「これが聞けてよかった!」と思ったのは、「1.これまでの交渉経緯」と「3.混迷する英国議会」でした。

  • これまでの交渉経緯:離脱を決めた2016年6月の国民投票の結果と、その結果の構成要素 (地域別投票結果・年齢層別投票結果・学歴別投票結果)、結果の要因(移民への懸念・EU官僚主義への反発・緊縮財政への反感・選挙キャンペーンなど)と英国内の格差問題(地方別富裕層分布など)。
  • 混迷する英国議会:EU離脱に関する英国議会の立場と各政党のスタンス(支持者に対する態度)。

つまり、英国のEU離脱によって予想される影響を知りたいというよりは、混迷の背景にどのような事実があるのかを知っておきたいというのが、一番の動機でした。ロンドンで個展をするにあたり、そこに来てくださる方々のことを少しでも知っておきたいという気持ち。

なるほど、それで「行かなきゃ」と思ったのね、と我がことながらあらためて納得。ともあれ、ふだんニュース等で細切れに入ってくる情報を、欧州の専門家の口から、時系列的に筋道立てて聞くことができたのは、大きな収穫でした。

そういえば社会人1年生のとき、会社の先輩から「一生懸命やっているのはわかるんだけど、取り掛かる前に、それが今最善の方法かどうか、ちょっと考えてから動いてみたら?」と諭されたのを思い出しました。その直観的な判断の後ろ盾となる経験を、多少なりとも積んできたはずと信じたいのですが(笑)

JETRO NYからのアドバイス。

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JETRO NYからのアドバイス。

先日、福岡アジアビジネスセンターさんのことを書きましたが、ジェトロさんにも要所要所でお世話になっています。個人レベルの事業、しかも商材はアートですが「海外市場への輸出」であることには変わりなく。世界各地に支店を持ち、常駐職員さんがいて、地元専門家とのネットワークを持つジェトロからの情報に助けられることは多々あります。

少し前になりますが、ジェトロニューヨーク支店から、花祭窯の商材を前提とした北米市場レポートをいただきました。 A4用紙15ページに及ぶ量。海外展開でも、自らの足で赴き自らの目で確認することが原則ですが、客観的なレポートは、動き方の優先順位を決めるのにとても役立ちます。

以下、レポートから備忘。うちに近い商材をお持ちで、北米進出を考えている方には、いくらか参考になるかも!?


  • JUST FOR ME(エクスクルーシブ、希少性)。
  • Craftsmanship(職人技芸)に対する尊敬。
  • 一点もの。
  • 日本の伝統美に基づいたアート性の高さ。
  • 「強い」コンセプト:メッセージ、意志、アイデンティティー。
  • Zen(禅)。
  • 「良いエージェント」確保の重要性。
  • 北米にあったブランディングの打ち出し。
  • まずは丁寧に「ビジネスの土台」をきちんと作ること。

北米進出を考えるにあたり「良いエージェント確保の重要性」は以前からも言われていたことでしたが、あらためて「やはりそこか」という感じでした。まずはその地で丁寧にビジネスの土台を築いていくための、最重要ポイントなのですね。

平面と立体のあいだ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

平面と立体のあいだ。

辻仁成&江國香織共著の恋愛小説『冷静と情熱のあいだ』を読んだことは無いのですが、登場人物は絵画の修復家だったのですね。当時「○○と□□のあいだ」という言い回しが流行り、コントのネタに使われていたのを思い出しました。

さて

美術作品を説明する際の要素のひとつに、ジャンルがあります。平面・立体・映像・インスタレーションなど。藤吉憲典の場合、陶芸家・彫刻家としてこれまで作ってきたものはほぼ100%「立体」です。美術やアートといったときに多くの人が真っ先に思い浮かべる「絵画」は平面です。写真も平面作品ですね。

このところ海外での作品発表の機会を見据えて藤吉憲典が集中的に取り組んでいるのが、「平面と立体のあいだ」である「半立体作品」。これまでにも数点作ってきてはいますが、まとまった数手掛けるのは、20数年の陶歴において初めてのことです。

ここに至る要因はいろいろとありますが、なかでもここ数年「世界史を建築家の視点で学ぶ」シリーズでさまざまな歴史的・芸術的建築物を見て解説を聞き、学んだことも大きかったと思います。半立体の彫像や装飾レリーフが空間に果たす役割の素晴らしさ偉大さを、意識的・無意識的に刷り込まれました。

藤吉憲典の半立体シリーズは、現在「シマウマ」と「人魚」をテーマに広がりつつあります。これから先の展開が、いっそう楽しみです。

困った時の、福岡アジアビジネスセンター。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

困った時の、福岡アジアビジネスセンター

藤吉憲典の上海個展(11月)、ロンドン個展(12月)を控えて、ちょっぴり気分があわただしくなってきました。展示作品の制作はほぼできたので、あとは事務方のわたしの仕事です。

国内外を問わず、展覧会準備では「無事に作品を会場まで届けること」が一番の課題です。海外向けは、破損を防ぐ梱包への注力に加え、インボイスをはじめとした必要書類の準備に神経を使います。

先日、インボイス作成で少し気になることがあったときに、ちょうど福岡アジアビジネスセンターから「海外輸出個別相談会」のご案内が届きました。福岡アジアビジネスセンターは中小企業の海外展開を応援する福岡県の出先機関。少しでも気になることは、専門家に確認しておくのが一番と、すぐに予約を入れました。

この仕組みを利用したのは、2回目。予約の際にあらかじめ相談内容を具体的に書いておくと、的確にお返事を用意してくださるので、助かります。今回もおかげさまでスッキリ解決。毎度ながらありがたいです。

「ふじゆりスタイル」ブログでキーワード検索に「福岡アジアビジネスセンター」を入れると、いくつも記事が上がります。それだけ使っているんですね。国際弁護士さんによる法務相談などもあります。

福岡アジアビジネスセンターが使いやすいのは、県の機関でありながら、専任の職員さんを外部から採用したところにも一因があると思います。親身に対応してくださる職員さんに、いつも助けられています。

福岡県内の事業所で、海外向けの仕事で困りごとがあるときには、ぜひ一度訪ねてみてください。事務所名に「アジア」とついていますが、アジア域外の相談にも対応してくださいます。

花祭窯の庭師さん。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の庭師さん。

夏が過ぎ、草木が伸び放題の庭を手入れしなきゃね、と思っていたところに台風が来て、風に乗ってきた潮であちらこちらと枯れはじめ。いつもお世話になっている庭師さんに、助けを求めました。数年前に花祭窯の茶庭を整備するときからお世話になった方なので、どこにどんな草木が植えてあるか、すべてご存知。説明要らずの安心感です。

上の写真は、その庭仕事後。「2カ月後ぐらいに、好い感じになる」をテーマにスッキリ美しくなりました。ほんとうは今の時期だと水引草があったり、ヤブランがあったりと、もう少しにぎやかなのですが、潮で枯れはじめたため、思い切ってバッサリ。あとは、寒くなるまでに、どれだけ新しい芽が出てきてくれるか、です。

お仕事ぶりをみていて、「どこを残すか」で決まるのだなぁと、あらためて思いました。迷いなく手際よく枝を落とし、草を払っている、その瞬間瞬間に「どこを残すか」を絶妙に決めているのがわかり、すごいなぁと思いました。

これからが楽しみなサザンカの木の周りも、スッキリ。一日でここまで仕上げてくださった庭師さんに感謝です。

女三人集まれば…仕事の話。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

女三人集まれば…仕事の話。

三連休の一日、博多で「もつ鍋」ランチ。昼からもつ鍋という時点で、すでにオッサン感満載ですが、集まったのは女三人。個人事業のわたし以外は、二人とも株式会社の創業社長。

業種も業態もまったく異なる三人でしたが、話題は自然とそれぞれの事業の話になりました。今まさに向かい合っている経営課題や、計画中の新規事業の話、数字の話など話題は尽きず、あっという間の三時間。

創業した動機も、事業継続のモチベーションもそれぞれに異なるものの、広義での「経営の話」をざっくばらんに繰り出せる場には、各々にとってたくさんの「!」が散らばっていました。面白いのは、それぞれがその「!」を見つけ、拾い上げる瞬間がときどき見えること。

こういう機会に毎回思うことですが、事業をしているお友だちとのおしゃべりには、無意識の共通言語があるようです。明確な問題提起などせずとも、なにげなくおしゃべりしているだけで、解決すること少なからず。そろそろお開きという頃に友人の発した「あ、なんかすっきり!」の言葉がみんなの気持ちを代弁していました。

これだから、ときどきのランチ会は外せません。 そんなお友だちが周りにいることが、つくづくありがたいのです。

ときどき、すごい料理人さんに出会います。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ときどき、すごい料理人さんに出会います。

仕事柄、日本料理の料理人さんが藤吉憲典の個展にいらしてくださいます。福岡・津屋崎まで足を運んでくださる方々もあります。藤吉の器を使ってくださる方々は、大切な資産として食器を扱う方々。料理の仕事に、高いプロ意識と美意識を持っておられます。

先日も、とびぬけたプロ意識と感性をお持ちの料理人さんが、花祭窯に遊びにいらっしゃいました。いつもと違ったのは、日本料理ではない分野の料理人、シェフでいらしゃったこと。

写真はその方、大野尚斗さんが「これに何を盛り付けるか」のイメージを語ってくださった、藤吉憲典のサイ。このサイを見て、迷わず具体的な料理の盛り付けをイメージした方にお会いしたのは、初めてでした。でも確かにこのサイは、なにかを入れることのできる「蓋もの」になっており、その中身が料理であるというのは、素敵な可能性のひとつになります。

お若いながら、はじめから世界に照準を合わせている、明確な意志。 言葉に違わぬ行動を伴う熱意。そして、どんなことをしゃべっていても、何を目にしても、己の仕事=料理と関連付けて考える、好い意味での執着と発想の柔軟性。

特に最後の一点は、意識して考えているというよりは、自然とそのように思考が働いているのが見て取れ、思わず嘆息。

既知の仲良しであるFRANCE-YAシェフ・舩越さんと一緒に来てくださったのですが、舩越さんもまた「フレンチオタク」と呼べるほどの人。そこに「やきものオタク」の藤吉憲典ですから、彼ら三人の会話が面白くて面白くて、あっというまに数時間経っていました。「その道のプロ」とお話しするのは、ほんとうに楽しい。このような機会があるのは、幸せなことです。

大野さんのnoteで、彼の料理人となり、ご自身のお店を持つまでの道のりを、一緒に追いかけることができます。すでに相当面白いエピソードが満載です。