こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
久しぶりに、バス。
ふだんの移動手段は、徒歩、自転車、車。少し遠くへ行くとなると、電車、バス。ですが、バスに乗ったのは久しぶりでした。写真は、花祭窯前の路地から海岸方面を望んだところ。この海岸線の景色を、時々バスが横切ります。
自分で車を運転して通るのに慣れた道も、バスに乗ると景色が変わるのが面白いですね。まず席の位置が高くなるので、目の位置もあがります。そして、車を運転していると正面から広がる景色が、バスの車窓からだと横向き、片側のみになります。自然と片側の景色に集中することになり、何度も通ったことのある道なのに「ここに、そんなものがあったのね!」という発見が少なからず。
速度も関係します。自分で運転しているとスーッと通り過ぎる道も、バス停の度に減速と停車が繰り返されるため、視界に留まる時間が長くなります。その結果、やはりこれまで見過ごしていたものが目に留まります。
こういう時間を味わうたびに、「見る」「見た」の認識のあいまいさを思います。アートエデュケーターとして美術鑑賞の場に立つたびに、「どこの目で、何を見ているのか?」の言葉を心のなかで繰り返すのですが、この問いは、日々の生活のなかでも有効だなぁ、とつくづく思うのです。
約20分間のバス移動。その間に「見えたもの」をなぞり返しつつ、「見る」の面白さを思う午後です。