磁器作家藤吉憲典の英語版サイトリニューアル。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ) ふじゆりです。

↓ダンナ/磁器作家・藤吉憲典の英語版サイトをリニューアルしました↓

CERAMIC ARTIST KENSUKE FUJIYOSHI

ロンドンのギャラリーSLADMORE CONTEMPORARYとお付き合いがはじまってもうすぐ丸2年。
この間、2015年のSAATCH GALLERY(ロンドン)での国際アートフェアCOLLECT2015への参加、
2016年SLADMORE CONTEMPORARYでのエキシビション ”FIVE CERAMICISTS” への参加と、
立て続けにありがたい機会をいただきました。

おかげさまで、海外のコレクターの方の目に触れる機会も少しづつ増え、
こちらからつくり手の情報をどれほど提供できているかを考えたときに、
わたしの手作り英語版サイトではあまりにも物足りないことが気になりはじめ・・・。

今回、多分野の「プロフェッショナル」の力をお借りして、
英語版サイトをリニューアルすることができました。

SPECIAL THANKS to (五十音順)

ハラプロ 原田大輔さん
・・ウェブデザイン・制作を全面的にお任せいたしました。
伝えたい価値観や意図を、驚くほどしっかり汲み取ってくださいました。
構成もデザインもこんなに楽に決まるなんて!スムーズな制作進行にまたまたびっくり。
なんと偶然ご近所さんでさらにびっくり。

日浦哲志さん(写真家 3DCG 映像クリエイター)
・・藤吉憲典の仕事を紹介する動画をつくっていただきました。
妥協のない目線で、美しく、つくり手の仕事を撮ってくださっています。
こちらは現在進行形でロングバージョン制作中(2016年末までに完成予定)。
そしてこれまた驚きの、超ご近所さん(笑)

フォトオフィス abc 赤司憲壕さん
・・ことあるタイミングで、作品写真の撮影をお願いしています。
今回の新サイトでも、これまでに赤司さんに撮っていただいたものをたくさん使っています。
力のある「完成した写真」を撮ってくださる方で、任せて安心です。
福岡と東京を拠点に活躍なさっています。

ブループラネット Travis Mactierさん
・・サイト内の英文テキストを制作するにあたり、ご指導いただきました。
日頃からTravisさんに英会話を習っているため、うちの仕事への理解も深く、
基本的な英文法チェックから微妙な表現の違い、より良い言い回しの工夫など、
単なる翻訳以上のご指導をいただきました。

この場を借りて、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました<(_ _)>

来年2017年は、SLADMORE CONTEMPORARYで、
いよいよPERSONAL EXHIBITION=個展の機会をいただいています。

皆さまのご厚意に応えるべく、全力で臨みます。

 

お酒を飲みながら建築のお勉強。その4

こんにちは。花祭窯 内儀(おかみ)ふじゆりです。

お酒を飲みながら建築のお勉強

その第4回目が先日ありました。
今回も隣町・宗像にお住まいの建築家、株式会社藤井設計室の藤井さんご夫妻のご好意で。
https://www.facebook.com/Fujii.Design.Office

阿蘇ファームランド、ハウステンボス、ひらかたパーク、南紀白浜とれとれヴィレッジ・・など
おもしろい空間をたくさん手がけておられるスゴイ建築家さん。

毎回、様々な建築様式が登場しますが、その時代背景・文化の流れとともに教えていただけるので、
建築素人のわたしたちにもわかりやすく、お腹も心もいっぱいに満たされる勉強会です。

第4回目のテーマはビザンチン建築

個人的に特に面白かったのは、教会の内側と外側の変化。
いえ、政治的なことではなく、あくまでも建築デザインのことなのですが。

建築物の目的、なんのために(誰のために)建てられた建物なのかが、
如実にデザインや装飾に表れる面白さ、さらにその変遷の面白さを今回は特に感じました。

「ラヴェーナ(ラヴェンナ)に行きたい!」と夢が広がりました。
今回学んだ初期キリスト教の建築物群が残っているのが、
イタリアの小都市ラヴェンナなんですね。

モザイク芸術の宝庫。
実物を近くで見てみたいと、大いに盛り上がりました。

今ではその建築物群が世界遺産に登録されて、一躍有名に。
・・というようなこともぜんぶ、この勉強会で初めて知ったのですが(^^;)

建築の歴史と文化のお勉強を通して、
行きたい場所、見たいものがどんどん増えていきます。

禅と食と掃除について考える本。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

このところ「本」をもとにしたブログが続きましたが、本日も。

昨今の整理収納ブームというか断捨離ブーム、
かくいうわたしも自他ともに認める「片付け下手」なのでありますが、
その手の本を読んだことはありませんでした。

そんなわたしのもとに届いたのが

整理収納アドバイザー・小川奈々さんの「禅に学ぶ 台所しごと」

タイトル通り、禅寺の教えを普段の生活に生かす視点で
台所しごとのこと、食のこと、掃除のことを綴ってある一冊です。

全ページカラーで見やすく、簡潔に生活の知恵がまとめられていました。
また最終章にある「心が整う禅の言葉」の解説は、
禅の教えをとても身近なものにしてくれます。

わたしが習っているお茶は禅寺で継承されているので、
「禅茶一味(ぜんちゃいちみ)」・・禅の道も茶の道もその心は同じこと
として修業しているところですが、なかなか普段の生活に落とし込むことができていません。
あらためて反省する良い機会となりました。

実は著者の小川奈々さん、ご夫妻で藤吉の器を長年使ってくださっています。
個展の機会にお会いしたり、ご夫婦で遊びに来てくださったり。
そんなご縁があって、この本のなかにも「お気に入り」として登場。
奈々さん、ありがとうございました(^^)

美術の使い方。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

先日「学芸員研修に行ってきました」をアップしたばかりですが、
その続きです。

宮城県立美術館の教育担当学芸員・齋正弘先生の著書

『大きな羊のみつけ方- 「使える」美術の話』

が、手元に届きました。

本の帯にある

「美術を使おう。美術館を使おう。」

これこそが、わたしが学芸員研修に参加した、いちばん大きな理由でした。

美術はもっと普通に、いろんな人に開かれているはずのもの。
美術館も博物館も敷居の高いものではなく、
もっと当たり前にみんなの生活のなかに登場してしかるべき、という気持ち。

そして、そのきっかけにもなる美術館や博物館で行われる「ワークショップ」と呼ばれる参加型の催し。
この大半が「トーク」か「なにかを作ってみる作業」であることにずっと疑問がありました。

その根っこにあったのは、
まずは『見る=鑑賞する』ことが先なのでは?」という思い。
「じゃあ、鑑賞ってどういうこと?」への自分自身の理解の曖昧さ。
「使える」美術の話は、その思いに答えてくれるものでした。

いわく

  • 「描く、分かる、知る」だけが美術じゃない。
  • 自己表現としての「鑑賞」。
  • 美術は、すべての人間が、全部一人一人違うということを基盤に、
    人間全体の世界観を拡大してゆくということが存在の意義(=仕事)。

などなどなど。

美術館での長年の美術教育の実践に裏付けられた齋先生の言葉は、
たいへん説得力に満ちていて、しかも哲学的で面白い!
読めば読むほど理解が深まり、ただいま3周目を読んでいます(笑)

美術教育を考える小学校や中学校の先生方にも、
ぜひ読んでほしい本です。

 

 

 

村上隆スーパーフラットコレクション展の図録

こんにちは。花祭窯 内儀(おかみ)ふじゆりです。

思いがけず刺激的な贈りもの。

村上隆さんのSUPER FLAT COLLECTION展の図録が届きました。

その数日前にカイカイキキさんから電話がありました。
今年2016年1月~4月に横浜美術館で開催した村上隆のコレクション展
藤吉憲典の作品も展示され、図録で紹介してくださったとのこと。

もうずいぶん前に、長年お世話になっている西麻布の桃居さんから
村上隆さんが藤吉の器もお買い上げくださっているという話は伺っていたので
そのこと自体はまったく驚かなかったのですが、

まあ、なんとも分厚く立派な展覧会図録が届きました。

開いてびっくり。
コレクターとしても一流というお話を聞いたことがありましたが
「あ、これどこかで見たぞ」がいくつも(笑)
すごいコレクションです。質・量ともに。

そういえばたしかにカイカイキキの方も
「とても膨大な量の展示で、作家さんも175名いらっしゃるため
図録での紹介文掲載自体は小さなものになりますが・・」
とおっしゃっていたのでした。

その紹介文、簡潔ながらわかりやすく的確で「さすがだなぁ」と嬉しくなるものでした。
さらにその紹介文を見ながら気づいたのが
「SUPER FLATって、こういうことか!」ということ。

いえ、正確にはわたしが勝手にそう解釈しただけのことなのですが、
つまり、その作家紹介のあり方というのが
古今東西老若男女、いかにもスーパー・フラットな紹介の仕方だったわけです。

「すべて、村上隆がいいと思って手に入れたもの」という意味で、
国宝級であろうと物故者であろうと若手であろうと無名であろうと…
気持ち良いほどにフラット=平等に扱われている感じがしました。

展示内容の写真だけでなく、読み応えのある文章の数々。
桃居オーナー広瀬さんとの対談、熊倉功先生の千利休についての話などなど
この図録はしばらくわたしの教科書のひとつになりそうです。

素敵な贈りもの、ありがとうございました(^^)

 

学芸員研修に行ってきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ) ふじゆりです。

10月3日、熊本県立美術館で行われた学芸員の専門研修に参加してまいりました。

熊本駅から熊本城周遊バス「しろめぐりん」で美術館へ。
「しろめぐり」の愛称通り、熊本城の周りをぐるりと回るバスで
地震後の城内の様子を目と心に刻みながらの美術館入りでした。

研修テーマは「アート教育」。

宮城県立美術館の教育担当学芸員・齋正弘先生による講義と演習でした。

 

九州はもとより、全国の公私の美術館で学芸員として活躍なさっている方々に向けた研修。
普段は観る側として訪問している美術館。
そこで活躍している学芸員さんに、何人もお会いすることができました。
わたしは珍しい立ち位置での参加でしたが、たいへん貴重な経験となりました。

あまりにも内容が濃かったので、わかりやすくまとめるのは至難の業なのですが・・
いくつかピックアップしてみると

  • ミュージアムは誰のもの!?

    本来ミュージアムはもっと開かれたもの。
    本来ミュージアムは皆が使うためのもの。

  • 「すごい」の意味は!?

    自分の立ち位置(歴史的なもの、バックボーン、リソースetc)を確認すると、
    鑑賞対象に対して感じる「すごい」の意味がもっと「自分のこと」として迫ってくる。

  • 鑑賞(アートワーク)とは!?

    「それを見たときに、どこまでイメージを広げることができるか」がアートワーク。
    学芸員は鑑賞者のイメージを広げるお手伝いをいかにできるか、が腕の見せ所。

  • MUSE(ミュゼ)の役割とは!?

    「わたしがここに居る」(繋がり)をバックアップしてくれるもの。
    ※かなり説明が必要ですね。またあらためてブログに書きます(^^)

  • 美術館・博物館での学びとは!?

    皆が同じになるために学ぶ(現在の学校教育)のではなく、
    個人が個人として存在するための思考を促すための学び。

などなどなど

「美術」や「鑑賞」について、日ごろからモヤモヤしていたものを
すっきりと言葉として明らかにすることができた研修となりました。

数年前に受けた学芸員資格課程の実習のなかで学んだことをあらためて思い返す研修にもなり、
自分自身のこれからにとって、たいへん貴重な一日でした。
花祭窯は美術館ではありませんが、ギャラリーとしての機能を持っているので
今回の学びはすぐに現場で生かすことができそうです(^^)

素晴らしい機会とご縁に恵まれた学芸員研修。
取り計らってくださった皆さまに、心より感謝申し上げます<(_ _)>