藤吉憲典の源氏構図香炉。ときどき、頼まれもの。

おはようございます。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の源氏香図香炉。ときどき、頼まれもの。

写真は、藤吉憲典のつくった染付源氏香図香炉

「源氏香図」は、やきものの文様として江戸時代からあったもの。やきものだけではなく、伝統工芸品の文様として知られています。

10年以上前のことですが、東京で香道の先生をなさっている方から藤吉憲典に、聞香(もんこう)に用いる香炉「聞香炉(ききごうろ)」をつくってほしいとご相談があり、おつくりしたのが最初でした。通常、「これをつくってほしい」というご相談に対しては、お断りすることも多いのですが、作り手・藤吉憲典が興味を持ち「やってみよう」と思えば形になります。

香道なるものがあるとは知っていたものの、実際どのようなものかはさっぱりわからなかったわたしたち。ご相談をくださった先生にたくさんお話を聞き、書籍を探し回って調べ。当時、香道をなさっている人が身近におらず、実際にお使いになっている様子を見ることができないままに取り組んでのでした。

香道も茶道と同様、独特の世界があるようで、例えばその流派御用達の道具屋さんが扱うものしか、正式の場では使うことができないなどの決まりごとがあったようです。けれども道を究めるほどに「この道具はもっとこうあってほしい」という意識も高まるようで、せめて自分が家で楽しんだり、仲間内で香遊びをするときには、自分がほんとうに気に入ったものを使いたい、というのが、その方のおっしゃったことでした。

おかげさまで、手に持った感じのおさまり具合など、理想に限りなく近いものとなったようで、とても喜んでいただけた仕事でした。

 

藤吉憲典の動物シリーズ

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の動物シリーズ。

動物ものはいろいろと手掛けていますが、シリーズ化しているものは、実はまだそれほど多くありません。

スタートはカバでした。

カバ 藤吉憲典

カバのウィリアムさん。by藤吉憲典

次に、サイ。

藤吉憲典 サイ

そして、今手掛けているのが、ゾウ。

藤吉憲典 動物シリーズ

上のゾウは形を作ったところです。なんといっても形が決まるまでが一番時間のかかる作業のようです。いかにそれらしく見えるか!?というのはまずその姿かたちが肝のようです。

これから素焼きに入り、本窯に入り、絵・色がついて、赤絵窯。そして出来上がりです。

果たしてどのように出来上がるのか。はじめての造形はわたしには完成の姿がなかなかイメージがつかず、それだけにとっても楽しみです。

 

 

伝統継承事業スタート。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

伝統継承事業スタート。

「肥前磁器の価値を高める仕事をし、
肥前磁器の伝統技術・文化を後世へ伝える」

1997年花祭窯の創業当初から、磁器作家・藤吉憲典が掲げ続けている事業使命です。独立から20年以上が過ぎ、そろそろ具体的に取り組みをはじめるべきだろうと考えていましたが、このたびやっと皆さんに告知できる形になりました。

花祭窯:磁器作家プロフェッショナルコース

タイトルにあるとおり、プロ作家向けのコースです。次のような方々を、受講者として想定しています。

  • すでに作家として独立していて、更に仕事の幅を広げたい人。
  • 窯元のデザイン担当などで、商品開発力をもっと強化したい人。
  • 勤め中・在学中で、近い将来作家として独立予定の人。
  • 陶芸の道に進んでいるが、デザインを勉強した経験が無い人。
  • 窯元などで部分的な工程しか経験できず、全体を学びたい人。

事前にしっかりと面談をしてお互いの意思を確認してから、正式申込となります。意欲ある方からのお問合せをお待ちしております!

並べるということ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

並べるということ。

6年目となった中学生職場体験も本日が最終日。今年も「陳列棚の掃除と器並べ」をお願いしました。器を一度すべて別の場所におろし、棚を拭き上げ、器も拭き上げて、また棚に戻してもらいます。

ワレモノなので、最初に扱い方の注意をします。両手で扱う、低い位置で扱う、など。「拭く」作業では緊張している中学生ですが、棚も器もきれいになって、「並べる」作業になると嬉々とした表情になります。

たかが「並べる」、されど「並べる」なのだと思います。色も形も様々な器を、制約無しに「思うように並べていいよ」と伝えると、ただ折り目正しく並べるという以上に、創造性を働かせた並べ方をしてくれるのが、見ていて楽しいです。

染付の器 藤吉憲典

藤吉憲典 干支の酉

藤吉憲典 カブトガニ

単調になりそうな仕事も、思い入れようで楽しくなる。そんな仕事ぶりを見せてもらいました(^^)

 

気がつけば、半獣半人。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

気がつけば、半獣半人。

ダンナ・磁器作家の藤吉憲典の作品解説シリーズ。

もともと「半獣半人」というテーマを決めていたわけではなく、シリーズ化する意図もまったくなかったけれども、思うままにつくっていたら増えていた。というのが実際のところのようです。無意識に惹かれるものがあるのでしょうね。

タイガーファミリー 藤吉憲典
タイガーファミリー 藤吉憲典
サイの戦士 藤吉憲典
サイの戦士 藤吉憲典
ドラゴンキッズ 藤吉憲典
ドラゴンキッズ 藤吉憲典
藤吉憲典 RED WOLF
レッドウルフ 藤吉憲典
ドラゴンキング 藤吉憲典
ドラゴンキング 藤吉憲典
人魚 藤吉憲典
人魚 藤吉憲典

古代遺跡の壁画に残っていたり、神話に登場したり、妖精であったり、悪魔の化身であったり。古今東西を問わず、畏怖すべき対象として存在する「半分、人」というモチーフは、想像力・創造力を働かせる仕事をする人にとっては、見過ごすことのできない魅力的なテーマのようです。

 

 

お客さまの記事ご紹介。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お客さまの記事ご紹介。

このところ、立て続けに「雑誌で紹介されました」というお客さまがあり、嬉しかったのでこちらでご紹介。

ひとつめは、東京・新宿荒木町にある「日本の酒アレコレ うのすけ」さん。『食楽』2018年10月号での特集に掲載されています!

荒木町うのすけ 藤吉憲典の器

左の写真中央は、赤絵万暦片口鉢。真ん中の写真手前は染付波千鳥文小皿。右奥が染付石榴文輪花縁小鉢。いずれも藤吉憲典の器です。

今年8年目を迎えたお店です。オーナーさんとは、20年近くのお付き合い。つまり、お店をオープンなさる前からのお付き合い。ゆっくり時間をかけて、ご自身のお店を持つ時のために、器を買い集めてくださったお客さまの一人です。

日本の酒アレコレうのすけ
東京都新宿区舟町3-6今塚ビル2F
営業時間 16:00-23:00(ラストオーダー)
定休日  日曜


もうひとつは、福岡市に2018年7月オープンした、お料理古川さん。福岡で人気の雑誌『ソワニエ プラス 9、10月号』に掲載されています!

お料理古川 藤吉憲典の器

写真右上、藤吉憲典 染錦大漁文鮑型向付

オーナーの古川さんもまた、大阪での修業時代から藤吉憲典の個展に足を運んでくださっているお客さまの一人。福岡市内でのお店オープンに合わせて器をいくつかご用命いただきました。

こうして、長くお付き合いのある方々のお店がメディアで紹介され、うちの器が美しく使われているのを拝見するたび、この仕事の喜びを感じます。

お料理古川
福岡市博多区住吉3-9-2 アーバンⅢ1階
https://oryouri-furukawa.com/

 

新宿のうのすけさん、福岡のお料理古川さん、いずれも素敵なお店です。機会がありましたら、ぜひお立ち寄りくださいませ(^^)

 

カバのウィリアムさん。by藤吉憲典

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

カバのウィリアムさん。by藤吉憲典

つい先日、お友だちがニューヨーク土産・カバのウィリアム君の絵葉書の写真をフェイスブックにアップしていました。そこで我が家の「カバのウィリアムさん」の話を。

The Metropolitan Museum of Art ニューヨーク・メトロポリタン美術館。昨今大きな美術館のミュージアムグッズはますます充実しています。William the Hippo はもうずいぶん長いこと、メトロポリタン美術館の「顔」で、ニューヨーク土産のひとつとしても大人気のようです。

もともとは古代エジプトの副葬品としてつくられ、発掘されたお墓から出てきたもの。厄災を封じ込める縁起物としての役割があったようです。描かれているのはロータス(蓮)の文様で、古代エジプトから現代の仏教にもつながる、文化の流れを感じさせてくれます。ロンドンの大英博物館でも、同様のカバの姿を見ることができます。

我が家にこのウィリアムさんが初めてやってきたのは、かれこれ10数年前。息子の1歳の誕生日に、お友だちがニューヨークから「ウィリアムさん型の子ども向けリュック」を贈ってくれたのでした。その愛嬌に、家族一同一目惚れ。で、できあがったのが、上の写真のような藤吉版カバのウィリアムさん。

藤吉憲典の手から生まれたカバは、これまでに8頭か9頭。それぞれ、コレクターさんのもとで愛されています(^^)

https://fujiyoshikensuke.com/artwork/work/hippo-pot-gazing/

 

フレディは伊万里の蒐集家だった!

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

フレディは伊万里の蒐集家だった!

今朝は風が涼しくて気持ちがよく、FMラジオを聴きながら仕事をしていると、なんと今日(9月5日)はフレディ・マーキュリーの誕生日だというではありませんか。気がつけばフレディが亡くなった年齢を、自分はいつのまにか越えてしまいました。

さらに、聴いてびっくり。フレディは伊万里の蒐集をしていたというのです。1600年代中期以降1700年代、中国の景徳鎮窯に代わって日本の有田焼が東インド会社からヨーロッパにたくさん輸出されました。また江戸末期から明治期にかけてもたくさんのやきものが輸出されています。骨董の世界では、前者は「古」をつけて古伊万里、後者は単に伊万里と呼び分けることがあるようです。フレディは主にどちらが好きだったのでしょうね。金襴手の華やかな明治伊万里かな。

写真は後者、江戸末から明治期にかけての有田焼の輸出ブランドのひとつ「蔵春亭」の輸出伊万里を藤吉憲典が復刻したもの。金襴手角瓶。

ここ数年ロンドンにいくたび、その時代の「日本的なやきもの」へのあこがれが、今もなおヨーロッパに根強く残っていることを感じていましたが、それにしてもフレディが好きだったとは!ファンの間では有名だったそうなのですが、全く知りませんでした。この仕事に関わるものとして、朝からなんともハッピーな気分です。

11月に公開される映画「ボヘミアン・ラプソディ」が楽しみな今日この頃です。

 

 

陶芸作家の裏方仕事。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

陶芸作家の裏方仕事。

陶芸作家であるダンナは「つくること」に徹しています。その他もろもろ全般を請け負っているのは、わたし。ふだん超マイペースで仕事をしているのですが、ここ数日、珍しく締め切りのあるものが立て込んで、バタバタしていました。

写真はそのバタバタを癒す、小城羊羹とお気に入りのガラス器でいただく麦茶。

初見の方とのやりとりで「奥さんは作らないんですか」と聞かれることがよくあります。そんなときは「つくること以外全般担当です」とお答えすることが常なのですが、しばしば「ふ~ん、この人は仕事していないんだ」という心の声を含んだリアクションをされることがあります。もし悠々としているように見えているならば、それはそれで嬉しいこと!?かも知れませんね。

自営業をなさっている方なら、業種に関わらず、わき役の仕事とが意外とたくさんあることを分かっていただけると思いますが、これをちゃんと説明しようとするとけっこう面倒ですし、説明して欲しいと思っている人もそんなにいません(笑)

そこで思いつき、ここ数日の「バタバタ」が、具体的に何をしているのかを書き出してみることにしました。


  • ギャラリーオーナーさんとの電話連絡。
  • ネットショップの受注業務。
  • 個人のお客さまとの電話連絡、メール連絡。
  • 国内注文品の梱包、出荷手配。
  • 桐箱屋さんとのやりとり。桐箱の準備。
  • 作家ポートフォリオの作成(日本語版、英語版)。
  • アワード応募書類の作成(日本語版、英語版)、写真データ・動画データの作成。
  • 名刺の出稿。印刷屋さんとのやりとり。
  • 経理帳簿入力。
  • 雑誌掲載依頼への対応。コメント等準備。
  • SNSでの藤吉憲典ならびに花祭窯の情報発信。
  • 今後の事業に向けての事業計画作成。
  • サイトリニューアルへの骨子づくり。

ここ1週間でやっていたのは、こんなところ。まあまあ仕事してますよね(笑)

こうして見てみると、こまごましたことが多いですね。そんななかでも楽しいのは、今後に向けて仕掛けを考えて、その準備を整えていく仕事です。新しいことを手掛けてみても、しっかりと実を結ぶのはそのうちいくつあるかどうかですし、結果が見えるまで時間がかかることが多いです。でも事業を継続していくために必須の仕事であり、いわば生活が懸かっているわけで(笑)

それにしても新しいことを考えていくのは楽しいものです(^^)

 

銀座ぶらぶら。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座ぶらぶら。

個展がオープンする前の時間とランチタイムに、ちょっぴり銀座(滞在先の近所と黒田陶苑さんの近所)を楽しんで参りました。写真は、宿泊地のすぐ近所にあった築地本願寺。

  • 築地本願寺‥以前友人がここの写真をSNSにアップしているのを見て、必ず行こう!と思っていた場所。タイミングよく読経も拝聴。気持ち良い朝の時間となりました。
  • 銀座蔦屋書店‥GINZA SIX。エレベーターで6階に直行。アート・建築・日本文化に偏ったセレクトを満喫。聞けばGINZA SIX全体がインバウンドに照準を合わせたつくりだということで、蔦屋でもカートに本を山盛りにした海外からのお客さまがあちらこちらにいらっしゃいました。
  • 木村屋銀座本店‥定番おやつにあんぱんを。
  • 鳩居堂銀座本店‥便箋か絵葉書をと思いつつ、目移りしすぎて時間切れ‥購入に至らず(汗)
  • 銀座ライオン‥ランチにカレーフェア開催中のライオンへ。銀座ライオンを見ると無条件にワクワクするのですが、ビールは無しで。
  • 筑紫樓銀座店‥フカヒレ料理が有名という高級中華やさんのお得なランチメニューを堪能。ランチセットは主菜がとってもおいしいうえに、スープとご飯がお替り自由!ランチセットとは別に、デザートのライチシャーベットと杏仁豆腐が最高でした。
  • 銀座教文館‥キリスト教書店、となっていますが、1階2階は普通の本屋さん。コンパクトながら充実度合いが嬉しい本屋さんでした。

空港とホテルと個展会場だけで終わることの多い東京出張。こうして見てみると、今回は特にギャラリーオープン前の時間を使って、かなり楽しんでいますね(^^)