津屋崎陶片ミュージアム~金襴手の華~H260629001

こんにちは、ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム。
今回のご紹介は、赤絵。それも、金彩を用いた金襴手(きんらんで)!
古伊万里様式の金襴手。
1690年~1730年ごろでしょうか。

古伊万里様式の金襴手赤絵

古伊万里様式の金襴手赤絵

古伊万里様式の金襴手赤絵

古伊万里様式の金襴手赤絵

古伊万里様式の金襴手赤絵

この赤絵も、良くぞこの状態で残ってくれてくれました!
と思わず叫びたくなるカケラのひとつです。

赤絵は上絵(うわえ)とも呼ぶとおり
釉薬をかけた本窯焼成の上に、絵の具を載せて焼いているため
釉薬による保護が無く、外的要因によって色が剥げ落ちます。

そのため、海で洗われていた漂着カケラには
赤絵が残っていないことが多いのです。

周辺部、白抜きになっている部分に
金彩が施されていたのではなかろうか、と想像できるのです。
この白抜き部分を良く見ると
植物や山などの文様が描かれた線描きのあとが見えます。

そして見込は染付。
ということは、染錦の金襴手です。
裏にもしっかり染付の文様が描かれています。
蔓と葉の組み合わせ。
高台にも染付の線が入っています。

皿のカケラです。
高台の大きさから考えて、7寸~8寸くらいでしょうか。
結構大きいですね。
つくりも薄く、丁寧です。

つくりの丁寧さ、絵付の豪華さ、丁寧さ。
上ものの器です。

こういう丁寧な仕事が肥前陶磁の誇りです。
眺めていて思わずニヤニヤしてしまう、嬉しいカケラです。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。