山際 千津枝さんの講演を聞いてきました。

こんにちは!ふじゆりです。

先日、機会があって山際 千津枝(やまぎわ ちづえ)さんの講演を聞いてきました。
山際さんは九州、特に福岡で大人気の料理研究家。
料理研究家としての活動歴は40年を超えるベテランです。

うちは「やきものや」という仕事柄、「料理研究家」を名乗る方との仕事のお話が来ることがたびたび。
これまでの経験で「料理研究家」に対してあまり良い印象を持っていない、というのが正直なところでした。

さて、山際さんについては、ラジオや新聞でのお話しぶりから
その気風の良い語り口とユーモアのセンスになんとなく好感をもっていましたが
今回初めて生の声を聞いて、好感度さらにアップ。

なんせ講演開始の第一声が

「こんにちは。インチキ料理研究家の山際千津枝です。」

会場大爆笑。

このひとことで、現在巷にあふれている「料理研究家」に対して
彼女がどのような思いを抱いているかをうかがい知ることが出来ました。

「陶芸家」や「アーティスト」と同様、「料理研究家」もまた、「名乗ったその日から」の肩書きです。
そのなかでぶれずに仕事を続けている人のしなやかな強さを感じました。
肩肘張るわけでなく、自然体で飄々と。
講演主催者への配慮と、観衆への愛情をにじませつつ
ときおり毒も吐きつつ軽妙な語り口で、あっという間に時間が過ぎました。

お話のなかで特に興味深かったのが「食にまつわる迷信を疑う」ということ。
玄米菜食主義・卵とコレステロール・ローフード・牛乳悪者説・・・などなどなど。
現代社会にあらわれる、食にまつわるさまざまな迷信(あるいは理論)についてのお話を聞いて、
理論に振り回されることなく、体に聞き、自身で考えることの大切さをあらためて感じました。

ともあれわたしにとって一番の収穫は、
「料理研究家」という肩書きでひとくくりにしてはいけない、という自分への戒めと反省。

山際千津枝さんの講演、おもしろかったです(^^)

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。