本と映像で時間と空間をバーチャル移動。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

本と映像で時間と空間をバーチャル移動。

このお盆は、2020年のお正月以来顔を出せていなかった実家詣でを計画していましたが、折からの「まん延防止等重点措置」「福岡コロナ特別警報」を受けて、延期。ほぼ外出無しの夏休みとなりそうです。

家(=兼仕事場)に居るとついつい仕事をしてしまうので、強制的に物理的に離れた場所に移動することは、わたしにとってはメリハリをつけるのに大切です。が、それがしにくいこの夏休みは、時間と空間をバーチャル移動することに。「バーチャル」なんて言葉を使うと、最新IT技術をイメージする方もあるかもしれませんが、単に仮想とか疑似という意味です。本と想像力さえあればOK!今回はさらにDVDもあるのでばっちりです。

この機会に、長すぎて観るのを躊躇していた「エリザベス1世」を一気に見ることに。前編109分、後編112分。長いなぁ、と思っていましたがさもありなん、映画ではなくイギリスで放映されたテレビドラマでした。ほぼ王宮内で完結するストーリーで、歴史ものというよりは愛憎もの?でも王宮内の人間関係や駆け引きがそのまま政治に反映され、国際的な立場にも影響すること考えると、やはり歴史もの。それを「独身を貫いたエリザベス1世」の人間的側面からクローズアップした物語でした。

エリザベス1世といえば、ミュージカル「レディ・ベス」を博多座で観たのは、ちょうど七年前のこの季節でした。「レディ・ベス」は、エリザベスが少女から女王になるまでの物語。今回見た「エリザベス1世」は、「女王になったあと(けっこう時間が経ってから)亡くなるまで」の物語でしたので、レディ・ベスのエピソードは、「その前」を知る補足となりました。

それでも前提となる知識が足りませんので、前半と後半の間に、中野京子さんの『名画で読み解く イギリス王家12の物語』(光文社新書)をパラパラと開き、該当する時代の絵画と解説と家系図を眺め、付焼刃的にイメージを補足。エリザベス1世は、ロンドン塔の「反逆者の門」をくぐりながらも、そこから出てきて、しかも治政者として長年貢献するというレアな偉業を成し遂げた人物であること、自らもその政敵をロンドン塔に放り込んでいたことを、絵画的にインプット。

トータル約4時間のバーチャル移動、十分に楽しみました。せっかくなので、次はケイト・ブランシェットの映画版によるエリザベス1世『エリザベス ザ・ゴールデンエイジ』も観たいな、と思います。