○○初心者。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

○○初心者。

という、さりげない言いまわしに感心した出来事がありました。ご近所友だちが「わたし津屋崎初心者なので教えてください」とおっしゃったときのこと。

その方は代々この地・津屋崎に住んでおられる家系の若旦那。対するわたしたちは、ここに移住してきて9年目。この歴史的年数だけ見れば、どちらが津屋崎初心者かといえば、圧倒的に私たちなのですが。

この会話が交わされたのは、彼がお子さんの手を引いて「海岸のどのあたりに行けば、子ども連れで潮干狩りが楽しめるか」を思案していた時のことでした。たしかに「小さい子どもがいる状態での津屋崎」については、彼は初心者であり、わたしたちは経験者。さらに津屋崎浜を毎日朝な夕な散歩している我がダンナは、その道のベテランと言えるかもしれません(笑)。

ということで、ダンナが紙にささっと地図を描き「このあたりがいいよ」と、潮干狩りポイントをレクチャー。後日伺ったところによると、無事、家族で潮干狩りが楽しめたようです。

何気ないおしゃべりのなかで「津屋崎初心者」という言葉が無意識に出て来たのだろうと思います。その響きには自然な謙虚さがあって好ましく、そういう言い方があったかと感心したのでした。自らを振り返っても、子育ては分からないことだらけで、まさに「初心者」場面の連続であったことを思い出しました。

自然体で好ましい言葉遣いができる人に、とても憧れます。「言葉を選ぶ」という言い方がありますが、そういう人はおそらく意識的には選んでもいないような気がします。気持ちがそのままきれいな言葉に載るのですね。そんな言葉づかいができるようになりたいです。