続・BCP(事業継続力強化計画)策定-申請完了!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・BCP(事業継続力強化計画)策定-申請完了!

「やろう!」と腰を上げかけて1年以上ほったらかしだったBCP(Business Continuity Plan)を、やっと形にし始めたのは、つい2週間ほど前のことでした。

福津市商工会が計画してくれたBCP策定セミナー。結果論(セミナー参加希望者がうちだけだった…)とはいえ、中小企業診断士の先生にマンツーマンで指導していただける稀有な機会はラッキー!そのもの。前回ご指導を受けて、申請書類への計画の書き方の流れやコツがわかりましたので、2回目に向けては、2週間の間に自分で計画書をすべて埋めて、あとはチェックだけしていただくという状態で臨みました。

結果、相談2回目は、1時間ほどで内容のチェックと数か所の修正が済み、無事申請完了となりました。やったー!あとは、管轄機関である中小機構九州支部からのフィードバックを待ち、フィードバックに対する修正を経て、認証という運びです。その一方で、実際に花祭窯での危機管理が絵に描いた餅に終わらないように、自分たち用にまとめたものを作り、実践していく必要があります。ここまでやらないと、意味がありません。

花祭窯はダンナとわたしの二名だけですが、きちんと明文化して共通認識としておくことが大切だと、今回の計画申請を通してあらためて思いました。自然災害・感染症・サイバーセキュリティの観点で計画を立てるにあたり、まずは課題を書き出すことが、漠然とした不安を少しでも払拭する最初の一歩になることを、実感しました。

まだ取り組んでおられない事業者さん、おススメです!

実山忌の献茶式とお茶会でした。

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実山忌の献茶式とお茶会でした。

今年最後のお茶会は、実山忌でした。南方流の円覚寺に伝承される『南方録』。千利休、南坊宗啓、立花実山の三名の存在があって、『南方録』が出来上がっているのだと解釈しています。その一人、立花実山を祀る茶会は毎秋十一月。円覚寺本堂での献茶式とご焼香に続いては、和尚様による『南方録』の読解があります。南方録の解釈は、自分一人で本を読んでも困難なばかりですが、和尚様が毎回「わかる方も、わからない方も、お聞きください」とおっしゃってくださるので、気持ちが楽になります。

南方録の講話が終わると、残茶拝復のお茶会です。今年のお茶会では、濃茶の亭主を一席務めるよう指名されました。南方会のお茶会で亭主を務めるのは、ずいぶんしばらくぶりです。コロナ禍下では使っていなかった三畳のお茶室を、久しぶりに開いてのお点前ということもあり、前日のお掃除と準備が終わった後、お茶室の確認とお点前の確認を先生にお願いしました。ご多忙のなか、先生や先輩が残ってご指導くださり、ほんとうにありがたいことです。

さて当日は、前日に練習をしたものの、緊張で軽くパニックになりつつ、お点前。正客の先生が「おいしい!良くきれいに練れていますよ」とおっしゃってくださったのに救われて、随所で点前を凡ミスしながらも、なんとか席を務めることが出来ました。三畳のお茶室で温かく見守ってくださったお客様、水屋をサポートしてくださった皆さま、そして常日頃からお稽古をつけてくださっている先生方と同輩の皆さまに、心より感謝の一日でした。

ところで、茶道流派の「南方流」と「南坊流」は違うの?というご質問をいただくことがあります。これについては、わかりやすい説明が茶道南方流の公式サイトにありました。

Q.「南方流なんぽうりゅう」と「南坊流なんぼうりゅう」と、どう違うのですか?
A.そもそもは同じ志で茶の稽古をしておりますが、現在は「南方流」、「南坊流」はそれぞれ別の組織で活動をしております。
円覚寺での稽古は「南方流(なんぽうりゅう」になりますので、お間違えのないようお願い致します。

南方流茶道のご案内(茶道南方流公式サイト)より

次のお茶会は、年明けの初釜茶会となります。とても楽しみです♪

BCP(事業継続力強化計画)策定に、ようやく手を付けました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

BCP(事業継続力強化計画)策定に、ようやく手を付けました。

BCP = Business Continuity Plan、日本語で言うと「事業継続力強化計画」。日本語で言った方がわかりやすいと思うのですが、それはさておき、これをやらねば!と腰を上げたのは、一年以上前のことでした。

せっかく道筋をご指南いただいたのに、1年以上放置状態…で、そんなわたしのダメダメぶりを見越していたかのように、プラン策定からgBizでの電子申請までを一貫で行うセミナーを、福津市商工会さんがご用意してくださいました。これは…わたしのため!?指導してくださる中小企業診断士の先生は、前回と同じ先生で、そこから一歩も進んでいないわたしとしては合わせる顔がないところを「恥を忍んで今度こそ!」の決意を込めて申込。ちなみにgBizとは、法人や個人事業主向けの共通認証システムで、これを申請してIDを取得すると、事業者向けの複数の行政サービスを利用しやすい、というものです。

さて当日…の少し前に、商工会の経営指導員さんからお電話いただきました。「実は」とおっしゃることには、なんと今回のBCP研修の参加希望者が「花祭窯さんだけなんですよ」ということで、セミナーがキャンセルになるのかと思いきや「なので、マンツーマンでプランを策定することが出来ますので、時間配分なども柔軟に変えながら進行しますね!」というありがたいお言葉。文字通り、わたし(花祭窯)のために開催していただくこととなりました。

いやはや贅沢ですね。わたし一人に向けて解説してくださるので、疑問があるところはその都度先生のお話をさえぎって、質問・確認することが出来ました。30分ほどの解説の後は、実際に電子申請用の画面を開いて、直接書き込んでいきました。上の写真は、下書き用のフォーマットをプリントアウトしたものですが、画面上で直接入力していっても、一時中断で保存・修正・追記が出来ます。登録申請者が増えるに従い、どんどん改良されているようで、行政のシステムにしては使いやすいと思います。

基本的な事項の入力が済み、要領がわかってきたところで、次回までに残りの計画を入力するのを宿題として、一回目の講習はお仕舞い。2週間後の次回は、先生に入力内容を確認していただいて、修正加筆のうえ電子申請完了!を目指します。

ところで今回この制度の概要をあらためてご説明いただいて、BCP策定&申請が、事業資金融資や補助金申請の際の加点ポイントになるケースがけっこうあることがわかりました。計画策定は、あくまでも自分たちの事業を守る指針として取り組むものですが、同時にそのような加点ポイントがあるとわかると、モチベーションアップにつながりますね。

Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その1。

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Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その1。

現代アートコレクターのOmer Koc氏は、藤吉憲典のSladmore Contemporaryでの最初の個展の時から、作品を購入してくださっています。ロンドンのギャラリーMESSUMSから刊行される氏のコレクション図録用に、藤吉憲典のインタビューを求められたのでした。5月に英文原稿を送り、藤吉に関する部分については、夏に既に校正も終了し、刊行を待つばかりとなっています。英文原稿については刊行待ちとなりますが、元となっている日本語原稿を一足早くこちらでご紹介いたします。


Q1. ご自分のことを陶芸家だと考えていますか、それとも彫刻家だと考えていますか?

A1. どちらでもあり、どちらで呼ばれても構いません。1997年に陶芸作家として独立したところから、わたしの作家としてのキャリアはスタートし、その10年ほどあとから、磁器彫刻家としての作品を発表し始めました。そして今は、書画家(水墨画家)としても作品を生み出しています。すべての表現技法がわたしにとっては大切なものであり、これからもアーティストとしてどのように変化していくか、自分自身でも予見できません。わたしの作った作品を所有してくださる方が、「藤吉憲典は何者か」をそれぞれにイメージしてくださったら、それでよいと思います。


Q2. どのようにして陶芸家・磁器彫刻家としての技術を身に付けたのでしょうか。どのような環境に影響を受けてきましたか?

A2. 佐賀県の磁器の産地・有田の隣町で育ちました。当時県内で唯一デザイン科があった有田工業高等学校に進学し、高校時代は絵ばかり描いていました。卒業後は、グラフィックデザイナーとして東京のデザイン事務所に就職。ところが父親の病気のためにわずか3年ほどで帰京することとなり、佐賀有田の窯元に商品開発デザイナーとして参画したことが、やきもの(肥前磁器)との出会いとなりました。

立体であり用途を求められるやきもののデザインは、グラフィックで培った平面デザインの技術やセンスだけではまったく不足であり、そこから「古伊万里」と呼ばれる古い名品、遡っては中国や朝鮮の古い磁器を研究しまくることになりました。美術館や博物館、骨董商、ギャラリーに通って実物を見て触るとともに、資料を大量に読みました。わたしは、やきものについての学術的な教育も受けていませんし、やきものの師匠もありません。古い名品こそがわたしの師となってくれました。

おかげで、自分自身の目、手、五感を通して、自分の美意識に忠実に、ものづくりに向き合うことが出来ています。そしてもうひとつ、幼少期から書道家であった父親の特訓を受けており、書道の基礎が叩き込まれていたことも、今考えると特質すべきことでした。自然な筆遣いや余白のバランス感覚、全体としての調和美を最も重視する視点は、わたしが陶芸作家としてデビューし、磁器彫刻家として作品を生み出すキャリアにおいて、大きな特長になっていると思います。


Q3.以降はまた次に。

偶然同じ時期にインタビューが入った『Homes and Antiques』8月号の、日本語もと原稿も、バックナンバーでご紹介しています。どちらも読んでいただくと、アーティスト・藤吉憲典の作品バックボーンが、より分かりやすいと思います。

英国の雑誌『Homes & Antiques』8月号への、藤吉憲典のインタビュー記事原稿。その1。その5まで続きます。

久しぶりの大阪、久しぶりの新幹線で日帰り出張-暮らし用品さんにおじゃまして参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりの大阪、久しぶりの新幹線で日帰り出張-暮らし用品さんにおじゃまして参りました。

もう何年大阪に行ってなかったかしら…ということはつまり、山陽新幹線にもずいぶん乗っていない、ということで、久しぶりの新幹線ホームからワクワクの大阪へ。目的地は、「藤吉憲典 陶展」開催中の、大阪阿倍野の暮らし用品さん。

その前に、どうしても顔を出しておきたいところがあり、まずは東大阪へ。従前通り、難波で近鉄線に乗り換えて行ったところ、「新大阪から直接来たんやったら、JRの東線で来れたのに」と路線図を見せられ、「ええええー!」と驚愕。そんなラインが通っていたなんて、知りませんでした。懐かしいお顔にご挨拶を済ませて、次は阿倍野方面へ。近鉄線のホームで難波行きの電車を待っていて「尼崎方面」の文字が目に入りました。「尼崎???」と路線図を確認したところ、なんと阪神線に乗り入れているではありませんか!いろいろなラインが繋がって便利になっていたのですね。そっかぁ、そんなに大阪に来てなかったんだなぁ…と、すっかり浦島太郎でちょっぴりショックでした。

さて暮らし用品さん、実はわたしは初めての訪問でした。「伺います!」といいながら、何度も予定が流れてしまい、ようやくおじゃますることが出来ました。ダンナから話には聞いておりましたが、とっても雰囲気のある長屋の一角で、玄関先から続く素敵なたたずまいに、思わず顔がニヤニヤしてしまいました。

そんな暮らし用品さんの店内の様子を激写して参りました。

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

大阪阿倍野の暮らし用品さん

靴を脱いで上がる空間は、とっても落ち着いた空間です。畳に座ってじっくりと器を愛でるのに、最適。ご来店なさるお客様も、皆さん長居をして楽しんで行かれるようです。わたしが伺ったときは、本降りの雨が降り出したところでしたが、雨に濡れた坪庭の雰囲気も素晴らしく、すっかりくつろいでしまいました。

店主の米田さんと、たくさんお話が出来ました。今回の「藤吉憲典陶展」は本日11月7日が最終日ですが、このあとも暮らし用品さんと、一緒にいろいろと取り組んで行くことが出来そうです。とっても充実した日帰り出張となりました。

オランダに移住した知人が、「小さく始めるヨーロッパ輸出や海外輸出ブランディングをサポート」する仕事をはじめました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

オランダに移住した知人が、「小さく始めるヨーロッパ輸出や海外輸出ブランディングをサポート」する仕事をはじめました。

アーティストがの経済活動や海外進出について「この分野でコンサル業出来るかも(笑)」と頭をよぎったのは、つい先日のことでした。

アーティストに限らず、海外現地で日本語と現地言語でサポートしてくださる方と出会えるかどうかは、海外進出にあたっての障壁を取り除く、とても大きな要因だと思います。できれば「日本語が話せる」だけでなく、日本の文化的背景などに馴染んでいて微妙なニュアンスを理解してくれる人に出会えることが、望ましい。日本に長く住んでいた人だと、そのあたりがクリアになりやすいと感じています。

そして、今後そんなサポートを期待できるかもしれない!思える方から、このたびオランダで事業を始めたとご連絡をいただきました。ウェブデザイナーでコンサルタントの田代紫野(Tashiro Shino)さん。商工会を通してお世話になった中小企業診断士さんからのご紹介でお会いすることになり、この夏に花祭窯にいらしてくださったのでした。実のところ一度お会いしただけですが、これからオランダに移住して事業をスタートなさるという直前で、ご自身の事業計画について語る熱意と理想溢れる姿がとても印象的でした。

まだ移住してから数カ月で、これから現地での基盤を築いていかれるところだと思います。まずはウェブサイトをオープンしたということでご連絡をいただきました。さっそく覗いてみたところ、海外進出のためのHow toがわかりやすくまとめられていました。

purplea+  「小さく始めるヨーロッパ輸出や海外輸出ブランディングをサポートします」とあります。

わたしはまだ実際にサービスを利用しておりませんので、お仕事ぶりの評価はできませんが、まずはウェブサイトをご覧になるだけでも、海外進出を今からご検討なさる方に役立つ情報を見つけることが出来ると思います。「輸出を支える支援体制」というメニューがあり、そのなかで「公的機関の施策/役立つ情報」「海外展開に利用できる補助金情報」が一覧でまとめられており、ここをチェックするだけでもかなり役立つと思います。わたしもオランダ進出を企むときには、まずご相談してみようと考えています。

アーティストも、経済活動をしている一事業者なので、活用できる施策がいろいろある。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アーティストも、経済活動をしている一事業者なので、活用できる施策がいろいろある。

福岡商工会議所さんのイベント「クリエイターマッチング」に参加してきたのは、ちょうど1週間前のことでした。

福岡市が『Fukuoka Art Next』として令和4年以降「暮らしの中で身近にアートに触れる機会を増やし、アーティストの成長支援に取り組む」と宣言したことは、福岡県全体に波及しているようです。今回のイベント開催もその流れのひとつであり、来場者の皆さまのなかには、マッチング先を探す事業者の方だけでなく、行政関係の方も少なくなかったように思います。

「花祭窯さんですね!」とさわやかに声をかけてくださったのは、福岡県商工部の新事業支援課の職員さん。新事業支援課は経営革新計画の審査をする部署です。この職員さんとは「初めまして」でしたが、「花祭窯さんの経営革新計画の審査、わたしがやらせてもらいました!」ということで、ご挨拶に続いていろいろとお話をすることが出来ました。

この「経営革新計画の策定」をはじめ、行政関連サービスを相当に使い倒している自負のあるわたくし。特に海外進出に関しては、ジェトロ、中小機構、福岡アジアビジネスセンターなど、国・県・市の単位を問わず「ヘルプ!」を申し立てて、さまざまな施策で助けていただいています。それらの根っことなるのが、地元の商工会。そもそも最初の経営革新計画は、13年ほど前に佐賀県で「江北町商工会」にお世話になって取得したのでした。ここ福岡に移ってからは、福津市商工会をメインに福岡商工会議所にもお世話になっています。

経営革新計画は、それ自体は策定したから何かご褒美をもらえるというものではありません。あくまでも自身のため。ただここ数年は、経営革新計画を策定していることを評価しての、補助金などの施策が少しづつ具体的に活用できるようになってきています。福岡県にもその制度がありますし、花祭窯のある福津市でも、昨年度から経営革新計画に基づいた事業計画への補助金制度がはじまりました。このように、各自治体でさまざまな施策がある可能性が高いので、調べてみる価値はあると思います。

聞けば、先般のクリエイターマッチングに参加していた50の事業者のなかで、経営革新計画の策定を行っているのは、おそらく花祭窯だけだろうというお話。法人化している事業者さんも少なくないなか、非常にもったいないことだと思いました。福岡県の職員さんによると、デザイン・アート業界では、このような制度があること自体知らない方が多いのではないかと。たしかにそうかも知れません。

実は、わたしが行政のサービスを積極的に活用し始めた10数年前は、アート系の事業に関しては「専門外だから」と言われることも少なくありませんでした。ですが、上に書いた福岡市の例のように、現在はもっと経済活動とアート業界が一般的に近づいてきていますので、さまざまな施策についても活用しやすい環境になってきていると思います。ビジネスのプロによる専門家相談や補助金活用などは、わかりやすく活用しやすい施策の代表。花祭窯の事業についても、この1年だけみても相当お世話になっています。クリエイティブを自任する皆さんにも、ぜひ上手に使って欲しいと思うので、こうしてときどきブログでも告知というか、自分がどう使ったかを書いています。

たまに、ではありますが、ふじゆりスタイルの記事を見て、「どうしたらいいか、わからなかったこと」の手掛かりを求めて問合せをしてくるアーティストさんがいらっしゃいます。つい先日は、北海道からお問い合せをいただきました。わたしの知っていることは、どんどん情報公開してまいります。趣味のアーティストではなく、生活の糧を稼ぐアーティストの皆さん、ぜひ事業者として情報を集め活用しましょう。

週末は梱包発送仕事に追われていました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

週末は梱包発送仕事に追われていました。

2023年秋冬の展覧会は、ロンドンSladmoreでのクリスマス・ショウへの作品参加と、今週末からはじまる大阪阿倍野・暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」です。週末は、その二つの展覧会への作品発送準備でした。先方への納品期限は前から決まっているので、早く準備出来ればそれに越したことは無いのですが、作品あっての梱包発送ですから、事前にできることは限られており、作品が揃い次第、一気に梱包&発送!という感じです。

梱包作業の間、ふだんギャラリースペースとしてお客様をお迎えしている部屋は、梱包材がたくさん散らかり、ちょっとお見せ出来ない混沌とした状態です。梱包し、作品リストを作り、運送業者さんを手配して、発送が完了するまで、軽く緊張状態。今回は2か所分の作業を立て続けに行いましたので、いつもよりさらに混とんとしていました。

何十年も続けているこの作業仕事も、定型仕事ということは決してなく、毎回改善点を見つけては次回に生かすことを繰り返しています。より無駄なく効率的に、より安全に、ギャラリーにお届けできるように。おかげで「余程のことがなければ破損しない」梱包が出来るようになりましたし、リスト作成や発送におけるミスも減ってきたと思います。もしかしたら「外注」という発想もあるのかもしれません。でも、今のところ、作家とわたし二人で自ら手を動かすことは、わたしたちにとっては必要な仕事だと感じています。

ともあれ、無事に発送完了。あとは「無事到着しました」のご連絡が来ることを祈りつつ待つばかりです。

続・表装の楽しみ、ますますワクワク。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・表装の楽しみ、ますますワクワク。

表装の楽しみがひとつ形になって、ますますワクワクしていると投稿したのは、つい1カ月前のことでした。

展示した状態のビジュアルイメージがもたらす「わかりやすさ」が嬉しくて、もうひとつ、パターンを増やしました。手はじめに縦長作品・横長作品を表装しましたので、次は「全紙」です。この三種類があれば、壁面に飾ったときのサイズ感、見え方が、おおよそイメージできるのではないかと思います。頭ではわかっていたつもりのことですが、全紙を表装するとかなり大きくなりますね。やはり作品本体がポンと置いてあるのに比べると、「ここに飾ったらどんな感じになるか」が各段にイメージしやすくなります。これは額装にした場合もまったく同じことが言えますが、表装の良いところは、丸めて持ち歩けること。

藤吉憲典 円相龍図

額装にはじまり表装が続きと、このところ立て続けにお世話になっている大崎周水堂さん。スタッフの方々にも、なんとなくわたしの人となりというか、オーダーの「癖」のようなものを、少しづつ理解していただきつつあると感じます。生地の選びかた、切り替えの仕方など、あまりにもシンプルで、「掛軸の常識」から離れていることもあるので、ベテランのスタッフさんや表装職人さんからは、その都度「一般的にはこのようにするのがほとんどで、藤吉さんの希望するようにすると、このように見える可能性がありますが、ほんとうに大丈夫ですか?」の確認が入ります。ときには、作業に入る直前で電話確認が入ることも。こちらはもともと素人です。その相手に面倒がらずにひとつひとつ説明し確認してくださることを、とてもありがたく感謝しています。

アドバイスを取り入れる部分と、我流を貫く部分。掛軸という伝統的なスタイルを、現代の藤吉憲典の書画作品を見せる方法として、どのように生かせるか。今回は大物でしたので、大崎周水堂さんの店先で出来上がりを確認する際、スタッフの方が二人がかりで広げてくださいました。「こんな生地があったんですね」「初めてのことで心配しましたが、良い感じに上がりましたね」などなど、感想をつぶやいてくださるスタッフの方と一緒に出来上がりの確認ができるのは、嬉しい瞬間でもあります。

長く立体を扱ってきておりますので、平面の面白さ・わかりやすさが、とても新鮮です。展示機会に皆さんにご覧いただけるのが楽しみです。

アート作品の新作撮影-@abc pictures赤司さん。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アート作品の新作撮影-@abc pictures赤司さん。

2023年も早くも10月。今年も、ロンドンSLADMOREでの11月~12月恒例のクリスマス・ショウに参加いたします。その作品の撮影をお願いしてきました。ギャラリー側でも撮影してくださるのですが、やはり手元にも持っておきたいもので。ロンドンへは、Animal Boxesシリーズを中心に10点前後の作品をお届けする予定です。

SLADMORE :Sladmoreの公式サイトも、この秋リニューアルされたばかりです♪

撮影をお願いしたのは、今回もabc pictures 赤司憲壕さん。雑談しながらこちらの意向を確認し、撮影する作品の顔ぶれを確認し、セットを用意し、試し撮りと確認を2~3回繰り返して、納得のいく環境が整うまでにかかった時間は15~20分ほど。ここ数年「白背景」の写真が続いたので、「ちょっと変えてみますか?」とのご提案で、今回は「グレー背景」にしてみることに。

一度環境が決まってしまえば、あとはサクサクと撮っていくばかりです。シャッターを切るごとにディスプレイで見え方を確認するのですが、ほとんどがワンカットでばっちりOKなのは、いつものことながらさすがです。またこれも毎回感じていることですが、技術の高さが素晴らしいのは大前提として、被写体である作品に対する理解や敬意を持ってくださっているからこそ、写真を通して伝わってくるものがあり、そこが一番有難いところです。

撮影をお願いしたのは10数点でしたが、スタジオに入ってから約1時間で完了。もちろん早ければ良いというものでもありませんが、時間をかければ良いものが撮れるというわけでもなく、期待以上の成果物をサクッと仕上げてくださるので、たいへん助かります。

最新の作品写真は、藤吉憲典公式インスタグラムでもご紹介して参ります。

藤吉憲典公式インスタグラム