花祭窯 ノコンギク

花祭窯の縁側-ノコンギク。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

花祭窯の縁側-ノコンギク。

庭を整えてもらうときに、庭師さんが意識してくださったのが「野にあるように」ということでした。「野にあるように」というのは、茶花においてよく言われることですが、それを庭にも置き換えてみる。そのようにしてくださった結果、「花祭の里山で見ていたような景色」をコンパクトに取り込むことができたように思います。

小さな菊も、そのひとつ。野菊は季節になるとたくさん花開き、活けても長持ちするので、花祭に居た頃もよく挿していました。菊の種類はたくさんあるようですが、里山で見かける小さめの菊はすべて「野菊」に集約しまっていたわたし。ノコンギクという名前であるのは、今回教えていただいて初めて知りました。

やきものの世界でも、菊はたくさん文様として描かれています。中国では重陽の節句の貴い花として描かれる菊。日本での人気の秘密は、皇室の紋章に代表される貴いイメージだけでなく、身近で親しみのある花であるからこそ、のような気がします。

染付熨斗菊文蕎麦猪口 藤吉憲典

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。