Sladmore Gallery での展覧会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

Sladmore Gallery での展覧会。

英国イングランド地方では、4月に入ってロックダウンが緩和されています。昨年来、藤吉憲典の契約ギャラリーSladmore contemporaryと、近代彫刻を扱うSladmore Galleryとで「Antique to Contemporary」の展覧会がいくつも企画されていますが、少しづつ、ギャラリー現地で展覧会をご覧いただける状況に戻りつつあるようです。

昨年からのロックダウンの繰り返しで、当初スケジュール通りには運ばないことの方が多かったようです。でもそこは柔軟に日程を変えたり、クライアントへの対応方法を変えたりしながら、人々にアートを届けるために動き続けている様子が、メールでのやり取りを通じて伝わってきていました。またこういう時こそアートの果たす役割・ギャラリーの果たす役割があると、機会・テーマを模索し提供し続ける姿勢に、ロンドンの老舗ギャラリーの使命感と責任感を見ました。

2021年藤吉憲典展覧会予定でもご紹介していますが、今年はロンドンで3つの展覧会に作品参加する予定です。いずれの展覧会も「Antique to Contemporary」。Sladmore Galleryの所蔵する近代を代表する彫刻家の作品に加え、Sladmore Contemporary所属の現代アーティストがつくる動物彫刻の最新作を一堂に見ることができる、贅沢な機会です。そのひとつめが、もうすぐオープンになる「Sporting animals」をテーマにした展覧会です。

隼陶箱 藤吉憲典

上の写真は、「Sporting animals」に出している藤吉憲典の最新作のひとつ。展示会がオープンになりましたら、また様子をお伝えできればと思います。

ちなみに、2020年末に開催されたDogs, Cats and Other Best Friends – A Selection of Animal Sculptureの様子は、下のリンクからご覧いただくことができます。プロモーション動画では、1分50秒頃からちょっとだけ、藤吉憲典の作品紹介も入っています^^

まずはお花を飾ってみてください!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

まずはお花を飾ってみてください!

ラジオから聞こえてきたのは、石原和幸さんの声。毎朝ルーチンで聴いているLOVE FM木曜日「石原和幸のフラワーレター」コーナーです。庭園デザイナーの石原和幸さんは長崎県ご出身で、会社「風花」も、もともと長崎県にありました。ハウステンボスの庭園デザインや、英国王立園芸協会主催のチェルシーフラワーショーで金メダルをいくつもとった方として有名です。

長崎でそのような凄い仕事をする方がいらっしゃるのだなぁ、と思っていたら、あれよあれよという間に全国区でのご活躍。最近では、西鉄の遊園地かしいかえんをリニューアルした株式会社藤井設計室・藤井昌宏さんが、庭園デザインで石原さんとご一緒だったと聞き、勝手に親近感を持っておりました。

さてその石原さんが、上述のラジオで「よろず相談」的なことをなさっているのですが、花に対する愛情があふれているのです。いつもテンション高めのトークなので、聞いていて勢いに押されてしまうのですが、お話しなさっている内容をじっくり反芻すると、花が人の気持ちや生活や世の中に、どんなふうに役に立っているかに気づかされることが少なくありません。

さっき聞こえてきた「まずはお花を飾ってみてください!」の声にも、石原さんのやさしい気持ちが込められていると感じます。お花を飾ることって、簡単そうでありながら、習慣にならないと、なかなかできないことなのかもしれません。かくいうわたしも、お客様がいらっしゃったり、ご近所からお花をいただいたりという機会があるからこそ花を生けますが、そうでなければ、家のなかに花のない状態が続くこともあります。

「まずはお花を飾ってみてください!」ラジオから聞こえてきた陽気な声が、たくさんの人に届いているといいな、と思った朝でした。

桃居さんから藤吉憲典陶展のDMが届きました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

桃居さんから藤吉憲典陶展のDMが届きました!

2021年藤吉憲典の展覧会は、5月の桃居さんがスタートです。初日までちょうどあと一か月という昨日、桃居さんから個展DMが届きました。毎回、素敵な案内状を作ってくださる桃居さん。ギャラリーさんが作ってくださる案内状には、ギャラリーさんから作り手への期待が込められていると感じます。完成したDMを見て、作り手のやる気はますますアップします。過去の桃居さんでのDMはこちら

2021年の「藤吉憲典展 at 桃居」テーマは「おさらい」。この6月で、花祭窯は創業から25年目に入ります。藤吉憲典が「やきもの」の道に入ってからは、35年。試行錯誤を繰り返し変化しながら進んできた道を、このタイミングで丁寧に見直し(作り直し)、自らの原点を踏まえてこの先にジャンプしていこうというところです。

藤吉憲典陶展 at 桃居 2021/5/21(金)-5/25(火)
藤吉憲典陶展 at 桃居 2021/5/21(金)-5/25(火)

桃居さんでは、昨年来、感染症対策の観点から「オンライン展示」で展覧会を開催しておられます。今回の藤吉憲典陶展も同様で、現時点では、会期後半5月23日(日)から最終日までの三日間がご来店可能日となっています。

時節柄変更の可能性もありますので、ご来場の際は、直前に桃居さんのサイトでご確認いただくか、お電話で桃居さん(TEL03-3797-4494)に問い合わせていただくと確実です。お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします!


藤吉憲典陶展 at 桃居
2021年5/21(金)-5/25(火)会期中無休
11-19時(最終日17時まで)
東京都港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494
http://www.toukyo.com/exhibition.html

久しぶりに、がっつり、やきものの話。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりに、がっつり、やきものの話。

先週末、磁器作家・藤吉憲典を訪ねてお越しになったお客さまがあり、久しぶりにがっつりと「肥前磁器の話」を楽しむ時間となりました。

肥前磁器の歴史の話、染付の話、道具や材料の話、佐賀の産地の栄枯盛衰の話、江戸時代の風俗の話、九州陶磁文化館の話、現代の伝統工芸の話、デザインと芸術の話、陶片や骨董の話、作家を育てるギャラリーさんの話、朝鮮半島と中国大陸の話、佐賀有田(伊万里)とここ津屋崎との不思議なつながりの話…果てしなく話題は広がっていきました。

文様についての話題も盛り上がりました。文様のルーツについて、解釈について、様式について、描き方について、古典文様とオリジナル、写しとコピー、使う絵の具について、筆について…。わかりやすいように、それぞれの話題に応じた器を引っ張り出し、目の前に並べて見ながらおしゃべりしていたら、テーブルの上は器だらけになっていました。

「やきものの一番の魅力ってどこにあると思いますか?」というお客さまの問いに対する答えは、このおしゃべりの時間がそのまま答えになっていたように思います。すなわち知的好奇心をくすぐる要素があまりにも広く深いこと。文様の話ひとつとっても、語りだしたら、いくらでも語るべきことがあり、調べだしたらいくらでも調べるべきことがあるのです。作り手にしてみれば、作っても作っても「これで完璧」ということはなく、どこまでも追及していける深みがあること。いずれにしても「簡単に理解できるもの、達成できるもの」は、面白くないのかもしれません。

日常的に(仕事も生活も)肥前磁器に囲まれていますが、たっぷりの「言葉」で肥前磁器の世界に浸かったのは久しぶりでした。好きなものについて語り合う時間は楽しい。素敵な時間をもたらしてくださったお客さまに、心より感謝しています。

お弁当スタートから1週間。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お弁当スタートから1週間。

息子が高校生になったタイミングでスタートした、毎日のお弁当作り。本人が「自分で作る」と宣言したので、わたしは見守り・アドバイス・お手伝いに徹して、1週間が過ぎました。今のところ、頑張って継続しています。

そもそもなぜ彼が自分で作ると言い出したのか、その言葉が当たり前のようにスラっと口から出てきた背景を考えてみたところ、ふたつのことが思い当たりました。

「むなかた自炊塾」「弁当の日」です。

「むなかた自炊塾」は、九州大学持続可能な社会のための決断科学大学院プログラムの比良松道一先生(2021年4月現在)が代表を務める活動グループ。比良松先生は、九州大学での「自炊塾」の取り組みからスタートし、全国各地で食育に関連する講演をなさっています。むなかた自炊塾は、九州大学での取り組みを地域に生かした、いわばスピンオフ版でした。

むなかた自炊塾に息子が参加していたのは、小学校高学年の2年間ほど。最初は親子で参加したものの、親が忙しくて参加できなくなると、息子一人で参加するようになりました。大人に混じってエプロンと三角巾をつけ、先生の講義を聞いたり、生産者の方々の生の声を聞いたり、プロの料理人の話を聞いたり、皆で調理実習をして食べたり。さまざまな「食に関わるプロ」と一緒にご飯を作り食べる時間は、ありがたい機会であったと思います。

「食べることは生きること」を学ぶ場。食に関する大切な知恵や知識を教えていただいていました。ただそれよりも、子ども一人で参加していた彼を周りの皆さんが気にかけてくださり、温かい思い出がたくさんできたことこそが、「自炊塾」での一番大きな糧になったのだと思います。準備から後片付けまでの流れのなかで、「人とのかかわり」こそが、宝物になったのではないでしょうか。

一方「弁当の日」は、香川県の小学校で竹下和男校長(当時)が、子どもたちに「くらしの時間」を取り戻したほうがよいと考えて2001年にスタートした活動。子どもが自分でお弁当を作って学校に持ってくるという取り組みです。映画にもなっているので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。 この活動に共感した地方自治体に「弁当の日」が広がり、ここ福津市でも息子が小学校在学中に弁当の日が導入されました。

この取り組みのおかげで、小学校高学年の頃から、年に1回は「自分でメニューを考え、食材の買い物から弁当作りまでを行う」機会を持つことができました。一緒に買い物に行くことで、自分が考えたメニューをそのまま実現しようとしたら、材料費が思いのほかかかることに気づいたり、思った食材が無い場合は代用できるものを探すことなど、少しづつ知恵をつけていくことができました。

これらの経験があって「お弁当を自分で作る」につながったのだと思います。高校生活の朝は早く、勉強と部活とでいっぱいいっぱいになりそうなところ、どこまで頑張れるかな、と楽しく見守っているところです^^

25分集中、5分休憩。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

25分集中、5分休憩。

先日読んだ『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)に書いてあった、時間管理術。天才にはなれないけれど、行動様式を真似することで得られるものがあるかもしれないと思うのは甘いでしょうか(笑)。これならわたしにも試せそう!と思ったのが「25分集中、5分休憩」の仕事パターン。今まさに、タイマーで計りつつ書いています。

2セットで1時間になる計算。そういえば高校あたりでは、50分の授業に10分休憩という時間割ですから、人の集中力を考えたときに、理にかなうものなのかもしれませんね。わたしは仕事で切羽詰まった締め切りに追われることがあまり無いので、時間の使い方が緩くなっていることは大いに考えられます。

時間を区切って考えることをストレスにせず、ゲーム感覚で楽しむことができれば、そして習慣化できれば、知的生産性を上げていくことができるかもしれません。25分に1つ、なんらかの成果を出して、積み上げていくイメージ…うまくいくと良いですが。

そういえば『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)では、「習慣化する」ことの効用も説かれていました。新しいことを学ぶときの秘訣は「新しい習慣を作る」ことを習慣にすることだということです。それによると、新しい習慣を身につけるには一般的に2か月かかり、2か月かかるとしても、1年で6つの新しい習慣を作ることができるはずだと。そう思うと、ちょっぴり楽観的な希望が湧いてきます。

以前読んだ某書で、ブログ記事は15分以内で1本書けるようになるといいね!という提案がありましたが、わたしはどうしても15分以上かかります。この機会に25分を基準にできるといいな、と思っています。さてちょうどタイマーのアラームが鳴りました。25分でブログ1本、まずは成功です^^

カモメ→ツバメ、そしてアオイガイ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

カモメ→ツバメ、そしてアオイガイ。

いつもの夕方散歩は、海へ。この1週間は、雨が降ったり仕事が重なったりで歩く時間があまりとれませんでしたので、「今日こそは歩くぞ!」と決めていました。空を見上げれば低い雲が悩ましく、山方面はあきらめ、念のため傘を持って海方面へ。

雨を含んだ砂浜は、乾いてサラサラの時よりも、固くなって足がとられず歩きやすいのです。機嫌よく歩を進めていくと、ピュンピュンとツバメの姿。ああ、もうそんな季節ね、と思いながら足元を見れば、葵貝(アオイガイ)が転がっていました。潮の引いた砂浜に取り残された葵貝は、この季節の風物詩。上の写真はその葵貝を主役にした、藤吉憲典の陶箱。下は実物の写真。造形といい色合いといい、美しいですよね。

アオイガイ

貝殻のように見えるこのなかには、本来ならば蛸(タコ)がいます。浜に打ち上がっているときには、貝殻だけになっていますが。タコが粘液を出して自分で作る保護殻だそうで、蛸貝(タコガイ)とも呼ばれます。数年前に一度だけ「中身入り」の状態で打ち上がっているのを見つけたことがあります。半透明の、これまた美しいタコでした。

ともあれ、思いがけない落としもの発見。薄くて壊れやすい殻なので、破損のない状態で見つけるのはラッキー!なのです。目視チェックしたところ、ほぼ完品。用心深く拾って持ち帰りました。右手にアオイガイ、左手に傘。いつもは手ぶらウォーキングなのですが、荷物の多い帰り道となりました。雨は結局降りませんでした(笑)

実は今日の海散歩は、歩き始めからなにか「いつもと違う」感じがしていたのですが、家に到着してから、その理由が突然わかりました。それは、浜でツバメの姿を見たからでも、アオイガイをみつけたからでもなく、「カモメが居なかった」こと。人が歩いていてもギリギリまで動こうとしない、ふてぶてしい態度がご愛嬌のカモメの皆さんの姿がありませんでした。季節の移り変わりを感じた海散歩でした。

読書『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)

写真は「オードリー=鳳」に敬意を表して、鳳凰文様の珈琲碗皿(藤吉憲典)。

昨年コロナ禍での台湾政府の素早い防疫戦略に関する報道のなかでお名前を知ってから、あちらこちらでその名前とエピソードを目にするようになり、気になっていたオードリー・タンさん。彼女に関する本が図書館の新刊書に入ったと聞いて、「オードリー・タン」とついた書籍に片っ端から貸し出し予約を入れていました。予約からひと月ほどで最初に順番が回ってきたのが本書。

読み進めるほどに、どんどんその人物の魅力に引き込まれていきました。インタビューでの受け答えをはじめとして、彼女の発する「ことば」に内包される視野の広さと温かさ。天才であるだけでなく、精神的な豊かさが基盤にあるからこそ、世の中を動かす行動を実現できるのだろうと感じました。

オードリー・タンその人の凄さもさることながら、そういう人が政府の要員として活躍できる環境のある台湾政府のオープンさが目を引きました。ただ、青く見える隣の芝生は、決して無いものねだりではないと思わせる記述が、希望を感じさせてくれました。


かつて台湾の多くの若者は、(中略)国に失望し、「台湾政治に無関心」になった。次に、政治に関心を示す若者を嘲笑するような時代があった。そして今、若者が政治に参加し、国に関心を示すことは、「最初からそうだった」ように当たり前のことだ。

(『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』(文藝春秋)より)


それを実現するカギは「情報の可視化」。どうして情報の可視化が進むと、市民が政治に失望することなく参加できるようになるのか。その重要性を字面だけでなく理解するためにも、市民たるわたしたちが知っておくべきことが、たくさん書いてありました。国・地方自治で政治や教育を担う人たちにも、ぜったいに読んで欲しい本です。

巻末付録がまた秀逸です。「Q&A 唐鳳召喚 オードリーに聞いてみよう!」とするインタビューと、「特別付録 台湾 新型ウィルスとの戦い」と題したレポートがついていて、それらが実に読み応えのあるものでした。ウィルス防疫戦略が国防のひとつとして重大だという共通認識を持って着々と整備してきた台湾。「中国もWHOも信じない」という言葉には、政府の市民を守る覚悟が感じられました。

Q&Aインタビューでは、ネットに関するオードリーの基本的な見解が心に残りました。いわく、情報をダウンロードするばかりでなく、アップロードすること、そのバランスが大切だということ。情報をアップロードすることは、インターネットへの貢献につながるということ。アップロードするということはすなわちクリエイティブであれ、ということだと。あくまでも「人」が中心にあってのネットだということが、しっかりと伝わってきました。

質実剛健(しつじつごうけん)自彊不息(じきょうやまず)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

質実剛健(しつじつごうけん)自彊不息(じきょうやまず)

高校入学式でのこと。「校長先生のお話」は大人になるとなかなか聞く機会のないもので、最近はこの手の式典に参加するときの楽しみのひとつになっています。生意気盛りの学生時代には素直に聞けなかった「お話」にも、大人となった今なら耳を傾けることができる面白さ。もちろん先生は、生徒たちに向かって話をしているのですが。

さて校長先生のお話は、「質実剛健 自彊不息」の解釈を中心に、端的でわかりやすいものでした。緊張しているであろう新入生に対する温かい心遣いが感じられるお話で、好感度高く。昨年来この手の式典での「お話」は、冗長さを避け、いかに短時間で気持ちを伝えられるかが問われているように思います。

「質実剛健」を手元の辞書(『国語辞典』集文館刊)で引くと、「質実(しつじつ)」は飾り気がなくまじめなこと、「剛健(ごうけん)」は強くたくましいこと、とありました。各地で校訓としてよく使われているようです。不器用でも己を信じて愚直に進んで行けばよい、という印象を受けました。

「自彊不息」は易経のことばとされています。手元にあった『中国の思想〔VII〕易経』(徳間書店)を開いてみると、易の六十四卦の一つ目「乾為天(けんいてん)」の解説のなかに、「自強不息」を見つけることができました。「きょう」の字が違いますが、これは訳す際にどの字を使ったかの違いでしょう。「乾為天」は「陽」が重なる万物のスタートとなる縁起の良い卦です。

「自強不息」の解説に、「天の運行は剛健積極、一瞬もやむことがない。君子はこの卦象を見て、一瞬も気をゆるめぬよう努め励むのである。」とありました。

これらはその前後に漢文が続いているのなかの一部を抜き出しているので、この解説から意訳して解釈しないことには、意味がつかめません。このあたりが、言葉の使い方の難しさですね。同じフレーズも、前後の文脈によって、どう理解すべきか(理解されるか)が変わってきます。ここでは先の「質実剛健」と組み合わせて、「まじめに、信念を持って、コツコツと努力し続けることの勧め」と理解しました。

校長先生のお話では、さらに「人それぞれにタイミングやペースがあるのだから、すぐに結果を求めるものでは無い。焦らずコツコツと取り組めば、いずれ結果が伴う」という意味合いを含めてくださっていました。このニュアンスが付加されることによって、とても温かみのある言葉として響いてきました。

この機会に、少し前に読みかけてそのままだった『易経』を、読み直してみようと思います^^

花祭窯の四月の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の四月の庭。

花祭窯の小さな露地にも、色とりどりの花が咲いています。今朝は久しぶりにやさしい雨音が聞こえています。雨もまた、植物たちへの自然の恵み。この季節は紫色のバリエーションが多いな、と思います。上の写真は、毎年勝手にツルを伸ばし、可愛らしい花を咲かせてくれるヒメツルニチニチソウ。

冬の間まばらになっていたカバープランツ(地被植物)が、元気に伸びはじめました。多年草のジュウニヒトエは、毎年高貴な紫色を見せてくれます。

ヤマブキの黄色がお日さまに映えています。この春はこれまでで一番花がたくさんついていて、まだしばらく楽しめそうです。

ハギもじわじわと咲きはじめました。ちょっと早いかな、という気もしますが^^

スズランに似た可憐な白い花は、アマドコロというのですね。何年も気になっていましたが、ずっとガーデナーさんに聞きそびれていて、やっと名前を探し当てました(笑)

シランもつぼみがたくさんついてきました。満開になるのは5月頃かな。

最後はおまけで、毎年楽しみなご近所さんの藤棚。今年は2週間くらい早いかな、と。