V&A博物館と自然史博物館。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

V&A博物館と自然史博物館。

12月7日。上の写真は自然史博物館前に出現していたメリーゴーランド。クリスマスシーズンとあって、スケートリンクも登場していました。ロンドン市内を回る最終日は、定番のふたつの館へ。ナショナルギャラリー同様、何度行っても飽きず、回りつくすことのできない場所です。

今回のヴィクトリアアンドアルバート博物館は、ダンナの希望によりジュエリーコーナーから。「必ず観たいところ」は決めておいて最初に行かないと、辿り着く前にお腹いっぱいになってしまうので、これまでの反省を踏まえて。入るとすぐに、ボランティアガイドさんがフロア案内の声をかけてくださり、すんなりと目的の部屋へ行くことができました。

ロンドンビクトリアアンドアルバート博物館

「小さくて美しいもの」という意味で、ジュエリーの世界は藤吉憲典のアートの世界と共通しています。また「身の周りの機能美」という点では、器の世界と共通するものもあります。きらびやかな展示を拝見すると、ジュエリーのコーナーだけで早くも胸がいっぱいになりました。

お昼ご飯をはさんで、お隣の自然史博物館へ。平日は、学校や幼稚園などからの子どもたちの訪問でにぎやかな自然史博物館、週末とあって家族連れでいっぱいでした。先生と一緒に、あるいは保護者と一緒に、子どもたちがあたりまえに何度も足を運ぶようになる、博物館との心理的距離の近さをあらためて思いました。

今回のロンドンでの個展タイトルは “The Porcelain Animal Boxes of KENSUKE FUJIYOSHI” でした。動物をモチーフにした作品の多い藤吉憲典にとって、ふだん公園や動物園で観る鳥や動植物の姿はとても大切です。同様にこの自然史博物館のように、間近で大きさや質感を感じることができる場所も、とても貴重な場所です。

ミュージアムの恩恵を存分に堪能した一日でした。

ザ・デザインミュージアム。

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ザ・デザインミュージアム。

12月6日。こちらも今回初訪問となった、ザ・デザインミュージアム。写真はエントランスから眺めたところ。文字部分が 「USER」 「MAKER」「DESIGNER」とループし続け、館の理念を伝えていました。

アートエデュケーターとして美術館・博物館めぐりをする際、「ミュージアム」の重要な要素として、「建物そのもの」「展示内容」「エデュケーション」に注目しています。このデザインミュージアムも、他の多くのロンドン市内の館と同様、いずれにおいても満足度の高いものでした。

2016年末にリニューアルオープンした本館は、コンラン卿が創設者。すべてにおいて「デザイン」が意識されていることを体感できる空間でした。なかでも、無料で観覧・体験できる常設展のあちらこちらに配置されたエデュケーションの仕掛けが秀逸でした。

上は、パッドを利用してデザインの要素を学ぶことができるもの。要素の組み合わせによって完成形がどう変わるかを、ビジュアルで理解することができます。雑誌や地下鉄や道路標識などのデザインに挑戦でき、単純ながら、デザインの基礎が直観的に理解できる仕組みになっていました。

こちらは何種類も提示してある課題のなかから、街灯とバックパックのデザインに取り組んでいるところ。作りたいのは何か、誰に使ってもらうのか、そこに求められる要素は何か、考えながらデザインをおこしていけるよう、1枚の紙にまとめられた課題がたくさん置いてありました。

下の写真は、そのたくさんある課題のなかで、わたしが一番気に入ったテーマ「わたしの家族のロゴをデザインする」。

エデュケーターがついてガイドする時間帯もありましたが、ガイド無しで回っても楽しめる仕組みになっていました。デザインの仕事を志す方には、根っこを見つめなおす場として特におススメです。

期待以上の面白さでした。雑誌カーサブルータスのサイトに、ザ・デザインミュージアムの魅力をわかりやすく紹介した記事がありました。ご参考まで。

シャーロックホームズミュージアム。

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シャーロックホームズミュージアム。

12月5日。今回訪問を楽しみにしていた場所のひとつが、シャーロックホームズミュージアムでした。小説にはじまり、テレビドラマ、映画と、その世界観が広がっているシャーロックホームズ。中学生になった息子は、映画版のシャーロックホームズから入って、小説を読み、今回のミュージアム訪問となりました。

こじんまりとした空間である本館は、チケット販売が当日現地のみで、常に行列ができていて、入れ替えをしながらの入場となります。隣接するミュージアムショップは自由に入れるので、ショップだけ行ってきた!という人も少なくないようです。

さて当日、幸い待ち時間15分ほどで入ることができました。わたしたちの前には、先生に引率されて東欧方面から来たと思われる子どもたち十数人のグループ。聞けば彼らも日本でいえば中学生ということで、国は違えど、だいたいそれくらいの年齢から、シャーロックホームズに興味が出てくるのかな、と面白く。

小説のなかの世界であるはずが、しっかりと作り込まれた空間と、スタッフの方々のコスチュームをはじめとしたプロフェッショナルな姿に、ホームズが過去に実在していたかのような錯覚を覚えました。観覧し、解説を受け、館内への滞在はおそらく30分ほどだったのではないかと思いますが、個人的には十分満足の行く時間でした。

次に小説を読むときは、今回の訪問前とは異なるイメージが湧いてくることでしょう。「現地訪問の面白さ」を感じたシャーロックホームズミュージアムでした。

リージェンツパークとナショナル・ギャラリー。

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リージェンツパークとナショナル・ギャラリー。

12月3日。上の写真はナショナルギャラリー内の一角。この深紅の壁紙を見ると、ロンドンに来たなぁ、という気持ちになります。

個展のオープニングを翌日に控え、午前中は宿近所のリージェンツパークへ。時期的にお花が少なく、木々の葉も散りつつあるところでしたが、青空に緑の芝生が美しく、気持ちのよいお散歩日和。目的地を決めずに歩き続けると、突如あざやかな赤が目に飛び込んできました。紅葉が残っていたようです。ラッキー。

公園の南東側からどんどん北上し、ロンドン動物園を横目にさらに進むと「リトルベニス」と呼ばれる小運河に出ました。河岸に雰囲気の良い教会があって、中庭でクリスマス準備中のサンタ姿の青年を発見。モミの木と思しき木がたくさんあり、そのサイズによって値札を付けている最中でした。なるほど!

ブラブラ散歩と言いつつ、3時間ほど歩いていたようです。自然を満喫したあとは、ナショナルギャラリーへ。ちょうどクリスマスツリーのてっぺんに星を付ける作業中でした。珍しい瞬間に立ち会えて、これまたラッキー。

ロンドンナショナルギャラリー

ナショナルギャラリーは3回目ですが、何回行っても飽きません。それどころか、まだまだ見尽くすことができていません。教育普及にも評価が高いので、気持ちと時間に余裕があったら、学芸員さんによるガイドツアーを体験したいとも思っていたのですが、それは次回に。でも、今回も大満足でした。

館内にも立派なクリスマスツリーがありました。ロンドンがすごいなと思うのは、市民が日常的に憩える公園と美術館が、あちらこちらにあって充実していることです。滞在中は毎回その恩恵を存分に受けているわたしたち。つくづくありがたいと思います。

藤吉憲典ロンドン個展2019スタート。

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藤吉憲典ロンドン個展2019スタート。

The Porcelain Animal Boxes of KENSUKE FUJIYOSHI

12月4日は、藤吉憲典のロンドンで2回目になるソロエキシビジョン、“ The Porcelain Animal Boxes of KENSUKE FUJIYOSHI ”のオープニングでした。

藤吉憲典の英国でのエクスクルーシブギャラリーSladmore Contemporaryとのお付き合いがはじまって丸5年が経ちました。わたしにとっては、2年以上ぶりのロンドン。日ごろお世話になりながら、なかなかお会いできない方々に、ご挨拶することができました。

藤吉憲典ロンドン個展2019。

上の写真は、Sladmore Contemporaryオーナー・Gerryと。個展オープン前の一幕です。常にアーティストへの深い理解を表してくれるGerry。芸術を生み出す人に対する彼のまなざしは、敬意に満ちています。彼と出会えたことの幸運を、いつも思います。

そして、ロンドン進出の一番最初のきっかけを作ってくれた、Luca。6年越しの付き合いになります。海外進出に向かって試行錯誤をスタートした最初のころに、彼が藤吉憲典の作品を見て「ロンドンのハイエンドギャラリーに出すべきだ。必ずロンドンに来てくれ」と言ってくれたからこそ、今があります。

ほかにも、ロンドン進出の最初の時から、大きな力になってくださったアテンド通訳のSさんや、実務面でいつもお世話になっているギャラリーアシスタントのアダム、そして同じ所属アーティストの方々など、たくさんの「会いたい人」に会うことができました。

オープニングに足を運んでくださった皆さま、応援のメッセージを寄せてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

ロンドン個展、会期は2019年12月24日クリスマスイブまで開催中です。

藤吉憲典ロンドン個展SladmoreContemporar

藤吉憲典ロンドン個展2019。

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藤吉憲典ロンドン個展2019。

藤吉憲典ロンドン個展SladmoreContemporar

藤吉憲典ソロの個展としては、2回目。いよいよ来週12月4日がオープニングです。そういえばロンドンでのこれまでのアートフェアや企画展、個展はいずれも5月の開催でした。

今回は初めての12月。アート作品は、ご自身のために購入なさるコレクターさんがほとんどですが、クリスマスシーズンなので、大切な方への贈りものに選んでいただくのも嬉しいな、と思いつつ。

ふたたび、上海。

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ふたたび、上海。

銀座黒田陶苑さんによる、初めての上海での展示会のポスターがとどきました。そうそうたる顔ぶれの皆さまに混ざって、藤吉憲典も参加いたします。今回、磁器の染付・赤絵(色絵)の作家は藤吉だけなので、彩を楽しんでいただく役割を果たせたら嬉しいです。

上海展示会 銀座黒田陶苑

銀座黒田陶苑さんが一年近くをかけて準備してこられた展示会。さすがの規模です。会期は、2019年11月30日(土)から2020年2月16日(日)まで。 上海で、一人でも多くの皆さまにご覧いただけることを、心より願っております。

「任せる」と「責任を持つ」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「任せる」と「責任を持つ」。

写真は、ぼーっと考え事をするのに最適な、穏やかな浜。このところ、ふたつ続けて「もっとしっかり事前に打ち合わせをするべきだった」と反省する事案が、仕事上でありました。

「人に任せる」のが不得手なわたしは、ここ十年以上「信頼して任せる」がテーマのひとつ。こちらから事前に説明しすぎたり、先方がやろうとしていることを確認しすぎたりするのは、「任せる」に逆行するのではないかと、いまだに「適切な加減」をつかむのは簡単ではなく。

任せる一方で、当然その結果の責任はすべて負います。実はその「責任を持つ」には、お任せする相手に対して、きちんと理解してもらえるよう説明したり、先方がどのように考えるかを聞かせてもらったり、という事前のことも含まれるのだと、つくづく。

「信頼して任せる」の言葉を隠れ蓑に、必要な会話のやりとりを省いてしまっていたように思いました。しつこく話を聞いたり、聞いてもらったりするのってエネルギーのいることで、でも、やっぱりやらなきゃ!ですね。

ご近所さんに助けられています。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ご近所さんに助けられています。

昨日はシンガポールからのお客さまでした。その前日に「やっぱり、椅子、あったほうがいいよね」と、ふと思い。

花祭窯は畳で、椅子がありません。これまで海外からのお客さまがいらっしゃったときは、座布団に座っていただいたり、立ったままでの接客。毎回気になりつつも対策をとらず、という状態でした。

とはいえ、前日。さて、どうしたものかと、まずはご近所の登録有形文化財「藍の家」館長さんに相談してみたところ、和室にあう椅子を貸していただけることになりました。しかも、必要数の八名分が余裕で揃います。花祭窯から歩いて1-2分ほどの距離ですから、せっせと手で運び込み、準備OK!

そして当日。お車でいらっしゃるというので、タクシーと思いきや、あと30分で到着するというタイミングでお電話いただき「大型バスなのですが、横付けできますか?」。これは無理なので、駐車場を確保しなければなりません。

すぐに、これまたご近所の福津市まちおこしセンター「なごみ」にお電話。文字通りの直前にもかかわらず、快く大型バスを受け入れていただけることになりました。ほっと一安心。こちらも歩いて3分ほどですから、お客さまに歩いていただくのに、苦にならない距離です。

お客さまを無事お送りして、あらためて、このエリアの「お客さま受け入れ力」を思いました。「和室に合う椅子8台」も「大型バスの駐車場」も、普通に考えたら、そんなに簡単に都合できるものではありません。それが、前日や直前で解決したのですから、ほんとうに恵まれています。

つくづく、ご近所さんに助けられています。ありがとうございます。

「地図帳」が面白い。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「地図帳」が面白い。

写真は息子から譲り受けた、小学校4年生以上用の副教材「地図帳」(東京書籍)。

翌日にシンガポールからお客さまがお見えになる、という晩、ダンナと「シンガポールの公用語は何語だ!?」と話していると、息子がおもむろに「地図帳に書いてあるよ」と。

見せてもらったところ、地図だけでなく各種統計の表が載っていて、そのなかに国ごとの「おもな言語」もありました。思いがけず情報量が多く、感嘆。世界地図も、全体を俯瞰したものだけでなく、地域にクローズアップして都市名がわかるものもあり、とても便利です。

「これ、いいねぇ!」と夫婦で奪い合うように見ていたところ、「僕はもう別のをもっているから、あげるよ」と譲り受けました。わたしも小学生のころ、たしかに地図帳を使っていた記憶はありますが、こんなに情報が充実していたのですね…。今こそ、地図帳が有意義に使えそうです(笑)

あらためて地図でシンガポールの位置も確認。福岡まで飛行機で5-6時間とおっしゃっていたのが距離的に把握できたり、国土の広さに対してとても多くの方が暮らしておられることなどを、統計の表と合わせてビジュアル的に理解することができました。

ところで、シンガポールの主な言語は「マレー語・中国語ほか」と書いてありました。ほとんどの方が英語を話せるのは、教育によるものなのだということを、今さらながらに思います。わたしも頑張ろう。