読書『陸王』(集英社)池井戸潤 著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『陸王』(集英社)池井戸潤 著

いつものカメリアステージ図書館、毎度お世話になっている「新刊棚」に続いて、最近よく使うのが、貸出カウンター前の特集コーナー。図書館スタッフの方々が、いろいろとテーマを考えておられるのが伝わってくる棚です。今月の特集は、ドラマ化・映画化された原作本の特集でした。

特集コーナーから借りてきた一冊。役所広司さん主演のドラマが放映されたのは、何年前のことだったでしょう。とても評判が良かったのを覚えていますが、実は、観ていません。池井戸潤さんの企業小説といえば、半沢直樹に下町ロケットに空飛ぶタイヤに…と、すぐに主演者のイメージとセットで思い浮かびます。そういえば、そのいずれも、観てもいなければ読書したこともありませんでした。あ、半沢直樹は数話だけ見ました。わたしにとっては、『陸王』が池井戸ワールド最初の一冊ということで、めちゃめちゃ期待して読書スタート。

最初、本の分厚さにおののきましたが、まったくの杞憂でした。ぐいぐい引き込まれて読み進み、またその反面、切りよく本を閉じることも出来たので、隙間時間に好い感じに読めました。著者の章立てのうまさとでもいうのでしょうか、読みながら「よし、ここまで」と区切りをつけやすい物語の運び方で、そんなところにも感心しました。

わたしは友人に中小企業の経営者をしている人が少なくないので、企業小説さながらの話をリアルで聞くことが少なからず、いろいろな人の顔が重なりながらの読書となりました。金融機関との関係、お取引業者さんとの関係、事業を継続させるための「新規事業」への取り組み。規模は違えど、そうそう!と思う場面多々でした。

それにしても、シューズの開発競争のすさまじさ。以前に読んだ、ナイキ創業者フィル・ナイトの『SHOE DOG』を思い出しました。そうそう、近いうちに、現在上映中の映画『Air』も観に行かねばなりません。こちらは同じナイキでも、バスケットボールの神様のシューズ「エア・ジョーダン」の成功秘話です。『SHOE DOG』にもそのエピソードが含まれていました。

上の写真は、中学生の頃、陸上部で長距離を走っていた我が息子の試合を応援に行った時のもの。

『陸王』面白かったです。読了後に、役所広司以外のドラマの配役をチェック。なるほど、あの役はこの人だったのね、と。自分が読んでいた時にイメージした人物像と合っている人、合っていない人いろいろですが、そんな擦り合わせも楽しいですね。次は下町ロケットかな。

『陸王』(集英社)池井戸潤 著