こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。
連続講座第5回「美術館de音楽療法」
「博物館マネジメント人材育成事業」の一環である連続講座「2025年問題に向けた高齢者の健康と博物館の役割」。第1回目「コラージュ」、第2回目「園芸療法」、第4回目「回想法」に続いて、第5回目「音楽療法」に参加してまいりました。
写真は、今回の会場となった福岡県立美術館。開催中の「バレルコレクション」、足を運びたいなと思いつつ、当日はガッツリ音楽療法を学びました。これまで3回受講した連続講座のなかでも、最も実験的な試みの講座でした。
指導してくださったのは、福岡女子短期大学音楽科の井上幸一先生。ほとんどの参加者が日頃は音楽は聴くだけの素人状態から、「即興的アンサンブル」を完成させるところまでしっかりと導いてくださいました。
以下、備忘。
- 社会的・文化的関わりから音楽療法を捉える「コミュニティ・ミュージックセラピー」の考え方
- (単にリラックスする、というようなレベルではなく)意図的、計画的に音楽を使用する
- 音楽は時間芸術である
- 音楽による非言語的コミュニケーション
- ソーシャルアートとしての音楽
- 触媒としての音楽
- 音楽の構造のなかで「リズム」は本能的・情動的レベルで、人間が最初に取得し最後まで残るもの。
- 理論的背景にあるのは「医学モデル」「精神分析モデル」「行動療法モデル」「人間主義的心理学」「同質の原理」
- 精神分析モデル→音楽は無意識のレベルに働きかける
- 同質の原理→浄化作用(カタルシス)をもつ
(「美術館 de 音楽療法」福岡女子短期大学音楽科 井上幸一先生 より)
座学ののち実験的に挑んだのは「絵画のイメージを音(即興的アンサンブル)で表現する」という、冷静に思い返せばかなり「無茶ぶり」な内容でした(笑)
この活動を通して最も大きく感じたのは「ふだん自分が何かを表現し伝えようとするときに、いかに『言語』という手段に頼っているか」ということ。そして、言語という手段に安易に頼るがゆえに、「きちんと伝える」ためにすべきことがないがしろになっていたかもしれないという反省。
広義での「鑑賞=見ること」について、あらためて考える機会となりました。