秋分でした。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

昨日は秋分でした。

写真は、花祭窯に咲いたヒガンバナ。この夏は猛暑といわれましたが、どんな夏であろうとも、この季節になるときちんと花開くヒガンバナ。毎年、植物ってえらいなぁと思うことのひとつです。

秋分は、二十四節気のひとつ。お彼岸の中日。満月、お月見、お団子、おはぎ、秋の七草…。秋分から連想される旬のモノコトは数多く、やきものの文様の題材が多い季節でもあります。

秋分はこれから先、冬至までの三カ月のスタートの日でもあります。そんな昨晩は、これからライフワークとして進めていくことについて、一緒に歩んでいきたい方々とお食事しながら語らう時間を持つことができました。

これからしっかり触角を伸ばしていきます。

 

伝統継承事業スタート。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

伝統継承事業スタート。

「肥前磁器の価値を高める仕事をし、
肥前磁器の伝統技術・文化を後世へ伝える」

1997年花祭窯の創業当初から、磁器作家・藤吉憲典が掲げ続けている事業使命です。独立から20年以上が過ぎ、そろそろ具体的に取り組みをはじめるべきだろうと考えていましたが、このたびやっと皆さんに告知できる形になりました。

花祭窯:磁器作家プロフェッショナルコース

タイトルにあるとおり、プロ作家向けのコースです。次のような方々を、受講者として想定しています。

  • すでに作家として独立していて、更に仕事の幅を広げたい人。
  • 窯元のデザイン担当などで、商品開発力をもっと強化したい人。
  • 勤め中・在学中で、近い将来作家として独立予定の人。
  • 陶芸の道に進んでいるが、デザインを勉強した経験が無い人。
  • 窯元などで部分的な工程しか経験できず、全体を学びたい人。

事前にしっかりと面談をしてお互いの意思を確認してから、正式申込となります。意欲ある方からのお問合せをお待ちしております!

並べるということ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

並べるということ。

6年目となった中学生職場体験も本日が最終日。今年も「陳列棚の掃除と器並べ」をお願いしました。器を一度すべて別の場所におろし、棚を拭き上げ、器も拭き上げて、また棚に戻してもらいます。

ワレモノなので、最初に扱い方の注意をします。両手で扱う、低い位置で扱う、など。「拭く」作業では緊張している中学生ですが、棚も器もきれいになって、「並べる」作業になると嬉々とした表情になります。

たかが「並べる」、されど「並べる」なのだと思います。色も形も様々な器を、制約無しに「思うように並べていいよ」と伝えると、ただ折り目正しく並べるという以上に、創造性を働かせた並べ方をしてくれるのが、見ていて楽しいです。

染付の器 藤吉憲典

藤吉憲典 干支の酉

藤吉憲典 カブトガニ

単調になりそうな仕事も、思い入れようで楽しくなる。そんな仕事ぶりを見せてもらいました(^^)

 

気がつけば、半獣半人。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

気がつけば、半獣半人。

ダンナ・磁器作家の藤吉憲典の作品解説シリーズ。

もともと「半獣半人」というテーマを決めていたわけではなく、シリーズ化する意図もまったくなかったけれども、思うままにつくっていたら増えていた。というのが実際のところのようです。無意識に惹かれるものがあるのでしょうね。

タイガーファミリー 藤吉憲典
タイガーファミリー 藤吉憲典
サイの戦士 藤吉憲典
サイの戦士 藤吉憲典
ドラゴンキッズ 藤吉憲典
ドラゴンキッズ 藤吉憲典
藤吉憲典 RED WOLF
レッドウルフ 藤吉憲典
ドラゴンキング 藤吉憲典
ドラゴンキング 藤吉憲典
人魚 藤吉憲典
人魚 藤吉憲典

古代遺跡の壁画に残っていたり、神話に登場したり、妖精であったり、悪魔の化身であったり。古今東西を問わず、畏怖すべき対象として存在する「半分、人」というモチーフは、想像力・創造力を働かせる仕事をする人にとっては、見過ごすことのできない魅力的なテーマのようです。

 

 

お客さまの記事ご紹介。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お客さまの記事ご紹介。

このところ、立て続けに「雑誌で紹介されました」というお客さまがあり、嬉しかったのでこちらでご紹介。

ひとつめは、東京・新宿荒木町にある「日本の酒アレコレ うのすけ」さん。『食楽』2018年10月号での特集に掲載されています!

荒木町うのすけ 藤吉憲典の器

左の写真中央は、赤絵万暦片口鉢。真ん中の写真手前は染付波千鳥文小皿。右奥が染付石榴文輪花縁小鉢。いずれも藤吉憲典の器です。

今年8年目を迎えたお店です。オーナーさんとは、20年近くのお付き合い。つまり、お店をオープンなさる前からのお付き合い。ゆっくり時間をかけて、ご自身のお店を持つ時のために、器を買い集めてくださったお客さまの一人です。

日本の酒アレコレうのすけ
東京都新宿区舟町3-6今塚ビル2F
営業時間 16:00-23:00(ラストオーダー)
定休日  日曜


もうひとつは、福岡市に2018年7月オープンした、お料理古川さん。福岡で人気の雑誌『ソワニエ プラス 9、10月号』に掲載されています!

お料理古川 藤吉憲典の器

写真右上、藤吉憲典 染錦大漁文鮑型向付

オーナーの古川さんもまた、大阪での修業時代から藤吉憲典の個展に足を運んでくださっているお客さまの一人。福岡市内でのお店オープンに合わせて器をいくつかご用命いただきました。

こうして、長くお付き合いのある方々のお店がメディアで紹介され、うちの器が美しく使われているのを拝見するたび、この仕事の喜びを感じます。

お料理古川
福岡市博多区住吉3-9-2 アーバンⅢ1階
https://oryouri-furukawa.com/

 

新宿のうのすけさん、福岡のお料理古川さん、いずれも素敵なお店です。機会がありましたら、ぜひお立ち寄りくださいませ(^^)

 

中学生職場体験@花祭窯2018。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

中学生職場体験@花祭窯2018。

今年も駐車場の草むしりからスタートしました。男子中学生二人。金曜日まで5日間の職場体験です。

毎年思うのですが、初日の草むしりの作業のようすを見ていると、生徒それぞれの性格が如実に表れるのがわかります。面白いものですね。「掃除から始める」というのは、あながち理由のないことでは無さそうです。写真は、2階の仕事場から駐車場を眺めたところ。とってもきれいにしてくれたのが、よく見えます(^^)

今日は初日ながら、草むしり、事務仕事、雑用、資料集めと盛りだくさん。せっかく来てくれる中学生を遊ばせてしまってはならないと、仕事をリストアップして用意し、着々と進めてもらいました。ちょっとハードだったかもしれませんが、二人ともしっかり頑張ってくれました。

こちらの準備力・リード力も問われる職場体験。うちに預けてくださる学校や保護者さんの期待に応えることができるよう、残り4日間もしっかり頑張っていきます。

 

カバのウィリアムさん。by藤吉憲典

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

カバのウィリアムさん。by藤吉憲典

つい先日、お友だちがニューヨーク土産・カバのウィリアム君の絵葉書の写真をフェイスブックにアップしていました。そこで我が家の「カバのウィリアムさん」の話を。

The Metropolitan Museum of Art ニューヨーク・メトロポリタン美術館。昨今大きな美術館のミュージアムグッズはますます充実しています。William the Hippo はもうずいぶん長いこと、メトロポリタン美術館の「顔」で、ニューヨーク土産のひとつとしても大人気のようです。

もともとは古代エジプトの副葬品としてつくられ、発掘されたお墓から出てきたもの。厄災を封じ込める縁起物としての役割があったようです。描かれているのはロータス(蓮)の文様で、古代エジプトから現代の仏教にもつながる、文化の流れを感じさせてくれます。ロンドンの大英博物館でも、同様のカバの姿を見ることができます。

我が家にこのウィリアムさんが初めてやってきたのは、かれこれ10数年前。息子の1歳の誕生日に、お友だちがニューヨークから「ウィリアムさん型の子ども向けリュック」を贈ってくれたのでした。その愛嬌に、家族一同一目惚れ。で、できあがったのが、上の写真のような藤吉版カバのウィリアムさん。

藤吉憲典の手から生まれたカバは、これまでに8頭か9頭。それぞれ、コレクターさんのもとで愛されています(^^)

https://fujiyoshikensuke.com/artwork/work/hippo-pot-gazing/

 

フレディは伊万里の蒐集家だった!

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

フレディは伊万里の蒐集家だった!

今朝は風が涼しくて気持ちがよく、FMラジオを聴きながら仕事をしていると、なんと今日(9月5日)はフレディ・マーキュリーの誕生日だというではありませんか。気がつけばフレディが亡くなった年齢を、自分はいつのまにか越えてしまいました。

さらに、聴いてびっくり。フレディは伊万里の蒐集をしていたというのです。1600年代中期以降1700年代、中国の景徳鎮窯に代わって日本の有田焼が東インド会社からヨーロッパにたくさん輸出されました。また江戸末期から明治期にかけてもたくさんのやきものが輸出されています。骨董の世界では、前者は「古」をつけて古伊万里、後者は単に伊万里と呼び分けることがあるようです。フレディは主にどちらが好きだったのでしょうね。金襴手の華やかな明治伊万里かな。

写真は後者、江戸末から明治期にかけての有田焼の輸出ブランドのひとつ「蔵春亭」の輸出伊万里を藤吉憲典が復刻したもの。金襴手角瓶。

ここ数年ロンドンにいくたび、その時代の「日本的なやきもの」へのあこがれが、今もなおヨーロッパに根強く残っていることを感じていましたが、それにしてもフレディが好きだったとは!ファンの間では有名だったそうなのですが、全く知りませんでした。この仕事に関わるものとして、朝からなんともハッピーな気分です。

11月に公開される映画「ボヘミアン・ラプソディ」が楽しみな今日この頃です。

 

 

プレゼンテーションセミナーに行ってみた。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

プレゼンテーションセミナーに行ってみた。

FMVことフクオカベンチャーマーケット、支援機関である福岡県ベンチャービジネス支援協議会ベンチャーサポートセンターが主催するプレゼンテーションセミナーに行ってきました。名称が長くてややこしいですね(笑)

福岡県の出先機関であるベンチャーサポートセンターは、わたしがよくお世話になっている福岡アジアビジネスセンターさんとフロアが一緒の福岡商工会議所ビルにあります。お友だちの経営者の方のなかには、フクオカベンチャーマーケットでのプレゼンテーションをスタートにどんどん事業を伸ばしていった方も。

昨今はプレゼンテーションというと、TED的なイメージが強いですね。その手の「プレゼンテーション」にさほど興味の無かったわたしでも、スティーブ・ジョブスや孫正義さんのプレゼンテーションはYouTubeでいくつも見たことがありますし、TED-xに登壇された植松努さんなど、ぱっと思い浮かぶプレゼンテーションがいくつかあります。

が、大勢の聴衆を想定しなくても、プレゼンテーションの場はあちらこちらにあるわけで。わたしがセミナーを受けてみようと考えたのも、普段の仕事の場や社交の場でしばしば現れる自己紹介的なシーンを無駄にしないために、役に立つことがあるのではないかという気持ちもあり。

結果、セミナーの内容は、バリバリにTED的なプレゼンテーションのための、テクニックが中心でした。ただ、参加したことで、とても重大な発見がありました。それは、「プレゼンテーション=資金調達のため」というわたしの思い込みが非常に偏ったものであったということ。プレゼンテーションによって生み出されるものは、本人の意思次第で限りなく広範囲であるということ。

なにをいまさらと言われそうですが(笑)、この発見は大きいです。

当日の講師、ナレッジネットワーク株式会社森戸裕一さんに感謝です。ありがとうございました!

 

読書『遠い山なみの光』(早川書房)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『遠い山なみの光』(早川書房)

カズオ・イシグロさんの長編デビュー作。

写真は、一般社団法人長崎県観光連盟長崎県文化観光国際部観光振興課の公式サイト「ながさき旅ネット」https://www.nagasaki-tabinet.com より、長崎市にある平和公園の平和記念像。

ノーベル賞受賞で、図書館にあるカズオ・イシグロの本はすべて貸し出し中。という状況が少しは落ち着いてきたようで、手に取った一冊。かくいうわたしも、これまでカズオ・イシグロさんの著書を読んだことがありませんでしたので、自分の行動を省みても、ノーベル賞受賞というのはやはり大きな影響力がありますね。

物語のなかで大きな事件が起こるわけではありませんが、幾つものわだかまりがあちらこちらに点在し、そのいずれもから目を離せないような感じがして、一気に読みました。かといって強い緊張感があるわけではなく、全編が淡々とつづられていたように思いました。

わたしが手に取ったのは早川書房の文庫でした。本編を読み、続けて訳者・小野寺健さんの訳者あとがきを読み、作家・池澤夏樹さんの解説を読んで、なるほど腑に落ちるものがありました。この物語が日本人であるわたしに響くのは、物語そのものに加えて、訳の秀逸な日本語遣いにあったのですね。原文のまま読んだらどのように感じるか、いずれは挑戦したい作品です。

カズオ・イシグロ作品、続けていろいろ読んでみます。