読書『ギュスターヴくん』(白泉社)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『ギュスターヴくん』(白泉社)

この夏、宮崎の「みやざきアートセンター」にて開催されていたMOE展で出会った、ヒグチユウコさんの絵本『ギュスターヴくん』。

あらためて、ちゃんと読んでみました。

独特の世界観は絵だけではなく、ストーリーにも。というか、そもそもストーリーがシュールで、それを現した絵、ということになるのか。なんとも一筋縄ではいかない絵本です。

絵も、絵であったり、ぬいぐるみとの組み合わせであったり。著者の肩書は「画家」ということで、まずはやはりビジュアルイメージありきなのかもしれません。実際のところはご本人に聞いてみないとわかりませんが。

とにかく、読み終わって「面白い」とか「かわいい」とはすんなりいかない引っ掛かりがあって、その引っ掛かりこそが、ギュスターヴくんをブランドたらしめているのだろうな、という気がしました。

ヒグチユウコさんの絵本を読んだのは、これが1冊目。MOE展の展示もとても素晴らしいものでしたが、独特の世界観を味わうには、絵本のように1対1で向き合えるものか、あるいは個展のような機会に伺うのが良いかもしれません。

 

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々)担当として作家活動をサポートし、現在に至ります。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)として、「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、フリーでの活動をスタートしました。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。