昨日は冬至だったので。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

昨日は冬至だったので。

二十四節気のひとつ、冬至。晩御飯にはかぼちゃ(南京/なんきん)を添え、お風呂には柚子を投入しました。前日に友人が柚子を届けてくれたので、明日はもう冬至だ!と気づいたのでした。冬至と言えば、子どものころから「昼が一番短い」とか「柚子湯」とか「かぼちゃを食べる」とかのイメージです。かぼちゃについては、名前の前後に「ん」のつくものをいただくと良いのだということですね。友人のおかげで、冬至らしい晩を過ごすことができました。

最近は、冬至と言えば「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉を聞くようになりました。これは中国の『易経』に載っている言葉だということですね。中国では冬至を暦のはじまりと位置づけ、「冬至節」を祭る儀式は重視されていたということです。秋分以降、次第に短くなってきた昼の時間が、この日を境に反転して伸びていくので、「太陽の復活の日」と位置付けられていると。

こんなふうに、暦にまつわる行事があるとき、いつもわたしが引っ張り出すのが、『和のしきたり 日本の暦と年中行事』(日本文芸社)です。国立歴史民俗博物館教授(当時)新谷尚紀先生の監修です。事典的な使い方ですが、開くたびに新しい発見があります。

そして巻頭の「はじめに」に書いてある一文が、いつも心に刺さります。曰く


各世代が捨ててしまわなかった「しきたり」や「習わし」には、世代を超えた生活の知恵や技の結晶が詰まっています。(『和のしきたり 日本の暦と年中行事』日本文芸社より)


時を経ていつ捨てられてもおかしくなかったものが、受け継がれてきているということの妙に、思いを馳せる冬至でした。