ダンナの仕事場が、ときどき動物園のようになります。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ダンナの仕事場が、ときどき動物園のようになります。

ロンドンにある藤吉憲典の契約ギャラリーSladmore ContemporarySladmore Galleryは、半世紀以上続く老舗のギャラリー。「Animal sculpture」分野のプロフェッショナルとして、近代から現代にかけての彫刻家の作品を扱い、その審美眼を信頼するクライアントが世界各地にいらっしゃいます。

昨年来、作家にオファーが届いた展覧会タイトルは、「Dogs, Cats and Other Best Friends」、「Sporting animals」、「Endangered animals A-Z」と動物をテーマにしたもの。これまではほとんどが「ソロ(個展)」でしたので、テーマも作品も作り手が自由に決めていましたが、ギャラリー主催のグループ展に参加するようになると、「あるテーマのなかでの自由な表現」へのチャレンジ機会が生まれてきます。

そんなわけで、磁器彫刻家・藤吉憲典の制作工房には、動物たちの姿があります。カバ、サイ、野鳥などの定番に加え、テーマをいただいたことで新たに生まれるキャラクターもあり、賑やかになってきました。最近の新顔は、猟犬、ハヤブサ、ペンギンなど。

藤吉憲典 箱シリーズ 犬
藤吉憲典 陶箱シリーズ
藤吉憲典 陶箱シリーズ

ここでご紹介した写真は、いずれも「素焼き」の窯から上がった状態のもの。ここまでの工程で、まず形が決まります。そしてここからは、色がついて行きます。染付の下絵から本窯焼成、赤絵(上絵)付をして赤絵窯へと、「絵付け→窯焚き」を複数回繰り返して、完成品となります。それまでは、仕事場に動物の姿がごちゃごちゃといる状態。

それぞれの作品がどのように出来上がるのか、最終形のイメージは作り手の頭のなかだけにあります。窯から出てきて「これで完成!」を目にするのが、とても楽しみです。