「創造力なき日本」村上隆

村上隆著『創造力なき日本』。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

久しぶりに、村上隆さんの本。
『創造力なき日本-アートの現場でよみがえる「覚悟」と「継続」』(角川書店)

2012年10月が初版ですので4年以上前の本になりますが、巻頭の「はじめに」に書かれている著者の「憂う」状況は、いまだ日本を覆っているように思いますし、そうそう簡単に変化するものでもなさそうです。

読みながら、とても真っ当なことをおっしゃっていると思いました。「自分は嫌われている」ということを本のなかでもたびたび書いておられますが、ほんとうのことを言ってしまうから、嫌がられてしまうのですね。

目次からいくつか抜粋すると(順不同です)

  • 「仕事」と「夢」を混同するな!
  • 芸術家における「成功」とは何か?
  • 「続けていくこと」と「戦略」の重要性
  • 形なくして心は伝わらない
  • 受け手に対するサービスの精神
  • 教えられることと、教えられないこと
  • 「何を残すか」ということ

などなどなど…

ともあれ、モノづくりをなさっている方で「結局、趣味の域を抜け出せずにその創作活動を終える」ことになりたくない!と思っている方には、ご一読をお勧めします。ここに書かれていることが全てだとは思いませんが、知っておいたほうがいい考え方だと思います。

 

 

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。