ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024を見に行って参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024(アートフェアアジア福岡)を見に行って参りました。

今年で9回目を迎えたアートフェアアジア福岡(以下、AFAF)。個人的に今年はスケジュールが合わないかもしれないと思い、チケットを手配していなかったのですが、お友だちからVIPチケットのお誘いがあって、時間も最終日に作ることが出来ましたので、「これはやはり、見に行って来いという神さまのお計らいだ」と思い、行って参りました。

例年、一人で行くかダンナと一緒に行くか、という感じだったのですが、今回はお誘いくださったお友だちご夫妻とともに四人で会場へ。会場は大相撲九州場所が行われる国際会議場です。広いし、出展ギャラリー数もそれなりの数ありますので、集合時間を決めて、それぞれ自由に見ることに。

会場入ってすぐに、福田平八郎と思しき画が一点、目に飛び込んできました。「あれ?」と思いつつ、吸い込まれるようにそのブースへ。やはり福田平八郎です。今年上半期に開催された展覧会「没後50年 福田平八郎」に足を運び損ねたわたしとしては、たとえ一点でも、思いがけず見ることが出来てラッキー♪の心境です。「AFAF Masters」と名付けられたそのブースでは、そのほか黒田清輝、藤田嗣治、マティス、ピカソ、梅原龍三郎、藤島武二などを見ることが出来ました。まさにMasters。AFAFのサイトで紹介されている作品のうち、展示されていなかったものがありましたので、どうやら売約済があったということですね。素晴らしい。

AFAF Mastersを堪能した後は、各ギャラリーブースへ。気になるものがあったら足を止めて見る。場合によってはギャラリストさんに話を聞いてみる、ということをしながら、1階2階のブースを回ったら、あっという間に時間が経っていました。各ブースには、そのギャラリーのギャラリストさんや、アーティストさんがおられて、こちらが希望すれば直接いろいろと話を聞くことができるのも、アートフェアの楽しいところです。

ぐるりと回った印象として、昨年よりも出展ギャラリー数が減っているかな?と感じました。数を調べてみたところ、やはり少し減っていたようです。アートフェアの運営側が出展ギャラリーの審査を厳しくしている、という可能性もあるでしょうし、出展側としても思ったような成果・効果を見いだせなければ出展を見送るということもあるでしょうから、内情を知らない者としては、これは一概にどうだということは言えません。ただ、客観的に見ていて、これまでずっと出展ギャラリー数・会場ともに「拡大拡大」という感じで動いてきていたAFAFが、また少し違った方向性での成長を目指しているのかもしれないという感想を持ちました。

友人ご夫妻と合流して、帰りの道々が最高に楽しかったです。AFAFでのそれぞれの感想を聞き、日本のアート市場のこと、アーティストや作品のことを、あーでもないこーでもないと勝手におしゃべりする時間の、まあ面白いこと。アートフェアにはこういう楽しみ方があるのだということを、AFAF9年目にして知りました。これもひとえに、アートフェアを福岡に根付かせようと取り組んでおられる、福岡のアート市場関係者の皆さまのおかげですね。ありがとうございます!

九州ECつながり「大川家具ドットコム設立10周年パーティー」におじゃまいたしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九州ECつながり「大川家具ドットコム設立10周年パーティー」におじゃまいたしました。

経営者・EC事業者の有志の方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う勉強会・九州EC(九州ECミーティング)でお世話になっている大川家具ドットコムさんの、法人化10周年パーティーがあるということで、おじゃまして参りました。

実は九州ECだけでお世話になっているのではなく、花祭窯のメインビジュアルともいえる「蕎麦猪口棚」をフルオーダーで作ってくださったのも、大川家具ドットコムさんです。上の写真は、蕎麦猪口棚を花祭窯に設置に来てくださったときの写真。

かねてより、大川家具ドットコムさんのショールームを一度拝見したいと思いながら、延び延びになっていたところでもあり、今回の10周年パーティーを本社ショールームで開催なさるということで、喜び勇んで出かけて参りました。

社長の堤さんのお人柄、スタッフの皆さんのお人柄が伝わってくるパーティーで、とても温かく、ワイワイと楽しい時間でした。なかでも特に印象的だったのが、大川家具ドットコムさんのパートナーでありお取引先である家具メーカーさん、作り手さん、地元の家具業界の方々が、ニコニコと楽しそうにご参加なさっていたこと。こういう関係性を築いていらっしゃったからこそ、のお仕事ぶりが伝わってきて、すごいなぁと思いました。

集まってきておられた皆さんの「愛」が強く感じられるパーティーでした。わたし自身は「初めまして」の方も多かったのですが、そのなかでも寛いでたくさんおしゃべりし、たくさん笑い、たくさん食べ、帰るときにはとっても嬉しい気持ちでいっぱいでした。

事業をしている人にとって「○周年」は、「まずはここまで来れた」という道のりを振り返るとともにこれからの進み方を考える、感慨深くも気持ちの引き締まるタイミングです。そのような貴重な機会に同席させていただいたことが、とても嬉しくありがたかったです。会場でお会いしたすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。

ぷらす、大川家具ドットコムさんの素敵なショールームでは、ずっと欲しいと思っていた「和室にも似合う背の低い椅子」のイメージぴったりの椅子を発見。花祭窯のギャラリースペース用にその場で購入予約が出来たのも、大きな収穫でした^^

九州産業大学の公開講座―実証実験「『博物館浴』でリラックスしませんか」に参加して参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九州産業大学の公開講座―実証実験「『博物館浴』でリラックスしませんか」に参加して参りました。

博物館学芸員の技術研修で毎年お世話になっている、九州産業大学特任教授・緒方泉先生からのご案内をいただき、「博物館浴」の実証実験に参加して参りました。美術館博物館がウェルビーイングに果たせる役割として、2020年から全国各地で実証実験を重ねてきておられる緒方先生。わたしもこれまでにも参加したことがありましたが、今回、久しぶりに福岡近隣で一般参加できる実証実験の機会とあって、足を運んで参りました。

アートエデュケーターふじゆりのブログ「博物館浴」に関する記事

実証に使用するデータは「血圧(最高血圧・最低血圧)、心拍数、心理測定(POMS)」です。「測定→美術鑑賞→再測定」によって、その変化を記録し、集まったデータから傾向や特徴を読みとります。二回目の測定が終わった後に、参加者に向けてのレクチャーがあります。

以下、備忘。


  • 「黙々鑑賞」と「おしゃべり鑑賞」
  • 「社会とのつながり」は、健康を考えるときに、食事や運動と並んで重要な要素の一つ。
  • 美術館博物館は日本全国に5700館以上あるのに、日本人の訪問回数平均は1.2回。
  • 博物館の社会的役割。
  • ロンドン大学研究グループによる2019年の論文で「文化芸術を鑑賞する習慣のある人は、そうでない人よりも、死亡率が有意に低い」。
  • 博物館美術館の新たな価値=知的・創造的役割+Well Beingへの寄与。
  • 10分の美術鑑賞でも、リラックス効果が認められる。
  • →「年間パスポート」サービス拡充・有効活用の必要性。
  • 「血圧・心拍数。心理測定」による実証実験は、「森林浴」において30年以上のエビデンスがある。
  • リラックス効果=血圧も心拍数も、正常値に戻ろうとする(高い人は下がり、低い人は上がる)。
  • 体調・状態により作品を選ぶ必要もあり。
  • 今後の動きとして「処方箋に『博物館』と書く」を目指したアプリ開発:このような体調のときは、このような作品を見ることがおススメ、を提案できるアプリ。

ちなみにわたし自身のデータとしては、「血圧」は美術鑑賞前後でほとんど変わりませんでした。これは、そもそも自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが安定している状態であったことを示しているようです。それに対して「心拍数」は鑑賞後で下がっており、リラックスして呼吸が深くなった状態に変化したらしいことがわかりました。

被験者としての体験もまた、今後提供していくアートエデュケーションに大きく役立ちそうです。機会をくださいました緒方先生に心より感謝いたします。

読書『世界の図書館を巡る 進化する英知の神殿』(マール社)ゲシュタルテン社編/ヤナガワ智予訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『世界の図書館を巡る 進化する英知の神殿』(マール社)ゲシュタルテン社編/ヤナガワ智予訳

いつものカメリアステージ図書館で見つけた、図書館本。美しい図書館を紹介する大型本は何冊も出ていて、なかでも本書は美術関連書籍に強いマール社から出ています。「進化する叡智の神殿」とついている通り、建築物としての美しさだけでなく、蔵書内容や取り組みの特徴などに注目した編集になっているあたりが、素晴らしい一冊です。

マール社のサイトには「世界の53の図書館を写真とともに紹介。見た目の美しさだけにとどまらない、それぞれの図書館の唯一無二の魅力を伝えます。」「図書館の歴史や建築様式に触れながら、図書館の使命や役割、これからの図書館のあり方についてあらためて考えさせられる1冊。」と紹介されていて、まさにその通りの感想を抱きました。

一番上の写真は、「ランガナターンの5法則」。「図書館学の父」と言われるインド出身の図書館学者ランガナータン博士が1931年に発表・提唱し、「図書館学の五法則」とも言われます。その五つめ「図書館は成長する有機体である」が、本書に登場する数々の図書館から伝わってきます。見て楽しく、読んで考えさせられる魅力的な一冊。

『世界の図書館を巡る 進化する英知の神殿』(マール社)ゲシュタルテン社編/ヤナガワ智予訳

ご質問をいただいたので、あらためて龍の文様(特に爪の数)について調べてみました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ご質問をいただいたので、あらためて龍の文様(特に爪の数)について調べてみました。

やきものに描かれる龍の絵(文様)には、三本爪、四本爪、五本爪と、爪の数の描かれ方がさまざまです。「五本爪は中国皇帝への献上品だった」(けれど、現代では中国でも日本でもあまり関係なく描かれている)というのは、この業界ではあたりまえに言われていることでしたので、その認識でずっと仕事をしてまいりました。作品に描かれた龍の爪について説明をするときも、そのように申し上げておりました。

今回、龍の掛け軸をお届けしたお客さまから「龍の爪は五本爪が本物なのでは無いでしょうか」というお問い合わせがありました。どうやら少し知識のある方が、そのような話をしたようです。その掛軸に描いていたのは四本爪の龍でしたので、お客さまのご心配を取り除くためにも、この機会にあらためて文献に当たったうえで、ご説明することに。

龍の掛け軸 藤吉憲典

中国の古いやきものの資料も、花祭窯にはたくさんありますが、ちょうどタイミングよく、つい先日中国上海から帰国した友人から『中国文様全集』の贈り物をいただいたところでした。年代別に描かれた中国の文様事典です。やきものに限らず、さまざまな場面で描かれてきた文様、造形されてきたデザインが、膨大な資料として編纂されていて、日本ではなかなか手に入らないであろう貴重な資料です。

『中国文様全集』

この全集の背表紙に描かれているのも龍で、こちらの爪は四本。資料を開くより先に「五本爪ではないからと言って、ほんものではないという言い方はできない」ことが真っ先に証明されました。本資料と、その他の資料をあたって、お客さまにご説明差し上げた「龍の爪問題」への回答は次の通りです。


  • 龍の爪の本数については、中国では、歴史的に皇帝への献上品(すなわち皇帝に認められた官窯で作られるもの)だけに許されるものとして、5本爪が描かれてきました。
  • 龍は霊獣のひとつ、そもそも想像上の存在なので、何が正しいというものはありません。猛禽類の足の鉤爪を模して龍の爪であるとする解釈があります。猛禽類の爪(足)は、前に 3 本、 後ろに 1 本の合計4本です。
  • 日本では、水墨画などにおいても、歴史的に見ても3本爪か4本爪で描かれているのが一般的です。
  • 5本爪だけが「本物」とする説は、中国の骨董品を見極めるときに、それがきちんと官窯(皇帝のお抱え窯)で作られたものかどうか、という点で語られる視点としては、ありえます。 が、これも当時からたくさんの模造品が作られていますし、現代では誰でも自由に描いています。
  • 5本爪で皇帝の権威を示すようになったのは、明時代からのようです。それ以前の時代は、3本爪か4本爪で描かれているのが一般的です。

このような回答となりました。お客さまからのおたずねで、あらためて調べ直す機会を得たおかげで、今後同様のご質問をいただいた場合にも、またきちんとご説明できそうです。

十五夜―お月さまが明るいなと思っていたら、中秋の名月なのでした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

十五夜―お月さまが明るいなと思っていたら、中秋の名月なのでした。

最近お気に入りの和菓子屋さんは、JR久留米駅から徒歩圏にある「和菓子処とらや」さん。

和菓子処とらや

お気に入りとはいえ、近所ではないので、久留米に行く用事があるときに寄る、という感じなのですが。定番の日常のおやつ的和菓子から、季節の上生菓子まで、種類もたくさん。初めてお店に行ったときには、朝一番にもかかわらず、地元の常連さんと思しきお客さまが次々にいらっしゃって、気がつけば行列が出来ており、びっくりしたのでした。

そして本日いただいたのが、こちら。

中秋の名月 久留米とらやの月見饅頭

写真がピンボケですが…^^;

紅白の兎さんは、あんこがたっぷりの上用饅頭、満月は栗が一粒入った外郎製の生菓子で、毎年人気の「十五夜セット」とのこと。その姿の可愛らしさに、すっかり嬉しくなってしまいました。味が美味しいのはもちろんです。

本日は快晴なので、この感じだと明るいお月さまを拝むことが出来そうです^^

【第110回九州EC勉強会】『商品特性、経営資源別越境ECの勝ち方』に参加して参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

【第110回九州EC勉強会】『商品特性、経営資源別越境ECの勝ち方』に参加して参りました。

九州EC(九州ECミーティング)は、経営者・ECに取り組む方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。現在も完全ボランティアで続いている、稀有な勉強会組織です。今回の講師は、世界へボカン株式会社代表取締役の徳田祐希氏。九州ECでは初めての本格的な「越境」のお話で、そこに越境ECのコンサルとして、今真っ先にお名前の挙がる専門家の徳田祐希氏がいらっしゃるあたりが、この勉強会の凄さだと思います。

花祭窯としては、これまでにも徳田氏には勝手にお世話になっておりました。著書やYouTube(このYouTubeチャンネルが、すごいノウハウの宝庫です)で学んだり、

YouTubeチャンネル:越境EC・海外WEBマーケティング_世界へボカン

中小機構の専門家相談で面談の時間を取っていただいたり。

というわけで、今回初めて「生の徳田さん」のお話を聞けるとあり、一も二もなくセミナーに申し込んだのでした。以下備忘。


  • あたりまえのことをコツコツ。
  • 調査→戦略立案、が先。
  • (参考)https://www.sazentea.com/en/
  • クライアントの要望と、それを解決する商品を、紐づけする商品説明。
  • Shopifyのアプリ活用:Omnisend
  • Keep in touch
  • メルマガによる信頼構築は今も有効。
  • 海外のお客さまが「買える場所」を作る。
  • ロイヤルカスタマーを大切にする。
  • 「買う理由」を直接聞く。
  • お客さまは「見たい情報」しか見ていない。
  • オムニハブ:インバウンド観光と連動する。
  • 顧客との接点を「実店舗」で持つ。
  • インバウンド向けの接客ツールとして、インスタのリールは使える。
  • 卸売ページの作り方(参考)kakuritools.com
  • 絵画や高級品にはDHLがおススメ。
  • コミュニケーションツールをできるだけ一本化する。
  • ペイパル=購入者保護の仕組みがあるため信頼性が高い。
  • 顧客との最初の接点をどこでもつか。

【第110回九州EC勉強会】『商品特性、経営資源別越境ECの勝ち方』より


徳田さんがすごいな、と思うのは、必要以上の期待を抱かせず、本音で冷静に助言をくださること。たくさんの事例をお話下さるなかで、花祭窯としてはどのような方法が考えられるかを、じっくり考える機会になりました。また個人的には、これまで他の機関での海外進出サポートをしておられて、花祭窯の海外展開の初期の頃にたいへんお世話になった方が、世界ヘボカンさんに転職しておられて、思いがけず久しぶりにお会いできたのが、嬉しかったです。

お忙しいなか九州ECでの講師を引き受け、福岡にいらしてくださった世界へボカンの徳田さんとスタッフの皆さま、勉強会を企画運営してくださる九州EC幹事の皆さまに、心より感謝です。

2024年度の中学生職場体験学習を受け入れました@花祭窯。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2024年度の中学生職場体験学習を受け入れました@花祭窯。

ここ津屋崎に花祭窯の工房を移転してきたのが2012年。翌2013年からコロナ禍に入る前はまで、毎年中学生の職場体験学習を受け入れてきました。上の写真は2015年の時のものです。「職場体験受け入れ中」のシールを学校が作ってくださり、期間中、玄関先に貼っていたのでした。これはとても良い案だったと思います。また復活したら良いのに(笑)。

さてコロナ禍でしばらく職場体験学習自体が取りやめとなっていたのが、昨年から復活したと、市の教育委員会からご連絡をいただいていました。昨年は残念ながらダンナの日程が合わず受け入れできませんでしたので、花祭窯としては今年が復活第一弾となりました。中学生の職場体験。かつては5日間の受け入れ期間であったのが、3日間に短縮となっていました。3日間で何をやってもらおうか。お互いの時間を無駄にしないためにも、ある程度考えてから受け入れねばなりません。

今年花祭窯に来てくれたのは、津屋崎中学校二年生の女子二人。3日間のうち、最終日の一日は「陶芸(絵付)体験」にして、最初の二日間のメイン仕事には「図書館での資料集め」をお願いすることにしました。ちょうど作家(ダンナ)が、年末のロンドンでのクリスマス・ショウ向けに、「Animal Boxes」シリーズの制作に入っているところですので、その資料集めです。

福津市には二つの市立図書館があります。わたしがふだん使っているのは「カメリアステージ図書館」ですが、それぞれに強みがあるため、目的がはっきりしているときには、もう一つの「福津市立図書館」に優先的に足を運ぶことも多々あります。そして動物の写真データがたくさん載っている資料本となると、実は福間にある福津市立図書館の蔵書の方が豊富です。

福津市の図書館

まずは福津市立図書館で資料を集め、ダンナにチェックしてもらって不足しているものを、次はカメリアステージ図書館に行って探す、という手順。25冊もの資料を借りてくることが出来ました。福津市の図書館は、現在のところ貸し出し冊数の制限が無いので、こういうときありがたいです。

そのほかの時間には、梱包材となる「薄葉紙」や「ぷちぷち」を適度な大きさにカットしてもらう作業や、封筒や伝票にゴム印や落款を押してもらう作業などをお願いしました。どの仕事も、わたしが「時間があるときにやろう」と後回しにしてしまっていた作業です。この機会にすっかり片付けてもらうことが出来て、とっても助かりました。

最終日には、絵付け体験。これは一日がかりになるだろうと思っていたところが、中学生二人とも「絵を描く」が好きで、絵を描くことに慣れていたため、思いがけず半日で絵付を完成させることが出来ました。余った時間は、せっかく津屋崎千軒に来たのだから、ということで、ご近所の登録有形文化財「藍の家」に行って、伝統的な建築物の見学をすることに。藍の家保存会の方にガイドをしていただき、ちょっとした社会科見学ができました。

おかげさまで、無事三日間の職場体験学習が終了しました。あとは、中学生が絵付をした蕎麦猪口が焼き上がったら、連絡して取りに来てもらって、完了です。上手く焼き上がりますように。ともあれ、やはり他所のお子様を預かるというのは責任感を伴うもので、今はホッとしているところです。

福岡市美術館の教育普及プログラムを活用した「知識要らずの美術鑑賞」―講座受講生の声。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡市美術館の教育普及プログラムを活用した「知識要らずの美術鑑賞」―講座受講生の声。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」で、今年も「知識要らずの美術鑑賞」講座を開催いたしました―とお伝えしたのは、つい先日のことでした。

当日参加してくださった受講生の皆さまからの声が届きました。郷育カレッジでは、講座の品質向上のために、それぞれの講座の後に、必ず受講生にアンケートの記入をお願いしています。そのアンケート結果が、講師にフィードバックされます。実は今回、そのアンケートだけでなく、わざわざ個別にメールでご感想を送ってくださった受講生の方がいらっしゃいました。とても嬉しかったので、それもあわせて、こちらに備忘。


  • いろんな角度から美術品を見学できて面白かった。
  • 何もわからない展示物を前にして、ボランティアの方がいろいろ質問で意見を引き出してくださって、わかりやすくて楽しかった。
  • 新発見があり面白かった。もっとたくさんの作品を見たかった。
  • 美術館に行ってもなかなかじっくり見ることがなかったので、いい経験になった。
  • ひとつの作品をゆっくり見ることができてよかった。
  • ボランティアの方や学芸員の方に説明していただき、とても良かった。
  • 美術館はだまって見ないといけないと思っていたが、皆さんと話したり、ガイドさんのお話で理解が深まった。
  • またゆっくり美術館に来たいと思う。
  • おしゃべりしながらの鑑賞は、本当に楽しかった。
  • 今まで美術館は一人で出かけることにしていたけれ度、これからは気の合う人と一緒に出かけたいと思った。
  • 楽しい時間でした!

「知識要らずの美術鑑賞」2024年9月6日開催分アンケートより抜粋


「ゆっくりみることができた」「時間がもっとあったらよかった」というご意見が、何人もの方から複数ありました。今までとは違った美術鑑賞が出来たこと、もっとたくさん鑑賞したい!と思っていただけたことが伝わってきて、とても嬉しいです。

参加してくださった受講生の皆さま、ご協力いただいた福岡市美術館の教育普及担当の皆さま、いつも講座運営を支えてくださる福津市郷育推進課の職員さんに、心より感謝申し上げます。今年もありがとうございました!

某所より「花祭窯」についてのインタビューのご依頼をいただきましたので、下準備。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

某所より「花祭窯」についてのインタビューのご依頼をいただきましたので、下準備。

「藤吉憲典/Kensuke Fujiyoshi」についてのインタビューは、これまでにも何回もあったのですが、「花祭窯」ということになると、久しぶりのような気がします。上の写真は、昨年受けた、Kensuke Fujiyoshiのインタビュー記事。「花祭窯≒藤吉憲典」ですので、大差ないだろうと思う方もあるかもしれませんが、やはり「作家(アーティスト)」への質問と、「事業」に対する質問は、少し異なるように思います。いずれにしても、ありがたく貴重な機会であることには変わり有りません。幸い「インタビューではこんなことを質問しようと思っています」と事前にいただきましたので、きちんとお伝えできるよう、こちらで下準備。


  • 花祭窯と藤吉憲典の概要

花祭窯は、陶芸家・磁器彫刻家・書画家として活動する藤吉憲典の工房です。藤吉憲典は1966年熊本生まれ。幼少期より「画家になる」と決めており、佐賀県立有田工業高等学校デザイン科を卒業後、グラフィックデザイナー/イラストレーターとして東京のデザイン事務所で3年ほどの経験を積みました。佐賀に帰省後、「磁器に絵をつける仕事」でやきものの世界へ。複数の窯元で商品開発(プロダクトデザイン)の仕事を約10年経験後、1997年に佐賀県江北町花祭で作家として独立、2012年福岡県福津市津屋崎に工房を移転し、現在に至っています。

  • 花祭窯「おかみ」の主な仕事の内容・難しさ

おかみの仕事は「作品をつくる」ことと「顔役」以外ほぼすべて。経営判断をするための「選択肢」と「判断材料」を調べ集め並べること。その難しさ(=面白さ)は、いかに「作家がほんとうにやりたいこと」に気づき、方向づけ、マネジメントすることができるか。それをやっても良いと言える根拠を並べることができるか。作家の熱狂的ファンでありながら、状況をどれだけ冷静に客観的に眺めることができるか。

  • ブランディングを上げることへの成功要因

(まだまだ成功と言える状態ではまったく無いけれど)多少なりともうまく行っている要因があるとしたら、まず第一に作家の信念(自分たちが大切にするもの)を曲げず、王道でコツコツとやってきたことが大きいと思います。そして、そこ(作家)を信頼してくださるギャラリーオーナーさんたちと出会えたこと、その先にいらっしゃる、自分の審美眼を信じてモノを見ることのできる客様たちの存在こそが、事業が継続できている要因です。

また仕事を、「伝統工芸」や「アート」だと特別視するのではなく、ふつうの事業(ビジネス)として動いてきたことが、様々な業界・分野の方々に学ぶ機会につながり、継続の力になっています。

  • 海外進出成功への要因

(これもまだ成功と言える状態ではまったく無いけれど)海外の取引先を作ることが出来たのは、国内同様コツコツと新規開拓のアプローチを続けてきた結果だと思います。様々な形で力になってくださる方々との出会いも重要でした。かかる時間や費用をコストととらえず、あくまでも投資と位置付けて考えることができるかどうかも大切なように思います。

  • 今後の展開

藤吉憲典の仕事を、世界中の「眼の力」がある人たちの視界に届かせることが、花祭窯としてこれから最優先でやっていくべきことと考えています。そのためにどうしたらよいかを、日々模索しています。これまで以上に「人の手を借りる」を仕事に取り入れ、自分達二人だけではできないこと(時間がかかり過ぎたり難しかったりすること)に挑戦していきたいと思っています。


このように準備をしておくと、まずは心構えが出来ますし、自らを振り返る貴重な機会にもなりました。花祭窯のこと、藤吉憲典のことを「知りたい」「知らせたい」と考えてくださるメディアの方々に、少しでもきちんと伝わるように、その機会をちゃんと活かせるように、というのも「花祭窯おかみ」の大切な仕事のひとつです。いつどこでこの下準備が生かされるのかは、告知解禁してからのお知らせとなります。どうぞお楽しみに。