こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
南方流の初釜茶会では、色紙をいただいてまいりました。今年の色紙に書いてあったのが、これです。
丹心萬古を照らす
「たんしんばんこをてらす」。解説には「真心から出た行いは、何時の世でも尊いことで、その行いは明らかである」とあります。
少し調べてみたところ、国立国会図書館のリファレンス協同データベースに大阪府立中央図書館から提供されている資料を見つけました。明代末の官僚、楊継盛(楊椒山)の最期の詩のなかの一節だそうで、「丹心照萬古」の言葉は全部で四種類の詩で見られるということです。そうのうちのひとつが『中国詩選 鹽谷温/著弘道館1948』にあるということで、以下引用しています。
「浩氣還太虚 丹心照千古 平生未報恩 留作忠魂補」
通釈に「我身に宿る浩然の気は、今われ刑に就いて身首處を異にせば、たちどころにこの身を去って太虚空漠の世界に還り、たとへ肉体は滅びても、赤誠は長く千載の後を照らし得るのである。されば余は死後忠魂となってこの世にとどまり、平素未だ無くゆるを得なかった国恩を補ひ報じようと思ふ」
不条理な死を遂げた楊継盛がもっとも言いたかったこと。
「真心から出た行いは、何時の世でも尊いことで、その行いは明らかである」
新年にいただいた言葉です。