こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
読書『新・怖い絵』(KADOKAWA)
つい先日、中野京子さんの本をやっと手にしたという話を書いたばかりでしたが‥。
面白いと、連続的に手に取ってしまう性質でして、『怖い絵』シリーズの最新ものを発見。中野京子さんの解説には知的な毒がちりばめられていて、それが麻薬的な面白さになっているように感じます。「名画」の解説として普通は「ちょっと書きにくい」ことを、ウィットに富んだ言い回しで、わたしたちにずばり届けてくださる。作品の背景にある歴史・西洋史の流れを熟知しておられるからこそ、ですね。
そんな『新・怖い絵』から、思わずうならされた文章5つ。
- 結局、イデオロギーがあろうとなかろうと、いいものは残る。
- 「時間」は過去から現在を通って未来へ一方通行に流れているとは限らない。
- 現実が芸術に影響を及ぼすように、芸術もまた時に現実に影響を及ぼす。
- 論理より美意識のほうがはるかに陶酔を誘う。陶酔は愚かさに似ているが、美意識に殉じる道はやはり煌めいている。
- 仮装や仮面は何のためか。自己を開放するためのものだ。価値を転換するためのものだ。社会の序列も礼儀作法も性も個も捨てて、変容するためのものだ。
『新・怖い絵』(KADOKAWA)中野京子(著)より
この勢いで、『怖い絵』シリーズにさかのぼって読んでいくことになりそうです。