読書『名画で読み解く イギリス王家12の物語』(光文社新書)中野京子

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『名画で読み解く イギリス王家12の物語』(光文社新書)中野京子

「怖い絵」シリーズで有名な中野京子さんによる、「ヨーロッパの歴史を名画とともに紐解いていく」シリーズです。ちょうどひと月ほど前に本屋さんをぶらぶらしていて発見したのでした。『プロイセン王家12の物語』『ブルボン王朝 12の物語』『イギリス王家12の物語』『ハプスブルク家12の物語』『ロマノフ家 12の物語』を合わせた「この5冊を読めばわかる!」という魅力的なシリーズ。

本屋さんで発見したときは、衝動的に全巻手に取りそうになるところをぐっと抑えたのでしたが、まずは図書館に新刊で入っていたものを読んでみて、やっぱり「わたしに必要なシリーズ本」認定です。まだ2冊読み終わったばかりですが、少しづつ点がつながっていくのを感じています。

中野京子さんが「片方から見ていた風景が、逆の側からはどんな風に見えるかを知ることで、歴史の複雑でダイナミックな動きを感じていただけるのではないか」と『ブルボン王朝12の物語』の「あとがき」で書いておられるのですが、まずは見えていたものが少しづつつながっていく感じ。5冊全部読み終わったころには、それがダイナミックな動きとして感じられるようになっていることを期待しつつの読書です。

さて 『名画で読み解く イギリス王家12の物語』 。先日DVDで「エリザベス1世」を見るにあたり、手元に用意してパラパラと開き、該当する時代の絵画と解説と家系図を眺め、付焼刃的にではありますが、イメージを補足することができました。

おかげさまで、少しは流れがつかめたような気がしています。中野京子さんの解説が、学術的というよりは会話っぽくて、読んでいて親しみやすく、わかりやすいです。絵がすべてカラーで載っているのも嬉しく贅沢です。新書サイズですので、手軽に持ち運べるのもいいですね。しばらくお出かけのお伴になりそうです。

本書に登場する絵画は、見たことのあるものもあれば、初見のものも多数。見たことがあったかもしれなくても、覚えていないものも多々。ロンドンに行ったときは、いつもナショナルギャラリーには足を運ぶのですが、お隣にあるポートレートギャラリーに入る前にお腹いっぱいになったり、閉館時間になってしまうことが続いていました。それだけナショナルギャラリーの見ごたえがあるということなのですが、次回はまずポートレートギャラリーに足を運びたいと思います。