生業としての、陶芸作家。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

生業としての、陶芸作家。

創業から23年目に入った花祭窯。わたしたちにとって、花祭窯を継続するということは、「陶芸作家・藤吉憲典」を生業(なりわい)として成り立たせるためにどうしたらいいか?の問いかけに答え続けることです。これまでもこれからも、ずっとそうなのだろうと思います。

「陶芸作家」を名乗っている人は世のなかにたくさんいます。プロもアマチュアも同じように名乗るし、プロのなかでも専業作家と兼業作家があります。集合体の代表としてのプロデューサー的「作家」業も一般的です。 その在り方は千差万別。これは「アーティスト」や「芸術家」も同じですね。

陶芸作家としていろいろな在り方があるなかで「ほんとうにやりたいことは何か」「何をプライドとするのか」が、常に自分たちの進むべき道の基準になってきました。事業における「志(ビジョン)」とか「使命(ミッション)」とか言われる部分。

目指す方向に進んでいくためには、常に「新しい何か」に取り組みながらの変化が生まれました。そして新しいことを採り入れるときには、必然的にそれまでのやり方との決別や見直しが伴います。それが小さなことであっても「スクラップアンドビルド」の繰り返し。

これまでうまくいってきた部分を新しい要素に置き換えることは、上手くいっていなかった部分に改善を試みることよりも、心理的にプレッシャーがかかります。いろいろと準備をしても「これで十分」と思えることはほとんどなくて、たどり着くのは「イチかバチか」の心持ち。

そんなわけで、23年目に入った今も「生業としての、陶芸作家」の「自分たちが求める、あるべき姿」への探求は続いています。20年後も30年後も、同じことを言っているような気がしますが、もしかしたら、その探求の試行錯誤こそが醍醐味なのかもしれませんね。

藤吉憲典陶展@桃居、在廊しておりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典陶展@桃居、在廊しておりました。

6月2日(日)~3日(月)桃居さんにおじゃましておりました。つくり手であるダンナは、初日から二日目にかけて在廊。期間中たくさんの方にご挨拶することができて、とても嬉しい滞在となりました。

今回は、テーマを「蓋もの」と絞り込んだため、これまでのような食の器を期待してお越しくださったお客さまには、少しびっくりなさるかもしれないと思いながらの個展スタートでした。そんな気がかりもあって、今回の作品群についてお客さまから質問があればひとつでも多くお答えしたいと思い、ダンナと日程をずらして滞在しておりました。

国内のギャラリーでこのようにまとめて「蓋もの、箱もの」をご覧いただく機会は、今回が初めて。初めての取り組みというのは、やはりいつも結果が読めずにドキドキするものです。まずはとにかく、作家が楽しんでつくった作品を、お客さまが楽しんでご覧くださったらいいな、の一心でした。

ご来場の皆さんがワクワクした表情で蓋を開けてご覧になったり、「一番お気に入りの箱」をお探しになるにこやかなご様子を拝見して、少しホッと致しました。

桃居さんでの藤吉憲典陶展2019は、6月4日(火)が最終日。全展示作品は藤吉憲典公式サイトでもご覧いただくことができます。

https://fujiyoshikensuke.com/jp/%E8%97%A4%E5%90%89%E6%86%B2%E5%85%B8%E9%99%B6%E5%B1%95%EF%BC%A0%E6%A1%83%E5%B1%85/

藤吉憲典公式Twitterはじめ。

こんにちは。花祭窯おかみ・ふじゆりです。

藤吉憲典公式Twitterはじめ。

数カ月前にアカウントを開設するも「こまめにツイートする」に至らず、いまだまったく使いこなせずにおります。ご覧の通り、フォロワーの数もこれからどんどん増えてくれたら嬉しいな、というところ。

とにかくコツコツ続けることが大切!という友人の言葉に励まされ、ここ数日ちょこちょことつぶやいております。

やきもの・器・アート作品・彫刻・美しいものなどなどに興味のある皆さまのフォローをお待ちいたしております。よろしくお願いします♪

https://twitter.com/Ceramicist_Ken/status/1134286202251538432

藤吉憲典陶展@桃居、明日初日です。

こんにちは。花祭窯おかみ・ふじゆりです。

藤吉憲典陶展@桃居、明日初日です。

藤吉憲典陶展 at 桃居
藤吉憲典陶展 at 桃居

2019年は西麻布桃居さんでの個展が最初。楽しみにしてくださる皆さまには、たいへんお待たせいたしました!の初日です。

今回の個展テーマは「蓋もの」。「蓋がついているもの」にこだわった結果、重箱・陶箱がいろいろと並びます。

和の箱、洋の箱。古典の写しから、コンテンポラリーアートと呼ぶべきものまで、培ってきた肥前磁器の伝統工芸文化・技術と現代美術との融合点をご覧いただける個展です。どうぞお越しくださいませ。


藤吉憲典陶展
2019年5月31日(金)→6月4日(火)
AM11:00→PM7:00(最終日PM5:00)
会期中無休
桃居
港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494

プロの仕事。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

プロの仕事。

明後日からはじまる西麻布桃居さんでの藤吉憲典陶展。個展用の作品が出そろったので、作品撮影をお願いしました。

ほんとうは個展のたびに毎回きちんと写真を撮っていただいて、記録に残していくのがベストだと頭ではわかっているものの、なかなか理想的にはできていません。

作品が揃うのが個展会期の発送期限ギリギリである事実もさることながら、なによりもわたしの気持ちに余裕がなくなって、撮影の手筈を整えることができていないというのが実際のところです。いけませんね。

今回は「必ず撮ってもらわねば!」という使命感のもと、藤吉憲典の作品撮影においてもっとも信頼するabc photoの赤司さんに依頼。超ご多忙のなか駆けつけてくださいました。

お昼から設営を開始し、撮影した作品数は約50点。撮影方針と基本のセッティング決定までに最も時間を割き、ベストな撮影環境が決まると迷いなくシャッターを切っていかれる姿が、プロフェッショナル。無駄にシャッターを切らないんですよね。

当初 17時ぐらいまでかかるかもしれませんね、と話していましたが、実際は1時間以上早く完了。素晴らしく美しいお仕事ぶりに感嘆しました。

結局のところ「何がカッコいいのか?」が、作り手である藤吉憲典としっかり共有できているのが、撮影を安心してお任せできる一番の理由なのだと、改めて感じました。もちろん、それを具現化する高い技術をお持ちであることは言うに及ばず、です。

皆さんにも写真の数々を早くご覧いただきたくて、納品が待ち遠しいところです。どうぞお楽しみに♪

様式を生み出す。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

様式を生み出す。

昨日は尊敬する建築家ご夫妻が、花祭窯に遊びに来てくださいました。ちょうど西麻布桃居さんでの藤吉憲典陶展に向けて準備している作品が揃いつつあるところで、一足早くご覧いただくことができました。

そのなかで飛び出したのが「藤吉さんの作品を観ていると、新しい時代の様式が生まれるという確信が感じられるよね」という言葉。つくり手であるダンナにとって、これ以上ない激励をいただきました。

そういえば、「骨董の名品のように、代々受け継がれ何百年先にも愛でられるものをつくる」ということを常々考えてはいても、「様式を生み出し、遺す」という発想はありませんでした。新しい様式を遺すという観点があった!と、大きな発見をした気分でした。

やきもの、なかでも肥前磁器の世界で様式といってまず思い浮かぶのは「柿右衛門様式」であったり「鍋島様式」であったりします。様式という観点で、これまでに藤吉憲典が作ってきているものを思い返してみると、確かに 「藤吉様式」とでも呼べるものが確実に生まれ、育ちつつあると言えそうです。

「藤吉様式」ではなんだか硬いから、新しい様式としてどんな名前を付けたらカッコよくしっくりくるかしら、などと楽しく妄想中です。

藤吉憲典の陶箱。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の陶箱。

初日まであと2週間となった西麻布桃居さんでの「藤吉憲典陶展」は、今年初めて「箱、蓋もの」をテーマにご覧いただく個展になります。

思い返せば陶箱は、藤吉憲典が作家として独立した当初から、ぽつりぽつりと作ってはいたのでした。箱のてっぺんに小鳥がのったり、恐竜がのったり。我が家でも梅干し入れになったり、キャンディポットになったり、ずっと使っています。

洋の東西を問わず、美しい箱は昔から人気があります。特にヨーロッパでは、用途はとりあえず、箱自体が愛でられるようになっていると感じます。「その箱になにをいれるの?」という問いは、箱を手に入れた自分自身に向けられる、最高に贅沢な問いかけのよう。

これまで藤吉憲典は、日本国内のギャラリーさん向けに和食器を中心とした用途あるもの、海外のギャラリーさん向けに磁器彫刻家としてアート的なものを発表してまいりました。2019年桃居さんの個展では、その二つの流れのひとつの融合点を示すことができそうです。

国内のお客さまには、陶箱をまとまった数ご覧いただくことのできる、初めての機会となります。楽しい展示になるだろうと、今からワクワクしています。お時間が許しましたら、ぜひ足をお運びくださいませ。

藤吉憲典陶展 at 桃居

藤吉憲典陶展
2019年5月31日(金)→6月4日(火)
AM11:00→PM7:00(最終日PM5:00)
会期中無休
桃居
港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494
藤吉憲典陶展 at 桃居

ギャラリートーク「アート×スタートアップ」聴いてきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)/Meet Me at Artふじゆりです。

アートフェアアジア福岡2019プレイベント連続ギャラリートーク「アート×スタートアップ」(第一夜)聴いてきました。

場所は福岡市赤坂にあるギャラリーモリタさん。

寺田倉庫(TERRADA ART ASSIST)さんの話が聞けるとあって、興味津々、参加してまいりました。写真は当日いただいたTERRADA ART ASSIST さんのパンフレット。

文化芸術分野での活動を評価されて第27回モンブラン国際文化賞を受賞なさったということで、少し前にテレビでも大きく取り上げられていたそうです。実はわたしはそういうことはまったく知らなかったのですが、アートの物流において革新的なお仕事をしているというイメージを持っていて、お話を聞いてみたいな、と思っていたのでした。

TERRADA ART ASSIST代表取締役の是川泰之氏と、ギャラリーモリタ代表でアートフェアアジア福岡2019実行委員長の森田俊一郎さんによる対談形式のギャラリートーク。

是川氏の淡々としたトークが素晴らしかったです。約1時間と短い時間でしたが、アートを取り巻く仕事へのプロフェッショナルなスタンスがビシビシと伝わってきました。芸術を特別なものと位置付けるニュアンスを無意識に期待する参加者に対して、あくまでもビジネスライクな視点の結果としてのTERRADA ART ASSIST さんの在り方が、清々しく感じました。だからこそ、お客さまの要望にこたえ、さらにその期待を先取りするサービスを提供することができるのですね。

トーク終了後の交流タイムでは、是川さんと直接お話もできました。海外へのアート作品発送において、どのような問題がよく相談されているか、どのように解決しているか。わたし自身の持っている課題に対しても、解決を期待できるお話を伺うことができました。

今年は年末にかけて海外発送の事案が待ち構えているので、いざというときにご相談できる場ができて、心強い限りです。企画してくださったアートフェアアジア福岡2019実行委員の皆さま、ありがとうございました!

個展案内ハガキの宛名は手書き。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

個展案内ハガキの宛名は手書き。

いつからかそう決めています。藤吉憲典が個展をするようになって最初のころは、宛名をラベルで印刷していましたが、手書きに変えて15年以上経つと思います。

おかげさまで個展案内状の送付をご希望のお客さまの数も年々増え、毎回宛名書きは一仕事です。わたしは字が上手ではないので「せめて丁寧に」を心がけつつも、百枚を超えてくると途中で集中が切れることも少なからず。集中力がなくなると途端に書き損じるので、ハガキが無駄にならないよう気分転換も必要です。

わたしにとって年に数回の宛名書きは、支えてくださるお客さまの存在を強く感じる機会でもあります。各地での個展の際に芳名帳にお名前を書いてくださったり、ネットショップ蕎麦猪口倶楽部で買い物をして下さったりしたお客さまのお一人お一人のお名前に向かい合う時間です。

実際にお顔を合わせてご挨拶できる機会は限られているし、お客さまのお名前を憶えているわけでもありません。でも何度も書いたことのあるお名前はやはり頭のどこかに残っているようで、たまたま個展会場に在廊しているタイミングでご挨拶できることもあります。そんな時は、やっぱり手書きにしていて良かった!とあらためて思います。

今まさに、来月末からの西麻布桃居さんでの藤吉憲典陶展案内状を宛名書き中です。

続・単発講座「肥前磁器面白雑学」@朝日カルチャー福岡教室

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

単発講座「肥前磁器(ひぜんじき)面白雑学―窯元おかみが語るエピソードあれこれ」@朝日カルチャー福岡教室

朝日カルチャー福岡さんで、イベント告知のページができましたので、あらためて宣伝です(^^)

ご縁があって 、朝日カルチャーセンター福岡教室で 「肥前磁器面白雑学―窯元おかみが語るエピソードあれこれ」講座をすることになりました。入会不要の単発講座です。興味のある方はぜひお気軽にご参加くださいませ。

「肥前磁器」とは、北部九州でつくられる「有田焼」「伊万里焼」などと呼ばれるものの総称です。磁器の歴史・つくり方・特長などの基礎知識から、現代生活での選び方・使い方のヒントまで、窯元おかみの視点でご紹介します。

とはいえ、せっかく「窯元おかみ」の視点でお話しするのですから、学術的な歴史のお話などよりは、「窯元」や「陶芸作家」の実態(!?)についてのざっくばらんなお話をする方が、楽しんでいただけるかな、とも思いつつ。90分という限られた時間をどんな内容で構成するか、今まさに考え中です(^^)


「肥前磁器面白雑学―窯元おかみが語るエピソードあれこれ

日時:2019年4月10日(水)13時半~15時
場所:朝日カルチャーセンター福岡教室
受講料:朝日カルチャーセンター会員2,268円、非会員2,808円
講師:花祭窯・内儀(おかみ) 藤吉有里

お申込み・お問合せは
TEL 092-431-7751(朝日カルチャーセンター福岡教室)へ


ご参加をお待ちしております(^^)