こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
Talking about Art 4回目。
英語で対話型美術鑑賞のオンラインセッション第4回目。『英語でアート』の宮本由紀先生による「Talking about Art in English」。第1回目、第2回目、第3回目に続く今回も、発見がたくさんのエキサイティングな時間でした。一方で、個人的には反省点満載の1時間。
由紀先生が用意してくださった今回のテーマは、Still Life × Narrative Art。Still Lifeは静物画、Narrative ArtはStory Artとも言うようですが、物語画とでも訳したらよいでしょうか。
開催中のロンドン・ナショナル・ギャラリー展にちなんで、展示作品のひとつディエゴ・ベラスケスの「マルタとマリアの家のキリスト」をメインに。美術ファンにとっては、いわば「旬」の題材で、由紀先生の心遣いを感じます。
いつもの通り「Describe」すなわち「なにが見える?」からスタートです。思惟を交えずに、なにが見えるかを淡々と並べていきます。ある程度出揃ったら、次は「Analyze」=「どう見える?(どう描かれている?)」。何があって、どのように描かれているかを自分の目でしっかり確認することができれば、あとの「Interpret(なぜだと思う?)」、「Evaluate(どう思う?)」にスムーズにつながります。
今回わたしの大きな反省点は、なんといっても「準備不足」でした。日常会話でさえ語彙力が不足しているのに、アートの描写、それにまつわる自分の考えを伝えるとなればなおのことです。Talking about Artへの参加も4回目とあり、雰囲気にも慣れてきて、怠慢が出てしまったと反省しました。
まず最初のDescribeで、自分に見えたものと、他の方に見えたものの違いの大きさに気づいた途端、頭が真っ白になりました(笑)。「見る人によって、見えるものが違う」のは美術鑑賞の大前提であり、だからこそ対話型鑑賞は面白い!のですから、ほんとうは慌てる必要など無いのです。
これはエデュケーターの立場でも、参加者の立場でも、一番大切にすべき大原則であり、猛省しました。「自分にだけ違って見えている」というのはこれまでにもあったことで、それを楽しんでもいたのですが、今回は特に思い込みが強く働いていたのかもしれません。軽いパニック状態です(笑)
焦りに加えて、語彙が足りず、さらに焦る悪循環。そんな状態でも「何を言おうとしているのか」を受け取ろうと、先生だけでなく、一緒に参加していた受講者の方々もあたたかく見てくださっているのがわかり、とても助けられました。オンラインでも「受容する場の空気感」がひしひしと伝わりました。
さて自分の言葉は足りないのに、対話型鑑賞自体は楽しいものですから、意見交換では伝えたいことがどんどん出てきます。これはやっかいです(笑)。伝えたいのならば、ちゃんと準備をしなければ!を痛感。
ともあれ、皆さんのフォローに助けていただき、無事(!?)1時間が終了しました。参加者が、ほかの方々との「見えているもの」「捉え方」の違いに焦ってしまうこともあるのだと、身をもって実感しました。「受容的な場」あってこその対話型鑑賞ですね。
また今回は、題材の「マルタとマリアの家のキリスト」をもとに、西洋画における宗教的要素とシンボルについても言及され、知識という意味でも視野の広がったTalking about Artでした。